概要
惑星ベジータを母星とする宇宙人。容姿は地球人に似ている。超人的な肉体と高い戦闘能力、好戦的で残忍な性格を有し、銀河系最強クラスの戦闘民族。
ベジータによれば「気に入らなければ親でも殺す」とのこと。
例外も存在し、ギネやターブルは戦闘を好まない温厚な性格で「非戦闘タイプ」と見なされている。
歴史
元来の母星は惑星サダラ。ところが、元々同じサイヤ人同士でも日常的に殺し合いが絶えないほど好戦的な種族だったが故に、遂には壮絶な内戦を引き起こして何もかもを失い、狩猟を生業としながら宇宙を彷徨う流浪の少数民族にまで落ちぶれてしまった。
その後、境遇を哀れんだ惑星プラントの先住民ツフル人に保護され、プラント移住後は着実に仲間を増やしながらツフル人の文化や技術(丸型宇宙船やスカウターなど)を吸収したのち、ベジータ王の統率の下に反旗を翻してツフル人たちを一人残らず皆殺しにすると、占領したプラントの名を惑星ベジータに改め、王政を開始した。
内戦を防ぐ意味もあって、サイヤ人の闘争本能を外部に向けることを企図したベジータ王の政策により、他惑星への戦闘提供ビジネス(一種の傭兵稼業)を種族全体で行うようになり、やがてコルド大王・フリーザ親子と契約し(…と言えば聞こえはいいが、実質的には国ごと吸収されて配下にされてしまっていた)、数々の惑星を侵略・制圧しそれを異星人に売る「宇宙の地上げ屋」たる彼らの仕事に加担した。
それから数年後、(原因は諸説あるが)フリーザの手により惑星ベジータは消滅。
この際、サイヤ人はベジータら少数の男性のみが生き残り、劇中で純血サイヤ人はいずれ絶滅する運命にある。
身体・能力の特徴
- 地球人と酷似するが、猿のような茶色い毛で覆われた長い尻尾が生えている。ベジータによればサイヤ人はすべて黒髪であるという。
- ターレスが、自身の容姿が悟空と瓜二つな事について、「下級戦士は顔のパターンが少ない」と発言しており、血縁関係が無い者同士でも容姿が似る事があるようだが、劇中では悟空とターレス、及び悟空の父親のバーダック以外に容姿が似ているサイヤ人が登場したことはない。また、ターレスは劇場版のみの登場となっている為、原作(マンガ版)を基準とした場合、現時点で容姿が似ているのは悟空とバーダックのみである。
- 純血のサイヤ人の髪は生まれた時から生えきっており、生涯長さは不必要に変化しない。切れても元の長さまで生える。ただし、禿げることはある。
- サイヤ人の男女比率は8:2くらい。サイヤ人の女は非常に少ない。また、種族全体の性格でサイヤ人の女も気が強い者が多く、サイヤ人の生き残りである悟空とベジータが地球人で妻としたチチとブルマは、気性が類似しているという。(→女サイヤ人参照)
- 先祖は地球人と似た年齢の取り方だったが、代々戦闘種族として進化して行き、その結果、子供時代は15歳頃まで幼児体型で相手を油断させ、その後18歳くらいから一気に戦闘に向いた体型に成長するようになった。そしてより多く闘うために青年期は更に長くなり、50~60歳台でも顔に小さな皺ができて年齢を感じさせる程度で肉体の方は全く老化しなくなったが、ある年齢時期を境に一気に老けてしまい、反動で戦闘能力も著しくレベルが低下してしまう。ベジータの話によると最高80歳くらいまで肉体面は若いままでいられるよう進化したらしい。その寿命は地球人と同程度とされる。
- 別の資料では「地球人より自然寿命は長いが、戦いの中で生きているため、若くして命を落とす者が多く、結果的に平均寿命はそれほどでもない」ともされている。(最強ジャンプ2014年3月号付録冊子エピソードオブバーダック参照)
- 凄まじい大食いで、最低でも地球人の数倍以上は食べる。そのため、ベジータ星でも食料生産にはかなりの力を注いでいる様子が描かれており、戦いに向かない者の主な仕事はサイヤ人の主食である食肉の加工や調理だった。
- 種族全体の戦闘技術で、圧倒的なフィジカル、舞空術のような飛行能力、ビームやエネルギー弾を撃つことを体得している。ただし、気を探ることや戦闘力のコントロールは鍛錬しないと出来ない。
- フリーザ軍に組み入れられた時点で、種族全体が成人の時点で平均2000以上という高い戦闘力を有している。フリーザ軍にはサイヤ人の平均戦闘力を上回る戦闘員も所属しており、ナメック星人など一部の異星人の中にもサイヤ人の平均戦闘力を上回る者が存在するが、それらはあくまで各種族の中で突然変異的に戦闘力が高い個体が生まれたものを選りすぐった結果であり、サイヤ人のように種族全体での戦闘力の平均値が高い種族は宇宙の中でも珍しいとされる。
- 若いナメック星人と交戦したフリーザ直属の兵士達の戦闘力が推定1300~2000前後(当初は戦闘力1000程度のナメック星人を舐めてかかり、戦闘力を3000まで上昇させたナメック星人に敗れた事から推定)であることを考えると、サイヤ人の下級戦士でもこのフリーザ直属の兵士達(各種族から選りすぐった戦士)と同等か、それ以上の戦闘力を有している事は驚異的であるといえる。実際「ブロリー(BROLY)」でフリーザ軍の再建を行うにあたりフリーザがスカウトに設けた基準が"最低でも戦闘力1000"であり、チライはこれすら「そんなヤツ早々いない」と言っており、種としてのサイヤ人の戦闘力が如何に高いかがうかがえる。
- 傷の治りが早く、瀕死状態から回復すると戦闘力が大幅に上昇する。ただしこれにも限界があるらしく、サイヤ人の戦闘力の壁を何段階も超え続けてきた『超(漫画版)』時代の悟空やベジータはもはやこの性質が殆どなくなっている。
- この事を知ったクリリンは「激しい戦いの度に悟空は強くなっていった」と述懐しており、サイヤ人が襲来する前から悟空のパワーアップはサイヤ人の特性も手伝っていた事が仄めかされている。
- 生身のまま宇宙空間で生存できるかどうかは、原作では明言されていない。
- 原作では、悟空が兎人参化を如意棒を使って月まで連れて行っている話があるが、初期はギャグテイストが強いため、参考にならない。(悟空が自己申告しただけで実際に月まで連れてる描写はないことと、如意棒は目一杯まで伸ばしてもカリン塔から神殿までくらいの長さにしかならない設定から、如意棒を目一杯まで伸ばして、ナッパ処刑のように上空に思いっきりぶん投げて、兎人参化を宇宙空間に出させ、月の重力で無理矢理月に着地させた説が一部の間で囁かれている。)
- 原作では、サイヤ人編で悟空と対決したベジータが地球そのものを破壊しようとしたシーンがあるが、ハッタリだったのか本気だったのかは不明。フリーザ編では、フリーザは宇宙空間でも生きられるがサイヤ人は無理という会話が出てくる。
- 原作者脚本の『神と神』では、悟空と破壊神ビルスが最終的に戦っている場所はギリギリ空気のある成層圏。続編の『復活の「F」』では、同じ状況下で宇宙空間に放出されたベジータとフリーザに対して、破壊神ビルスが「あいつ(フリーザ)は宇宙空間でも生きられる」と発言していた。
- アニメ版では、ベジータとナッパが宇宙空間で活動するシーンや、バーダックが宇宙空間に飛び出してフリーザ軍と戦うシーンがある。ブロリーは宇宙空間の移動にバリアを使っている。なお、過去にパラガスが暴れているブロリーを止めようとして片目を潰された時も宇宙空間にいた。この時ブロリーはもちろん、パラガスも生身であった。
- 漫画版『超』では、成層圏から敵がその先の宇宙空間へ移動したため追おうとする悟空を「その先は宇宙空間だ」「オレ達サイヤ人が行ったら死んでしまうぞ」とベジータが制止する場面がある。
変身能力
- 変身型の種族で、尻尾を有した状態で満月またはそれを模したパワーボールを目を通して見ることで、1700万ゼノ超のブルーツ波を吸収し大猿に変身、戦闘力が10倍にはね上がる。ベジータ曰くパワーボールの場合は少し戦闘力が落ちるらしい。王族やエリート戦士は大猿化しても理性や知性を維持できるが、下級戦士の場合は理性も知性も失われ、暴れ回るだけの怪物と化す。当然ながら言葉を発することもできない。しかし、ゲーム『ドラゴンボールヒーローズ』では、生まれた時から戦闘力が1万もあったブロリーはエリート戦士の部類に入るにもかかわらず大猿化してもなぜか下級戦士同様理性も知性も失われたという設定になっている。満月から放出されるブルーツ波が途切れたり、尻尾を失くしたりすると大猿化が解ける。
- GTでは黄金の大猿が登場。現状では悟空およびベジータといった超サイヤ人に覚醒済みのサイヤ人限定。ここで理性を取り戻すことによって超サイヤ人4に目覚める。かつては純血のサイヤ人限定と思われていたが、後にGT悟飯が現れたため、混血であっても生まれた時に尻尾を有していれば変身できるようだ。
- ある一定条件を満たすと、急激な戦闘力上昇により人型を保ったまま別の形態に変身することが可能。(→超サイヤ人参照)
文化的なもの
- サイヤ人の社会は、ベジータ王を頂点にした専制君主制。尤も、ベジータ王が侵略で奪った地で始めたので、同世代の他のサイヤ人がどれだけそれを受け入れていたかは不明ではある。後述の通り、血統が重要視される世襲社会である事は間違いないが、パラガスなどは王の血統を脅かす可能性と言う理由で、息子のブロリーが殺される事は受け入れなかった。
- 血統と生まれた時の戦闘力の高さで身分が決まる。血統が良く戦闘力が高い者は「エリート」、親の身分が低く戦闘力が低い者は「下級戦士」。下級戦士はどんなに戦闘力があがってもエリート戦士にはなれない(例:戦闘力4000のナッパがエリートを名乗っている一方で、戦闘力10000超えのバーダックは下級戦士のまま)
- 一方で劇場版であるサイヤ人が大佐だったと設定されており、そうした出身による区分とは別に軍隊式の階級制度が存在した模様。
- 戦闘民族だけあって、本能の根本に戦闘が存在し、「敵を倒して奪う」事で一族が生存してきた(下記の地上げ家業もフリーザ一味との利害の一致と言える)。そのためか、戦闘以外の生存活動に対して極めて興味が薄い傾向がある。
- 地球で悟空とベジータがそれぞれの妻に「勤労して対価(賃金)を得る」意味での労働に消極的な事を咎められる場面が多いが、これもサイヤ人の本能からくる傾向と考えられる。
- 他惑星に攻め込みその星を制圧して異星人に売りつけることを生業とする、いわば宇宙規模の地上げ屋。この遠征はサイヤ人の戦士が子供の時分から行わされるが、次第に過激化してゆき、果ては戦闘力の数値が低い赤ん坊までもが、戦闘力の水準が低い惑星へ先鋒として送り込まれるようになった。ラディッツの「命令を覚えていたなら」という台詞から、赤ん坊にはそういった命令を刷り込ませていると思われる。
- 悟空が地球に送り込まれた時の描写について、原作では当初、亀仙人が「孫悟飯から尾の生えた赤ん坊(赤ん坊の時の悟空)をひろったと聞かされた」と発言していたことから、1990年放送の『たったひとりの最終決戦』では、悟空が生まれて数か月程度の赤ん坊の時に丸型宇宙船で送り込まれたという描写になっており、加えて亀仙人が「赤ん坊の時の悟空の性格が荒くて孫悟飯になつこうとしなかったが、ある日悟空があやまって谷に落ちて頭を強打したことで、その後性格の荒さが消えた」とも発言していることから、上述の赤ん坊への命令の刷り込みがこの時の悟空に行われていたとも受け取れる(ただし、悟空が送り込まれた時のエピソードは、後に『ドラゴンボールマイナス』では全く別の描写となっており、原作設定上の矛盾となっている)。
- 戦闘力が低い者や性格が非好戦的な者は他惑星に飛ばされる。生まれつき尋常でない戦闘力を持つ者もまた排除される(王族の脅威となりかねないため)。
- 強さこそがすべてであり誇りである。戦えなくなった者、ついていけない者は見捨てられ、死ぬ。
- 親子愛や兄弟愛に乏しい。気に入らなければ親兄弟でも容赦なく殺す。本来「家族」という関係性へのこだわりが薄いのが特徴であり、鳥山明は「バーダックにも兄弟はいるでしょうが、本人はまったく興味がないでしょう」と語っている。
- ラディッツが実の兄弟であることを利用して悟空に揺さぶりをかけていた為、骨肉の情の概念自体は理解しており、それが人にとっての弱みになり得る事も理解できている模様。
- 家族の意識は、本来繁殖の為の最低限のものでしかないらしく、バーダックとギネのように、繁殖目的以外の絆で結ばれるのは珍しいとのこと。
- バーダックは自分がカカロット(悟空)の心配をしている事をギネにサイヤ人らしくないと指摘されて、「お前(ギネ)の甘ったるい病気がうつった」と述べており、各個人が家族の情を自然に持つことはあっても、サイヤ人社会の建前として、それ自体があまり好ましいものではないとされている様子である。
- 原作者脚本の『ブロリー(BROLY)』では、サイヤ人として生まれた子供はどんな階級でも保育カプセルに入れられ親の手をかけずに育てられる様子が描かれている(カプセル内で幼児達はチューブに繋がれて眠り続けており、戦士としての技術を刷り込み学習させているのだと思われる)。そして上述のようにサイヤ人の戦士は子供でも戦場に駆り出されるので、これでは親子や兄弟の触れ合いが弱くなるのもさもありなんだろう。
- ターレス曰く「子供が親を殺す、それがサイヤ人だ」。パラガスは劇場版でその描写がある。パラガス曰く「これもサイヤ人のさだめか」。一方で彼自身はブロリーが赤子の頃から色々と気をかけており、それなりの父親らしさを持っていた。
- 王族生まれのベジータは、自身のプライドの高い性格の影響もあって、魔人ブウ編では家族を持つことになった自分自身に対して疑問視しており、本来のサイヤ人と言える戦闘狂に戻るべく魔人ベジータに変化したのだが、魔人ブウを復活させてしまった事を責任に感じ、ベジータは完全に家族愛を受け入れるようになっている。
- 親兄弟に特別な感情を抱くことが少ない一方で、「サイヤ人」という民族に対しては特別な同族意識・誇りを持っている者が多い。平和を愛するサイヤ人たちを同じサイヤ人だからとごく自然に仲間に勧誘する者たちや同族なのに死んだから復活させようと普通に考える者がいる。
- 戦闘民族と銘打ってはいるが、作中や別メディアで描写の多い悟空、ベジータ、バーダックのように強敵との戦いを好む武人的な思考を持ったサイヤ人は稀で、一般的なサイヤ人は自分より強い戦闘力の持ち主には手を出さずに逃げるか、卑怯な手段を用いて戦うなど、本質的には戦いを好む戦闘民族と言うよりも殺戮を好む蛮族と言える。
- コミカライズ版『ドラゴンボール超』で判明したが、前述の通り本来は惑星サダラに住まう者であったが、二派に分裂し滅んでしまい、後の惑星プラントに移住し今に至ったと云う。なお、平行世界である第六宇宙には同名の星は残っており、住民も健在である。そちらはサイヤ人(第6宇宙)の記事を参照。
地球人との混血
- 純血のサイヤ人よりも潜在的な戦闘力が高くなるらしいが、純血サイヤ人に比べると戦闘を好まない傾向がある。また、サイヤ人としての形質の発現率もまちまちである。詳しい説明はこちらを参照。
絶滅への道
- 惑星ベジータ滅亡後、生き残ったサイヤ人は他惑星にいたベジータ、ナッパ、ラディッツ、そしてカカロット(孫悟空)の4人のみ。アニメオリジナルを含めると、ターレス、ブロリー、パラガス、ターブルの計8人。また映画『ブロリー』では生存していたベジータのチームにナッパやラディッツ以外の大人のサイヤ人が数名確認できる(その後も生き残ったかは不明)。
- 惑星ベジータ滅亡により、女のサイヤ人はいなくなったため、今後純血のサイヤ人の誕生は見込めない。原作終盤まで生き残ったベジータ、カカロット、ターブルの3人はみな異星人の妻を娶っており、うちベジータ、カカロットは地球人との間に子をなしている。
- GT最終話までの年月を計算すると、惑星ベジータ崩壊から150年以上は種の絶滅を免れた事になる。だが、上記の事実が付与された事により別宇宙のサイヤ人は未だ健在の可能性が見えてきた。
主なサイヤ人
純血サイヤ人の名前の由来は、野菜のアナグラム。
その名前を聞いただけでサイヤ人と特定している者もいるため、結構色々な名前のあるドラゴンボール世界でもかなり独特な名前である様子。
例えばフリーザは、ベジータが悟空を「カカロット」と呼ぶのを聞き、「その名前はサイヤ人か」と発言している。
『ドラゴンボール超』ではベジータがブラにサイヤ人らしい名前として「エシャロット」と名付けようとしていたため、サイヤ人にとってもサイヤ人らしい名前の基準が存在するようである。
※は原作未登場のキャラクター。
原作、アニメ以外のキャラクターは数が多すぎる為、個別記事がある者のみ抜粋。
関連動画
【ドラゴンボール超】宇宙サバイバル編PV~サイヤ人編~
関連タグ
ドラゴンボール ドラゴンボールZ ドラゴンボールGT ドラゴンボールマイナス ブロリー(映画のタイトル) だから滅びた
男サイヤ人 男超サイヤ人 女サイヤ人 女超サイヤ人 サイヤ人(第6宇宙)
夜兎:こちらも宇宙最強の戦闘民族などと言われるなど、共通点が多い。
野沢雅子:サイヤ人のうち10人を演じる声優で、演者として超人的エピソードを持つサイヤ人おばあちゃん
サイヤ人で構成されたグループタグ
牛蒡一家:バーダック ギネ 孫悟空 ラディッツ (孫悟飯 孫悟天 パン 孫悟空Jr.)
野菜王家:ベジータ王 ベジータ ターブル (トランクス ブラ ベジータJr.)