釜
かま
調理器具の一種で、湯を沸かしたり米や豆などを煮炊きしたりするのに用いられる。
大型のものが一般的で、場合によっては人が入れるくらいのものもある。
鍋の一種ともいえるが、鍋より深く作られていることが多い。浅い鍋や平鍋はあるが、浅い釜というものはない。
また、鍋はものを焼いたり炒めたりする、すなわち短時間で熱を加えるのに用いるものも一般的だが、釜は時間をかけて熱を加えるのに使うのが多い。すなわち煮たり炊いたりするのに使うものが一般的である。
材質は、一般に鉄などの金属で作られている。ただし蓋は金属ではないこともある。
「釜」といって日本人がまず連想するのが、お米を炊くのに用いる「羽釜(はがま)」であろう。羽釜は胴体の中ほどから「つば」が伸びていて、かまどに引っかけて安定して置けるように作られている。蓋は木でできているのが一般的である。
また、茶道ではお湯を沸かすのに茶釜を用いる。茶釜には羽釜とは違い、周囲のつばが無い。また蓋も本体と同じ材質の金属でできていることが多い。
世界各地でも、日本でいう釜に相当する調理器具は、鍋と並び広く使われている。
ヨーロッパの釜(英語では「cauldron」という)のばあい、材質は、日本のものと同様に金属でできているが、形状は日本のものとは多少異なり、一般的には胴の中ほどが膨らんでいる。ものによっては脚が付いている(バランスが取れるように3~4本のことが多い)。羽釜のようにつばが付いているものはない。
火に掛けるときは上から吊り下げるか、安定したかまどの上に置くかする。
おとぎ話などの中で魔法使いや魔女が魔法の薬を作るときに使っているものを想像すると分かりやすいだろう。
朝鮮半島には、日本の羽釜と同様の、つばの付いた釜がある。羽釜と同様、かまどに載せたときに安定して置けるためである。
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