成層圏は、地球の大気圏のうち、対流圏の上、中間圏の下。木星や土星、金星、土星の衛星タイタンの大気にもあるが、通常は地球の成層圏を指す。
地球の成層圏
高度およそ10数km〜50kmに位置し、「成層圏」の名は対流により上下の空気が混じり合うことがなく、気流が整然と層をなしていることからだが、実際には(対流圏よりは少ないとはいえ)多少の上下の混合がある。
雲を持つ対流圏の上にあるため雲が眼下に見え、上空の大気が薄く空が暗く見える。対流圏と成層圏の境(圏界面)がわかりやすいのは積乱雲(入道雲)が発達している時である。積乱雲は成層圏に突入できないので、圏界面を境に水平に広がる。ただし、雲が全くできないわけではなく、真珠母雲という雲が現れることがあり、高緯度地域の冬ではよく見かけられる。
地球の成層圏にはオゾン層が存在し、これが紫外線を吸収して発熱する。このため対流圏では上空になるほど気温が下がるのに対し、成層圏中では上空になるほど気温が高い。