ここはねぇ、人間の来るところじゃないんだ。
八百万の神様達が疲れを癒しに来るお湯屋なんだよ。
-湯婆婆-
概要
油屋は、スタジオジブリのアニメ映画『千と千尋の神隠し』に登場する架空の湯屋。
主人公の千尋らが迷い込んだ異世界にあり、全国各地から神々が慰安のために訪れる。経営者は湯婆婆。
浴場で客の世話をする湯女や、宴会場で客に侍る芸妓、番台・力仕事・たいこ持ち等を務める男衆など、多数の従業員が住み込みで働いている。従業員はカエルやナメクジの化身である者が多いが、一部には千尋と同様に迷い込んだ可能性のある人間らしい外見の従業員も見てとれる。労働に不満を持っている者もいるが、雇用契約書は魔女の契約によって書かれているため、逃げ出すことは不可能。
千尋は湯婆婆との契約によって油屋住み込みの湯女「千」となり、さまざまな経験を通じて成長しながら、元の世界に戻る手段を探っていくこととなる。
pixivでは、単に建物を描いたイラストのほか、「神々がやってくる湯屋」という設定から他作品のキャラクター(主に「神」の地位にあるキャラ)が油屋に客としてやってくるコラボイラストなども存在する。
構造
油屋は断崖にそそり立つように建つ高層建築であり、相当な多層構造となっている。
また、正面こそは和風で豪華絢爛だが、それ以外の面はそうでもないと言う宮崎監督曰く俗悪な外観をしている。
- 上層:経営者である湯婆婆の住居。内装は洋館風である。書類事務などを行う執務室や、息子の坊の部屋などがある。
- 中層:湯屋の接客部分。橋を渡って客が入店する正面玄関はここにあり、玄関の階には日本庭園を備える。内部は、一番下の階がついたてで区切られた個室型の浴場で、その上に宴会場や宿泊施設を備えた階が幾重にもある。客は基本的にエレベーターで移動する。中央部は巨大な吹き抜けとなっており、大きな身体の客がこの吹き抜けから直接浴場に出入りするための大戸が途中の階に存在する。店舗最上階は吹き抜けのない大宴会場である。
- 下層:店舗のバックヤードに相当する。客に出す料理を調理する厨房や、職員たちの宿舎、釜爺が風呂釜の火を入れ、薬湯に使う薬草を調合するボイラー室などがある。
- 最下層:建物の基盤部分。内部には得体のしれない異形の存在がうごめいている。傷ついたハクが上層からダストシューターでこの最下層に落とされそうになったことから、廃棄物処理に使われているものと思われる。
その他、建物の周辺には多数の飲食店を備えた繁華街や、調理用の野菜や肉を育てる農場や畜舎、海原電鉄の線路などがある。
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