概要
湯をみたした浴槽に身体をひたす温湯浴の入浴設備のある建物のこと。
寺院において衆生済度のため大きな浴場を設けたのが始まりといわれている。のちに民間の銭湯に発展した。洗湯とも。
奈良時代の寺院の資財帳にはすでに温室院、温室、湯屋などの建物名がみられ、入浴施設としての湯屋であったと考えられる。
これらの古代の湯屋の建物は残っていないが、東大寺、法隆寺などには鎌倉時代以後に再建された大湯屋が残っており、東大寺には釜のような形の鉄製の湯槽(ゆぶね)が、法隆寺には厚板を組んで作った木製の湯槽が中央に据えてある。
いずれも別の釜で沸かした湯を運ぶか、または木樋などで送り込む取湯式であった。
昔の公衆浴場には、蒸気を満たした部屋に入って汗や汚れを流す蒸気浴と、沸かした湯を浴槽に入れ、湯を身体に掛けたり、浸かったりする温湯浴の2種類があり、前者が「風呂屋」で、後者が「湯屋」とはっきり区別されていた。
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