時代や地方によりその詳細には差異があるが、三味線や舞などの芸を酒席で披露するという部分は共通している。
京都以外は東京の古くからの街や、その他地域の温泉街に存在するが、京都以外はかなり数が激減しており後継者不足に悩まされている。
現在芸妓のいる地域
京都における芸妓
京都では舞妓が芸妓の見習い段階として位置づけられており、20歳前後になると所属する置屋の女将などの判断で「襟替え」と呼ぶ儀式を行う。
式の一週間前位から黒紋付に三本襟足の正装で、髪は先笄と呼ばれる髪型にしお歯黒を塗る。
これは昔は芸妓が自由に結婚等が出来なかったため、「せめて若妻の装いをさせてあげよう」という意味合いから始まったものである。
儀式にあたっては舞妓の赤い襟から白い襟となり、髪もかつらをかぶり帯もだらりの帯ではない短いものにかわり、関係各所を挨拶にまわる。
昔は「旦那」と呼ばれるパトロンを持つのが普通であり、旦那がついたら襟かえということになっていたが、社会情勢や法律の変化で旦那を持つことが少なくなったため現在はだいたいの年齢で襟替えをする。
また襟替えをして芸妓になれば置屋を出て個人営業の形になり高額な着物代など経費も自己負担になるため、先行きに自信がない、他の職業を選ぶなどの理由で襟替えをせず舞妓の期間のみで引退する者もいる。
芸妓に定年は無いが独身のみであり、結婚に際しては引退が必須である。「引き祝い」と呼ばれる品を配って挨拶し引退の儀式を行う。しかし離婚した場合の復帰、結婚せずシングルマザーとしての仕事継続は可能。
中には一生結婚せず、90近くなっても芸妓を続ける者もいる。
芸妓になれば先輩として舞妓を導く立場ともなり、舞妓と義理姉妹関係を結び指導監督を行う場合も多い。この義理姉妹関係は置屋の女将の依頼で決まる事がほとんどである。