概要
両手を前方に突き出し、凝縮した気(ここでは体内の潜在的パワー)を高圧・灼熱の破壊エネルギーとして掌から放射する、気功波の一種。
かつて、地球人である亀仙人(武天老師)が厳しい修行の末「気」を自在に操る術を身に付け、編み出したこの気功技に「かめはめ波」と名付けた。
連載全体で見ると初登場は物語初期の方だが、物語後半に強さがインフレしてもヘタレることなくここぞという時の必殺技として存在感を十分に示しており、現在でもなお(単に「悟空が最初に亀仙人に教わった必殺技だから」だけではなく)悟空にとっては「クリーンヒットすれば勝負を決めうる、必殺技」であり続けている。とはいえ分かりやすい目安であるためか、ボスキャラには決め技にならない事が多い。
悟空が亀仙人に弟子入りするきっかけとなったのは、一度見ただけで見よう見まねで放った事からである。亀仙人自身が会得するのにかなりの時間がかかったのに対して、悟空があっさりとやってのけた様に天性の才能を感じて弟子にした。
亀仙流は、基本的に拳法の技や型を教えるというよりも、基礎体力の向上や感覚を研ぎ澄ませることを目的とし、そこからさらに修行者が独自に技を磨く姿勢、我流に昇華していく事を極意とする流派なので、亀仙人がかめはめ波を直接伝授した事は一切なく、上記の悟空の他にもヤムチャは亀仙人が知らない間にかめはめ波を習得しており、それを見たクリリンもまた見様見真似で習得している(また、天津飯が挑発目的でラーニングした事もある)。このため、孫悟飯をはじめとする他の使い手も見様見真似で習得した可能性が高い。
門下では唯一牛魔王だけは習得に至っておらず、作者の鳥山曰く「才能が足りなかった」との事。
なお、足から放ったり(孫悟空vsマジュニア戦)、ビッグバンアタックのように片手で放ったり(孫悟飯vsセル戦)といった応用も可能。バリエーションも様々(そういう意味では先述の「教わったことを我流に昇華していく、ある程度弟子の才能・努力によるアレンジを前提にした指導」にも沿っていることになる)。
舞空術がまだ浸透していない時期に、武道会での場外負け回避や、空中での移動の為にジェット噴射として用いる場面も多数あり、弟子入りしてすぐのころには既にかなりの応用が行われていた。
かめはめ波を放っている最中に手元からグイっと軌道を曲げて、敵の背後に回り込ませたり(悟空vsピッコロ大魔王戦)、逃れた敵を追撃する(悟空vsラディッツ戦)事も出来る(初披露時の口振からして、その場の思い付きで試したら偶々成功したらしい)といった曲射や、両手で1個ずつ球状に放ったのち、その場から離れて順番に遠隔操作で打ち出すといった使い方(悟空vsフリーザ戦)といった複数回発射も可能。
ベジータの言によるとサイヤ人が使う気功波「ギャリック砲」に似ているとの事。
この面から言えば、地球人の身でこの技を、それも独力で会得するに至った亀仙人の才能と努力が相当のものであることを理解できるとも言える。
もっとも、やはり直接仕込まれたわけでもないのに独自に習得してしまったヤムチャとそこから見様見真似で習得したクリリンも無体だが……
極端にいえば、『最低限度の気功技』が使える者ならば、かめはめ波のポーズだけでも真似っこしながら気を撃ってしまえば、形だけは誰にでも出来そうなモノなのだが・・・使えるハズのない思わぬ人物(ジャッキー・チュン戦の天津飯や、ピッコロ戦のセル、悟空戦の魔人ブウ等)があっさり使ったのを見た者が、ひどく驚いてるトコロから考えると、そう簡単なモノでもないらしい。
変わったところでは初登場時のセルが挙げられ、彼の戦闘力は最初の時点でフリーザを大きく凌駕しているはずであるが、放ったかめはめ波の威力自体は細胞採取時の対ナッパ・ベジータ戦の悟空に準拠していたものであった。また、超サイヤ人3の悟空と互角の戦いを演じていた純粋のブウのかめはめ波に対し、反撃に放った本場のかめはめ波はブウの五体を消し飛ばしているなど明確に威力の差が表現されている。
名前の由来は、ハワイ王国の初代国王カメハメハ大王。名付け親は鳥山明先生の夫人。
ドラゴンボール世代の少年少女には、かめはめ波を本気で練習した過去を持つ者が数多く存在する。
しかし「サンタさんの存在」と同様、大人になるにつれてかめはめ波の修得を諦めていくものも少なくない。
だが、諦めきれぬ者もまた、いる。
とは言えまぁ、作中に当てはめても撃てるのは(純血のサイヤ人である悟空を除くと)スカウター計測値100以上の者なので、ちょっと一般人に撃てる代物ではない。
知名度
作品を代表する技であり、ドラゴンボールという作品の世界的普及と共に広く知られている。
ドラゴンボールという作品を読んだことがない人でも、この技を知っているという人は多い。
海外においても有名アスリートなどが試合中のパフォーマンスの一環で、かめはめ波のポーズを取る場面がしばしば見られる。
- ニュージーランドでは2001年から、いかにかっこよくかめはめ波の動作ができるかを競うコンテストが開かれている。
- 2020年に開催された東京オリンピック(2020年)では、開催地が日本ということもあってかめはめ波ポーズを披露した選手も多かったとか。
- 2024年開催のパリ五輪においても、陸上の男子100メートルを制した金メダリストのノア・ライルズがかめはめ波のポーズを披露した他、フェンシング男子サーブル団体のフランス代表の選手たちが同じくかめはめ波のポーズを披露するなど、同技の知名度およびドラゴンボールの世界的人気をオリンピックで証明する形となった。
- 手話でドラゴンボールという作品を表すのはかめはめ波の動作である。
というわけでレッツ・ビギン!
(※作中様々な使われ方をしましたが、ここでは基本の形を記述します)
1.片足を前に出す様に、しっかりと大きく脚を開き、腰を落とす。
2.「か」…両掌を鳥の喙(くちばし)の様な形に取り、手前に構える。
3.「め」…両掌は上記の構えのまま、腰の辺りまでゆっくりと持っていく。
4.「は」…体内の潜在エネルギーである「気」を両掌に集めつつ、溜める。
5.「め」…上半身から両掌に気を最大に集中させ、発射準備をとる。
6.「波」…腰に構えていた両掌を前方に突き出すと同時に、気を大砲の様に撃ち出す!!
- 構え!
- か…
- め…
- は…
- め…
- 波!
…最近銀さんがゲーム中でもたまに出すようになった(原作での練習の成果…か?)
使用者
- 亀仙人
- 孫悟飯じいちゃん
- 孫悟空
- クリリン
- ヤムチャ
- 天津飯
- 孫悟飯…原作での初使用がノーチャージかめはめ波だったかなり珍しいパターン。
- セル
- セルジュニア(一部ゲーム)
- 孫悟天
- トランクス(アニメで使用)
- 魔人ブウ…Z戦士入りして以降も使えるかは不明?だが、『超』での必殺技時の動きは思いっきりかめはめ波だった
- パン
- ウーブ(一部ゲーム)
- ゴクウブラック
- ゴテンクス(一部ゲーム。原作では撃つ直前に超サイヤ人3が解けて不発)
- ゴジータ
- ベジット(アニメ本編では「ファイナルかめはめ波」だったが、外伝のアニメでは通常のかめはめ波も使用)
- ゴタン(一部ゲーム)
- ビート(ワールドミッションではラスボス戦で使用)
- ノート(漫画ビクトリーミッションで七星龍を撃破するのに使用)
別作品
- 坂田銀時『銀魂』(一部ゲーム)
- 野原みさえ『クレヨンしんちゃん』…原作にてスーパーサイヤ母ちゃん3になって使用。
- 湯婆婆『千と千尋の神隠し』(絵コンテに「ドラゴンボール風」とある)
- ボボボーボ・ボーボボ『ボボボーボ・ボーボボ』(かめはめ波と言いながら拳銃を撃っただけ)
- 首領パッチ『〃』(上に同じ)
- ところ天の助『〃』(上に同じ)
- ボボパッチの助『〃』(前回のあらすじの中で使用。無論、あらずじの内容は大嘘)
- ヴェルドラ=テンペスト『転生したらスライムだった件』(エンドクレジットにて、協力『ドラゴンボール』と書かれている)
- 聖あげは『ひろがるスカイ!プリキュア』(こちらを参照)
- 五河士道『デート・ア・ライブ』…中二病時代に独自開発した必殺技・瞬閃轟爆破のビジュアルが完全にコレ。
- 野沢雅子『声優』「起きてすぐにかめはめ波を撃てますよ」(支障なく発声可能という意味……多分)
−epic!sans『epictale』(「kamehamebruh」という名前で使用。)
バリエーション
- 足かめはめ波(悟空がマジュニア戦で使用。原作で使ったのはここのみ)
- 怒りのかめはめ波/断絶のエネルギー波(「バカヤロー」の叫び声と共にフリーザを撃破した片手のかめはめ波。原作では右手、アニメでは左手で放った。一部ゲームでは「断絶のエネルギー波」や台詞が技名になるなどかめはめ波扱いされない場合も。ちなみに数少ない悟空のかめはめ波が決め技になった事例)
- 親子かめはめ波(悟空と悟飯の放つかめはめ波。あるいは少年悟飯がセルとの決戦で使用した片手のかめはめ波)
- 親子かめはめ波・フルパワー(『ドラゴンボールファイターズ』や『スーパードラゴンボールヒーローズ』で悟飯が使用)
- 親子三大かめはめ波(『危険なふたり!超戦士はねむれない』で放った悟空・悟飯・悟天のかめはめ波)
- 拡散かめはめ波/拡散弾/拡散エネルギー波(クリリンがサイバイマンの群れを倒す際に使用。一部ゲームでは「拡散弾」「拡散エネルギー波」などかめはめ波扱いされない場合も)
- 片手かめはめ波(片腕を失った未来悟飯の使うかめはめ波。少年悟飯もセルとの戦いで片手でかめはめ波を放っている。悟空もピッコロ大魔王編で使った腹を貫く技で使っている)
- かめかめ波(悟天のかめはめ波。気のコントロールが不十分で狙いが甘い)
- 究極極意のかめはめ波(身勝手の極意時のかめはめ波)
- 究極のかめはめ波(ゴジータブルーのかめはめ波)
- 限界ウルトラかめはめ波(ゴジータブルーのかめはめ波)
- 限界突破かめはめ波(超サイヤ人ゴッド時のかめはめ波)
- ゴッドかめはめ波(超サイヤ人ブルー時のかめはめ波)
- ゴッドビッグバンかめはめ波(ゴジータブルーのかめはめ波)
- 3倍界王拳かめはめ波/4倍界王拳かめはめ波(ベジータのギャリック砲との打ち合いで使用)
- 疾風迅雷かめはめ波(ゴジータブルーのかめはめ波)
- 神越かめはめ波(身勝手の極意”兆”悟空のかめはめ波)
- 10倍かめはめ波(ドラゴンボールGTにおける超サイヤ人4悟空の必殺技。「じゅうべぇかめはめは」と言う)
- 10倍ゴッドかめはめ波(超サイヤ人ブルー界王拳10倍で使用)
- 瞬間移動かめはめ波(敵の目前に瞬間移動して放つかめはめ波。悟空がセル戦で使用)
- 瞬間移動ファイナルかめはめ波(ベジットブルーの瞬間移動かめはめ波)
- 太陽系破壊かめはめ波/パーフェクトかめはめ波(パーフェクトセルが放った、自称「太陽系全てが吹き飛ぶほど」の威力を持つかめはめ波)
- 超かめはめ波(悟空がマジュニア戦で使用。悟空が独自開発した「とっておき」だがあまり効かなかった。原作で使ったのはここのみ。ゲーム作品では結構使われており、「スーパーかめはめ波」名義になっていた事も)
- 超極限かめはめ波(身勝手の極意時のかめはめ波)
- 超ブラックかめはめ波(ブラックかめはめ波の強化版。一部ゲーム作品にのみ登場)
- どどはめ波(ゲーム作品でヤムチャと天津飯がフュージョンしたヤム飯が使用)
- 20倍界王拳かめはめ波(悟空がフリーザとの戦いで使用)
- 本場のかめはめ波(魔人ブウ(純粋)戦で超サイヤ人3になった際に使用)
- ビッグバンかめはめ波(超サイヤ人4ゴジータが使用。ゲームでは別形態も使用)
- 100倍ビッグバンかめはめ波(ゲームで超サイヤ人4ゴジータが使用)
- ウルトラビッグバンかめはめ波(ゲームで超サイヤ人4ゴジータが使用)
- ファイナルかめはめ波(ベジットブルーが使用。ゲームにおいてゴジータやベジットが使っていたものの逆輸入)
- ブラックかめはめ波(ゴクウブラックが使用。一部ゲーム作品においてこの名前が使われる)
- ブラックかめはめ波・ロゼ(ゴクウブラック(超サイヤ人ロゼ)が使用)
- フルパワーかめはめ波(『ドラゴンボールフュージョンズ』に登場)
- フルパワー10倍かめはめ波(孫悟空:ゼノ(超サイヤ人4)が使用)
- 4倍界王拳かめはめ波(ベジータのギャリック砲を押し返した技)
- 龍拳(上記の通りピッコロ大魔王戦で使った際は始動が片手かめはめ波。このため、一部ゲーム作品では「逆かめはめ波」という名称だった)
関連タグ
波動砲・北斗剛掌波・波動拳・はどうだん・きあいだま・ラージャンのブレス・尾獣玉・デラックスボンバー・エメラルドスプラッシュ・獅子咆哮弾(初期型)・ドルオーラ:似たような技。