アズラエル「"要求は不当なものであり、従うことは出来ない。オーブ連合首長国は、今後も中立を貫く意志に変わりはない"」
「ハッ、いやぁ流石、アスハ前代表。期待を裏切らない人ですね。本当のところ、要求飲まれちゃったらどうしようかな?と思っていたんですよ」
「あれのテスト、是非とも最後まで頑張り通していただきたいものですがね」
概要
地球連合加盟国の大西洋連邦が地球連合軍を動員し、中立であるオーブ連合首長国に対する武力行使をした軍事作戦。
C.E.71年6月15日、ブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルの主導で地球連合軍(大西洋連邦所属)を率いてオーブに対し政権の解散および国軍の解体(実質的な無血開城)を要求。オーブがこれに反発したために「プラント支援国」と判断、自らの正義の名の下に「オーブをプラントの魔の手から解放する」と言う大義名分で武力行使を行った。"解放"と言う名の"侵略行為"である。
アズラエル「あぁ、君たち。マスドライバーとモルゲンレーテの工場は壊してはいけません。分かってるね?」
この解放作戦は、モルゲンレーテ社とマスドライバー施設「カグヤ」の接収を目的としたもの(前者は初期GAT-Xシリーズで目の当たりにした技術力の高さ、後者はパナマ基地にあったマスドライバーが破壊されたことによるマスドライバーの代替)であると共に、後期GAT-Xシリーズ(GAT-X131 カラミティ・GAT-X252 フォビドゥン・GAT-X370 レイダー)及びそれを扱う生体CPU達を、対ザフトで本格投入する前のデモンストレーション(正確に言えば"予行練習")も兼ねている。
そもそも「プラント支援国」と決めつけた理由が大西洋連邦からの協力要請を跳ね除けた事であり、その本質を見抜いていたウズミ・ナラ・アスハは激怒した。
ウズミ「どうあっても世界を二分したいか!大西洋連邦は!敵か味方かと!」
オーブはこれに徹底抗戦。地球連合軍からの脱走でオーブに亡命していたアークエンジェルも義勇軍としてオーブ国防軍に加勢する。後期GAT-Xシリーズは当代最強格のモビルスーツであるZGMF-X10A フリーダムや途中参戦したZGMF-X09A ジャスティスの尽力で抑え込まれ、地上のストライクダガーの大群も自軍のM1アストレイ隊に加えGAT-X105 ストライクとGAT-X103 バスターの助力もあって何とか抑え、地球連合軍を1度は撤退に追い込む。しかし、地球連合軍はアズラエルの指示に従い、翌日の再侵攻を決定、連合軍の物量に対し立て直しもままならないオーブにはこの再侵攻食い止める力は残されていなかった。
最終的にウズミの判断によりオーブはアークエンジェルと残存戦力を艦載したクサナギをマスドライバーで宇宙へ逃すと、オーブの五大氏族の当主全員が自決と共にアズラエルの目的であったマスドライバー施設およびモルゲンレーテ社の工場を爆破して降伏。以後、ユニウス条約締結の日まで大西洋連邦の管理下に置かれた。
この解放作戦の被害は甚大であり、五大氏族の当主が自決したために次代へ交代となり、臨時政府として大西洋連邦との交渉を担うことになる。しかし、管理者となった大西洋連邦はガス抜きとばかりに、現場の兵士の略奪や暴行行為を黙認、臨時政府はこれに対して抗議を行うも、聞き入れられることなくオーブの歴史において「屈辱の時代」と呼ばれるようになる。さらに、このような状態のためか臨時政府の氏族当主たちは"無能"の烙印を押されてしまう。
その裏では、オーブ在住のコーディネイターは大西洋連邦の手が伸びる前に亡命させており、希望者に応じてプラントやスカンジナビア王国へ送っている。その1人がプラントへ亡命したシン・アスカであり、彼はこの解放作戦が無ければ家族を失うことも無かったとして、ウズミとその遺児のカガリ・ユラ・アスハに対して敵意を向けることになる。
余談
- 作戦名は大西洋連邦の視点によるもので、侵略を受けたオーブにとっては「オーブ侵攻作戦」でしか無い。
- 劇中で描かれた解放作戦はオーブ連合首長国に対するものであったが、非加盟国との交渉が決裂した際に仕掛ける侵略戦争はほぼこの「解放作戦」とされる。
- 『DESTINY ASTRAY』における南アメリカ独立戦争も侵攻した大西洋連邦にとっては「南アメリカ解放作戦」ということになる。
- 解放作戦に発展しなかった例としては、『ECLIPSE』での赤道連合がある。大西洋連邦が非加盟国である赤道連合などの船舶に対して通行税と言う名の徴収を行っており、この徴収に反発して交渉しようものなら大西洋連邦は連合軍の戦力をチラつかせてくるため、赤道連合の政府は先のオーブ解放作戦と同じ轍を踏むわけにも行かず、泣き寝入りしている状態となっている。
関連タグ
地球連合 地球連合軍 大西洋連邦 ムルタ・アズラエル 後期GAT-Xシリーズ カラミティ フォビドゥン レイダー 悪の三兵器
オーブ連合首長国 オーブ国防軍 モルゲンレーテ社 ウズミ・ナラ・アスハ M1アストレイ隊