ムース(らんま1/2)
むーす
「おらの技を手品呼ばわりする気か。」
暗器のムースの異名を持つ、暗器術「白鳥拳」の達人。
呪泉郷に落ちた事から、水をかぶるとアヒルに変身するという特異体質を持つ。
ちなみに漢字表記は「沐絲」だが、
原作では登場時に使われた以外は、使用しているシーンがほとんど無い。
一人称は「おら」、語尾に「~じゃ」とつけるなど、方言っぽい話し方をする。
ロングヘアで、公式設定で美形扱い、他キャラと比して長身、と容姿には恵まれているはずだが、ド近眼なため牛乳瓶の底のようなブ厚いレンズのメガネを着用している。
そのしゃべり方や眼鏡ボケのキャラゆえに、もっぱら三枚目としての部分が強く、実力や容姿に反して間抜けな印象がぬぐえないちょっと不憫なキャラでもある。終盤に近づくにつれメガネをかけることが少なくなり、特に最終回の鳳凰山編ではメガネをかけているシーンは数コマしかない。(むしろ、アヒルに変身してるときによくメガネをかけている……)
裸眼で乱馬とサフランの闘いを見守るなど明らかに視力が上昇している。
シャンプーに対して幼いころから片思いしているのだが、シャンプーからはまったく相手にされていない。しかも、3歳の頃にシャンプーに負けた為、女傑族の掟もさらにその傾向を強める事となった。
そのため乱馬にべったりなシャンプーを見て、乱馬に対抗心を燃やしている。
ちなみに、現在のムースはシャンプーを一蹴した女らんまを圧倒する実力があり、シャンプーよりも強いのだが、女傑族においては現在がどうあれ、一度敗北すればそれまでである(コロン曰く、「三つの時でも掟は掟」)。ただし、「反転宝珠(逆位置につけると、愛が憎悪に憎悪が愛に変化する道具。ちなみに正位置につけると元々の愛情がより増幅される)」を付けたシャンプーにボコボコにされているので、普段の扱いはどうあれ嫌われてはいない模様。
実は初登場時(5巻)はコロンを除けば乱馬にとって最強の敵と言っても過言ではない存在だった。ちなみにこのころのムースは呪泉郷に落ちる前であったため、なぜ乱馬が男の姿ではなく女の姿で自分と戦っているのか理解しておらず、当然ながら侮辱されたと思っていた(コロンにお湯をかぶることのできない
総身猫舌のツボをつかれ、男に戻れなくなっただけだったのだが…)。
当時の乱馬はコロンの修行を受け驚異的なパワーアップを遂げ、良牙を瞬殺できるほどまでに引き離していたのである。
必然それと渡り合ったムースは、あの時点では良牙をはるかに凌ぐ実力者であった。
ただし男の乱馬と比べて小柄になる女らんまではリーチ面で不利だった(加えて乱馬自身がその事に気がついていなかった)だけで、男に戻った際にはムースを一撃で倒している。またアニメ版では女らんまに敗北している。
ちなみに6巻では良牙もまたコロンから修行を受け、乱馬と殆ど互角に渡り合うるほどにまで成長した。
玄馬、八宝斎、コロンといった、これ以上ない程の達人から教えを受ける乱馬と良牙を尻目に、ムースは猫飯店でのアルバイト生活が続き相対的な弱体化が進んでいった。
15巻にいたっては八宝斎に貧力虚脱灸を据えられた事によって弱体化した乱馬を九能帯刀、五寸釘光とともに襲っているが、3人まとめて良牙に瞬殺される悲惨な目にあっている。
その良牙とはタッグを組んで乱馬に勝負を挑んだことがあるが、即席コンビということもあり敗北している。
それでも我流で技の開発は行っていたようで、33巻では火炎放射の練習をしている場面がある。
なんだかんだ言って努力家なのだろう。
潜在能力も高いようで、地蔵による恩返しの際には足腰の鍛錬を兼ねたデートによって、乱馬を敗北寸前に追い込むほどの猛攻を行った(その際は睡眠不足や疲れなどが祟って勝負は中断になってしまったが、シャンプーの心を動かすきっかけになった)。
実は、恋愛観は登場人物の中でも意外とまともなほうだったりもする。というのも、主人公の乱馬は女癖こそ悪くないが優柔不断な面が目立ち、良牙と帯刀は女に無節操、八宝斎に至ってはもはや論外なレベルとどいつもこいつも、お世辞にもまともとは言えない恋愛観を持っているからである。
無数の武器・暗器を隠し持っており、必要に応じて袖口などから出し入れ可能。アヒルになっても翼に手裏剣を仕込むことさえあった。
それらを奇襲的に展開することで相手の意表を突いたり、豊富な攻め手で翻弄する他、暗器を用いない拳法も卓越した腕前を持っている。
また、鉤縄で相手を拘束し、仲間の支援をこなすことも可能である。
明らかに服の中に仕舞い込めるとは思えないほどの大きさの武器も多数持っており、しかも袖の一振りで目的のものを完璧に出し入れする手腕から、手品師呼ばわりされる所以になっている。
「おらを手品師呼ばわりするでねえっ!」
その一方で、武器を普段から多数持ち歩いているためか、一途な思いの成せるわざか、稀に常人離れした腕力を見せることもあり、時には不安定な足場で、自身の身長以上のものを高く持ち上げる・石段を素手で壊しつつ相手を追い詰めるなど、短時間ながら鬼気迫る戦いぶりを披露している。
幼少期はシャンプーに挑んでは一蹴され全く敵わず、現在でも変わらず一蹴され続けているが、他の実力者からはムースが「惚れた弱みで実力を発揮出来ていないだけ」と判断しており、きちんと本気を出せればムースが勝つだろうと見ている。
中国寝崑崙大決戦! 掟やぶりの激闘篇!!
あかねを拉致した一派を乱馬たちと共に追い掛け、中盤では総力戦となるが揃って敗北を喫する。
ネームドの敵は倒していないが、あかねを救出に向かう道中、乱馬を圧倒していた恵比天を足蹴にして駆け抜けていくという形でダメージを与えた。
決戦桃幻郷! 花嫁を奪りもどせ!!
終盤ではシャンプーを花嫁にしようとしていた酉簾譚(トリスタン)と対決。
実力は酉簾譚の方が上であり、ムースではとても対抗出来なかった。当初シャンプーは「どっちが勝っても別にいい」と無関心だったが、ムースがピンチになると援護に回っている。
だが本気を出した酉簾譚によってムースは全身の神経節を封じられ身動きが取れなくなる。酉簾譚はシャンプーに対し「嫁になるなら命は助けてやる」と言い放つが拒否され、シャンプーを手に掛けようとする。
その瞬間、ムースは動かないはずの身体を動かして酉簾譚に立ち向かう。再び攻撃を受けても倒れず食い下がる姿に酉簾譚は怯懦。ムースはその顔面を殴り飛ばして逆転勝利を果たした。暗器使いの最大の技は、愛する者を傷付けられた怒りに燃える男の拳だったのだ。
直後にムースも力尽きて気絶してしまうが、その戦いぶりを見たシャンプーは「ホントにバカな男ね……」と呟きながら抱き上げるのだった。
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