「早乙女クン……キミってヤツは………」
概要
CV:二又一成
早乙女乱馬や天道あかねのクラスメート。乱馬が風林館高校に転校してくる前からあかねに想いを寄せており、彼女の許嫁となった乱馬を逆恨みしている。(平成アニメ版では設定が異なり転校生である。)
一見すると暗い性格の気弱な少年で、戦闘力皆無の一般人だが悪知恵だけはやたらと働く策士。
字を書くときは手が震えており、そのため彼の書く字は常に波打っている。見た目は貧相で、目の下にはいつもクマがある。しかし、性格や見た目に反して行動力はあり、朝のロードワークを行うあかねを待ち伏せするため、一晩中他人の家の庭で待機していたこともある。また、不良生徒からいじめられることもあるが、あかねに庇われたり、仕返しの謀略によって手出し出来なくさせたりしている。
九能帯刀が天道あかねと交際したければ彼女に勝て、と宣言したためか虚弱体質である五寸釘にはチャンスが無く(そしてあかねからもクラスメイトの一人としか思われていない)、普段から「暴力では勝てない」といじけているが、乱馬の弱点を探るために色々ゲテモノや怖い生き物を集めたり、バレバレの女装で油断させ爆発物を贈りつけたり(当然乱馬に返品された)、胡散臭い呪いのアイテムに頼ったり、後述の通販の機械鎧に頼ったりした。
…とこのように陰湿でマヌケなろくでもない男だが、根っからのイヤな奴というわけでもなく、いじめっ子から救ってくれることも多いあかねには純粋に感謝して恩返しをしたり、偶然の成り行きで乱馬に助けられた借りを返すべく裏から彼を支援したりと、意外な活躍を見せることもある。
あかねにクロロホルムを嗅がせたり、乱馬が「貧力虚脱灸」を喰らって弱体化した時には助けるふりをしてどさくさまぎれに九能・ムースらとタコ殴りをしたりもしている。
しかし、そこまでの事をしておきながら乱馬からは(時と次第によっては鬱陶しくは思われるものの)それほど嫌われているような描写はない。
これは一般人の五寸釘と格闘家の乱馬では実力差がありすぎるという部分もあるが、そもそも乱馬の修める流派である「無差別格闘早乙女流」そのものが「狼牙襲背態」「蛙轢死態」「猛虎落地勢」「魔犬慟哭波」「海千拳」に見られるように、卑怯な手段・謀略・戦略的敗北(からの熱い手のひら返しによるリベンジ)も戦いの素養や手段・在り方として認めている(要は「死ななきゃ負けてない」「どれだけ客観的に負けていようが自身が負けを認めさえしなければ勝ち」という負け惜しみ上等の)流派である事が大きい。
乱馬も弱いなりに策を練って自分に挑んでくる五寸釘を何だかんだでライバルと認めている…のかもしれない。実際「奇跡の鎧ファイト一発」(後述)の件では、周囲の「(鎧の時限制自爆機能によって周囲に甚大な被害を及ぼす大爆発を起こすため)一発でいいなら殴られて(負けて)やれ、皆、乱馬が殴られる(負ける)事は見なかった事(ノーカン)にする」との弁に対して乱馬は「これは男と男の勝負だぞ! わざと殴られて五寸釘が喜ぶと思うのか!」と返しており、その言葉に五寸釘は「そこまでボクを認めてくれるのか」と感激した。(もっとも、そのせいで鎧の自爆を招いた二人のそんな様に、周囲は呆れ果てて「どっちもバカだ」と冷ややかな目で包んだのだが)
原作と平成アニメ版にて
漫画では初期から登場するキャラクターの1人で、物語の本筋に絡むことは少ないが、モブキャラとして多くの話に登場している。
平成版アニメでも無印の時点で既に登場が予定されており、専用BGMも制作済みだったが、彼が登場する前に無印が放送終了になってしまったため登場しなかった。
熱闘編ではアニメオリジナルキャラクター・猿隠佐助に役を譲る形となり登場が見送られ、終盤に転校生として登場することになった。
アニメオリジナルの135話では、アニメオリジナルキャラクターの武蔵小金に恋をしている。彼女が実は幽霊であると知り落ち込むが、乱馬に「相手が幽霊だろうが化け物だろうが、不器用で寸胴で可愛げがない女だったとしても好きになっちまったものはしょうがねえだろう」と励まされ…。
関連アイテム
紙人形12枚セット
五寸釘が行商人から買った紙人形。この紙人形に命令を書き、それを人の背中に貼ると、貼られた人間が命令通りに動く。五寸釘はあかねの背中に貼ろうとしたが尽く失敗し、九能帯刀と交換日記をしたり、乱馬とデートしたりする羽目になる。
奇跡の鎧ファイト一発
五寸釘が通販で買った鎧。特撮ヒーローに出てくるロボットのような外見をしている。なお機械鎧のため相当に重量があり玄関先で鎧を着込んでしまった五寸釘はその場から動けなくなってしまった。
一度着ると自動ロックされてしまい「憎くて憎くて憎くて強いやつ」を一発ぶん殴らないと脱げない仕組みになっている。そして鎧(のパワーアシスト機能)を動かすためにも、この「憎くて憎くて憎くて強いやつ」と鎖で繋がれていなくてはならない。おそらくは動力は嫉妬心や怨念かと思われる。
また制限時間以内に相手を殴ることができないと爆発してしまう。着る(稼働させる)事によって怪力も身につき、乱馬を鎖で絡めとり軽々と振り回せるほど。頑丈な鎧で、乱馬の本気の突きを受けてもビクともしなかった。
ちなみに通販広告の内容だが「イケメンと、その取り巻きの女性たちに『貧弱なボウヤ』とバカにされた少年が、この鎧を着てイケメンをぶん殴ったら、女の子たちにモテモテになった」というツッコミが追い付かない某トレーニング器具のパロディになっている。
さらに、この通販広告は元ネタと同じく週刊少年漫画雑誌のスポンサー広告であったため風林館の同級生・先輩・後輩にも見ていた人がそれなりに多かったようで、この鎧を装着した五寸釘の姿に「あっ! 通販のヨロイだ!」とか「あんなもの本当に買うやつがいたんだ」とか思いっきりドン引きの感想を投げかける者も出ていた。
ゲーム版での活躍
1992年12月25日にスーパーファミコンで発売された『らんま1/2 爆烈乱闘篇』にプレイヤーキャラクターとして登場。ストーリーモードでは風林館高校の校長に自身以外の格闘家を全て倒したらあかねとの仲を成就させるとそそのかされて戦いに赴く設定になっていた。
ゲーム中ではその名の通り藁人形を投げる「ワラ人形投げ」と、巨大な藁人形を振り回す「大回転ワラ人形」と言う2つの必殺技を使用する。