「待たせたな────覚悟はいいか」
概要
サイヤ人編冒頭において、ピッコロが孫悟空を倒すために開発した気功技。神様や初代ピッコロ大魔王から生まれながらに受け継いだ技が大半だったピッコロの、本格的なオリジナルの必殺技である。
額に当てた指先の一点に気を集中し、螺旋を纏ったような高速レーザービームを放つ。気功波の中でも特に貫通力に優れ、その威力は当時格上だったラディッツを一撃で仕留めるほど。ラディッツが着ていたフリーザ軍の硬質ラバーの戦闘用ジャケットも簡単に破壊できるため、まともに当たればサイヤ人やフリーザ一味にも、かなり効果はあると思われる。ただし、高威力を出すためには気を溜める必要があり、発射には時間がかかる弱点を持つ。また、フルパワーでは消費するエネルギーも大きく、当時のピッコロの戦闘力では2回が発射できる限度だった。
初登場は前述のラディッツ戦。一発目は避けられるが、二発目は悟空が彼を羽交い締めに固定したこともあって命中。ラディッツ及び、思惑とは少し違うが悟空を殺すことに成功する。結果的に当面の地球の危機を救うことになったうえ、技の開発目的もきっちり果たされたことになる。
強力無比な技ではあるが、原作で使用されたのは上記のラディッツ戦の2発のみ。しかしアニメ版、劇場版、ゲーム作品などで多用されているほか、ピッコロ以外の使用者も登場している。
例を挙げると、ピッコロの細胞を持つセルやピッコロを吸収した魔人ブウ、ピッコロに師事していた孫悟飯や未来悟飯など。
『オッス!帰ってきた孫悟空と仲間たち!!』では溜めずに瞬時に発射していた。大幅に威力は落ちていたものの、崩落した建物の残骸をこれで破壊し仲間が瓦礫の下敷きになるのを防いでいる。
『ドラゴンボール超』の破壊神シャンパ編における第6宇宙との破壊神選抜格闘試合では、極限まで気を溜め、破壊神シャンパが作った頑丈なドームを貫いている。また、宇宙サバイバル編の「力の大会」でも何度か使用。第6宇宙のナメック星人、サオネル・ピリナ相手に、一度目はフルチャージの前に発射してしまったことで失敗するも、二度目は上部のセリフと共に完全状態で発射、見事サオネルとピリナの腹を貫き場外に落とすことに成功する。
また、漫画版『ドラゴンボール超』では悟飯の魔閃光との合体技魔閃光殺砲を放っている。
映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』では新たな姿となった孫悟飯がこの技を終盤の決戦(※リンク先ネタバレ注意!)で使用している。奇しくも、ラディッツ戦で悟空がした時と同様、ピッコロが羽交い締めに固定した状態で悟飯が発射、ある弱点をつくことでトドメを刺した。
と、このように基本的に当たればかなりの確率で効くものの、ターレスには(フルパワーでなかったこともあるが)片手で防がれてしまった。
少しは効いたぜ…!
余談
上記のように原作では登場回数こそ少ないものの、「主人公の死」という作中でも重要視されるシーンに使用されたこともあってか、悟空たちのかめはめ波などと負けずとも劣らぬ知名度を持ち、ピッコロの代名詞とも言える技となっている。
この技で悟空の腹を貫いて倒すというシーンは、父親であるピッコロ大魔王の意趣返しと言えなくもない。
アニメ『ドラゴンボールZ』では、一発目を躱された際に背後の山を貫き抉り取る(※)演出が追加され、その威力を強調している。また、ゲーム作品においては、防御不可能となっている事も多い。
ファミコン『ドラゴンボール3 悟空伝』では『ドラゴンボールZ』が放送開始した年に発売されたこともあってか、天下一武道会の決勝戦相手のマジュニアが使用する必殺技というサプライズがある。原作における登場タイミングを考えて明らかな矛盾が生じているが、マジュニア=ピッコロゆえに隠し要素のラディッツ同様、一種のファンサービスのようなものだろう。
※柳田理科雄氏によると山の破壊、というか蒸発だけでTNT火薬1億t(100メガトン)分の威力になるのこと(参考であるが、広島市に投下された原子爆弾のTNT火薬16,000t分、長崎市に投下された原子爆弾のTNT火薬21,000t分を上回っており、ツァーリ・ボンバのTNT火薬約1億tと同威力となっている)。
関連イラスト
未来悟飯Ver.
関連タグ
ピッコロ ピッコロ大魔王 孫悟空(ドラゴンボール) 孫悟飯 ラディッツ セル 魔人ブウ 未来悟飯
派生タグ
マカンコウサッポウ:女子高生の間で流行した団体写真のポーズ。なお、魔貫光殺砲の構えとは違うものになっている。
立山黒部貫光:富山県の鉄道会社。意外にも山を貫通する点では共通している。