アイリーン・カナーバ
あいりーんかなーば
「現在プラントは地球軍、およびプラント理事国家との停戦協議に向け準備を始めています」
「それに伴い、プラント臨時最高評議会は現宙域に於ける全ての戦闘行為の停止を地球軍に申し入れます」
CV:進藤尚美(カガリ・ユラ・アスハと兼役)
プラント最高評議会議員。
クライン派に属する人物で、シーゲル・クラインの片腕的存在。プラント在住のコーディネイター(世代不明)。
シーゲルの娘であるラクス・クラインの手引きでZGMF-X10A フリーダムが強奪された際に、クライン父娘を反逆者と判断した最高評議会議長パトリック・ザラらザラ派によって拘束、投獄されてしまう。
しかし、C.E.71年9月26~27日にかけて行われた第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦に際して脱獄しており、両軍が死屍累々のタイミングで他のクライン派と共にクーデターを決行、エザリア・ジュールを始めとするザラ派を拘束し、臨時最高評議会を構成して地球連合との停戦交渉を行っている。
第一次連合・プラント大戦後、臨時最高評議会議長としてC.E.72年3月10日にユニウス条約を締結したが、前大戦により発生した問題の責任を取る形で辞職した。
小説版『SEED DESTINY』によると、第二次ヤキン・ドゥーエ戦後、パトリックの息子であるアスラン・ザラを厄介払いしたかったようである。
ナチュラルの殲滅しか考えないザラ派筆頭パトリックの息子と言うだけで彼を追放処分にしてしまうのは冷たい仕打ちに見えなくも無い。
しかし、ザラ派は2年後にザフトを脱走して「ユニウスセブン落下テロ事件」を起こすほどの過激派であり、アスランは(本人の意思はさておくとして)彼らの神輿になりえてしまうため、オーブへの厄介払い自体は妥当な選択だった(ラクスも似たような理由で自ら隠居を選択している)。
また、アスラン当人も『SEED』におけるストライクを討ち取った後の行動は問題点が多く、軍人でありながら任務(それもザフトの機密が絡むもの)よりも私情を優先し続けた挙句、フリーダム奪還任務のために受領したニュートロンジャマーキャンセラー搭載MSのZGMF-X09A ジャスティスと共にザフトを脱走するなど、プラントの視点から見れば「害」にしかならない行動ばかり行っていた。しかし、民族浄化路線で過激化していくパトリックとザフトを見限った上でプラントを地球連合軍の核攻撃から守ったりジェネシスを止めたりした功績を鑑みたのか、脱走の罪に関する責任追及をして国家反逆罪の指名手配としなかったりどころか、後年ルナマリア・ホークが「お父さんのことは知りませんけど、その人は私達の間じゃ英雄だわ。ヤキン・ドゥーエ戦でのことも含めてね」と述べるほど彼に有利な資料や証言を残している(あるいは残すことを許している)。
この対応はアスラン以外のプラント(ザフト)離反組に対しても同様であり、「個人情報の紛失により、あらゆる利敵行為を問えない」という超法規的措置を取ることによって無罪放免とし、ディアッカ・エルスマンについてもザフトへ戻ることを黙認した。
しかし、ディアッカは一度除隊扱いとなって再入隊した形となったため緑服を着ることとなった。
また、「政敵であるパトリックが実の息子により断罪された」という形で自身の正当性を保証したかったのか、アスランについては「元ザフトレッド、クルーゼ隊。戦争中盤では最強と言われたストライクを討ち、その後、国防委員会直属特務隊FAITH所属。ZGMF-X09A ジャスティスのパイロット」というレベルの個人情報が公的に残っている。
アニメ『SEED DESTINY』では名前のみ登場しており、カガリ・ユラ・アスハの護衛であるアレックス・ディノ(アスラン)がザフトのユニウスセブン破砕作業へ協力を申し出た際には、乗艦していたミネルバの艦長であるタリア・グラディスから「カナーバ前議長のせっかくの計らいを無駄にでもしたいの?」と指摘されている(直後にギルバート・デュランダル議長権限で許可が下りた)。
劇場版『SEED FREEDOM』では国防委員長ハリ・ジャガンナートの一派によるクーデターから逃れてきたワルター・ド・ラメント議長を迎え入れたエターナルに乗艦しており、久々に登場。
残念ながら台詞はなく、映ったのも後ろ姿のみだが、ラメント議長に名前を呼ばれておりカナーバであることは確定している。
エザリアやユーリ・アマルフィと共に派閥を結成(恐らく戦争に反対する派閥)しており、非常事態に備えて第一次連合・プラント大戦で陥落・破棄されたボアズの再整備およびZGMF-1027M デュエルブリッツとZGMF-103HD ライトニングバスターの改修を主導したとされている。