軍事組織として詳細は地球連合軍を参照。
概要
地球各国により構成された世界規模の集団安全保障機構。
英語表記は、O.M.N.I. (Oppose Militancy & Neutralize Invasion) 。
プラントのザフト建軍に伴い発足した、国際連合の発展的解消を経て国際組織として成立した経緯を持つ。
旧プラント理事国だった大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国に加えて、南アフリカ統一機構や南アメリカ合衆国と言った国家も連合に加盟している。世界の大国群が軒並み加盟する組織であるため、コズミック・イラの世界では文字通り規格外の規模と軍事力、経済力を有している。
反コーディネイターの世論やブルーコスモスの影響から、連合内はプラントに対して強硬な立場を執っている割合が多い。
しかし水面下では加盟国が互いに仮想敵国として認識し合い、組織としては決して一枚岩ではない。
その為、悪く言えば反コーディネイター問題のために結集した呉越同舟的な組織である。
劇中では専ら軍事組織の「地球連合軍」がメインに登場しているものの、「地球連合の市民=地球連合軍に協力的」とは限らない。連合非加盟国の中立国や親プラント国家も地球上には存在するため、地球を統一した組織という訳でもない。
組織成立からの動向
元々はプラントへ出資した理事国(大西洋連邦・ユーラシア連邦・東アジア共和国)とそれらが加盟していた国際連合が存在したが、「コペルニクスの悲劇」によるテロにより、国連首脳陣が壊滅してしまう。大西洋連邦は「アラスカ宣言」を行い、プラントに宣戦。そして、従来の国連を発展的に解消した新組織として地球連合が成立する。
設立と同時に「地球連合軍」も創設されるが、旧国連加盟国全てがそのまま地球連合に加わった訳ではなく、大洋州連合やアフリカ共同体といった親プラント国家やオーブ連合首長国やスカンジナビア王国等の中立の立場を取った国家も現れている。
C.E.70年に第一次連合・プラント大戦が始まるとザフト軍とは激しく交戦。しかし、ニュートロンジャマーとモビルスーツを投入したザフト軍に戦力差を覆されて劣勢かつ膠着状態に陥る。ただし、連合側の停戦を模索する動きもあり、地球連合事務総長オルバーニとプラント最高評議会議長シーゲル・クラインの極秘会談(10月会談)やオルバーニの譲歩案提出が行われている。しかし、一定のプラント自治を認めているが、同時に軍事力の放棄と理事国管理下に入る事を要求しているため、完全独立を求めるプラント政府の意に沿うものではなかったため、いずれも失敗している。
宇宙世紀等の他の地球連邦政府・新地球連邦とは違い、加盟国が独自の軍事力と指揮系統を保持した集団安全保障組織である為、一枚岩では無く国益の相違から戦時中でさえ互いに牽制し合うケースが多い。
当然の様に戦後も連合内で、お互いの国力を削り合う様な真似までしている。
C.E.71年に第一次大戦も末期に入るとブルーコスモス盟主のムルタ・アズラエルが軍の権限を掌握しつつあり、地球連合の政府機関側では軍の暴走をほぼ掣肘できない状況に陥り、ボアズ攻防戦や第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦等で再び攻撃が行われる原因となった。
停戦後に地球連合はプラント終戦協議に乗り出し、ユニウス条約締結に至る。これにより地球連合はプラントの独立と自治権を正式に承認する形となった。
C.E.73年にザフト脱走兵によるブレイク・ザ・ワールドが発生すると地球上では反コーディネイター感情が再発。大西洋連邦政府もプラント政府側の実行犯は全員死亡しているとした調査報告書の承認を撤回。地球連合は再び戦端を開く事となる。
地球国家に「世界安全保障条約機構」への加盟を求め、大洋州連合と崩壊状態であったアフリカ共同体の一部地域以外のほぼ地球全域が加盟する事になり、設立以降最大の版図に至る。
しかし、ブレイク・ザ・ワールドによる各地の被害は甚大で軍の大半は各地の復興に掛かりきりになるなど、大規模な軍事力は全く活かす事は出来ずに戦局は悪化。
ギルバード・デュランダルがロゴスの存在を誇張込みで暴露すると、地球連合は大混乱に陥り、一国の連合離脱や軍部隊の脱走、そしてロード・ジブリールが地球連合軍最高司令部ヘブンズベースや月面のアルザッヘル基地とダイダロス基地といった大規模月面戦力とレクイエムを私物化するなど、連合の政府機関では統制が全く取れない事態に陥る。
ヘブンズベースや月面アルザッヘル基地といった軍の重要拠点は陥落・壊滅し、デュランダルのデスティニープラン公表後に大西洋連邦大統領コープランドもアルザッヘル基地で死亡すると、一部の地球連合宇宙軍の残存勢力は歌姫の騎士団に合流。デスティニープランを頓挫させる勢力の一翼を担ったが、この動きに地球連合の公的機関の意志があったのかは不明。
C.E.75年では地球連合主要国のユーラシア連邦からの独立問題や軍を脱走したブルーコスモス勢力のテロ行為に悩まされている。
しかし、ロゴス壊滅後は組織内のブルーコスモスは排除されており、反コーディネイター感情は沈静化。連合軍の宇宙戦力再建等も行われており、組織は一定の正常化が図られている。この点は反ナチュラル過激派のザラ派が政府・軍に入り込んでいるプラント政府とはやや対照的な事態となっている。
余談
意外な事に軍を除いた地球連合政府機関や加盟国の政府関係者には直接ブルーコスモスに属している人物はほとんどいない。ロゴスが関わっているために逆らえないだけで、連合の政府機関には過激な反コーディネイター思想はあまり定着していない様であり、軍部とは対照的な状況となっている。
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