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概要

正式名称は『MMI-X340 パルマフィオキーナ 掌部ビーム砲』。

ZGMF-X42S デスティニーの掌部に内蔵されたビーム兵器で、デスティニーで初めて実用化された装備にして、デスティニーと言うMSを象徴する必殺武器。

そのコンセプトは『掌からビーム砲で敵を撃ち抜く』というもの。ただし開放型のビームジェネレーターであったり、短距離型のビームソードとして扱われる事もあり、扱いは一定しない。また、極至近距離で密着して使用されるケースが多いが、放送当時のゲーム媒体は初期設定の名残りかビームライフルのような射撃や長距離での狙撃もできる場合がある。

こうした掌部に武器を格納するアイデアはザフトではゾノのフォノンメーザー砲が存在したため、コンセプトそのものは珍しくない。ただし、あちらは音波兵器。

また、至近距離のビーム砲としては地球連合軍においてレイダーのツォーンが存在しており、こちらも既に珍しいと言う訳でもなかった。

その2つが悪魔合体したのが当武装と言える。

用法は広く、名前の通りビーム砲であるため敵機を打ち抜いたり(多くの場合、零距離で密着しながら行われる)、短距離型ビームソードを展開して突貫なんて事もできたりする(デストロイに使用した際はその強固な装甲をマトモに抉り、巨躯の反対側にビームが貫通しても動作保証するデバイスのタフさを見せた)。

そのビームの威力はなんと戦艦を轟沈できるほど。

デスティニー独自の実験的な兵装であり、故に戦術バリエーションも未知数である。パイロットの発想次第では様々な応用が可能であるとされている。

パルマフィオキーナ(palma fiocina)とはイタリア語で「掌の銛」、の意。

劇中での活躍

劇中では青白い独特のビームを放つ。初陣ではアスラン・ザラの乗るグフイグナイテッドの放ったスレイヤーウィップを高周波振動で赤熱化しているにもかかわらず迎撃し、ウィップを爆発させ使用不能に。ヘブンズベースのデストロイ相手には頭部を一撃で破壊し、ダイダロス基地のこれまたデストロイにはコクピットを破壊してみせた。

オーブ沖戦では画面外からこの青白いビームによってムラサメを撃墜している。なお、放送当時の設定では問題なかったシーンだが、現行の設定「極至近距離のビーム砲」へ変遷した後のリマスター版では通常ビームライフルによる攻撃へ訂正されている。

最終決戦のインフィニットジャスティスとの戦いではほとんどの接近戦武装を失ったデスティニーがこの装備で突貫するも、その矢先に戦いを静止しようと割って入ったルナマリア駆るインパルスと、インフィニットジャスティスのビームシールドに塞がれる。

直後に両腕で攻撃を再開するも、インフィニットジャスティスの連結ビームサーベル(リマスター版ではさらにシャイニングエッジとの同時攻撃)を一定時間受け止めた後、ビーム砲発生器ごと腕部と翼を破壊され、立て続けに脚のビームブレイドで右脚も破壊された結果、デスティニーは月面に叩きつけられ、その役目を終えた。

制作秘話

  • デスティニーガンダムがSEEDシリーズ定番の「全部載せ」なデザインであったことから、演出の差別化のために生まれた。発案者はキャラクターデザインの平井久司
  • 元々は、かめはめ波のようなビーム砲にする予定でシャイニングフィンガーのような武装では無かった。しかし、演出を行う機会がなかったのでかめはめ波のようなビーム砲として使われる事が無かった。
    • パルマフィオキーナの長距離ビームは初期のゲーム媒体やガンプラのパッケージでしか見れない幻のギミックとなっている。

余談

上述の通り可変式のビーム砲に過ぎないのでシャイニングフィンガーゴッドフィンガー、ダークネスフィンガー、溶断破砕マニピュレーターなどとは似て非なる別物である。これは共通して『流体金属を使ってマニピュレーターを赤熱化する』代物であり根本から異なっている。

また、この代物たちは『エネルギー砲のように放出する』シーンが多々あり、射撃武器として使える事が確認されている。一方で、パルマフィオキーナのみが射撃武器として使えなくなっている。

ゲームにおいては登場作品によって、攻撃の仕方が変わる。劇中ではビームサーベルを受け止めていたが、デスティニーは通常のシールドを装備しているためか、ゲームなどではもっぱら接近戦用の武器として使われることが多い。

●ガンダムVSシリーズやGジェネレーションシリーズでは

「相手を掴んで(掌の発射口を密着させて)連続でビームを叩き込む」

●スーパーロボット大戦では

「広げた掌を相手に向かって突き出す(掌底を打ち込む)と同時にビームの一撃を放つ」

ガンダムブレイカーシリーズでは

デスティニーのアームパーツを装備することによって、フラッシュエッジ2と共に使用可能なオプション装備となる。左手を突き出した状態で突進し、ヒットするとそのまま一定距離を運搬、掌からのビーム(というか爆発)でトドメ。強化機体や巨大ボスなど、運搬不可能な相手に対しては相手の目の前でビームを爆発させる。ゴッドフィンガーなどと同じモーションだが、あちらは運搬中にもある程度ダメージが入るのに対し、こちらは一応ある程度のカスダメでとどめの爆発にダメージが集中している。また、あくまで武装でありゴッドフィンガーの様な必殺技ではないので連射可能、その分火力は通常攻撃程度である。

機動戦士ガンダムオンラインでは、ゲーム作品としては珍しくビームを発射する武装として登場した。一般的なビームライフル兵装並の射程を持っており、設定通りと言えば設定通り。

ガンダムブレイカーバトローグに登場するデスティニー要素が組み込まれたガンプラ:ガンダムヘリオスにもこの武装が搭載されている。こちらは明確に射撃装備として扱えるよう調整されており、どころかヘリオスのフルバーストに相当する「ヘリオスセステットキャノン」にもこの武装が使われている。大躍進。

関連タグ

機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

デスティニー デスティニーSpecⅡ

レッドフレーム:光雷球という類似した技を使用。

シャイニングフィンガーゴッドフィンガー溶断破砕マニピュレーター:似て非なるもの。

ゴッドプレス

螺旋丸:同じく至近距離で高威力のエネルギーをぶち込む技。ほかにもこの技の持ち主は、分身ができる(原理は違うが)といった、デスティニーと同じ共通点がある。

ディバインバスター:この技は基本遠距離攻撃だが、派生として同じく至近距離で高威力のエネルギーをぶち込む型が存在する。

SEED FREEDOM』では

SpecⅡへ改修を受けたデスティニーにも引き続き装備されている。

劇中ではブラックナイツ4人に対しての立ち回りの中で他の武装同様に使用、高い機動性を活かして接射している他、デスティニーの多重分身によりアロンダイトやフラッシュエッジ、ビーム砲と同時に使用。ブラックナイトスコード ルドラ3機へのトドメのうちの一つに用いられ、ビーム射撃が通用しないとされるフェムテク装甲に対して手刀で装甲を貫いてから機体内で発射し、土手っ腹をぶち抜き撃墜した。デスティニーのフレームはストライクフリーダムやインフィニットジャスティスと同じく高負荷に耐える為にPS装甲が施されており、その強度を攻撃にも活かしたと言える。

残りの2機はこれの前にアロンダイトと分身フラッシュエッジ6本→ビーム砲接射によってそれぞれ撃墜されており、分身によってシンはこれを同時に行ってまとめて撃墜している。シンとデスティニーがポテンシャルを最大限発揮するとどうなるかを、敵側にも視聴者側にも見せつけることとなった。

劇中におけるデスティニーの大立ち回りの〆として使われたこともあって、本機の象徴として改めて視聴者達に印象を刻みつけたことだろう。

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