「今日こそその機体、バラバラにしてくれるわ!このゾノでな!」
機体データ
型式番号 | UMF-5 |
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全高 | 21.37m |
重量 | 69.42t |
動力源 | バッテリー |
開発 | ザフト(クラーク設計局) |
所属 | ザフト |
武装 |
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パイロット | マルコ・モラシム、ザフト軍一般兵 |
概要
UMF-4A グーンの後継機として、ザフトのクラーク設計局によって開発された水陸両用モビルスーツ(MS)。C.E.71年1月23日の東アジア共和国カオシュン宇宙港陥落とともにラゴゥやゲイツと同時に発表された。
開発経緯
YF-3A ジンフェムウス(プロトグーン)からグーンを経て水中戦闘能力を手に入れたザフトが、グーンの問題点などを見直して新たに開発を行った。
グーンの水中における機動性は開発当時の基準で満足のいくものだったが、その代償として水中環境への適応を優先したフォルムとなってしまい、陸上における機動性や格闘戦能力に問題が残った。そこで、グーンの水中戦闘能力を維持しつつ、より幅広い運用が行える新機軸の機体として開発が開始された。
性能
機体としてはグーンの水中戦能力を引き継ぎつつ、四肢を長くすることにより陸上戦能力も強化されている。特に、腕部は可動域に優れた多関節構造となり、マニピュレータは格闘用の大型クローに変更、掌底にはフォノンメーザー砲が内蔵された。これにより、攻撃目標を急襲して確実に仕留める戦い方が可能となった他、運用範囲の拡大にも繋がり港湾拠点の襲撃などにも威力を発揮できるようになった。また、将来の連合が投入するであろう水中用機動兵器との対MS戦も見越した格闘能力も強化された。
水中での航行性能・レーダーもグーンから改良され、水流性能に優れた円盤状の上半身と、対水圧に優れた重装甲を併せ持つ。水中巡行形態への移行時間もグーンから短縮されており、水中においては高い機動性を発揮する。
結果的にグーンよりも大型化したものの、グーンと連携して出撃することにより多彩な作戦行動を可能とし、ザフトの水中戦闘の底上げに貢献した。
構成
コックピット
魚雷発射管と干渉しないように股関節に近い場所にハッチが設置されている。一方、機体自体が前傾姿勢なフォルムとなっているため、一見すると胸部に設置されているようにも見える。
耐水圧構造こそ取られているが、基本構造は他のザフト製MSのものと大差ない。
スラスター
背面のバックパックに2基のメインスラスター、足裏に1基のサブスラスターを搭載している。その推力は水中においてソードストライクを圧倒するほどに高い。
背面
巨大な肩部装甲やバックパックを設置した背部パーツによって腕部や脚部が覆い隠されている。これにより、水中航行形態おいて水の抵抗を軽減し高速移動を実現している。
足裏
全体的にグーンよりも大型化されており、さらなる水中環境への適応が図られている。
2本の大型な指という特徴こそグーンと同様だが、腕部と同様に多関節(2関節)化されており、後方には1本のかぎ爪も備わっている。
武装
533mm6連装魚雷発射管
首回りに左右6門ずつ(計12門)備わっている魚雷発射管。普段はカバーにより覆われている。
魚雷はグーンのものと同様にロケット推進式かつ赤外線誘導方式であり、地上の目標に対しても使用できる。また、水中航行形態でも使用可能な唯一の武装であり、中距離から攻撃目標を駆逐する。
フォノン・メーザー砲
両掌に1門ずつ、計2門内蔵されている音波兵器。ビーム兵器と異なり水中でも顕著に減衰されない。
一見ビームのように描写されているが、これは着弾修正用に同軸照射された緑色のレーザーである(進路上の水がイオン化して発光するという資料もあるが、地上で撃っても発光しているため矛盾する)。そのためビーム兵器には該当しないが、実弾を殆ど無効化するフェイズシフト装甲に通用する=ビーム兵器に準ずる威力を持つ(流石に貫通力はビーム兵器の方が上として描写されている)。
格闘戦適性を向上させるためグーンでは胸部に搭載されていたものが小型化された上で両掌に移行されたため使い勝手の向上や攻撃範囲の拡大に繋がっている。特に、デスティニーのパルマフィオキーナのように、クローで抑えつけた敵に接射することにより止めを刺す戦法を得意とする。
余談
C.E.73年以降の水中の王者とされるフォビドゥンヴォーテクス(実弾を無効化するトランスフェイズ装甲とビームを無効化するゲシュマイディッヒパンツァー持ち)に対して唯一有効な武装である。
近接戦闘用クロー
腕部に備えられた3本の格闘用クロー。
敵機の装甲を切り裂けるほどの攻撃力を有している。
活躍
SEED
C.E.71年2月28日に砂漠の虎を倒し、同年3月6日に紅海へ出たアークエンジェルを待ち構えていた「紅海の鯱」ことマルコ・モラシムが乗り、部下が乗るグーン、ディンと共に襲った。
アークエンジェル側は唯一水中戦闘能力を持つソードストライクにて水中用MSを対処しようとするも、少しの交戦から本機だけでソードストライクを抑え込めると判断したモラシムの指示により、グーンはアークエンジェルへ向かいソードストライクと単機にて交戦を続行する。そのパワーと機動力をもってソードストライクを圧倒するも、アークエンジェルのゴットフリートにより海面付近にいたグーンが撃墜・爆散した衝撃に気を取られた隙を突いたソードストライクによりシュベルトゲベールを右腕付け根に突き刺される。それでも一切怯むことなく即座に残った左腕でソードストライクの頭部を鷲掴みして海底に組み伏せフォノン・メーザー砲の接射を試みようとするも、それより早くソードストライクによりアーマーシュナイダーを頭部両側に突き立てられ機能が停止する。その直後、ソードストライクに巴投げされ海底に落下、爆散した。
その後は、5月8日のオペレーション・スピットブレイクや5月25日のパナマ攻略戦に投入され活躍した。また、設定上では7月24日の第二次カサブランカ沖海戦にも投入されていたが、ジェーン・ヒューストン率いる少数のフォビドゥンブルー・ディープフォビドゥンらにより壊滅状態に陥れられた。
SEED DESTINY
C.E.74年初頭のオペレーション・ラグナロクでは、グーン、アッシュと共にフォビドゥンヴォーテクスを撃破、水中MS部隊をヘブンズベース基地へ上陸させることに貢献した。
また、セイラン家に逃げたロード・ジブリールを捕まえるべく敢行されたオペレーション・フューリーでは、立ちはだかるM1アストレイやムラサメを撃破したが、突如現れたアカツキに撃破されてしまった。
バリエーション
ゾノ・ジ・エッジ
漫画版「DESTINY ASTRAY」の4巻の巻末に登場。
デザイナーの町田能彦氏が考案したゾノの強化型で、コンセプトは「宇宙戦用 超・高機動格闘MS」。腕部クローにドリルアームを取り付け、頭部に近接戦闘用の大型ブレードアンテナを装備している。
しかし、あまりにも世界観からかけ離れた姿をしていたからか、担当からボツを食らってしまい、作中への登場は果たせなかった(本機体がビルドシリーズの改造ガンプラだったならば、まだ登場出来るチャンスは有ったかもしれない…)。
立体物
グーンと異なり、その巨体がネックと為ったか本放送当時からガンプラ化はされておらず、SDガンダムのガシャポンシリーズと1/400スケールの「ガンダムコレクション」シリーズ(何れも小スケールの完成品)位しか立体物が無かった。
2022年3月、ガンダムSEEDシリーズ20周年を記念し「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」シリーズがガンダムSEEDで開始される事が発表されたが、企画中のシルエットの中に明らかにゾノと思われるものが含まれていた。
続く5月には玩具付き入浴剤「びっくらたまご」20周年コラボとしてガンプラ付属品の発売が決定。
メインと為るのはEGストライクガンダム(ディアクティブモード及びグランドスラム装備の二種)だが、入浴剤カプセルに入る程度の約3cmの『ミニガンプラ』としてグーンと共にゾノもラインナップされ(『モビルゾノ』名義)、どちらかがランダムで付属する。
小型サイズとは言えゾノ初のガンプラと成った。