響良牙
ひびきりょうが
性格
一本気な性格の青年。乱馬とは犬猿の仲だがあくまで真っ向勝負を好んでいる。
非常に単純で思い込みが激しいためよく乱馬にからかわれたり騙されている。
方向音痴キャラの元祖と目されている。本作におけるダイナミック迷子の常連。
その凄まじさは、「家の裏の空き地に行くのに数週間かかる」「家から出られない」「徒競走でスタート直後に逆方向に走り出す」挙句の果てに「『池の周りを辿っていけば間違いなく目的地に辿り着ける』と教えられたにもかかわらず、途中にあった小さな流れの方に走っていった」など方向音痴どころかまともに生活が送れないのではないかと危惧するレベル。
おまけに、このダイナミック迷子をネタにしたキャラソンも当然のごとく存在する。題して『いったいここは、何処なんだ!』。
両親もまた度を越した方向音痴で、買い物に出かけた母親が一週間前に作った昼食が干からびたままキッチンに取り残されているなど日常茶飯事で、良牙が「また道に迷ったのか」とあきれるシーンがある。
バリバリの日本人だが服装は乱馬同様に中華風。乱馬を追って中国に行く前は普通の服を着ていたので、この服装は中国に渡った影響らしい。
ちなみに学生服まで中華風に改造している乱馬も、中国に行く前は普通だった。
経歴
本作の武闘家としては珍しい一般家庭育ち。シロクロという犬を飼っている(アニメ版では良牙の家庭にまつわるエピソードはカットされた為、シロクロは猿隠佐助の故郷である忍びの里の抜け犬(忍犬)とされ、たまたま良牙に拾われるエピソードが追加された)。両親も健在であり、同居している。しかし、父親と母親も、良牙と同レベルの方向音痴らしく、まともに一家が勢揃いすることは、ほとんど無いらしい。
乱馬が風林館高校に入学する前に通っていた男子校の同級生。当時は乱馬に全く敵わず、購買のパン争奪戦で毎日敗北するくらいのレベルだった。その屈辱を晴らすため、良牙は乱馬に決闘を申し込んだが、方向音痴が祟り、決闘場所に辿り着いたのは、約束した日から4日後だった。乱馬は3日まで待っていたが、その後は中国に旅立っており、良牙もそれを追っていった。呪泉郷近くまで追っていったとき、とある女性に「黒豚溺泉」へと叩き落されてしまい、以後は水をかぶると豚になってしまう体質となった。そうなった原因は、乱馬が中国に行ってしまったからだと考えた良牙は、以後、乱馬を付け狙うようになる。
当初は逆恨みめいていたが、実は良牙を泉に叩き落とした女性は「娘溺泉」に落ちた直後の乱馬であった。その事実が判明して以降、良牙の恨みは逆恨みとは言えなくなった。
なお、乱馬と再会した時、乱馬は良牙の名前がすぐに出てこなかった。しかし、上記のように毎日争っており、また乱馬は迷子になった良牙を何度か自宅に送り届けたことがあるらしく、飼い犬のシロクロも知っているなど、それなりに友人づきあいをしていたようなので中国での経験が根深過ぎただけだろう。
強さと不幸体質
元々一般家庭の出だが乱馬への対抗心から完全な我流で強くなっていた。しかし我流には限界があったのかコロンに振り回されているうちに強さを底上げされた乱馬には「弱くなった」とまで言われてしまった。
しかしその後はコロンや名も知れぬ土木作業者など他流派の武術家や修行者から技を教わることで乱馬と伯仲する実力を得ている。
乱馬に次ぐほどの戦闘力を持ち、主要キャラのなかで乱馬のライバルとされる九能帯刀、ムース、五寸釘光ら3人を瞬殺できるほどの強さを誇る。
速度を重視する傾向のある乱馬に対し、良牙は怪力と体の頑丈さを信条とする。
ただし、一本気な性格のためか、戦闘のために割と手段を選ばない乱馬に性格面の弱点をつかれてしまうことがしばしばある。
また、「弱い者いじめは大嫌い」な主義であり、乱馬が八宝斎から下着泥棒を邪魔された逆恨みで受けた貧力虚脱灸によって弱体化した際はライバル達の中で唯一乱馬の味方についており、弱体化した乱馬に対して大粒の涙をこぼしていた(尚、シャンプーは諸事情から一時的に中国へ里帰り中だった)。
しかし、特訓中の事故であかねの上着が燃えてしまった時は、乱馬があかねに狼藉を働いたと誤解し、本気で激怒し殺そうとした(この時ばかりは乱馬に全く落ち度はないので、あかねが珍しく弁明にまわっていた)。
作中何度か乱馬を超える最強の力を手に入れているが、腹にものすごくマヌケな拳印を描かれる「喜面流拳印術」だったり、不幸である程強くなる獅子咆哮弾(後述)だったりといずれも強さよりデメリットの方が大きいという代物だったりする。
かなりの奥手で純情一途……なようでいて、迫られたら結構あっさり靡く。
子豚状態であった時にあかねにキスされて惚れるが、自身の初心具合からそれを告白できずに苦悩する日々を送っている。またアプローチがやたら回りくどく、あかねは良牙の思いに気づいておらず「大事な友達」と思っており、異性(恋愛対象)として認識されていない。豚になる事がコンプレックスの一方で豚姿を活用して好きな女(あかね)のベットに潜り込んで一緒に寝るし、あかねに可愛がってもらえるわでPちゃん生活を満喫している。
のち互いの利害が一致した事から久遠寺右京と打算的なコンビを組むことがある。破恋洞の生霊からは「早く別れろ」と言われて、あかねと乱馬以上に仲が良いカップルと判断されるなど、互いに恋愛感情は欠片もないが相性は悪くなかった。また映画版などでも絡みがあった。そのため連載中期までしか本作を見ていなかったファンや、アニメ版の印象が強いファンには、公式で恋人とされるあかりよりも、つきあいの長かった右京とのカップリングを推す者も少なくない。
また、作中で何度も様々な諸事情から良牙を騙そうとした女状態のらんま(変装)に迫られ、見事に何度も騙されている。婚約者だと言い寄られた回では、子豚になる事を知っていながら好いてくれると感動して公園で押し倒す。別の回では憧れてたと言われて喜び、いい格好しようとして正体に気づくや「がっかりさせやがってえーっ」と獅子咆哮弾。さらに『恋の釣竿』であかねを釣ろうとするが乱馬を釣り上げてしまってアプローチを受けたこともあり、そのような描写から女らんまとのカップリングを連想する人も多い。
原作終盤に良牙相手にもガールフレンドとして雲竜あかりが登場する。しかし彼女はアニメ終了後となる原作最終盤の登場であるために出番に恵まれず、そもそもの登場回数が少ないので知名度が低い。最終回でも回想で1コマのみで、結果的に読者が馴染む前に漫画が終わってしまった。
ちなみに、良牙本人はというとあかねへの想いを一切捨てていない。そのくせあかりと一線越えようとし、二人にいい顔するのは無理だと仕方なく諦めてどっちに専念するかあみだくじで決めたこともある。(「大安吉日・家族は留守!」「あかねも あかりも」)また、自身のパスケースにあかりだけでなく、あかねの写真も入れている。
あかりが可愛くて一途で良い子であるが故に彼女に対して不誠実すぎる良牙の態度が際立ち、言い逃れできない二股男と化してしまったが、よくよく思い返せば初期から可愛い女の子(変装した女らんま)にアプローチされるとコロッといってた男である。
原作の最終描写では乱馬とあかねが実質的に思いを告げ合ったことで良牙はあかねへの思いを吹っ切った節の終わり方をした。…が、シャンプーや右京も乱馬への思いを吹っ切ったかと思いきやだったのだから、良牙も延長戦に入った本編後もやっぱり変わらない可能性が高そうだ。
特定の流派には属していないが、役に立つと思ったものはなんでも取り込んでおり、修行や戦闘の中で学んだ武術を組み合わせた我流殺法を編み出している。
持ち前の怪力と打たれ強さも相俟って、スピードと手数を活かした戦い方がメインの乱馬とは対照的に、一撃に重きを置いたパワーファイトが多い。
また、(迷子で様々な場所に出没する為)様々な武術に触れて来た経験から格闘技の知識に異常なまでに詳しく、一般人では存在さえ知り様がないマイナーなローカル流派の情報にまで精通している。
ちなみに、らんまに格闘新体操のルールを教えたのも良牙だった。
主な技
爆砕点穴
中国3000年の歴史を誇る女傑族マル秘奥義。
あらゆる物の爆砕のツボを見抜く技。爆砕のツボを押された物は木端微塵に弾け散る。
実は土木作業用の技で生物には効かないと明かされたため、以降は石つぶてや障害物の破壊目的で使われている。また良牙は技の修行中に幾度となく岩に打たれたことで異常な打たれ強さを身に着けている。乱馬が本気で攻撃を撃ち込んでも、一発や二発程度だと、まるで効かないことすらある。
初期の技
初期はムースのように武器を使った攻撃を得意としていた。
バンダナ手裏剣
額のバンダナをブーメランのように投げつける技。ナイフのような切れ味がある。何枚も同じバンダナをしているらしく、連続して繰り出しても無くならない。また、相手の腕に巻きつけて拘束する搦め手もある。
番傘
剣や槍のように薙ぎ払いや突きでの攻撃に使用する。あるいは開いて盾にする。傘の縁は刃物のように鋭いようで、開いた状態で投げつけると、周囲を切り刻みながら手元に戻ってくる。とはいえ、傘である以上、畳んだ状態では刃はついていないため剣や槍というよりも、むしろ杖術用の杖的な使用が多い。腕力増強用のツールでもあるため、一般の男性では全力を出しても持ち上げられないほど重い。
中国寝崑崙大決戦! 掟やぶりの激闘篇!!
あかねを拉致した一派を乱馬たちと共に追い掛け、中盤では総力戦となるが揃って敗北を喫する。
ネームドの敵は倒していないが、あかねを救出に向かう道中、乱馬を圧倒していた恵比天を足蹴にして駆け抜けていくという形でダメージを与えた(あかねが第一だったので乱馬も恵比天も無視した)。
作者の高橋氏いわく、ギャグマンガの登場人物として面白い特徴づけが必要だが、乱馬のライバルとしてあまり男らしくないキャラにはしたくなかったため、方向音痴という欠点が考え出された。そこから大きなリュックを背負ったデザインなどが出来上がったという。
ちなみに声の山寺宏一は、良牙に加えPちゃんの声も一人二役で担当し更には呪泉郷のガイド役も担当している。キャラソンで呪泉郷ガイドと良牙がデュエットする曲もあり、その中でガイドに「お前の声の主の顔が見てみたいぞ!」と言い放っている。
元々は後にパンスト太郎を演じる古本新之輔が良牙を演じる予定だったが、スケジュールがあわなくなり、ガイドやガヤで参加していた山寺に急遽変更したという経緯がある。
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