ディアッカ・エルスマン「グゥレイトッ!数だけは多いぜ!」
機体データ
型式番号 | GAT-X103 |
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全高 | 18.86m |
重量 | 84.2t |
装甲材質 | フェイズシフト装甲 |
動力源 | バッテリー |
所属 | 地球連合軍→ザフト→三隻同盟 |
パイロット | ディアッカ・エルスマン |
再生機
概要
地球連合加盟国の1つである大西洋連邦が、オーブ連合首長国の公営企業・モルゲンレーテ社の技術協力を受け、オーブ管轄の資源コロニー「ヘリオポリス」で極秘開発した5機の試作型MS(G兵器 / 初期GAT-Xシリーズ)の1機。
機体名の「バスター」は英語で「破壊者」の意味。ただし、放送当初の本機に与えられた二文字は運用コンセプトを踏まえた「暴風」である。
初期GAT-Xシリーズ5体の中では2号機に位置し、火力支援機として設計されている関係上、最も連携運用を前提とした機体。
ただし、組み替え可能な二門の砲と持ち前の機動性により、そのカバーレンジは中距離戦から遠距離戦まで幅広い。これら火器の多用による短時間でのフェイズシフトダウンを避けるため、専用のサブジェネレーターを別個に搭載している。また、両膝にも予備電源を持ち、長時間運用を可能にしている。
弱点は、白兵戦用の武装を一切持たず、またシールドも持たないがゆえに、敵機に近づかれると苦戦を強いられること。
これを克服するため、後述のバリエーション機には白兵戦武装を増設した機体もある。
再生機
戦後、地球連合軍の特殊部隊「ファントムペイン」が兵器開発会社「アクタイオン・インダストリー社」を中心とした連合に加担する企業の支援を得て推進したエース専用MS開発プロジェクト「アクタイオン・プロジェクト」の際、データ収集の為に再生産された機体。旧式化した部分にパワーエクステンダー等の幾つかの改修が施されている以外は、ディアッカが使用したバスターとスペックはほぼ同一。その後、GAT-X103AP ヴェルデバスターへ改修されている。
アクタイオン・インダストリー社以外ではライブラリアンにおいて、LH-GAT-X103 ヘイルバスターのベース機として製造されている。
活躍
ヘリオポリスでザフトに奪取され、以降はディアッカ・エルスマンの乗機として運用される事になる。
主にイザーク・ジュールのデュエルとコンビを組む事が多く、デュエルが前衛で戦い、バスターがそれをフォローするという運用が行われたが、ディアッカの性格の為か積極的に前に出るなどコンセプトに反した運用も多く見られた。
その後、アークエンジェル追撃に参加、スカイグラスパーとの戦闘で被弾した際に本機特有のエネルギー系統が故障し行動不能となり、パイロットのディアッカ共々鹵獲されるが、アークエンジェルがオーブへ亡命した際に奇縁でそのまま三隻同盟の所属MSとなる。
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦での戦闘で奮戦するも、終盤でプロヴィデンスのドラグーンによる一斉掃射を受け大破した。
この直後、フェイズシフトダウン直前に超高インパルス長射程狙撃ライフルをデュエルが借り、レイダーを撃破している(ただし、スペシャルエディションではプロヴィデンスのドラグーンを浴びる前に、バスター自らレイダーを葬った)。
こうした経緯から、初期GAT-Xシリーズで唯一、三つの陣営全てを渡り歩いたMSとなった。
ちなみに本機は概要のとおり、2号機に位置する事からガンダムシリーズ伝統の「2号機は必ず敵に奪われる」というジンクスを守っていたりする。
その後、オーブへ降りるアークエンジェルと別れてディアッカ共々ザフトに戻り、最終的にはデュエル共々廃棄されることとなった。……はずであったが…?
武装
220mm径6連装ミサイルポッド
220mmという地球連合での規格品ミサイルを装填可能なポッド。敵機に接近された際の迎撃を主用途としており、基本的には空対空弾を使用する。もっとも、規格が合う弾頭ならばスモークやスタングレネード、対艦ミサイルなどなんでも装填できる。
350mmガンランチャー&94mm高エネルギー収束火線ライフル
右腰アームに接続されるレールガン方式の散弾砲および左腰アームに接続される大型ビームライフル。2つともバックパックにマウントされている。
ガンランチャーは、弾による複数目標への攻撃といった「面」の破壊に特化しており、徹甲弾や粘着榴弾等の各種特殊弾頭を切り替えて使用が可能。
高エネルギー収束火線ライフルは、同時期の初期GAT-Xシリーズのライフルに比べ大口径・高出力を誇り、当時の戦艦の主砲をも上回る高火力を持つ。バスターの両腰の砲は分割する事でミドルレンジの中距離戦に対応可能な小回りを実現させている。
また、二門を組み合わせて連結する事でサブジェネレーターを直結させ、より高威力の攻撃を可能とする。
対装甲散弾砲
ガンランチャーを前面に向け、収束火線ライフルを後に連結した広域制圧モード。
散弾ながら一発一発が艦艇の装甲を容易く貫通する威力を持ち、複数の目標に対して有効打となる。
超高インパルス長射程狙撃ライフル
収束火線ライフルを前に、ガンランチャーを後に連結した高威力・精密狙撃モード。
超遠距離のMSのボディや戦艦の中心を難なく貫徹する。
SEEDシリーズのビームは概ね赤色もしくは緑の光軸で表現されるのだが、これは珍しく黄色(そのせいで同じく黄色のエフェクトである実弾兵装と被っているので若干紛らわしい)。
水中戦用装備
漫画『機動戦士ガンダムSEED Re:』に登場。
グーンやゾノの部品を使用して潜航機能を付加する試作装備で、試作機故に潜航深度は浅い。本来は潜航モジュール内にバスターを格納する予定だったが背負い式として完成。この際背部のガンランチャーと収束火線ライフルはシーリング・ケースで覆われる。
将来的に独立潜航運搬艇となり、通常のMSを水中から地上まで運搬し活動範囲を伸ばす目的で開発された。
バリエーション
かつてディアッカが搭乗していたオリジナルのバスターを試験用として全面改修したMS。
動力には核エンジンを使用している。
バスターの能力をダガーに持たせる開発計画の過程で開発された、バスターのコンセプトを受け継いだGATシリーズの量産型MS。バスターにはなかった白兵戦用武装として、オプション装備のES01 ビームサーベルがある。
アクタイオン・プロジェクトで再生産されたバスターを改修した発展型MS。バスターダガーと同様、白兵戦武装が増設され、こちらでは実体兵器である銃剣を装備している。
ライブラリアンで複製されたバスターを改修した発展型MS。
ライブラリアンの技術力によりC.E.73年水準の性能にまで向上している他、武装を含めたバックパックのストライカーパック化に成功している。
立体物
バスターの立体物は基本どれも出来が良く、ハズレと言われるものが皆無で高い評価を得ている。
ガンプラ
リアルタイムではコレクションシリーズ、HG SEED1/144、1/100で展開。
コレクションシリーズは可動こそしないが、固定ポーズがライフルとランチャーを構えるために両肘を曲げた変わったポーズになっている。
特筆すべきはイージスと並んで出来が良いとされるHGで、現在では当たり前になった両腿のロール軸が設けられている。デュエルと違いミサイルハッチも展開可能(ミサイルは要塗装)。当時のキットらしく肩の引き出しギミックこそないものの、元々派手なアクションをする必要がない機体なので連結状態でも難なく武装を構えることが出来る。
1/100の出来も優秀でこちらは肩に可動軸がある。両腿に可動軸があるのも共通。
2012年にMGで発売。
リアタイ時代のバスターの立体物や新型100系フレームの第一弾のMGデュエルガンダムアサルトシュラウドの出来からして良かったため大きな変更はなく、内部フレームの再現とデザインを現代風に洗練させたに留まっている。デュエル同様100系フレーム系列であることを強調するために外観がストライク寄りにアレンジされている。
アクションフィギュア
ADVANCED MS IN ACTION、MS IN ACTION、ROBOT魂で展開されている。
悪名高きAMIAとしては後発だったのが幸いし出来はそこまで悪くなく、ちゃんと連結状態でも武装を構えられる。ただし腰が固定なのは共通なため他よりポージングに制限は出るのはこのシリーズならでは。
MIAでは外装ギミックが省略されたのもあって、AMIAよりもサイズが小型化しつつも全体のクオリティは上がっている。また腕部の引き出しギミックが導入された。
ROBOT魂版はライフルとランチャーが大型化している。
ストライクと同型のグリーンの台座が付属。
食玩としては2021年にGフレームで発売。
本体とライフルランチャー付きのフレームで分割されているものの、それでも(希望価税抜)1000円と非常に安く、稼働に関しても申し分なく評価が高い。
カプセルフィギュア
SDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。『カスタム』版は劇中同様にライフルとガンランチャーを組み替える事が出来る。※現在、入手困難
関連動画
関連項目
登場作品
所属(組織・分類)
地球連合 地球連合軍 大西洋連邦 ザフト 三隻同盟 ファントムペイン
地球連合製のMS・MA・戦艦 GATシリーズ GAT-Xシリーズ 初期GAT-Xシリーズ
関連機体
兄弟機(初期GAT-Xシリーズ)