概要
アニメやゲームには未登場。
原作終盤に登場した響良牙の彼女。
ブタ相撲の力士豚を育てるブタ相撲部屋・雲竜家の娘で、十四代横綱・カツ錦を連れている。自身も大のブタ好き。一途な努力家でおとなしい性格だが、時に大胆な行動に出る。
基本的に誰に対しても礼儀正しく敬語がデフォルト。親しい間柄であっても、必ず名前に「さま」付けで呼ぶ。ただし明確な上下関係のあるカツ錦に対してはその限りではない。
「カツ錦に勝った男としか交際を認めない」という祖父の言いつけを守り、幼少よりカツ錦に勝てる男を探しており、そのカツ錦を良牙が倒したわけだが、実は対戦する前に良牙に一目惚れをしていた。告白された良牙は付き合う気満々だったが「ブタ」に例えられたショックでその場を離れる。良牙に避けられていたが、乱馬の計らいでデートのおぜん立てを整えられ、改めて良牙に告白する。良牙は告白に答えようとしたが、ひょんな事からあかりは良牙が女らんまの事が好きなのだと誤解して去ってしまい、良牙は乱馬を殴り倒した。
経緯は不明だが後に再びラブレターを送り、良牙とペンパル(文通相手)となる。デートの約束と待ち合わせをするなど、晴れて良牙の彼女と言える立場に落ち着いた。
余談
余談ではあるが、一途な努力家であり時に大胆な行動に出る事、ロングヘアである(あった)事、相撲部屋(道場)の跡取り娘である事、生まれゆえにドコかズレててニブい感性、そして名前の一文字違い(「あかり」と「あかね」)など、細かな部分を比していくと天道あかねとは、そこそこの共通項がある。その事もあってか、あかねとはかなり仲が良く、いわばあかねの妹分(あるいは、あかねのコピー)めいた存在でもある。
独特の感性
初めて出会った理想の男性なんです
ブタのように 強くって
ブタのように たくましくて
ブタのように やさしくて
ブタのように 賢くて
ブタのように さわやかで
ブタのように かっこいい
こんなブタみたいな男性に会えるなんて
前述したように、その育ってきた家庭環境からブタが大好きである。
ブタと共に在ることは、雲竜あかりの人生そのものと言っても過言ではない。
あかりにとってブタとは強さの象徴であり、潔癖かつ清らかにして高潔なるシンボルとして受け止められている。(注:該当項目にもあるように豚は本来綺麗好きで優しく頭のいい動物)おおよそあかりの会話ではそのように表現されている。彼女にとって相手をブタに例えることは最上級の誉め言葉であり最大の敬意なのである。
が、呪泉郷の呪いによってPちゃんへの変身体質を持ってしまい、長らくの間ソレがコンプレックスとなっていた良牙にとってみれば、それは最大最低の侮辱に他ならなかった。
登場初期のあかりは、その感性ゆえに短期間(数時間)の間に良牙と濃密な精神的なすれ違いを繰り返す。しかし、変身体質の事情は解らずともソレが良牙を傷つける事を知ったあかりは、自らの育ってきた「ブタ相撲部屋の継承者」の根幹を成す最大の価値観を捨ててでも、良牙の傍にいたいと願い、拒むカツ錦に無理に協力させ、今までの自分とは正反対のブタ嫌いになろうと血の滲む努力を敢行した。
結局は彼女の努力は不発に終わってしまい、ある事故(通り雨に見舞われた)から自分の前に現れたPちゃんを前にして「やっぱり、ダメーっ。(ブタを)嫌いになんかなれないーっ」と涙ながらに絶叫するのだが。
そして乱馬の強硬手段によって、あかりはPちゃんの正体を知ることになった。その時には小躍りして狂喜乱舞し、「理想の男性だわ!もう良牙さましかいません!」とますます良牙への思慕を強めてしまった。その状態はもはや「あなた(良牙)しか愛せない」レベルとなっている。
後発キャラゆえの不遇
しかし、とにもかくにも不遇が目立つ。
良牙の彼女という重要ポジションにもかかわらずアニメやゲームへの顔出しが一切叶わなかった。
と、いうのも原作への登場がアニメ終了後の最後期であるがために登場ストーリーが少ない上、乱馬・あかね・良牙以外と絡むシーンやストーリーは用意されなかった。
通常単行本で言えば30巻の第1話が初登場になる。つまり単行本全38巻のうち8巻分しか出番のチャンスを与えられなかったという事になる。更にその8巻の中には自身に戦闘能力が無いあかりのような娘には出番を伺うチャンスを与えられない純粋な格闘長編なども複数回繰り広げられているため、純粋な登場話数を勘案すると単行本1巻分あるかないかというレベルである。
初登場以降のまともな登場回は31巻と36巻のみ。その他の登場は以下の通り。
- 30巻11話:良牙の頭上のイメージでの1コマのみ。文通している事がこの場面で明かされた。
- 35巻:僅か2ページ分のみ。
- 38巻:37巻との2巻分に跨る最終決戦後に良牙が土産を賞味期限切れにしてしまった件の1コマのみ。
また、良牙との関係についても良牙の方向音痴はあかりに対しても健在であり、ペンパルとして文通はできても直接会える事は滅多にないという。
極め付けは良牙があかりに惹かれている自分自身を自覚している一方で、あかねへの想いも一切捨てていない事である。最終回ですら良牙はあかりへの土産の賞味期限が切れてしまっているほど。しかも、良牙はあかねに対してはちゃんと賞味期限内に土産を届けに来ている。
それでも良牙は旅の身にあるときには自身のパスケースにあかねだけでなく、あかりの写真もきちんと収めている。その事から良牙の中でのあかりの存在は、あかねには僅かに及ばぬものの、それでも相当近い位置にはつけることができている事がうかがえる。
ただ、そんな不遇にもかかわらず本人は良牙があかねに向けるレベルで、同様の好意・愛情を良牙に向けており、しかも良牙の事を本気で疑うこともせず信じている純粋な娘である。それだけに本当に色々な意味で不遇な娘である。
一方、あかりの登場のせいで良牙の恋愛方面の外道度が際立ってしまう。あかりとあかねが自宅に来た回の良牙の様はと言えば、一途に思ってくれているあかりへの裏切り以外の何物でもない。
ついでに言うと良牙がPちゃんに変身することを知っている(元々、呪泉郷や乱馬たちとは深い関わりを持っていなかった)一般人である。なおかつそれを受け入れて「理想の男性」と言い切り、その秘密の秘匿すらも良牙のために受け入れている。その様はまさに尽くす女の鑑とさえ言いきれるかもしれない。
関連タグ
くノ一小夏:彼もアニメ終了後の主要キャラだが、ある意味あかり以上の不遇。