オクサレ様
おくされさま
オクサレ様とはスタジオジブリの映画『千と千尋の神隠し』に登場する神様の一柱(ひとはしら)である。
流動性の高い泥が集まって巨大な一塊になったような姿をしていて、這うように移動する。
動くたびに泥が体の表面を流動し、その泥はゴミと穢れをたっぷり呑み込んだヘドロで、それゆえに凄まじい悪臭を放つ。
その臭気は少し離れた所で見ていたリンが調達してきた飯を一瞬で腐らせるほど危険なもので、湯婆婆を始めとする油屋の者はみな慌てふためきながら迎え入れることになるが…。(湯婆婆がある意味で作中一番パニックになっている場面である)
その正体は、湯婆婆曰く「名のある河の主」と推察した(スタッフロールでは「河の神」となっている)。
どうやら住処である河がゴミ等で汚れてしまったらしく、その汚れが体に付着・蓄積してヘドロの怪物みたいな姿になってしまったようだ。
身体に纏わりついたヘドロの量は途轍もなく、25mプールほどはあるかという浴槽が一瞬で茶色に染まったうえ、中のお湯がドロドロの粘土になる程。
始め、風呂に入った直後自分の手を見て何か言いたげにするなどあまり満足していなかったが、世話係となった千は掛け湯(足し湯)を思い付く。
これはオクサレ様(河の神)が来店する少し前、番頭に貰っていたかなり高級な薬湯の札を使用し足し湯の仕方を思い出した故の行動。なおこの時、番頭は「(高級な薬湯を開店準備に、)そんなもったいないこと出来るか!」と渡す気はなかったが、透明化したカオナシが密かに渡した代物。そして後に、カオナシが番台から持ち出してきた薬湯の札を今回のお客様に使用する千。
だがこの際、足元はオクサレ様(河の神)から流れ出たヘドロで滑りやすくなっており、誤ってオクサレ様(河の神)が浸かる湯船に転落してしまった千。浴槽の底に溜まったヘドロに逆さまに埋まり、激しく両足をバタつかせもがく彼女を掴み、引き上げたオクサレ様(河の神)は、自らの身体に引き寄せる。
その奇妙な仕草から、千は体に刺さっている棘(自転車のハンドル)に気付く。不自然に体から突き出る棘みたいな物と聞いた湯婆婆は正体を察知し、ありったけ人手を集めるよういいつつ飛び降りる。
湯婆婆が魔法で出したロープを受け取った千は、駆け付けたリンの手助けも借り棘に結び付け、湯屋一同で引っこ抜くと河に不法投棄されたと思われる大量のゴミが溢れ出てきた。
最後に引っかかっていた釣り竿の浮きを千が引っこ抜くと、すっかり身体の汚れが落ちたオクサレ様から、本来の姿である翁面の「河の主(河の神)」が顕現し、至福の感情を表すのだった。
ちなみに正体に気付いた湯婆婆が「オクサレ様ではない」と言っているので、作中に登場したのは「オクサレ様そっくりになってしまった別の神様」であり、そちらとは別に「本物のオクサレ様」が存在するようだ。
また、起きている現象に疑念を抱いていない事から、本物のオクサレ様も似た様なものである模様。
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