「お客さん、ここよ。伝説の修行場、呪泉郷」
「お客さん物好きね。"大変危険"なので、もう誰も使てないのよ、この修行場」
「あっ! お客さん、何するね! 泉に落ちたら大変よ!」
伝説の概要よ
『らんま1/2』に登場する多数(大小100以上)の泉が湧いている秘境で修行場。(その為、幾つかの泉には修行用の竹が立ててある)
なお後述する危険性のため本編開始まで修行場としてはほぼ廃れた状態(立てている竹も修行利用者が増えた事で修行場として再整備するまでは、ほぼ景観用であり幾本かは腐っていて、人が乗ったり攻撃を受けたりすると折れるものも混ざっていた)となっており、早乙女親子が来るまでは現役の修行場としては永らく使われて来なかった。
ただ秘境の観光地(修行場跡地)としては割とメジャーなのか(玄馬がここにやってきたのも、修行場の観光案内ガイドに書かれていたから)近年では呪泉郷の呪いや由来などを説明してくれたりするガイド(CV:山寺宏一)もいる。
作中では、中国の青海省バヤンカラ山脈の拳精山にあるとされている。
各々の泉には悲劇的伝説があり、最初に落ちた者の姿を記憶しているため、それ以降に落ちた者は水(呪泉郷の水だけでなく、普通の水でも)を被るとその姿に変身してしまう呪われた体質になる。ちなみに元の姿に戻るにはお湯を被る。
- なお、飲食で水やお湯に触れても呪いは発動しない。作中では元の姿に戻りたくないためにやかんの湯を飲み干した者もいる。
- また、触れた水がお湯になってしまうほど体温が高いとそもそも変身しない。八宝斎に風邪をうつされた早乙女乱馬が該当。
また泉を新しく掘って、そこに何かの生物を落として新たな呪いの泉を増やすことも可能。(例:あかねを落として出来た茜溺泉)
変身体質を利点にしている事例(例:早乙女らんま)もあるが、ふとしたことで水や湯を浴びると日常生活に大きく影響するため、作中で変身体質を持つ人物の多くは元の体に戻ることを望んでいる。だが変身体質を改善できた者は一人もいない。変身した際、その姿が元の姿より大きい場合(例:玄馬→パンダ)は服ごと変身するが、そうでない場合は服がそのままになる。
もっとも、変身体質より厄介と言えなくもない事情を改善するため、変身体質による変化の特徴を残したまま、敢えて別の動物の身体特徴も反映させた者や、変装や潜入に役立つ技能と割り切って、盗まれた物を取り返すのに活かそうとした者はいる。
また、呪泉郷の水は飲用もしくは温泉として利用可能である。
ただしその場合、何世代か経つと泉の呪いが逆転し、呪いの姿の状態で生まれてくる。
理論的には、呪泉郷の泉で溺れ変身体質になった場合、その場で男溺泉・娘溺泉に入れば変身体質は解消される筈だが、変身体質を持つ登場人物たちが何故そうしなかったかは不明。
ただ、呪泉郷が秘境の山奥にあること、ゆえに辿り着くまでに相当の日数がかかること、それに準じて旅費もかさむこと、そもそもガイドがかなりいい加減で男溺泉・娘溺泉の正確な位置を覚えていないこと(なにより漫画の売りである性転換・変身絡みのネタが無くなる)……などを鑑みれば、自然と気にしていたのも一理あるかもしれない。
また、娘溺泉などに溺れた者のなかには、格闘技能を暴走した動物の鎮静などの善行に使わないばかりか、無銭飲食などの問題行為を躊躇なく重ねた者や、幼少時代のトラブルをひきずって、害が少なくなった後もイジメに近い行為を繰り返した者も混じっていたため、そういった迷惑者に対しては自分から馬鹿正直に元に戻る方法を伝えることを避け、敢えて知らないフリをしたか、呪泉郷関連グッズを通して軽く懲らしめるスタンスをとっていた可能性もある。
……あるいは、変身体質の利点に気付いてしまい、それに呑まれてしまう事、それ自体が「呪泉郷の呪い」の最たる呪いだったりもするかもしれない。自らは呪いを便利に使っているつもりになっているが、実は呪い(の元になった泉にて溺れた存在の無念)こそに自らが便利に使われているのかも……?
本編登場の呪い的泉ね。泉に落ちたら大変よ
初登場(1話の時点)時から既に存在していた泉ね
落ちた泉の名前 | 落ちた人物 | 説明 |
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娘溺泉(ニャン・ニーチュアン) | 早乙女乱馬、ハーブ、その他多くの野生動物 | 1500年前に若い娘が溺れた伝説のある泉。溺れたものは若い娘になる(ただ単に性別が女になる)。女性が入ると体質が改善される。また動物が溺れた場合、性別だけでなく人間にもなる。 |
男溺泉(ナン・ニーチュアン) | コルマ、マサラ | 溺れた者は若い男になる。男性が入ると体質が改善される。 |
熊猫溺泉(シャンマオ・ニーチュアン) | 早乙女玄馬 | 2000年前にパンダが溺れたという伝説のある泉。溺れたものはパンダになる。 |
黒豚溺泉(ヘイトウェン・ニーチュアン) | 響良牙 | 1200年前に黒い子ブタが溺れたという伝説のある泉。溺れた者は黒い子豚になる。→Pちゃん |
猫溺泉(マオ・ニーチュアン) | シャンプー、南条ありさ | 1800年前に猫が溺れたという伝説のある泉。溺れた者は猫になる。 |
鴨子溺泉(ヤーズ・ニーチュアン) | ムース | 1300年前にアヒルが溺れたという伝説のある泉。溺れた者はアヒルになる。アヒルがどうやって溺れたのかは作中でも最大の謎の1つである。 |
牛鶴鰻毛人溺泉(ニウホーマンマオレン・ニーチュアン) | パンスト太郎 | 2500年前に鰻と鶴を持ち、牛に乗った雪男が溺れたという呪泉郷史上最悪の伝説を持つ泉。溺れた者は雪男の巨体、牛の見た目、鶴の羽、鰻のしっぽを持った混合生物になる。 |
章魚溺泉(シャンユイ・ニーチュアン) | パンスト太郎 | 1600年前に大ダコが溺れたという伝説がある泉。溺れたものは巨大蛸になる。パンスト太郎が浸かったときは牛鶴鰻毛人溺泉の変身に章魚溺泉の能力が加えられ、巨大で怪力のタコ脚とタコ墨攻撃の能力を取得した。一見、ツッコミしたくなるがそもそもタコを真水に付けると浸透圧で死んでしまうのでそれを『溺れた』と表現したと言える。 |
阿修羅溺泉(アシウルオ・ニーチュアン) | ルージュ | 4000年前に阿修羅が溺れたという伝説がある泉。溺れた者は頭が3つ、腕が6つからなる阿修羅になる。自由飛行可能,炎や雷操作可能など多数の能力持ちになる一方、6本の腕と3つの頭による肩凝りから体力消耗が激しい、触れた水がお湯になる為に水をかけられても変身が解けるといった弱点を持つ。 |
童子溺泉(トンツー・ニーチュアン) | 楽京斎 | 溺れたものは子供になる(若返る)。子供が入ると体質が改善される。 |
池蛙溺泉(チュウワ・ニーチュアン) | カエル仙人 | 1991年前にカエルが溺れたという伝説のある泉。溺れた者はカエルになる。修行次第で変身後も喋れる |
和尚溺泉(フーシャン・ニーチュアン) | キンニー | 999年前に若い和尚が溺れたという伝説のある泉。溺れた者は和尚となり、優しい性格、貧弱な体になる。 |
双生児溺泉(シュアンションツー・ニーチュアン) | 八宝斎のたんこぶ | 溺れた者は双子になる(分裂する?)。身体の一部にかかる事でその部分だけ効果が出る。 |
善男溺泉(シャンナン・ニーチュアン) | 該当人物無し | 1200年前に善人が溺れたという伝説のある泉。溺れた者は善人になる。 |
劇中で新しく作られた泉ね
落ちた泉の名前 | 落ちた人物 | 効能 |
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茜溺泉(アカネ・ニーチュアン) | キーマ | 初登場(1話の次点)時には既に存在していた他の泉とは異なり、キーマがあかねを溺れさせて意図して作った新しい泉。溺れた者は天道あかねそっくりになる。 |
あいやー! 余談に落ちてしまた!
実はアニメ版キャラグッズのひとつとして呪泉郷をモチーフとした入浴剤が売られていた。ラインナップは「娘溺泉」「熊猫溺泉」「黒豚溺泉」「猫溺泉」の4つ。
あたりまえだが別に、この入浴剤を使っても変身体質は身に付かないので、悪しからず。