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105ダガー

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いちまるごだがー

『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場するモビルスーツ(MS)、GAT-01A1 ダガーの愛称。簡易量産型のGAT-01 ストライクダガーでオミットされた、GAT-X105 ストライクの各種機能を盛り込んだ制式量産MS。

機体データ

機体名ダガー(DAGGER)
愛称105ダガー(105 DAGGER)
型式番号GAT-01A1
所属
開発地球連合軍、大西洋連邦
全高18.00m
重量57.05t
装甲材質ラミネート装甲
動力バッテリー
パイロット

※:コクピットブロックやエンジンブロックなどのバイタルエリアに限定される。

メカニックデザインは大河原邦男

概要

地球連合軍の主力量産型モビルスーツ(MS)。

GAT-X105 ストライクの制式量産機で、正式名称はダガー。一部ではストライクの型式番号「GAT-X105」から取って付けた「105ダガー」(いちまるごダガー)の通称で呼ばれる事もある。

GAT-01 ストライクダガーはあくまでも戦時下における簡易量産型として急造されたものであるが、このダガーはストライクダガーで排除されたGAT-X105 ストライクの各種機能を盛り込んだ制式量産機である。

ダガーはストライクのスペックダウンによる量産ではなく、高性能なスペックは極力維持しつつ、それをストライクよりも廉価なものにする事で、既存の量産機とは一線を画す性能を持っている。

恐らく、ガンダムシリーズでも(高級量産機も含めた上で)かなり上位ランクのステージの性能を持っているMSであろう。

本機の主な特徴及びストライクダガーとの相違点としては、ストライク同様、ストライカーパックシステムを装着・換装する事による汎用性の拡大が挙げられる。

戦時急造型の量産機であるストライクダガーでは見送られたストライカーパック用プラグを装備しており、バックパックを換装する事で様々な戦況に対応できる。

また、頭部センサーのスペックもストライクとほぼ同レベルまで引き上げられている他、M.O.Sには更に改良を加えた新型を採用している。

加えて、コスト面の問題からPS装甲、TP装甲は採用されなかったものの、胴体部やエンジン部分などの主要機関の保護の為にアークエンジェル等の戦艦が大気圏突入に用いるDPX-D30融除剤ジェルの改良型を使用した対ビーム装甲「ラミネート装甲」を採用。

後々のザフトのMSの主力兵器がビーム兵器に変わる事を考えれば、実用的な判断であった様にも思われる。

この様にストライクのスペックに再検討を加えた上で新型OSを搭載した事で、パイロットの能力を問わない扱い易い機体となっている。

しかし、コストを試作機よりも削減しているとはいえ、戦時中の生産性ではストライクダガーが勝っており、結果戦時中に生産が確認されたのは試作機、データ検証機含めて23機のみである。

それでも戦後は名実ともに地球連合軍の主力MSとして増産・配備がなされ、C.E.73年代までにマイナーチェンジが繰り返されて「ブロック7」と言うバージョンまで改良が行われている

C.E.75年代ではユーラシア連邦の正規軍やブルーコスモス残党で主力機として運用している。

武装

40mm口径近接自動防御機関砲「イーゲルシュテルンII」

頭部両側面に内蔵されているバルカン砲。小口径化したが、弾数増加と弾芯の改良によって貫通力の低下を抑えている。後述の対人機関銃と比べると影が薄い。

12.5mm対人機関銃

足の甲部に内蔵された機関銃。対歩兵・装甲車用の装備。

ガンダムシリーズに良くある「用途通りに歩兵へ使うことは憚れた装備」に当たるはずだったが、『C.E.73 STARGAZER』や『DESTINY ASTRAY』等で本来の用途通りに人へ向けて発砲されるシーンが多数描写されている。

なお、12.5mmはMS相手では流石に小口径過ぎて話にならないが、現行軍において壁ごと標的を撃ち抜いたり、軽車両にぶち込む為の「対"物"」ライフルに使用されるような弾丸(実際は12.7mm、.50口径とも)で人間に当たった場合比喩抜きで「吹き飛ぶ」程、強烈な弾丸である。『STARGAZER』で難民キャンプに向けて使われた際は射線上のテントや人を吹き飛ばしている。

こんなものが使用されるのは「人に向けてMS用の武装(75mmバルカンなどの大型機銃やビームライフル)を撃つとは何事だ」という批判があり、これに対して「だから人用の武装をつけました」となった背景がある。先にも述べたが、ガンダムシリーズで対歩兵装備そのものは珍しい物では無いが、基本的に威嚇射撃であって歩兵への残虐な使用されたケースは無い。本機が威嚇射撃ではなく「本来の用途に従って人用で使用する」と言う残虐性を示したのは流石C.E.としか言えないが……。

なお、ダガーL以降はM2M5 トーデスシュレッケン12.5mm近接防御火器が採用されたので、この装備はダガーのみの搭載で終わっている。もっとも、そのトーデスシュレッケンはさらに威力増しで近接防御火器を名乗る対人機銃として使われているので、この装備のコンセプト自体は継承されている。

●余談

  • 一撃で人を屠れる威力に関しては設定と言うよりも傷つけた相手を必要以上に苦しめる兵器は『非人道的』とされている事に起因している。現実の兵器開発史ではダムダム弾や核汚染物資(ダーティーボムなど)などがこの非人道的な兵器に該当し、条約で禁止にされた際は条約に無関係な国でも国際的に禁止される。

ES01 ビームサーベル

量産機用ビームサーベル。ビームの色はイージスと同じく黄色。

背部にはストライカーパックの接続プラグが存在するため、設置箇所は両腰に1基ずつ装備されている。

M703 57mmビームライフル

主兵装の量産機用のビームライフル。GAT-X102 デュエルの高エネルギービームライフルを参考に開発されており、銃身下部にはグレネードランチャーが搭載されている。

GAU8M2 52mm機関砲ポッド

最初期に生産されたダガーに装備された実弾武装。

元々はレイダー(制式仕様)の副翼に搭載されるオプション。

MX703G ビームライフル

地球連合軍の「兵器改変ガイドライン71D」に基づいて開発された新型ビームライフル。

当初は、実弾兵器とビーム兵器のどちらにも改変できる武装を目指して開発されていたが、実際には外装の共用化で留める形で運用されている。そのためか、外装はGAU8M2 52mm機関砲ポッドと同型だが、内部の構造はほとんど別物と言える。

105スローターダガー等のごく一部の機体にしか配備されていない。

M703k ビームカービン

ダガーL等で運用されている単銃身のビームライフル。

ヘブンズベース防衛隊のジェットストライカー装備機の主兵装。

対ビームシールド

耐ビームコーティングを施したシールドで、ストライクダガーのものと同様。カラーリングが、2種類あり。アニメでは主に赤色が使われるが、MSV戦記では青色が装備される。ヘブンズベース防衛隊のジェットストライカー装備機はストライクダガーと同じ赤いシールドに統一されており、劇場版SEED FREEDOMでも同じ赤いシールドが配備されている。

バズーカ

実弾を発射するロケット砲。ストライクと同型の物。

GENERATION of C.E.では、ストライクダガーと同様に装備の1つとして入っていた模様。

本機最大の特徴でもあるストライクと共通の換装システム。

AQM/E-X01 エールストライカー

巨大なスラスターと主翼が目を引く、高機動型ストライカーパック。 多くの機体で最も使用されている。

可変式スラスターバインダーの技術が導入されており、大推力による直線的機動能力はMS本体の持つ姿勢制御能力と合わさり高い運動性をもたらす。

ただしこのパックをそのまま装備すると、ビームサーベルを4本も装備することになってしまう。

C.E.73では改良が進み、飛行能力を得ている。

AQM/E-X02 ソードストライカー

アンカー付きの小型シールズとMS本体の身長に匹敵する大剣を装備した、白兵戦用ストライカーパック。

対艦戦闘能力やMS同士の白兵戦を想定を重視した構成をとる。

AQM/E-X03 ランチャーストライカー

バスターの流れをくむ砲撃戦用のストライカーパックで、重武装故に機動力は低下するが(重量はエールよりは軽いが、その重量を動かすだけの推力を持ち合わせていないために機動力が低い)、ストライカーパックの中でも屈指の大火力を誇る。

アニメにも一瞬登場しており、DESTINYのヘブンズベース戦で投入されている。

AQM/E-X04 ガンバレルストライカー

地球連合軍の戦闘機メビウスゼロを参考に開発した有線式のガンバレルユニットを四基装備するストライカーパック。

AQM/E-A4E1 ジェットストライカー

大気圏内用の高機動空戦型のストライカーパック。

エールストライカーとは異なり、装着する事で戦闘機の様に自在の飛行が可能。

バリエーション

ストライクダガー

戦時下において機能を最低限までオミットした、いわゆる簡易量産機という位置づけの機体。

ダガーL

ダガーをベース機としてストライクダガーに準じた簡略化でコストダウンを両立した量産機。

バスターダガー

ダガーをベースに開発されたGAT-X103 バスターの量産機。

当初はバスターストライカーを開発するつもりであったが、本体の改良無しでは機能を実現出来ないために開発された機体。

NダガーN

ダガーをベースにGAT-X207 ブリッツのデータを組み込んで開発された特殊戦用機。

105スローターダガー

第81独立機動群「ファントムペイン」の主力機として配備されたダガーの改修機。

主な登場作品

MSVを初出とする機体だが、制式量産機と言う設定もあり『DESTINY』以降は普通に映像作品にも登場している。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY

戦後は本格的な量産がされ2年後のC.E.73でもヘブンズベース防衛や、メサイア攻防戦にも実戦投入されていた。特に、第38話で数カットながらランチャーストライカージェットストライカーなどのストライカーパック装備の本機が登場している。

武装はM703k ビームカービン、赤色の対ビームシールド。

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

ブルーコスモス残党の機体とユーラシア連邦所属の機体がそれぞれ登場している。ただし、見た目はほぼ同じなので、混戦した際の見分けは困難となる。視聴者もどっちがどちらが見分けが付かない。

劇中冒頭ではブルーコスモス残党の機体がデストロイやジェットストライカー装備のウィンダムと共に戦列を組み、陸上の歩兵として海上を前進している様子が描かれている。

劇中に登場した殆どのダガーはストライカーパックを装備していないが、冒頭の戦闘の渡河シーンや中盤の戦闘シーンで登場しているブルーコスモス残党の機体にはジェットストライカー装備も確認できる。

ユーラシア連邦所属の機体は境界線を侵犯したライジングフリーダムに対して攻撃を加えたが、反撃のフルバーストを受けて壊滅している。

一方で目立たないところで意外な強敵として描かれており、ライジングフリーダムのハイマットフルバーストをシールドで防いだり、ヒルダ・ハーケンギャンシュトロームを2機がかりで苦戦させ、ムウのムラサメ改と互角に渡り合ったり、ビームサーベルでムラサメ改を1機撃墜している等基礎設計の優秀さが垣間見えるシーンも。

主兵装はM703 57mmビームライフル、赤色の対ビームシールド。

なお、本作が『SEED FREEDOM』として発表される以前から制作関係のイベントにおいて3Dモデルがお披露目されていたが、PV第2弾において正式に登場する事が明らかとなった。

機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY

ユーラシア連邦が大西洋連邦からのダガーシリーズの供給を飲まされた話の際に本機の姿が見られる。

その後、所属不明機から襲撃を受けた月面基地の救援に対してモーガン機が出動している。

機動戦士ガンダムSEED ASTRAY B

ボアズ攻略戦でモーガン機が奮戦、ストライカーパックの機能を活用するべく、複数のガンバレルストライカーを用意して使い切ったら交換することで帰投することなく戦闘を継続してみせた。

機動戦士ガンダムSEED MSV戦記

第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦においてモーガン機が5機のダガーを率いる隊長機として奮戦、ドクターことミハイル・コースト含む6機のジン・ハイマニューバ6機と交戦し、モーガンはミハイル機を追い詰めるものの、ジェネシスの発射によって機体が大破し部下も全員失ってしまう。

主兵装はM703 57mmビームライフル、青色の対ビームシールド。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY

南アメリカ合衆国の独立戦争において多数のダガーが登場。

モーガン機は偽情報に釣られて宇宙へと上がってきたエドワード・ハレルソン搭乗のレイダー(制式仕様)と交戦し、ガンバレルストライカーを犠牲にエドワードのレイダーを大気圏へ落としている(なお、エドワードは機転を利かし大気圏を突破してみせた)。

Remaster版で追加された描き下ろしでは、黒く塗られたダンテ機と赤く塗られたエルザ機が登場。両機ともソードストライカーを装備し、ユーラシア連邦のアメノミハシラ侵攻作戦に参加している。

機動戦士ガンダムSEED VS ASTRAY

モーガン機は月基地に接近していたルドルフ・ヴィトゲンシュタインのグフイグナイテッドと交戦し、彼を捕縛している。

機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 天空の皇女

ウィンダムと共に多数が運用されている。

後に公開された劇場版SEED FREEDOMでも同様である為、ウィンダムへの機種転換後も現役なのだろう。

その他

上海フリーダムの実物大立像のイベントムービーにおいて、上海防衛用のジェットストライカー装備の色違いの機体が登場してジンの部隊と交戦する。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY(漫画版)

プロローグの第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦においてモーガン機が登場し、ジェネシスの発射によって部下を失いつつも制圧するべく取り付こうとしたが、ジェネシスの防衛に付いていた火器運用試験型ゲイツ改と交戦、大破して撤退している。

関連動画

立体物

2004年9月にSEED HG MSVシリーズの一つとして立体化。

本放送当時発売のガンプラではコレクションシリーズのみだったストライクダガーを差し置いてのHG化であり、2020年にHGCEウィンダムが発売するまで唯一の地球軍の量産型MSでHG化された機体だった。

モーガン・シュバリエ搭乗機としての商品化で、ガンバレルストライカーと専用の台座が付属する。コレクションシリーズのランチャー/ソードストライカー、ウィンダムのジェットストライカーを使えばヘブンズベースのダガーを再現可能(ソードのみ一部の接続ピンをカットする必要がある)。

2006年8月にはバリエーション機として機動戦士ガンダムSEEDC.E.73STARGAZERに登場するスローターダガーが発売。

こちらは成形色を黒色ベースに変更して台座とガンバレルストライカーの代わりにエールストライカーを付属させたもの。

先述の通り、2020年にウィンダムがHGCE化されたのを皮切りに2021年にダガーL、2022年にストライクダガー(プレミアムバンダイ限定)がHGCE化され本編に登場したMSV以外の地球軍の量産型MSは一通りHG化を果たした上映画にも登場した機体のため、MSV出身ではあるが細部の形状の違いはあれどダガー系のバリエーションとして出しやすいであろう本機のリニューアルも期待されている。

ガシャポンSDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。ビームライフルとガンバレルストライカーが装備されており、各々脱着可能。 ※現在、入手困難

余談

  • 「105ダガー」(いちまるごだがー)の通称で呼ばれる事もあるが、当初は通称であった。
    • 「105シリーズ」として開発された機体には、正式名称として105が付けられている。
  • このMSはホビージャパンのMSV人気投票で一位に輝いた事もある上、地球連合軍製でHGに立体化されている。やっぱりダガーは凄かった!
  • 初期生産モデルは少数生産とはいえ、やはりその性能は高く、機動戦士ガンダムSEEDシリーズの地球連合軍MSの「顔」もしくは「敵役」としてどこかしらにほぼ登場している。ASTRAYなどの外伝作品ではモーガン・シュバリエが搭乗した機体の活躍がほとんどを占めている。C.E.73 STARGAZERC.E.73 Δ ASTRAYでは、マイナーチェンジ版のスローターダガーが主に登場する。

元々はガンプラのHG 105ダガー+ガンバレルの説明書にて上述の機関砲ポッドを付属したところ、それを説明書内でストライクダガーのライフルの設定で記載してしまい、スローターダガーの発売時にこの703Gビームライフルが新規設定を起こされた経緯を持っている。

ゲーム作品でも採用例が少なく、Gジェネレーションシリーズのオーバーワールドとクロスレイズ、機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINYなどで装備している。

  • 対ビームシールド

青色のシールドはホビージャパンの作例を初出としており、元々はレイダー制式仕様のためにデザインされていたGAU8M2 52mm機関砲ポッドも含めてガンプラに逆輸入される形となった(作例の時点ではストライクバズーカや専用カラーのエール・ソード・ランチャーのパックも用意されていた)

関連タグ

その他

リグ・シャッコー:物語序盤で主人公たまたま乗ってしまった機体の戦闘データをもとに開発された超高性能制式量産機という点で似ている。

ガンダムEz8︰パイロットの意向で12.7mm(50口径)の対歩兵用旋回式バルカン砲が搭載されている。ただし、歩兵には威嚇射撃のみで直接攻撃は行っていない。

TIEファイター:劇場版ではビームライフルの音がTIEファイターのレーザーキャノンと同じ音になっており、またTIEダガーなる派生機も存在する。

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