概要
2001年(平成13年)7月20日に日本公開された、宮崎駿の原作・脚本・監督によるスタジオジブリの長編アニメーション映画。
21世紀に公開された最初のジブリ作品でもある。
作品としての評価も世界的に高く、「アカデミー賞」の長編アニメーション賞、「ベルリン国際映画祭」の金熊賞を始め、様々な賞を受賞した。
23年後の2024年に同じく宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞を受賞するまで日本の長編アニメ作品で唯一アカデミー賞を獲得した作品であった。
興行収入316億円、観客動員数2350万人と、日本国内の映画興行成績歴代2位の記録を持ち、これは2020年の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」に記録を更新されるまでの19年間破られる事の無かった記録でもある。
舞台化
2021年2月に東宝創立90周年記念作品として、本作を原作とした舞台公演が発表。
2022年2月・3月に帝国劇場、4月に大阪、5月に福岡、6月に札幌、6月・7月に名古屋で上演された。
ただし2022年7月4日に行われた大千穐楽では、上白石萌音の新型コロナウイルス感染を受け、橋本環奈が代演した。
ストーリー
ごく普通の10歳の少女・荻野千尋は、夏に両親と引越し先の家に向かっていたが、迷った森の中で巨大な門のトンネルを見つけた。3人がトンネルを抜けると、そこには不思議な街が広がっていた。そこの無人の店の料理を、後で支払えばいいと両親が勝手に食べた結果、2人はなんと豚(テリー)と化してしまった。残され困惑する千尋を助けたのは謎の少年・ハクだった。
千尋は両親を助けて元の世界に戻るため、八百万の神々が集う湯屋「油屋」と街を支配する魔女・湯婆婆に働かせてもらうよう頼んだ。名前を奪われ、「千」という新しい名を与えられた千尋は油屋の下働きをしながら、様々な出来事に遭遇しつつも懸命に立ち向い成長し、内なる「生きる力」を見つけていく。
主な登場人物
荻野千尋 / 千(CV:柊瑠美/舞台:橋本環奈・上白石萌音)
主人公で、小学4年生で10歳の平凡な少女。かなりの現代っ子で少々貧弱。
豚(テリー)にされた両親を元に戻し、元の世界に帰るために湯婆婆と契約を交わし、名前を奪われ「千」となって湯屋で働く。
湯屋で働いている謎の少年。湯婆婆の弟子。
初めて千尋と会った時から何かと彼女の力になってくれた恩人で、千尋を小さい頃から知っていたという。
湯屋「油屋」の経営者で正体不明の老魔女。強力な魔力と強欲で湯屋を切り盛りしている。何でもずけずけと口やかましく、部下をアゴでこき使うが、客に対しては腰が低い。
反面、川の神の汚れを清めて砂金の儲けをもたらした千尋を認め、部下たちにも彼女を見習うよう忠告するなど、経営者としての度量も持ち合わせている。
湯屋「油屋」の釜場でボイラーを担当している老人。クモのような姿で、6本の手を自在に操る。最初に千尋と会った時は「ただの人間」が迷い込んできたことに流石に驚いたようだったが、すぐに協力してくれるようになった。
黒い影のような物体にお面をつけたような存在。か細い声を搾り出すだけで言葉は話せず表情も無い。人間の世界でも、湯屋がある世界でもない、また別の世界からやってきたらしい謎の存在。他人を呑み込んでその声を借りてでしかコミュニケーションが取れない。
千尋に異常なほどの執着をみせ、金を生み出して誘おうとする。
湯屋で働いている娘。千尋を初めて見た時は驚いて当惑していたが、湯屋の先輩として千尋に色々と仕事を教えて面倒を見る。表面的には千尋の面倒を押しつけられた形だが、当初はハクと釜爺を除く湯屋従業員の大半が千尋と共に働く事を嫌った中で、彼女だけ積極的に味方になってくれた。不本意ながら湯屋で働く自分の運命を呪っており、いつかここを出て故郷へ帰る事を夢見ている。
余談
同作の企画には、柏葉幸子作の児童文学『霧のむこうのふしぎな町』が影響を与えている。
スタジオジブリによると、1999年11月2日に脱稿した企画書の段階では「千の神隠し」だったが、ある段階でこの映画は千尋の話だからと「千と千尋の神隠し」というタイトルに変更された。参考ツイート
2024年1月5日での金曜ロードショーで柊瑠美と夏木マリによる「SUBARU×金曜ロードショー」コラボCMが放映されていた。ちょうど当作品が11回目の放送という事もあってか、ネット上で話題となった。
関連イラスト
関連動画
関連サイト(外部リンク)
- 千と千尋の神隠し - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI
- 舞台 千と千尋の神隠しSpirited Away
- 舞台『千と千尋の神隠し』 - 公式Twitter
- 千と千尋の神隠し - Wikipedia
- 千と千尋の神隠し - 日本映画情報システム