「みなさ~ん!ラクス・クラインで~す!」
CV:田中理恵
概要
第1次連合・プラント大戦の後、姿をくらましたラクス・クラインの替え玉として、ギルバート・デュランダル議長により用意されたラクスの影武者。デュランダルのことを、議長の言ってることは正しいんだから、みんなちゃんとそれを聞けばいいのにと信じ切っている。
「ミーアよ。ミーア・キャンベル。でも、他の誰かがいる時はラクスって呼んでね」
現在の顔はラクスに瓜二つだが、これは整形によるもの。元々の容姿は黒髪で素顔は野暮ったく、そばかす顔の地味な少女だった。
昔からラクスのファンで歌も好きでよく歌ってて、声は似てると言われていたそうな。その悩殺的な身体つきは元々のミーア自身のもの。
服装であるハイレグレオタードがはちきれんばかりに盛り上がっており、下半身も非常にきわどく破壊力が高い。本編で水着を着用したキャラはミーアだけ。HDリマスター版では乳揺れがすごい、ある回では乳首が見える。まさにSEEDシリーズにおける屈指のお色気担当。
ラクスとの分かりやすい違いがわかる点は、バストの大きさ。髪飾りの形と髪色。ミーアは髪飾りが星、濃いピンクでストレートヘア。ラクスは星飾りが月、薄いピンクで若干ウェーブがかっている。また、彼女が連れているハロは赤色で、英語音声で話す。
一人称は「あたし」。明るく楽観的であまり後先考えず、その時々の感情で動く。代役の話を「夢だったデビューとはちょっと違ったけど。でも考えてみれば、これってそれより凄いことよね。あたしラクス様みたいになりたいってずっと思ってたんだし。ほんとにあたしなんかに出来んのかなって心配は心配だけど。でもずっとここで夢見てるよりいいじゃない?先の事なんて分かんないんだもの。なんでもまずはやってみなくっちゃね。よし頑張るぞ!」と引き受けた。
アスラン・ザラには個人的に好意を持ち、婚約者として(婚約の破棄は公になってない上にアスランも言わなかった)人目憚らずよく抱きつく。それだけでなく、無断でベッドに潜り込み(HDリマスター版ではネグリジェが透けている)、部屋を訪ねてきたルナマリア・ホークを追い返す、「(まだ床を共にしていなくても)キスくらいはするでしょ?」と迫ったりなど積極的に接していた。
アスランとの食事中に「ミーアは誰からも必要じゃない」と悲し気に言っている事から、不遇な境遇にいたのではないかとの考察があるが、デュランダルに見出されるまでの過去や家族関係などの言及はされていない。
この際には「今だけでいいんです」「今いらっしゃらないラクスさんの代わり」とも話しているため当初はラクスが戻ってくるまでの代役と認識していたと思える。けれど、勝手に鎮魂歌(『静かな夜に』)をポップ調にアレンジ(『Quiet Night C.E.73』)、新曲(『EMOTION』)まで出す、本物によるシャトル強奪事件の際は出迎えがいない事に「もう、あたしが来たっていうのにぃ」「もうっ、どうして誰も!」と腹を立て、「アカンであれホンマもんや!」と言ったキングT@KED@に対し「ああ?」と睨む、ラクスの婚約者と寝ようとする等、周囲にラクス様ともてはやされていくうちに、自分とラクスの境目が曖昧になっていってる様子が窺える。
そんな彼女に転機が訪れたのはエンジェルダウン作戦である。
エンジェルダウン作戦でデュランダル議長に不信感を抱いたアスランだが、議長とレイ・ザ・バレルもまた、もはやアスランは使い物にならないと殺害する心づもりであった。
ミーアはその会話を立ち聞きしてしまう。
ミーアは、アスランに今すぐデュランダルに従うよう説得を始めた。
「やっぱりいた。駄目よこんなことしてちゃ。貴方、さっきも格納庫で議長にちゃんとお返事しなかったし。こんなことしてたらほんとに疑われちゃう」
しかし、アスランに冤罪を着せ葬ろうとするデュランダルの手先の保安部は迫っていた。
もはや一刻の猶予もなくザフトを脱出すると決めたアスランに「一緒に」と誘われたが、アスランの手を振り払った。
「あ、あたしは、あたしはラクスよ!」
アスラン「ミーア!」
「違う!」
「あたしはラクス!ラクスなの!ラクスがいい!!役割だっていいじゃない!ちゃんと!ちゃんとやれば!そうやって生きたっていいじゃない!!」
スポットライトを浴びれる今の立場を失いたくない。誰にも見向きもされないただの「ミーア」に戻りたくない。
逆に逃亡しようとしているアスランを引き留めようと説得を試み、今度は彼女から手を伸ばした。けれど彼女同様にアスランもその手を取らなかった。
議長に裏の顔があることを知っていたミーアだったが、議長を支持する世論と「ラクス・クライン」の地位を天秤にかけ後者を取った彼女の選択が、彼女の運命を決定付けてしまう。
オペレーション・フューリー後、テレビ放送されるカガリ・ユラ・アスハの演説をジャックし、オーブ批判・ロゴス討伐を煽る演説を行うも本物のラクスにジャックし返されて失敗。ラクスが二人いる事態にプラントと地球は騒然となり、デュランダルに見限られ、コペルニクスで軟禁生活を強いられる。
アスラン「君だってずっとそんなことをしていられるわけないだろ!そうなればいずれ君だって殺される!」
「そんなはずない。そんなこと絶対!」
用済みの自分は殺されるかもしれないという恐怖とマネージャーのサラによってラクスの暗殺をそそのかされ、SOSのメッセージを持たせた赤いハロをラクスたちのもとへと向かわせたが、目論見を看破していたラクスとアスラン、キラ・ヤマトにメイリン・ホークと対面。
「声も顔も同じなんだもの!あたしがラクスで何が悪いの!」
そう叫びラクスに銃を向ける。アスランがその銃を撃って弾き飛ばし、アスランにもう止めろと咎められても睨みつけはしたが、ラクスの説得によって自分の過ちを理解して改心、和解を果たす。
しかしその直後にサラ率いる暗殺部隊の銃撃に会う。暗殺部隊との銃撃戦後、瀕死のサラの銃撃からラクスを庇い致命傷を負う。
直後サラはアスランに止めを刺されたが、すでに瀕死の状態であり憧れていたラクスや思いを寄せていたアスランに謝罪しながら死亡。
死後、彼女の日記が発見され、そこに記されていた内容を目にしたラクスは「自分が表舞台から去ったせいでミーアを死に追いやった」と深く後悔すると同時に、彼女を利用して切り捨てたデュランダルと戦うことを決意した。
亡骸はアークエンジェルに運び込まれ、簡単な告別式が営まれた。
あたし…あたしの歌…命…どうか…忘れないで…。
最終的にデュランダルといたラクスが偽者だった件は世界中に知れ渡ったと思われるが、彼女が作中でどのような評価・扱いになっているか言及されていない。
劇場版にて
「機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM」ではすでに亡くなっている為登場しないが、ファウンデーション王国の街頭で流れているラクスの映像に交じって一瞬だけ彼女の映像が映っているのが確認できる。
- 福田監督によると「専用のニュース映像作っていない」とギリギリに制作から言われて過去作ラクスの音楽ビデオ風に映像編集。ただ素材が足りないということなのでミーアを混ぜろと指示。「デスティニープランの国だから多分仕事に愛がない」との事。デスティニープランの負の側面が窺え、プランを進めるデュランダルに協力していたミーアにとっては皮肉な話である。だが彼女の活動が抹消されず映像が残っている事が判明したのは、せめてもの救いかもしれない。
また、彼女が所持していた赤いハロはラクスが引き取った様であり、自宅に飾られていた。
終盤でラクスを救出する場面では、他のハロ達と共に催眠ガスをばら撒いて敵を錯乱しており、その際に「Here we go!!」と発言している。
ザクウォーリア(ライブ仕様)
ライブに使用されたザクウォーリア。ミーア(表向きはラクス)のイメージカラー通りのピンクに塗装されている。右肩にハートマーク、左肩にレッドハロ、胸元には「LOVE」とプリントされているなど、非常に派手で目立つ。シールドにはミーアの髪飾りと同じ星マークと「Lacus Clyne Alive!!」という文字が刻まれている。
作中ではパイロットが内部で操作しつつ、掌の上でミーアが歌って踊るという活躍(?)を見せた。
終盤ではメサイア攻防戦に主を失ったこの機体もブレイズウィザードを装備して出撃しているが、その後どうなったのかは不明(但しこれはTV版のみでHDリマスター版では通常カラーのブレイズザクウォーリアになっている)。
一部ゲームなどでは本当にミーアを載せて戦わせることも可能。
派生作品
本編の劇中では悲運の死を遂げるが、他のメディアミックス作品(スーパーロボット大戦など)では生還し、『スーパーロボット大戦L』など作品によっては『ミーア・キャンベル』としてデビューを果たすこともある。
『スーパーロボット大戦K』においては正体露見イベント自体がカットされたため、メサイア崩壊に伴いキラとミストさんにより救出され、ラクス公認の影武者として活動を行うなど、本編以上の活躍を見せている(同作におけるカガリ、ユウナと並んでスパロボ補正が働いているという意見も)。
『スーパーロボット大戦L』でのシン・アスカはオーブ時代にラクスの歌をよく聞いていたという設定だが、「最近はイマイチ」と述べている。
彼にはミーアの音楽性は合わなかったのだろうか。
服装や歌の方向性が2年前と変わっているため、小説版ではプラント市民から「歌姫から安っぽいアイドルになった」、タリア・グラディスには「安っぽいアイドルのよう」と評されている。無論、この路線を歓迎している層も当然おり、ヴィーノ・デュプレは「むしろ今の方が好き」。
余談
名前の由来は『超電磁ロボコン・バトラーV』に登場するキャンベル星人が作ったロボットのミーア。
田中理恵曰く、「自分の存在意義に怯える弱さ」がかえって人間臭くなったキャラだ、と述べている。『週刊文春エンタ+ 大特集!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』&『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』では、ラクスに比べて喜怒哀楽があるという意味ではリアルの自分に近い存在というか。ラクスはカリスマ、女神なので当然なのですが(笑)。ただそれだけに、ミーアには切なさや哀しさを感じました。ミーアとしては、憧れていたラクスになれるという、ある意味純粋な気持ちで替え玉になったと思うのですが、偽物なのに人の前に立ったら皆が熱狂してくれる。そんな彼女が舞い上がったところで本物のラクスが登場し、真のカリスマ性には勝てず、アスランへの淡い思いも伝わらない……。途中から本当にミーアに「がんばれ!」と、どこか心の中で応援しながら演じていました。死んでしまった回の台本を読んだ際は家で泣いてしまった記憶があります。と語られていて、この文面から思い入れの強さが読み取れる。
劇場版でラクスがアコードだと明かされてからは視聴者の一部に「デュランダルによって何らかの遺伝子的な素養を見出されて選ばれた」「一般コーディネイターでありながらラクスの影武者をこなしていたことは凄まじい」と評価されるようになったが、ミーアはラクスがこれまで積み重ねてきた実績と影響力を乗っ取り、後ろ盾はデュランダルで、演説も用意された原稿に書いてある言葉(デュランダルの言いたいこと)をそのまま口にしていただけ、ようは借り物の力。そもそも活動期間もかなり短い。
関連イラスト
関連項目
表記揺れ
関連人物
ラクス・クライン(ラクス) アスラン・ザラ ギルバート・デュランダル キングT@KED@ サラ(ガンダムSEED)