「憎しみを忘れられんのは愚か者と理解してはいても、やはり我らも感情に支配される。失ったものがあまりに大きすぎましたからな」
CV:藤真秀
概要
ギルバート・デュランダルに代わり、プラント最高評議会議長となった人物。中立の立場を取る。グレーの髪や口髭が印象的な、穏やかそうな顔貌の初老の男性。
アレクセイ・コノエとは旧知の仲。
小説版によれば戦後の厭戦的な風潮によって議長に選出されたとされる。
性格
見た目通り温厚な紳士で、その性格もあって非戦派でありコンパスの活動にも協力的。
ラクス・クラインとキラ・ヤマトを心配したりと良心的。何度か会っただけのキラを「およそ戦場には似つかわしくない静かな印象ですが、今はこの戦争の矛盾を一人で背負おうとしているようだ」と評価する等、洞察力が鋭い人物であることが窺える。
それでいて上述のセリフ通りハリ・ジャガンナート国防委員長を始めとする過激派の心情にも一定の理解を示す等、決して偽善的な理想家では無い。
劇中でも一連の事件での批判や疑念からコンパスを離脱したり、プラントをこれ以上戦火に巻き込まない為にファウンデーションやジャガンナート一派の動向を一時静観する等、あくまで最高評議会議長としてプラントの安全を第一に考えて行動している。
本編中の動向
オルドリン自治区襲撃事件におけるコンパスの行動を、ブルーコスモスの一方的な侵攻を受けたのはこちらなのに何故ザフト兵士を攻撃するのかと激しく非難するジャガンナートを宥めその場を丸く収めた(どのような対応したのか描写されていない)。小説版では、ラクスが非難に対応しようとした時に「ですが、コンパスの働きのおかげで、国境侵犯は食い止められたのではありませんかな?」「我らプラントの立場はどうなっていたでしょう?もしカナジを焼き払ったあとで、ミケール大佐がいなかった、ということにでもなれば……」と指摘し、ラクスは立ち上がり深く頭を下げて「申し訳ありませんでした。ジャガンナート国防委員長……」と謝罪している。
ファウンデーションの陰謀によるエルドアの惨劇後、コンパス参加国と話し合いに。一連の報告を受けて「それでクライン総裁はご無事なのですな?」と確認を取り、大西洋連邦のフォスター大統領が事前協定を破ったキラを痛烈に批判するなか「だからといって、核を撃っていい理由にはならん!それは全人類に対する背信行為だ!」「真実は闇の中だ。ヤマト隊長なり、ミケールらが生きて口を開かぬ限りはな」とフォスターを牽制。が、フォスターから本当にキラの独断だったのか?プラントがユーラシア領に介入できる絶好の機会などとあらぬ疑いをかけられて憤怒。さらにカガリ・ユラ・アスハのキラを擁護する失言もあって「痛くもない腹を探られるのでは」とコンパスからの離脱を宣言した。
その後、ジャガンナートが起こしたクーデターにおいてザフト反乱軍の襲撃で命を狙われるが、先んじてクーデターの情報を掴んでいたイザーク・ジュールらの協力によって無事脱出し、エターナルに逃げ延びることとなり、イザークたち他、アイリーン・カナーバ、エザリア・ジュールらと共にラクスから託されたレジスタンスの補給施設がある破棄された宇宙要塞ボアズへ向かう。
プラントのクーデターがアンドリュー・バルトフェルドたちによって鎮圧された後は議長復帰、権限を掌握すると反乱軍に全軍の停止とクーデター鎮圧を呼びかけた。