概要
「DRAGONBALL- 放たれた運命の子供」(以下略称「マイナス」)とは、2014年発売の鳥山明のコミックス「銀河パトロールジャコ」内に収録されている16頁の描き下ろし読切漫画。
「銀河パトロールジャコ」と同じく同作者の漫画「ドラゴンボール」の前日譚。
フリーザがサイヤ人を滅亡させる直前の惑星ベジータでの、孫悟空(カカロット)とラディッツの両親バーダックとギネの様子が描かれる。発表当時は悟空の生母ギネの初登場が目玉となっていた。
ドラゴンボール超の劇場版アニメ「ブロリー」においては、サイヤ人の歴史の一部としてこの短編もアニメ化された。ただしこちらの映画も鳥山明脚本ではあるが一部の台詞が本作から変更、カットされている。
ストーリー
時はさかのぼり惑星ベジータがまだ健在だった頃。
悪の帝王フリーザの傘下の元、戦闘民族サイヤ人達は数々の星を侵略していた。
その中の一人、バーダックもまた侵略先の星で戦いを繰り広げていた。
そんな中、フリーザより全サイヤ人に惑星ベジータへの帰還命令が出される。
命令の裏に不穏なものを感じ取ったバーダックが取った行動は…。
おもな登場人物
矛盾点
本作は1990年発表のオリジナルアニメ「たったひとりの最終決戦」と舞台設定が共通する。しかし、バーダックチームのメンバーの相違、ギネの存在、バーダックのカカロットへの関心具合、丸型ポッドに載せられた当時のカカロットの年齢や服装、カカロットを地球へ飛ばした目的や時間(アニメでは、まだ生まれたばかりの赤ん坊で、裸のまま、惑星滅亡直前に地球制圧目的で飛ばされた。マイナスでは、惑星滅亡は1ヶ月先の話で、およそ3歳の時に戦闘ジャケットを着せられて安全な地球へ避難させるため飛ばされた)など違う点が多く、アニメとは全く話がつながらなくなっている。
その点では、「ドラゴンボールZ」後日譚のオリジナルアニメ「ドラゴンボールGT」に話がつながらない原作者脚本のアニメ「ドラゴンボール超」と共通している。
また、この短編を通しても原作「ドラゴンボール」本編でラディッツが語っている内容と合致する点(ラディッツが回想するカカロットが裸の理由、ラディッツとベジータが惑星滅亡から逃れられた理由)もあれば、辻褄が合わない点(3歳の時点でバーダックが大きくなったと告げている悟空を孫悟飯が赤ん坊と認識できるのか?、ラディッツとギネの間でカカロットを地球に飛ばしたことについての伝達がうまくいってない?、「子供は送り込まれる」はずだがベジータもラディッツも年長者のナッパ同様に星を攻めていた)もある。
後者に関しては事実上のアニメ化された映画『ブロリー』にて細かい部分の設定変更がされており、原作との矛盾点はより少な目になっている。ちなみに作画監督の新谷直大氏は『マイナス』での悟空の幼少期の設定等には赤ん坊のイメージが強かったこともあり驚いたとのこと。
『Z~GT+Zシリーズの劇場版』と、『原作漫画+超』のドラゴンボールの世界はそれぞれがパラレルワールドとして扱われていること、劇場版『ドラゴンボール超 ブロリー』で本作がアニメ化されている状態で描かれていることを考えると、この短編漫画は原作漫画+超での過去編とも言える。