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概要編集

コズミック・イラ(『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ)に於けるスペースコロニー群及び国家の名称。

正式名称は「Productive Location Ally on Nexus Technology」 その頭文字を取って『P.L.A.N.T.』となる。


TVシリーズ本編前編集

成り立ち編集

元々はジョージ・グレンが羽根クジラ(エヴィデンス01)を持ち帰った際に建造した研究コロニー「Zodiac」だったのだが、これが拡大に伴う費用捻出から大西洋連邦ユーラシア連邦東アジア共和国の三国(プラント理事国・地球連合)に出資を依頼し拡大した事で大規模コロニーとしてのプラントの歴史が始まる。この際にジョージは地球上の国家へのエネルギーおよび、工業製品の供給を目的とした大規模生産基地としての役割をバーターした。

あくまで「地球のための工場」と言う位置づけであり、この時点でのプラントは国家でもなんでもなかった。地球連合の飛び地みたいな扱いと言える。

プラントはジョージが設計した関係か、建設に携わったのはコーディネイターが多かった模様である。


この当時、地球上では、コーディネイターが優れた業績を上げる事が多く、更には第二世代コーディネイターへの能力継承が確認された影響もあり、ナチュラル間で反コーディネイター感情が非常に強くなっていた。

特にブルーコスモス等によるコーディネイターへのテロ活動も散発するようになった。そのため、地球上のコーディネイターがプラントへ移住するケースが増えていく。しかし、そのコーディネイターの多く住まうプラント内にもテロ行為が行われてしまい、C.E.63年にはエネルギー生産部門を破壊されてしまう。理事国はテロが起きたにもかかわらずプラントを「非武装のコロニー」として自治権を認めず、挙げ句の果てにはエネルギー輸出停止も認めないなど要求がエスカレートしていた。この対応によってテロへの対抗手段のない状態でエネルギー輸出を義務付けられたプラントは理事国に対する不満を募らせる。

また、プラントは食料生産を厳重に禁じられており、その輸入を100%地球側の輸入品に頼っていた(食を始めとした一次生産品は生活に不可欠であるものの、工業生産品を始めとした第二次産業はその限りではないため、前者を掌握する事で理事国は支配権を得ていた。これはプラントの地球からの独立を抑止する役目もあった。古典的なプランテーション政策の一つ)。こうした事に対する不満も非常に強くなっていった。


そこで、プラントのコーディネイターの有志(パトリック・ザラシーゲル・クラインなど)は、政治結社「黄道同盟」を設立。食料生産制限撤廃と自衛権獲得を求める活動を開始した。


深まる対立編集

C.E.53年、地球でジョージ・グレンが暗殺される。実行犯の少年は宇宙飛行士を夢見たが、コーディネイターの存在によりその希望を絶たれた人物であり、心神耗弱を理由に無罪とされた。プラント側は犯人の引き渡しを要求したが、地球側はこれを退けている。

この暗殺にはブルーコスモスが関わっていたとも言われるが真相は不明。とはいえ、コーディネイターにとっては地球への反感を持つに十分な事件であった。


その翌年、C.E.54年に「S2型インフルエンザ」と呼ばれる従来のS型インフルエンザが突然変異を引き起こした上で、地球上で流行。

このインフルエンザは従来型のワクチンが効かず、多くの死者を出したのだが、コーディネイターには罹患しなかったことからS2型インフルエンザウイルスの蔓延は、コーディネイターがジョージ・グレン暗殺の報復及びナチュラル殲滅のためにおこなった作戦であるという陰謀論が爆発的に広まる。

これにより、ナチュラルの反コーディネイター感情は頂点に到達。在地球コーディネイターのプラント移住が本格化する。

なお、翌年にプラントはS2型インフルエンザのワクチン開発に成功し、地球に供給を開始。しかし、コーディネイターは病気の罹患が少ない特性もあり薬学に関する知識や技術はナチュラル側と比較して大きく劣っている状態だった。にも拘わらずコーディネイターがあっさりとワクチン開発に成功した事実は多くのナチュラル達の疑念を煽り、ナチュラルの対コーディネイター感情は悪化し、一方プラントにはナチュラルに対して独立志向の強いコーディネイターが集まっていった。


プラント独立、そして開戦へ編集

そんな折、プラント内でブルーコスモスによるテロが発生し、エネルギー生産部門が破壊された事で、プラントのエネルギー供給量は大幅に低下。にもかかわらず、理事国側はエネルギー輸出停止を認めず、現行のノルマの達成を要求してきた。これはプラント市民の生活を窮乏させるものであったため、プラントの技術者は一斉サボタージュを行うが、地球側はモビルアーマーによる威嚇を敢行。これによってプラントの独立機運は一気に高まる。


特に先述した黄道同盟は、地球圏からの独立自治のため軍事用MSを開発。「ZAFT」と名前を改め、プラント最高評議会の多数派を占める事に成功する。

自治獲得・貿易自主権獲得を掲げ、南アメリカ合衆国・大洋州連合(つまり、プラント理事国以外の国家)と、独自の貿易を開始する。大洋州連合のように、プラント利権の恩恵を受けられなった地球国家は理事国との対立を深めていたため、以後、二次大戦期に至るまでプラントと歩調を揃えていく事となる。


理事国側は、プラントに対し、シーゲル・クライン議長の解任と議会の解体、並びに自治権の完全放棄を要求。これを拒否したプラントに対し、「南アメリカ合衆国からの食糧輸送船を撃沈」と言う報復措置に出る(マンデンブロー事件)。


これが決定的となり、プラントはついに禁じられていた食料の自給生産を開始。これを止めるため再度の軍事的威嚇行動を行った理事国に対し、ザフトが軍事攻撃を行い、勝利を収める(L5宙域事変)。


勝利を収めたプラントは、地球側に完全な自治権と対等貿易を要求。しかし、この交渉にあたったプラント評議会議員が暗殺される。ブルーコスモスから犯行声明が出されるが、背後に理事国の関与が判明した事からプラントは地球に対する輸出を停止。プラントの生産力に頼っていた理事国側は困窮し、緊張感が最高潮に達する。


国連事務総長がプラント、理事国双方に呼びかけ、交渉の場が設けられる(月面会議)も、爆弾テロにより会議参加予定の地球側理事国の代表者と、国際連合事務総長を含む国際連合首脳陣が死亡してしまう(コペルニクスの悲劇)。


犯人は不明だが、会議に参加する予定だったシーゲルがシャトルの故障により到着が遅れて難を逃れたことから、大西洋連邦は「アラスカ宣言」を発令。この事件をプラント側のテロと断定し、地球各国及びナチュラル全体への宣戦布告と見なすと発表。

そして、C.E.70年2月11日。瓦解した国連に代わって旧理事国が設立した地球連合が設立。当時に人類初の全地球規模の常設軍となる地球連合軍が誕生し、プラントに宣戦布告。ついに人類初のナチュラルとコーディネイターの世界大戦が開始された。そしてその3日後、決定的な衝突を招く事件が発生する事となる。


開戦後、SEED本編に至るまで編集

2月14日、「血のバレンタイン事件」が発生。地球連合軍が農業用コロニー「ユニウスセブン」へ核攻撃を実行し、コロニーは完全崩壊。24万3721名が犠牲となる。


この事件を受けてシーゲル議長は、「プラントは我等コーディネイターの国である」と宣言、徹底抗戦を表明(黒衣(喪服)の独立宣言)。戦争が本格化する。


まず、地球連合がプラントの友好国であった南アメリカに侵攻、これを制圧。

次いで、ザフトは南アフリカ統一機構領のビクトリア宇宙港への地上降下作戦を行うが、地上戦力の支援が無かったためにこれは敗北に終わる(第一次ビクトリア攻防戦)。


この失敗を踏まえたザフト側は、ニュートロンジャマーの地球全域に対する無差別投下を決定。4月1日、実行される。これによって全地球上で核分裂装置の使用が不可能となり、核分裂炉の原子力発電をエネルギー供給の主としていた地球上の各国家がエネルギー面において窮乏し、10億の死者を発生させる(エイプリル・フール・クライシス)。プラントからのエネルギー輸出を受けた親プラント国とは対照的に一連の流れで連合加盟国はエネルギー危機で窮乏していく形となったが、これには連合軍部が原子力発電の代替となる太陽光発電技術を軍事利用に優先させた事で民間の被害の拡大に繋がっている。


この状況は太陽光発電でエネルギー自給が可能なプラントにとって外交カードとなったため、友好姿勢を持つ地球国家に対してエネルギーの輸出を表明。元々プラント利権に与れず反地球連合(プラント理事国)寄りだったオセアニアの「大洋州連合」、北アフリカの「アフリカ共同体」イスラム諸国の「汎ムスリム会議」を親プラント国家として味方に引き入れ、地球連合(理事国)VSプラント+地球の友好国家という図式を形成する事に成功した。


このニュートロンジャマーの効果と、ザフト製MSの性能により、ザフトはこの後戦争を有利に進めていく。戦局を打破するため、大西洋連邦は極秘裏に中立国・オーブ連合首長国の国営企業モルゲンレーテ社と手を組んで高性能MS群(→初期GAT-Xシリーズ)の開発を行う事になる。


そして、そのMSを奪取すべく、ザフトはコロニー「ヘリオポリス」を襲撃する。ガンダムSEED本編の開始である。


終戦編集

この後の戦争の顛末については、ここに書き連ねるよりもSEED本編を見て頂いた方が早い。


シーゲル・クラインの失脚とパトリック・ザラの台頭、ムルタ・アズラエルの影響力拡大、さらにニュートロンジャマーキャンセラーの開発により、互いの殲滅戦にまで発展した戦争は、パトリックとアズラエルの死亡によって沈静化。

アイリーン・カナーバら旧クライン派議員から地球連合への停戦が申し入れられることで、一応の終結となった。


ユニウスセブン跡にて、地球連合とプラント臨時評議会間終戦条約である「ユニウス条約」が締結される。

『MS等兵器へのニュートロンジャマーキャンセラー搭載禁止』『ミラージュコロイド技術の軍事利用の禁止』『MS保有数の制限』『国境は戦前に戻すこと』などが盛り込まれ、今後の相互理解努力と平和とを誓う事となった。この時にプラントは独立も認められ、正式な主権国家となった。


コーディネイターの分布編集

コーディネイターの総人口は地球・宇宙圏を含めて5億人・うちプラント在住者は6000万人……とする資料も有る(『機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド』。ただ、同資料には『多くのコーディネイターは宇宙とプラントに生活の場を移している』という記述もある。実はSEEDシリーズのノベライズ版ではプラント以外にも多くの中立コロニー(主にL4地帯。ヘリオポリスのように、プラント・コロニーの他にも多くのオニール型コロニーが存在する)が存在しており、宇宙開発においてコーディネイターは各所で活躍しているのだという。また、迫害の理由から少数ではあるものの地球圏にコーディネイターが存在し、民間軍事企業や中立国に根を下ろしている。


また、火星圏にもコーディネイターが住んでいた(というか、火星圏に適応するために遺伝子操作して作られたコーディネイターがいた)。火星圏やD.S.S.Dといった宇宙開発の拡大にはプラントからの出資もあり、前者には遺伝子プールの提供もしていたという。


地球各勢力との繋がり編集

上述のように大洋州連合、アフリカ共同体や汎ムスリム会議とは友好関係にあり、特に大洋州連合は技術競争で大西洋連邦と対立していた事からプラントとの繋がりが根深かった。また、オーブ連合首長国とは第一次大戦期に「表向き関係は持っていない」ながらも同国に在籍するコーディネイター技術者との繋がり等で水面下の関係を持っていた(一次大戦終結から二次大戦勃発までは表立った外交関係にあった)。一次大戦期における有力な友好国は何れも反理事国色の高い地球国家であったが、C.E.73年からの大戦期(二次大戦期)になると、ブレイク・ザ・ワールド事件への救援や、開戦後に地球連合で起こった内輪揉め(徴兵や大西洋による周辺地域への搾取、構成国の派閥争い等)に乗じた「救援要請地域へのザフト派遣」を行い、連合への独立機運の高い地域へ積極的な助力を行った。時の議長であったギルバート・デュランダルの采配によって元プラント理事国・連合加盟国からもプラント寄りの勢力が生れていき、反ロゴス声明の際には地球連合軍の一部を友軍として味方につけることに成功した。


また、スカンジナビア王国はプラント初代議長であるシーゲル・クラインの母国であったため、同国が地球連合加盟国であったころから水面下の協力関係にあり、地上用MSのテスト等も行われていた。また、シーゲルは宇宙開発に熱心だった男であったため、彼の在任時はD.S.S.Dや火星オーストレールコロニーへの投資も行われていた(この関係はデュランダル議長の時代にも継続されており、プラントは連合とともにオブザーバー権を有していた)。


また、上述のように地球圏の理事国によって出資されたコロニーであるため、プラントはその金融資本を牛耳るロゴスによって設立された側面もある(メディアワークスから刊行されたデータコレクションにおいては、ロゴスはプラントと連合が開戦に至るまでの事件やテロを工作していたという。)。そもそもザフト初期は地球圏(ユーラシア方面)の軍需企業であるアクタイオン・インダストリー社から戦車等兵器の輸入を行っており、量子通信技術やビームシールド等も同社と提携開発するなど後々の時代において関係は継続している。尚、アクタイオン社の主要株主もまたロゴスである。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY編集

新たに巻き起こる戦火編集

ユニウス条約により、世界は再び安定を取り戻そうとしていた。

しかし、ユニウスセブンで大切な者達を亡くした遺族の中には、ナチュラルへの憎悪を忘れられず、「前議長パトリック・ザラの採った道(ナチュラル殲滅)こそ正しい道だ」と主張し続ける者達も存在し、その主張の元、サトー達はユニウスセブンの軌道を変え、地球に落下させようと行動を開始。ミネルバ隊ジュール隊による破砕作業でユニウスセブンは砕かれたが、その破片は地球に降り注ぎ、多くの犠牲が出てしまう。

この事件は「ブレイク・ザ・ワールド」と称されることになり、この未曾有の危機を起こしたのがコーディネイターであると地球側が知った事で、再び争いの種が蒔かれることとなってしまう。

地球側からは、『犯人の身柄引き渡し』『賠償金』『ザフトの武装解除』『デュランダル現政権の解体』『連合理事国の最高評議会監視員派遣』という要求が求められ、これが果たされない場合は、「プラントを地球人類に対する極めて悪質な敵性国家とし、此を武力を以て排除するも辞さない」と共同声明を発表。連合側の宣戦布告と開戦により、再び戦端が開かれてしまうのだった。連合側はロゴスやブルーコスモスの息がかかった核攻撃部隊「クルセイダーズ」によって早期終結を図るが、ザフトが核兵器対策に用意していたニュートロンスタンピーダーにより失敗。同時進行を予定していた地球圏でのザフト掃討も中止となり、各国の関係に不協和音が出始める。

また、戦争の停滞から、先の第一次大戦で疲弊した連合加盟国の市民間では徴兵の実施や生活の負担が発生し、とりわけユーラシア連邦では地球連合への不信感が増大していった。


地球各地域への進出編集

『自衛権』と言いながらも、ユーラシア西側の連合軍に支配、圧政を強いられている地域の開放(ガルナハン等)なども行っている。この頃より、デュランダル議長は連合からの離脱を望む地域や都市との会談や勢力圏組み込みに奔走しており、現地のナチュラル達から信頼を得た事が、後の反ロゴス同盟結成への布石となっていく。


ロゴスの告発から始まった新たな火種編集

ロゴスで軍権を担うロード・ジブリールは地球連合に迎合しない者達への見せしめのためのデストロイによるベルリンを始めとする三都市の壊滅を実行。市民に膨大な犠牲者を出してしまう。

これを好機としてデュランダル議長は地球各国で絶大な経済利権を有していた「ロゴス」を戦争を誘発する軍需産業連合体として、その存在を告発。ロゴス自体は経済利権団体でもあるため、単なる「死の商人」では留まらない組織であり、この告発は実際にはかなりプラント側に都合の良い誇張も含まれていたのだが、によりロゴスを危険な存在と見做した地球市民によるロゴス関係者への襲撃と私刑による暗殺が多発。連合は今次大戦の強引な開戦により元々まとまりを欠いていた事もあり、ロゴス暴露による混乱が加速。連合に加盟していた一国が離脱を宣言したり、ユーラシア西側地域のように親プラント地域の拡大。そしてロゴスを危険な存在とした多くの地球軍部隊がザフト軍に合流して「正統な地球連合軍」と主張して連合正規軍と対峙する事態も発生した。

ザフトと連合軍脱退組による「対ロゴス同盟軍」はロゴスメンバーを匿った地球連合軍最高司令部ヘブンズベースを攻撃して陥落させ、ジブリール以外のロゴスメンバーを逮捕することが出来たが、彼は他のメンバーを囮に、セイラン家を頼ってオーブへと逃げ延びる。

オーブにジブリールがいる事を知ったことでオーブと戦端を開いてしまうが、そこでもまた捕獲することならず、月面ダイダロス基地への逃亡を許してしまう。ジブリールはダイダロス基地に設営されていた軌道間全方位戦略砲「レクイエム」をプラントに使用し、コロニー6基を崩壊に追い込む。更に第二射を撃ち込むべく月面アルザッヘル基地の戦力も動員するが、ザフト軍と激しい戦闘の果てにダイダロス基地が陥落し、ジブリールは死亡。プラント政府はレクイエムを接収する。


DESTINY PLAN編集

現最高評議会議長ギルバート・デュランダルは戦争が無くならない理由を「何時になっても克服出来ない自分達の無知と欲望である」と主張し、人類存亡を賭けた最後の防衛策としてデスティニープランの導入実行を宣言した。

このプラン、議会にまず挙げて評議会の承認を得てプラントで施行するのであれば何の問題もないが、議会の承認を通さず議長の独断で実行された。一方で同時期の地球国家は連合・非連合問わずにデュランダルの「ロゴス倒せ」との扇動により政府関係者のリコールや暗殺が多発。安定した政権が存在せず、同プランに関して明確な判断が下せない状況に陥った。同プランに表立った反対を表明したのはオーブ連合首長国とスカンジナビア王国のみであった。しかし、この動きに地球連合軍の月面アルザッヘル基地に属する月艦隊が呼応。大西洋連邦政府が承認した軍事行動ではなかったが、デュランダルは改修したレクイエムを放ち月面の戦力は壊滅状態に追い込まれる事となる(小説版によるとデュランダルはアルザッヘル基地が反抗するつもりが無くともプラン阻止の有力勢力に成り得る月艦隊は消滅させるつもりだった模様)。

この一連の流れによりオーブが宇宙戦力によるレクイエム破壊作戦を実行。ザフト軍クライン派や地球連合軍残存勢力も合流して、本格的に反プラン勢力が結集する事態を招く。最終的にはレクイエムは破壊され、メサイア喪失により要塞内のプランに欠かせない遺伝子解析用の量子コンピュータ群も壊滅状態となったため、世界規模でのプラン実施は不可能となる。プラント側もデュランダル敗死により戦闘継続の意義を失い、停戦を迫られることとなった。


その名前編集

SEED時点でのコロニー群(自治権をもつ独立国家ではない)の正式名称は、「Productive Location Ally on Nexus Technology(テクノロジーによって結び付いた生産拠点)」で、頭文字で「PLANT」と読む。

DESTINY時点では自治権を獲得した独立国家になった為、正式名称を国家の名前として「Peoples Liberation Acting Nation of Technology(テクノロジーに立脚した民族解放国家)」と改名した(頭文字は「PLANT」には変わりない)。


エネルギー事情編集

宇宙世紀と同様、コロニー国家であるプラントのエネルギー源は太陽光発電である(過去には原子炉も用いていたが、上述の血のバレンタインの参事からプラント周囲にも抑止のNジャマーを置く必要が出たため、積極的に使われなくなった)。もっとも、その発電効率はなんと80%の高効率品(!)を使用しており、プラントは完全なエネルギー自給が可能なだけでなく地球国家に対して余剰エネルギーを輸出さえできた。どういうワケかこの太陽光発電技術は漏洩したようで、地球連合加盟国ではアークエンジェルのような宇宙戦艦に採用されるに至っている(これを民間に回せばNジャマー投下後でも地球のエネルギー危機はあっさり解決したのだが、連合軍部が軍事利用を優先したために多くの死者が出た。『ASTRAY』シリーズによれば、結局、民間へのスピンオフでこの問題が解決されたのはDESTINYの時代まで待ったという)。


生産事情編集

上述の通り食料生産は理事国に固く禁じられていたため、開戦までは輸入に頼る有様だった。自活の為ユニウス市の一部を改装し農業生産も画策していたが、これはよく知られる血のバレンタイン事件によって頓挫している。その後、食料に関しては親プラント国とエネルギー供給とのバーターで賄っていたが、ヤキン戦役終盤にはユニウス市の幾つかが改装され、再び自活路線に舵を取りつつある(裏設定においては本編後半でラクス・クラインアスラン・ザラが邂逅したコンサート跡も農地にするため取り壊されつつあったという)。


その反面、元々理事国に対する工業生産コロニーであったために工業技術と生産力は随一である。宇宙でしか生産できない材質も作れたために地球圏はプラントの発明した規格をベースとしており、これは理事国との戦争機運が高まった際にすぐさまMS用部品に転用可能なほどだった。また、宇宙に所在する都合上、宇宙用シャトルや船舶の製造も得意分野としており、これもまた戦時体制への突入とともに軍用艦や機動兵器のためのロケットエンジンに転用されていく事となる。


プラント(スペースコロニー)編集

アプリリウス市やユニウスセブン、アーモリーワンが該当する。

詳細はプラント(スペースコロニー)を参照。



政治編集

「government of the people, by the people, for the people (人民の、人民による、人民のための政治)」 - エイブラハム・リンカーン


プラントでは、一個人の能力の高さと発達した学習システムから、15歳で成人とみなされる。ナチュラルを拒絶するわけではないにしても、プラントの民=コーディネーターであることが大前提である。そんなプラントの人々は「プロの公僕」を嫌った。それが行政の硬直化腐敗堕落を招くと考えたからである。彼らは適材適所、徹底的な合理主義によってふさわしい人物を政治の場に送り込み、なおかつ特定の人物が長くその座につかないことを理想とした。

結果、公務員はあくまで本業とは別の副業とされ、しかも武官であるザフト隊員こそ志願制だが、文官については期間限定とはいえ事実上の強制である。市民、参政義務です。

なお政党についてはザフトによる一党制である。


編集

スペースコロニー=宇宙空間を隔てて孤立した居住区の集合体という特性上プラント一基=区ごとの自治権が強く、行政は各区単位で行われる。実務はプロの職員が不要となるよう行政実務支援用の人工知能の助けを借りて簡略化されており、最終的な意思決定を区長やそれを支える行政チームが行う仕組みとなっている。各区民は、いずれも任期3年の区長や行政チームの一員として生涯のうちに何度か奉職することを義務付けられている。


区長編集

各プラントの代表。互選制選挙によって選出される。すなわち被選挙権を持つのは現代日本とは違い、自薦による立候補者ではない。選挙の際は成人住民の学業、仕事のスキルや実績が解析され、首長としてふさわしい能力を持つものがリストアップされ、住民が票を投じる。選出された人物の意思は健康上、あるいは職業上兼務が難しい場合を除いて考慮されない。3年勤めれば任期切れとなり再選もない。ただし有事においてはこの限りではない。


行政チーム編集

区長を補佐して行政実務を行う。成人した区民すべてが持ち回りで参加を義務付けられる。区長同様任期は3年で、やはり原則拒否権無し。腐敗防止のため、毎年構成員の1/4は新人と交代するようになっている。


編集

各区の独立性が極めて高いため、市の役割は各学術・産業分野の分担や議会の選挙区、そして区の互助会であり、行政単位としての性格は薄く市長も市議会もおかれない。代わりに60人議会議員という形で市の代表を出す。


プラント全体編集

中央官庁編集

実態は行政支援AIの集合体のようなもの。

  • 国防総省

FREEDOMにて名前が登場。庁舎は中央シャフトの山肌にへばりつくように建つ金色の建物で、クーデター鎮圧時にバルトフェルドの部隊が制圧にあたった。


60人議会編集

各市の代表団で構成される議会で、プラント全体の意思をまとめる。いわばプラントの国会


  • 60人議会議員

各市ごとに5人づつ、数的には2区あたり1人選出される。この5人で市代表団を構成し、議会において他の市との意見調整を行う。5人なのは奇数にすることで多数決を成立させるため。区長同様、(本人の意思じゃなくて)データによって選出された候補に対して各市民が投票することで選ばれる。ただし議会の性格上、行政よりも外交官としての能力が重要視される。

5人のうち1人が主任議員として事実上の市の代表となり、最高評議会を構成する。また主任議員のうち1人が60人議会の議長に、もう1人が書記となる。2人は最高評議会においては立法委員を務める。

最高評議員に再任者がちらほらいるあたり、区行政官と違い再選禁止規定はないのだろう。

プラント最高評議会編集

プラントに於ける最高意思決定機関。首都(首基)であるアプリリウス市に政治拠点を持つ。

政治体制は事実上の共和制になっているが、プラント政府はザフト(自由条約黄道同盟)の一党独裁であるため、党内人事と評議員選出は実質同一である。

詳細はプラント最高評議会を参照。



軍事組織・主要戦力編集

プラント防衛を主とする志願制の義勇軍が存在する。本職と兼任する者も多い。最高司令官はプラント国防委員長が務める。

詳細はザフトを参照。


プラント市民編集


二次大戦後のプラント編集

デュランダルの政治的手腕によって地球連合の体制を大きく消耗させることに成功し、デスティニープランが実行されればゴーティネイターが有利な世界体制の構築も実現可能であったが、メサイア攻防戦にてメサイアが月面へ墜落。ラクスからの申し出にザフト軍の最高司令官は応じ、最終決戦後はオーブ連合首長国と終戦の為の協議に入った。

地球連合軍が大損害を受けていた事もあり、戦後はプラントが相応に有利な情勢かと思われたが、少なくともC.E.75年(『FREEDOM』)時点では連合とは停戦を継続しながらもお互いに牽制をしあっている様な状況の模様。また、世界平和監視機構コンパスの設立はメサイア攻防戦後の地球連合軍はボロボロ、ザフト軍はもう戦力がない状況で「両陣営とも戦う事が出来ない」ため、とされている。

第二次大戦ではブレイク・ザ・ワールドにより戦力の全力投入が出来ない地球連合軍に勝利している戦闘が多かったが、デストロイのユーラシア西部侵攻で駐屯軍がまるごと殲滅されたり、ヘブンズベース攻略戦では対空掃射砲ニーベルングで投入した降下部隊は完全消滅する、メサイア攻防戦ではネオ・ジェネシスで友軍艦隊が巻き込まれるなど戦略兵器で大被害を受けている場面は多い。これらにより地球軍に勝利しながらも物量・国力が劣るザフト軍の戦力基盤に無視できない負荷が掛かっていた模様であり、地球連合に対する一方的な軍事的アドバンテージは維持できなかった模様。

地球のアフリカ共和国等に経済特区を設立するなど、地球の友好国に進出を果たしているが、ブルーコスモスのテロ行為に悩まされている。厭戦気分によりワルター・ド・ラメントが議長に選ばれて穏健派が政権を担っており、ハリ・ジャガンナート国防委員長曰く世界の体制はナチュラル(地球連合)有利に回帰しつつあるらしく、現状を危惧したジャガンナート率いる過激派はファウンデーション王国アコード達と結託し、ナチュラル打倒とデスティニープラン導入によるコーディネイターの支配体制確立を目指してクーデターを行い、一時的にクーデター派によってプラント政府と最高評議会が制圧される事態に陥ってしまうが、最終的には鎮圧された。


オルフェ・ラム・タオの演説を笑顔で聞いているプラント市民たちもおり、小説版では下記のように記されている。以下一部抜粋。

おそらくコーディネイターたちの多くが、この言葉に心を動かされているだろう。

オルフェが語っているのは、過去に戦争をあおった指導者たちの焼き直しにすぎない。

だが、ここにラクス・クラインが加われば―――


いつも戦争の泥沼から皆を引き上げてくれたラクス・クライン。あれほど正しく思われたデュランダルにも、けっしてだまされずに正義の道を選んだラクス・クライン。

だからきっと、ラクス・クラインの支持する者は正しいはず。人々はそう見る。


アスランの言った通り「プラントを止めるには彼女の言葉がいる」状況であり、現にラクスが賛同していないと公言するやザフト戦艦の動きが鈍くなり、グルヴェイグの艦橋にいる者らにも動揺が走る。


また小説版ではその後の世界情勢も少し言及されている。ミケール大佐不在で影を潜めていたブルーコスモスはアコードの所業への反発から再び勢いを盛り返してる。首都に核を撃たれたユーラシアはさらに弱体化。プラントはクーデターに関与した者達への対処で揺れている。クーデター参加者たちに対して同情的な意見も多い。アコードのことも「ただの殺戮者」とする声もあれば「真の救済者であった」と惜しむ声もある。という、アコードの行為を肯定的に捉えている層が一定層いると思われ、新たな火種が着実に作られつつある事を示唆している。


関連タグ編集

機動戦士ガンダムSEED 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

コズミック・イラ

コーディネイター

プラント(スペースコロニー) ザフト

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