「乱馬、殺す!」
概要
CV:佐久間レイ、釘宮理恵(SANKYOパチンコ版)、千葉千恵巳(三国志大戦)
中国奥地の村で暮らす中国出身の女性武闘家で武闘民族・女傑族の娘。
乱馬が中国で修行していた頃、女傑族の村の格闘大会にて女らんまと闘い敗北した後、彼女の頰に口付けをする。これは『死の接吻』と言う誓いの儀式であり、「負けた相手が女なら地の果てまで追って殺し、男なら結婚する」という女傑族の掟に従い、らんまの命を狙って日本まで押し掛けた。その後、女らんまの居場所を聞こうとあかねと戦いとなり、その場に割り込んだ男状態の乱馬に敗北。
男に負けたため、今度は男の乱馬を夫とすべく中国語で乱馬に『乱馬大好き!我愛你!♡(ウォーアイニー)『我的愛人(ウォーダアイレン)=私の旦那様」』と言ったり、風呂場で全裸で抱きつくなど日々大胆なアプローチをしかける事になった。
しばらくは、男乱馬と女らんまが同一人物だと気づかなかったため、乱馬が男の時は迫り、女の時は殺しにかかる奇妙な関係が続く。
二人が同一人物だと知った時、「自分は実は女」と言い訳する乱馬に激怒して殺そうとしたが、結局彼を殺す事ができずに涙し、『別了(ビエラ)「さようなら、二度と会わない」』と言い残して、一度は彼の前から去った。
しかし呪泉郷での修行中のアクシデントで猫に変身する体質になり、再来日後は前よりも乱馬をいろいろと振り回すようになってゆく。
元々中国人なので、普段着ている私服は作中の登場人物たちの中でも乱馬同様にチャイナ服が多く、様々なバリエーションを披露してくれる(ただし乱馬の場合は、中国に行った影響でチャイナ服を着ているので、中国に行く前は普通の格好をしていた)。
たまにチャイナ服以外の洋服を着ることもあるが、どんな服を着ても可愛くよく似合っている。
再来日後は、シャンプーの父が一家で経営している中華料理店「猫飯店」の看板娘として「チャイナ服+ふりふりのエプロン」のチャイナエプロンを着て仕事をしている。自転車(ママチャリ)に乗って配達する光景もしばしば見られた。
普段は学校には行かず、勉強している様子も全然ないが、武術は強いものの勉強が苦手で字も汚ない乱馬と違い、『格闘書道』で乱馬に見せた彼女の書いた字は綺麗だった。それ以外にも日本語はかなり流暢で読み書きもできるバイリンガルであり、中国に行ったが中国語を読めない乱馬の代わりに中国語の巻き物を代わりに読んだ事もあったので、かなり頭は良いように見受けられる。
闘いばかりの武闘民族の武闘家なので、料理は出来ないかと思えばそんな事はなく、料理が下手なメインヒロインのあかねと違い、普通に料理は出来る。
他には、あかねから預かったあかねの作った大事な人形を不注意で乱馬が壊した時も、デートの約束を交換条件として、壊れた人形を裁縫で綺麗に直し、デートでは乱馬のためにお弁当を作ってきた事もあった。女子力に関しては、明らかにあかねより高く家庭的。
なお、シャンプーの可愛らしさはモブが「すっげー美少女」と言い、女のあかねが初めて彼女を見て「かわいい子だったわね」と言う程。また、男の乱馬を好きになりメロメロな表情で彼女に迫られた時、乱馬はそのかわいさに赤面し思わず心が動いた程である。
さらにもっと言えば、シャンプーは乱馬に好意を寄せる数ある恋敵たちの中でも1番恋敵としてあかねを嫉妬させたキャラであり「乱馬が取られるかも…絶対に負けられない!」とあかねが恋のライバルとして対抗心を燃やして思うほどの可愛さを待っている。
「女傑族の掟」についてはシャンプーがあかねに使った乱馬の事だけを一時的に忘れさせた技『洗髪香膏指圧拳(サイファツヘンゴウしあつけん)「特別な漢方液を配合したシャンプーとツボ押しによって相手の記憶を自由に操作できる」』での交換条件では、男乱馬に「女らんまを殺せ」と要求したことから、掟としては自分が闘いに負けた標的をどんな手を使っても殺すことができればよく、自分以外の相手が標的を殺しても構わないらしい。
ちなみに、初期はほぼ中国語のみで会話していたが、再登場時からは「~アル」「~ネ」「アイヤー」といったエセ中国語の語尾がメインとなった。
猫化後
一旦身を引いた後、心機一転のためにコロンと共に呪泉郷で再修業に励んでいたが、そこで「猫溺泉」に落ちてしまい水を被ると猫に変身する体質になってしまう。彼女を泉に落としたのは曾祖母だが、落とされた本人は曾祖母を責めることはなく、「これもらんまのせい」と逆恨みするようになった。なお、数コマ程度しか登場しないが、コロンと共にシャンプーの父も来日してるようだ。
しかし、同時にそのことが切っ掛けで「乱馬の本来の性別は本当に女なのか?」という疑問を抱き、猫飯店の開店に伴う来日に際して確認のために猫の姿で入浴中の乱馬の下へ潜り込み、湯で男に戻る瞬間を見たことで乱馬の嘘を知ることになった。
なお、猫が大嫌いな乱馬にとっては、以後変身するたびにパニックの対象になってしまう。が、その状況を利用して乱馬を脅すなど、変身能力を自身の目的のために有効活用している。
その為か、度々里帰りで中国へ帰国しているのだが、その際にも体質を改善しようとしている様子もない。
性格
己の感情に馬鹿正直で、悪く言えば自分本位。ムースに言わせれば「鬼のように我が強い」。
乱馬の気持ちや都合を全く考えないアプローチを繰り返している。また、乱馬が基本的に自分への誘いに乗り気ではないため、大抵の場合呪泉郷の解呪アイテム(大抵使い切りで効果時間付き)で釣ったり、洗脳状態を利用したり、猫の姿になって脅すなど基本的にろくでもない手法を使う。
あまりの身勝手さに乱馬は「愛してねえ!!このワガママ猫娘!!」と怒鳴った事があるが、それでシャンプーが反省するはずもなかった。
恋愛に関しても非常にシビア。恋敵の抹殺すら厭わないという過激な面を持つため、あかねに対しては恋敵として敵意剥き出しで、殺す気満々(とはいえ終盤にはほとんど敵意を見せなくなり、あかねが一人で深夜に会いに来た時も普通に会話していた)。
なびきが乱馬の許嫁となった時は、なびきを殺そうとした。右京と小太刀も恋敵である。
「乱馬には一体何人婚約者がいるネ!?」
ただし、あかね以外の恋敵とは結託することもあり、ひな子に三人がかりで喧嘩を売って返り討ちにされたことがある。
ちなみに、おおよそ乱馬と同世代と思われるが、正確な年齢は不明。来日以降は学校には通っておらず、猫飯店の出前をしたり、小乃東風の整骨院を手伝っている描写もある。高校卒業済みと考える事もできるが、切った張ったが当たり前の戦闘部族の秘境に学校があったとも思えないので、年上か年下か、読者のご想像にお任せといったところか。
人間関係
乱馬に対して常に強烈な愛情表現をする一方、しつこく自分にアプローチを掛けてくるムースに対する態度はドSそのもの。
ある回で、愛情が憎悪に変化してしまう「反転宝珠」というブローチを身につけた時には、乱馬に対してとんでもなく過酷な態度を取った(なお、この時のシャンプーは普段は袖にしているはずのムースに対しても乱馬同様に過酷な態度を取っている。)
この事から、乱馬への愛は掟に関係なく本物であり、ムースの事も心から嫌いではないと言う事だろう。
洗濯も膨大な暗器を一緒に洗って台無しにせぬよう、わざわざ外して洗っているうえ、誤って一緒に洗ってしまった際は、その事を申し訳なく思った為に、ムースがロケット花火をシャンプーに直撃させるという、とんでもないドジをかました際も笑って許すなど、妙な所で親切。
情はなくとも、少なくとも友人くらいには思っているのかもしれない。
友人関係は不明だが、原作では双子の姉妹、ピンク・リンクが登場している。
十年前、シャンプーはピンクのイタズラに遭い、リンクに助けられたものの、別人だと知らずにリンクを殴り飛ばしたことで双子から恨みを買った。
それだけのことで執念深い連中と乱馬とあかねが思う中、その後も会うたびに「百発ずつ殴ただけ」の被害者だとシャンプーが発言したことによって、二人は双子の行動に納得。囚われの身を演じて、乱馬との仲を深めようとボコボコにして協力させるなどもした。
乱馬「お前、もしかしていじめっ子か?」
一方、アニメではリンリン・ランランという双子の妹分がアニメオリジナルキャラクターとして登場している。妹分への面倒見はかなり良いが、この双子はシャンプー以上のトラブルメーカーであるため、彼女らがシャンプーへの善意で巻き起こす、ありがた迷惑な騒動に苦慮する事態に陥る事もある。
ちなみに、恋愛が絡まなければ接客業を営んでいるからなのか、基本的には誰にでも愛想が良い。
戦闘能力
女傑族に伝わる拳法を操り、中華系武器の扱いにも卓越している。基本的には素手であるが、本気で戦いに挑む時は双錘と呼ばれる打撃武器を使う。
幼少よりコロンから武術の英才教育を受けて培われた強さは伊達ではなく、乱馬に負けるまで女傑族内での組手では無敗を誇っていた。
幼少時にはムースを一蹴(現在の勝敗は不明だが、この事でムースはシャンプーに相手にされなくなってしまう)。正面からの立ち合いでは、あかねを難なく降す程の実力を有する。
最終決戦時で敵に洗脳された状態で襲ってきた際には、一行はかなり苦戦を強いられた。
劇場版
中国寝崑崙大決戦! 掟やぶりの激闘篇!!
あかねが寝崑崙に拉致されたことからなし崩し的に乱馬たちと共に救出へと赴く。
中盤では女戦士・悶崙(モンロン)と激突を繰り広げるが完全に上を行かれ敗北を喫する。
終盤では悶崙に乱馬が殺され掛けているところへ参戦。怒りによって実力を引き上げ悶崙との再戦に挑む。
互いに激突して爆発が起きるシーンで終わっているため戦闘描写はなし。シャンプーが勝ったようである。
余談
シャンプーのヘアスタイルは他のキャラクターよりも複雑であり、中華娘のステレオタイプと言えるシニヨンをロングヘアかつ一部を結ったツーサイドアップにして、さらにおさげが含まれるという欲張りな構成になっている。
今現在コンプライアンスやBPOの厳しい規制があって全くお目にかかれないが、規制がまだ緩かった90年代当時では、原作でもアニメ版でも彼女と女らんまの全裸シーンがリアルタイムで拝むことができたなど、本作品のお色気担当でもある。
キャラクターとしては前作「うる星やつら」のラムの恋愛への強引さ、初期に見られた苛烈性を更に押し出した形で、佐久間レイ氏による「いい加減な中国語」が大ハマリした事もこのキャラクターの人気の一因となった。佐久間本人の話によるとシャンプーが日本に初めてやって来た回の本番直前、台本では原作通り「エセ中国語」になっていたが、ディレクションでそれはなしになり急遽、「声のトーンで中国人っぽくする」ということになったらしい。
(例:らんまとの出会いでは、食い物の抗議に食い物の名前で捲し立てている。)
実は乱馬を演じた山口勝平氏の好きなタイプがシャンプーだったらしい。
2019年にNHKで放送された全るーみっくアニメ大投票にて、らんま1/2のキャラではトップの4位を獲得した。参加者の男女比率は7割が女性であり作品部門でらんま1/2(2位)へ投票した8割は女性だった。これらのことから同性からも好かれている魅力的なキャラクターということがわかる。
前記のように後年のパチンコやゲームでは声優が変更された事があったが、2024年版アニメでは佐久間氏がシャンプー役を続投する事が発表され安堵の声も多かった。
関連イラスト
関連タグ
※タグとしてはシャンプーが一般的。
漢字表記は「珊璞」であるが、ほとんど使われない。