「だが動いているのです。それもかなりの速度で。最も危険な軌道を…」
概要
C.E.73年10月3日、現在の穏健派によるプラント最高評議会を不服としナチュラルとの戦争継続を訴えるザラ派のザフト脱走兵サトーとその一味が、地球に住むナチュラルの絶滅を図るために血のバレンタインで破壊されて以降100年単位で安定軌道にあると言われていたユニウスセブンの軌道をフレアモーターを使ってずらし、地球に向けて落下させようとした事件。
宇宙世紀やアフターウォーで言うところのコロニー落としであり、「ユニウスセブン落下テロ事件」とも呼ばれる。
亡きパトリック・ザラがヤキン・ドゥーエでやろうとしていた事を考えれば、歌姫の騎士団にすんでのところで破壊されたジェネシスの延長線とも取れる。
これに気が付いたプラントは地球各国に対して警告を発し、ユニウスセブンを破砕するため、ザフトのジュール隊とミネルバをユニウスセブンに派遣。
最終的にジュール隊・ミネルバ隊双方の尽力もあり、途中でファントムペインの乱入といったアクシデントもあったもののサトー一味の全滅に成功する。
しかし本来の目的であるユニウスセブン破砕はサトー一味らの妨害も在り全ての破片を大気圏突入で燃え尽きるサイズにまで細かく砕く事が出来なかった。ミネルバは大気圏に突入しつつもタンホイザーで破片の爆破を試みたものの大量の破片が地球に落下。地球各所に甚大な被害を与えた。
引き起こされた被害
地球、特に赤道付近は落下した破片によって多大な被害を被りローマ、パルテノン、上海、北京、ゴビ砂漠、ケベック、フィラデルフィア、大西洋北部地域には大量の破片が落下。都市部では大規模な水害が発生し、北京に至っては地図から消滅してしまった。
他にも大西洋連邦のサウスカロライナからメイン州一帯が水没、スリランカやフォルタレザが大津波に襲われる、サルドバル市全域が水没等その被害損失は天文学的なものとなった。
国際緊急事態管理機構は地球全体に非常事態を宣言し、同時に地球連合軍及び各国の全軍に、災害出動命令を発令した。
影響
後日、大西洋連邦によってユニウスセブンでの戦闘とサトー一味が乗るザフト製モビルスーツによる破砕作業妨害映像が流れ、プラント側もこれを事実と認めたことで地球では再び反コーディネイター感情が高まることとなった。
さらにフォルタレザ、キルギス、オーストラリア南部等でもコーディネイターによる無差別テロが多発し、後に起こる戦争の火種となった。秘密結社ロゴスの一員でありブルーコスモスの現盟主ロード・ジブリールは一連の事件を「好機」と歓迎し傍観していた。これによりジブリールは地球世論をプラント攻撃へ盛り上げることに一時的に成功する。ただし、プラントのギルバート・デュランダル議長は迅速的な対応を取り、ザフト軍による大規模な復興支援を地球連合国家に行っている。
またテロリストがザフト製モビルスーツを使っていたことからプラント内部に内通者がいたのではないかという疑惑も高まることとなった。
フォックストロット・ノベンバー
C.E.73年11月、地球連合側は、「ユニウスセブン落下テロ事件に関与したテロリストは全員死亡した」としたプラント側の報告を一度は受け入れたがそれを事実上撤回し、プラントが「戦闘中に死亡した」と説明したテロリストの引渡し、武装解除、賠償金の支払い、プラント最高評議会への監査員の派遣の容認という事実上の自治権剥奪をプラント側に要求する不平等条約を発表したが、プラントは拒否。
更に、同事件以降の地球の反プラント世論と、コーディネイターによる無差別テロの多発、ブルーコスモスなどの各勢力の地下工作活動により地球連合はプラントに宣戦布告し、同時にプラント制圧作戦を発動した。
そんな中、月面のアルザッヘル基地からの部隊を主力とした地球連合艦隊とそれを迎え撃つ宇宙空母「ゴンドワナ」を旗艦とするザフト主力艦隊がプラントのあるL5宙域で激突。戦局はほぼ一進一退の五分であったが、地球連合艦隊は主力部隊を囮としてザフト主力部隊を拘束、極軌道上の暗礁宙域にネタニヤフを旗艦とした奇襲攻撃艦隊「クルセイダーズ」を秘匿し、同艦隊が多数保有するMk5核弾頭ミサイルによりプラント群を攻撃し、プラントを一気に殲滅せんとしていた。
作戦はほぼ地球連合艦隊の思惑通り進行しクルセイダーズはウィンダムに搭載した核ミサイルで再びプラントを攻撃しようとするも、ザフトの新兵器「ニュートロンスタンピーダー」で自滅に追いやられ、核攻撃に失敗するという事件「フォックストロット・ノベンバー」も発生している。
これらをきっかけとし、ナチュラル・コーディネイター間では再び戦端が開かれることとなった。
余談
スパロボシリーズへの影響
「DESTINY」が本流シリーズ初参戦となった『スーパーロボット大戦Z』においては、「世界の破壊」という壮大な名称が放っておかれるはずもなく、『超時空世紀オーガス』における時空振動弾の使用と同時にこの事件が発生したことによる各並行世界の融合と、それに伴う多元世界の誕生という事態を招いている。
コズミック・イラで日付設定された最後の出来事
SEED時代はあらゆる出来事に日付が小まめに振られていたが、この「ブレイク・ザ・ワールド(C.E.73年10月3日)」を最後に詳細な日付は一切振られなくなっている。そして「フォックストロット・ノベンバー」では11月の出来事だけと漠然にしか表記されなくなった。
そのため、SEEDの最終決戦ヤキン・ドゥーエ攻防戦の終結がC.E.71年9月27日と明らかになっているのに対し、DESTINYの最終決戦メサイア攻防戦の明確な終戦日は一切不明である。
関連項目
機動戦士ガンダムSEEDDESTINY 機動戦士ガンダムSEEDC.E.73STARGAZER
星の屑作戦：元ネタと思われる
9.11：裏モチーフと思われる
