概要
飲食費は生命維持の都合上(自給自足でもなければ)絶対に欠かすことができない支出のため、この値が高いほど生活水準は低いとされていた。実際、アフリカなどの最貧国では家計の大半を食費に費やしている。
ただし先進国においてはエンゲル係数は生活水準の指標としてはアテにならないことが多い。日本はこの値が27.5%(2020年)と先進国としては異常に高く(アメリカ合衆国やドイツは10%台)、かつ2010年代以降上昇している。日本社会は食べることを楽しむ食のレジャー化の風潮が極めて強いことが要因とされている。この説明は「長引く不景気で日本人が貧しくなっている事をごまかしている」と冷笑されることが多いが、日本に次いでエンゲル係数の高い先進国にはイタリア、フランスと美食大国が並び、日本人は食に凝る人が多いから食費が嵩むという説明も説得力がある。
なお、韓国はこの値が12%と異常に低い。原因としては、韓国人の家庭の食卓が経済水準の割に貧相なせい...というのもあるのかもしれないが、これは外食費を勘定に入れていないという統計のマジックによる。外食費を込みにすると韓国のエンゲル係数は日本と同程度にまで跳ね上がる(それだけ韓国人の外食比率は高い)。
創作などにおいては、エンゲル係数をはね上げるような「大食い」の代名詞的な言葉として用いられる事が多い。