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概要編集

主人公・孫悟空の宿敵として登場した、世界征服を目論む魔族の長。

後にその出自は「ナメック星人」という地球から遠く離れた異星人で、尚且つ地球の神が分離させた悪の心の化身であることが明かされる。

名前の由来は木管楽器「ピッコロ・フルート」から。


なお、作中には該当キャラが2人登場しており、少年時代の悟空が出会った初代大魔王と、初代が作中生み出した息子である2代目が居る。「大魔王」の冠名が使われるのはほとんどの場合初代のほうで、2代目は単に「ピッコロ」と呼ばれることが多い。もしくは「マジュニア」「神コロ様」とも。


初代と2代目は親子であると共に初代の分身でもあるような特異な存在にあり、実際「ピッコロ大魔王」が死ねば共に死ぬはずの神が以降も生きているなど、その関係性が強調されている。


なお、当初は魔族に殺された者は成仏できず、この世に苦しみながら留まり続けるという恐ろしい設定があった。


以降、初代ピッコロ大魔王について解説する。


人物像編集

CV:青野武(元祖)→島田敏(2015年〜?、ドラゴンボールヒーローズほか)

(分身である地球の神と兼役)


戦闘力260(若返り時)。身長250cm、体重200kg。

爆力魔波の威力は小型核ミサイルに匹敵する。


本作ではじめて登場した「純粋な悪者」。

ギャグ調であったDBを一転してシリアスな世界観に変貌させた張本人

その昔、武天老師こと亀仙人の師である武泰斗の放った封印術「魔封波」により、彼の命と引き換えに封印されたが、ピラフ一味によって封印を解かれ復活を果たす。自身の部下である魔族を次々と生み出し、ドラゴンボールを探させると同時に、魔封波を恐れて過去に天下一武道会に出場した実力者たちを始末させている。

この魔封波に対する警戒心は相当なもので、圧倒的な力の差を見せつけた悟空との初戦時でも、かめはめ波を繰り出そうとした際、魔封波かと思い一瞬怯えたほどである。また、亀仙人との戦いで彼が電子ジャーを持ち出した時は、悲鳴を上げて一目散に逃走するという醜態を見せている。

アニメ版ではドラムとの実力差を埋めるべく奮闘する天津飯を見て「なぜ勝ち目がないのに戦うのか」と恐怖と疑問を同時に抱いていた。


魔族さん

部下は基本的に彼の口から吐き出される卵から生まれ、羽の生えた半魚人風の戦士タンバリン、参謀格でバラモス似のピアノドラゴンタイプの戦士シンバル、巨体で素早い動きの戦士ドラムなどがいる。


物語後半ではキングキャッスルを占拠して国王の座を奪い取りに掛かるなど、世界征服が目的のように思えるが少し違う。彼の目的は「法律警察軍隊と言った抑止力を撤廃し、戦争暴力強盗殺人と言ったあらゆる犯罪行為を自由化することで正義が駆逐されが蔓延る世の中にすること」というものである。その目的の為には徹底的に『正義』を排他しようとしており、テレビ放送でも国民に向けて「正義感ぶった奴がいたら自分が殺しに行く」とまで告げているほど。

5月9日ピッコロ記念日として、毎年その日には1~43の数字が書かれたくじ引きを行い、そのくじに書かれた地区にある街を1つ消し去るという外道っぷりを見せた。

センシティブな作品

ピッコロ大魔王の軍団は、悟空の仲間であるクリリン亀仙人チャオズの命を奪っていき、ドラゴンボールで自らを若返らせた直後に神龍も手にかけたり、クジ引きで当たった都市を消滅させようとするなど、これまでの悪役を遥かに上回る行いをやってのけた。

主人公の親友と師匠に加え、物語のキーである神龍の命も奪ったという意味においては、フリーザに次ぐ悟空の因縁めいた相手と言える。フリーザが「サイヤ人としての因縁の敵」ならばピッコロ大魔王は「亀仙流の因縁の敵」といったところか。


不死身の決戦!!DRAGON BALL 悟空 vs ピッコロ大魔王

悟空との決戦でも、その残虐性を見せつけ、天津飯を人質に取ると悟空の手足を一本ずつ砕いて生殺しにするなど優勢に立つが、右腕だけを残したのが災いして、悟空の渾身のパンチで腹に大穴を空けられて敗北。しかし、絶命する寸前、その怨念を託した息子(の卵)を吐き出し、自身の仇討ちとその野心を託した。そして「悪の根を絶やしてならぬ」と言い残し、爆発四散した。


その所業など一貫してシリアスな悪役にも思えるが、封印されていたのが電子ジャーであったり、卵を生む際の呪文が「ポコペンポコペンダーレガツツイタ…」という珍妙なものだったりと、鳥山作品らしいシュールレアリズム溢れるギャグ要素も含まれていたりする。


また、悪役としては珍しく非常に部下思いでもある。一人も部下を処刑していないどころか自分の部下の死を感じたときには苦渋の表情を浮かべたり、他人のピラフ一味ですら用済みと判断しても追い出す程度で済ませるなど比較的味方に対しては優しい(もっともピラフ一味に関しては、飛行船から落としておりギャグマンガでなければ死んでいたのだが……)。



外部作品でのピッコロ大魔王編集

ファミコンジャンプ英雄列伝編集

ジャンプワールドを乗っ取った大ボス。DBが当時のジャンプの看板作品であったため、表向きのラスボスとして起用された。


ドラゴンボールZ 超悟空伝 突激編編集

パッケージに彼の姿が描かれており、半身が老人、もう片方の半身が若い姿となっている。“Z”と付いているが表紙からも分かるように悟空の少年時代をほぼ忠実に描いており、ピッコロ大魔王はラスボスとして登場する。


ゲーム「舞空闘劇」編集

ピッコロのifストーリーのイベントのみの登場にとどまっているが、彼の存在が物語後半で重要となっている。

魔人ブウ(無邪気)に苦戦したピッコロは、自分には何かが足りなかったと考える。やがて行きついた答えは、ピッコロ大魔王との同化だった。

ピッコロは大魔王の記憶や技を全て受け継ぎはしたが、個体としては大魔王当人ではない。それ故にサイヤ人相手にすらまず負けないとされた天才児「カタッツの子」の復活には、神とピッコロの同化ではなく、神と大魔王の同化でなければならなかったのだ。そこでピッコロはナメック星に急行、ナメック星のドラゴンボールで大魔王を復活させ同化を迫る。

ピッコロ大魔王は、神と同化した息子のことを「神」と見なして拒否。自分に勝てば考えてやると言い親子対決を演じることに。息子に敗北した後は、好きにしろと潔さを見せた。

これによりピッコロは神と大魔王双方と同化し、「カタッツの子」との完全な同化を果たす。そして大幅なパワーアップにより魔人ブウ(悪)とも互角に渡り合うことが可能となった(地球に戻った時にはブウは悪になっていた)。



ドラゴンボールエボリューション編集

演:ジェームズ・マースターズ(日本語版吹替:大塚芳忠)


ハリウッドにて制作された実写版におけるピッコロ大魔王

かつて2000年前に地球を破滅寸前まで追いやった魔族で、現在まで幽閉されていたが復活し、次の日食が起こる日までにドラゴンボールを集めて地球を征服しようと企む。なお復活した経緯は不明。


部下にはマイという東洋人風の女戦士がいる(原作のピラフ一味の紅一点)。また、自身の体液から産み出したモンスターを率いる。


その正体は、はるか昔に地球にやってきた異星人ナメック星人。悟空とその養父である孫悟飯(じっちゃん)は大魔王の正体が「ナメック星人」であることを知っている。逆にピッコロも悟空の出生の秘密を知っている。


外見は毛髪のない緑色の肌であることは共通しているが原作のような触角はなく、服装もパワードスーツのようなサイバーな装備となっている。なお、ゲーム版には強化形態の「ネオピッコロ」が登場している。


スーパードラゴンボールヒーローズワールドミッション編集

スーパードラゴンボールヒーローズの派生作品。

時の裂け目から出てきた本来の歴史とは異なる存在として登場。一度倒された自分がなぜか復活し、しかも大幅にパワーアップを果たしていることに疑問を感じていたが、気にせず世界征服の野望に取り掛かる。

そこへ主人公と遭遇し、対決することに。敗れた後は説得の言葉を向けられたが、聞き入れることなくその場から逃げ去った。去り際には主人公を倒してから世界征服に取り掛かることを告げている(つまり主人公を倒すまでは世界征服に取り掛からないということ)。


余談編集

鳥山明は、一説にはピッコロ大魔王編限りで作品を完結させようと考えていたが、この頃には人気過ぎてすでに自分の意思では完結できなくなっていた。ここから長期にわたって鳥山の連載を終了したいという苦悩が続くことになった。

また当時、「本物の悪」を表現できなかった鳥山に鳥嶋和彦が歴史上の悪い云われのある人物を語っていた時期があり、皇帝ネロの話に影響されて作られたのがピッコロ大魔王であったと最強ジャンプ内コーナーで語られている。


ちなみにピッコロ大魔王が普段座っている禍々しい玉座はナメック星の最長老の物とデザインが類似しており、鳥山明は「ピッコロ大魔王の頭の中にナメック星にいた頃の記憶が少し残っていたためではないか」と語っている。


関連イラスト編集

ピッコロ大魔王피콜로 대마왕

ピッコロ大魔王ピッコロ大魔王




別表記編集

ピッコロ 初代ピッコロ大魔王


関連タグ編集

ドラゴンボール DB ピッコロ大魔王編

魔族 魔王(大魔王) ナメック星人 魔封波

ピッコロ(ドラゴンボール) マジュニア 地球の神 ピラフ一味

ドラゴンボールヒーローズ DRAGONBALLEVOLUTION


セル(ドラゴンボール):「緑肌の怪物で目的のため特定の人物を狙う」「テレビを利用して世界中に宣言する」「国王が登場する」「体内からしもべを生み出す」「悟空との初対決に勝利するが、その後潜在能力を開花させた少年に敗れる」などセルフオマージュが窺える。

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