獅子咆哮弾……
それは不幸を呼ぶ、禁断の技―――
概要
作中にて響良牙が習得した技。ちなみに元々は土木作業用の技らしい。
技そのものはかめはめ波や波動拳のような、特に珍しくも無いエネルギー放出型の技である。
手の中に「重い気」を凝縮させ、相手に発射する。
ただし、この「重い気」とやらがクセモノ。
出し方
嫌なことを考えたりして「気が重く」なれば撃てます。ね、簡単でしょ?
……つまり、完全に使用者のその時の気分に左右されてしまう技なのである。
技がクリーンヒットするなどして「気が軽く」なれば威力は落ちるばかりか最悪撃てなくなるし、食らって気分を害された方はより高威力のものを撃てるようになる。
いきおい、互いにより「重い気分」を得ようとするようになってしまい、これが「互いに坂を転げ落ちる獅子の如く」と形容され、不幸を呼ぶ禁じ手ともされている。
…もっとも、基本的にネガティブ思考かつ不幸体質な良牙にとっては、割と相性の良い技ではある。
ちなみに映画版第2作「決戦桃幻郷! 花嫁を奪りもどせ!!」では、敵幹部・猿十琉(サルトル)による「影落とし」の幻術(相手の神経を蝕み不幸な幻を幾度も見せて戦闘意欲を奪い「精神的な死」を与えて無気力状態に至らしめる技)にハマってしまう。
しかしそれによって不幸のどん底に立たされたことで獅子咆哮弾で逆転勝利を果たした。そして「俺を不幸にするとは不覚だったな!」というキメ台詞を放っている。
派生?技
実はこの技に関わってくるのは「重さ」だけではない。
作中で早乙女乱馬が良牙に次いでこれを会得しようとするが、元々自信家の彼ではなかなか上手くいかない。終いにはどうしたらいいかわからず「気が進まなく」なったり、横で余計なことされて「気が散った」り、あげく「気の迷い」を起こしてでたらめに飛んだ弾に自分が吹っ飛ばされてしまう。
……と、ここに来て乱馬は自分なりの技の使い方に気づく。
そう、単純な話、強気になれば「強い気」が撃てるのである。
彼はこれを猛虎高飛車と名付け、良牙と打ち合った。
結果は互角。流石である。
もっともその後は下記の「完成型」に怯んだためか「弱気」になって威力は落ちてしまうのだが。
優勢で無ければ撃てないなら使い勝手は悪いが、すなわち気力が高ければ撃てる…つまりは気力ファクター重大な某対戦格闘のあの技と一緒であろう。
完成型・獅子咆哮弾
この技には「完成型」と称される使い方があるが、これは上記説明のそれとは全く別物であり、溜めた重い気を上空に放出し、「気を落として」落下させ、「気が沈んで」周囲にめり込むほどの超重量をぶつける技となる。
当然、使用者もそれに巻き込まれるはずだが、当人は放った直後に「気が抜けて」しまうため、放った気はすり抜けてダメージを受けずに済むという……無茶苦茶な話だが、そうなんだから仕方が無い。
なお、当然ながら使用者を気づかせれば諸共ダメージを食らわせることは可能。
乱馬はこれを逆手に取って「あかねとキスした」という嘘で良牙の怒りと絶望をMAXにさせた上でフルパワーの獅子咆哮弾を放たせた直後に「キスしたのは嘘」と明かして良牙を正気に戻して自滅させて勝利した。
派生効果
実は、この技。高条件の発動状態にあるときは、その直前に発された余剰の重い気が周囲に充満されて対戦相手にまとわりつき拘束する。
映画版第2作や麝香王朝編の対ライム戦が典型例で、特に対ライム戦では良牙以上の超怪力を誇るライムが腕すらも持ち上がらない状態にまで追い込まれ、三途の川から蘇った良牙から完成型咆哮弾を叩きつけられて逆転された。
余談
この技を良牙に伝授した人物は二~三頭身ほどのやたらニコニコした土木作業員のおっさんである。
どー見てもそんな「重い気」が撃てそうには見えない。どういうことなの……
しかし、あえて言えば「いつもニコニコしていないと普段の辛さにとても耐えられない」とか「あまりに不幸を極めすぎ辛さも極まって、もはや心がブッ壊れているがゆえに笑うしかできない」(人が精神崩壊を起こした時、最期に出るのがそれを麻痺させるための笑顔だと言われる)という可能性もあるので、そのあたりを想起した人には「土方の闇」が垣間見えると言われたりもする。
技の性質を紹介した通り、ゲージに制限が無いからと言って乱発するものではない。まさに強さを得る代わりに大事なものを喪う技なのである。
加えて、「気が重い」というのならば、憎悪や殺意を抱けばさらに凶悪な威力になるとも考えられるが、良牙が殺意・憎悪をもって獅子咆哮弾を放ったことは本編では一度もない。
(ある意味、オッサンもそれを見越して良牙に技を授けたのかもしれない)
それにしても爆砕点穴と言い、この技と言い、良牙はやたら土方系由来の技に縁がある。
関連タグ
北斗剛掌波・かめはめ波・波動拳・覇王翔吼拳 - 似た系統の技
殺意の波動 - 「重い気」の原理はほぼこれと同じ。