諸元
機体名 | バクゥ(BuCUE) |
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型式番号 | TMF/A-802 |
全高 | 11.07m |
重量 | 69.30t |
概要
地上の地球連合勢力制圧のために投入された、ザフト製の陸戦用MS。
戦車が苦手とする地盤や地形の不安定な環境をものともしない高い走破性と、機動性を確保する目的で低重心かつ安定性に優れた四足歩行式を採用しているのが最大の特徴。
さらにすべての足裏に無限軌道を装備しており、特に人型のMSでは足元がおぼつかない砂漠などの環境では他を寄せ付けない機動性を発揮する。
その動きは正に肉食獣さながらの敏捷さであり、リニアガン・タンクを始めとする地球連合軍地上部隊の機甲兵力をことごとく打ち破って地上戦力の主流となった。
機動性と火力を活かした正面突撃を主戦術としており、装甲は前面に集中している。
一方で胴体などコクピット回りの装甲は他のMSより薄く、また四足歩行という形態ゆえに腹部側が死角となりやすい上、転倒すると咄嗟に起き上がることができないのが弱点。
一応、無限軌道使用時はうずくまる姿勢をとることで、この弱点をある程度カバーしている。
劇中ではその性能で抗戦するゲリラに対し圧倒的優位を誇り、砂漠戦に不慣れなストライクガンダムをも機動力で翻弄する。
しかしRPGなどの歩兵用手持ち火器で一時ダウンしたり地雷を食らったり、挙句の果てには腹部からの突き上げでひっくり返されてからゼロ距離でアグニを撃たれたりと、弱点を突かれて撃破される場面が増えていった。
それでも地上戦力としては旧来のザウートやジンオーカーなどより機動性などにおいて優秀であることから、続編のC.E.73においても改修を受けて現役である。
ただしデストロイガンダムに踏み潰されてしまうなど、前よりやられ役感が強くなったのはお約束。
武装
450mm2連装レールガン
背部ターレット用オプションの1つ。
プラズマ化した弾頭を電磁投射する武装で、地球連合軍の戦車程度の相手であれば一撃で破壊可能。
回転式のターレットに搭載されるため、360度全方位に向けて攻撃が可能。
400mm13連装ミサイルポッド
背部ターレット用オプションの1つ。
こちらも搭載箇所が回転式のターレットなので、360度全方位に向けて攻撃が可能。
2連装ビームサーベル
後述の後期型が装備する近接戦闘武装。
地球連合軍から強奪した第1期GAT-Xシリーズを解析して実用化した装備で、高速機動中にすれ違いざまに敵機を斬り裂く事ができるようになった。
関連動画
バクゥとはMS(モビルスーツ)である
旧来のシリーズでは非人型の機体はモビルアーマーとされる事が多かった。
しかしこの機体はMSとされ、登場当初かなり物議を醸した。
何故ならザフト製のメカニックには他にモビルアーマー級と呼ぶべき兵器が存在せず、やがてザフトにはモビルアーマーの概念がないという設定で定着したためである(逆に地球連合軍はモビルアーマーを開発しまくっている)。
実際劇中でもザフト軍がモビルスーツと戦艦以外で開発したのはジェネシスのような戦略兵器やミーティアのようなモビルスーツ用大型オプションしかなく、pixiv百科事典でもザフト兵器をまとめた記事名が「ザフト製MS・戦艦」なことからもそれが如実に現れている。
だがかわいいから許す。
なお、デザインを担当した大河原邦男氏は当機を「モビルビースト」と形容したことがある。
備考
SEED本編前半でバクゥは3DCGで描かれていた為、一部から「ガンダム版ゾイド」と言われていたらしい(アニメ版ゾイドの放送局も同じ毎日放送であり、放送枠も同じだった)。
ちなみに後半以降からは手描きの作画で描かれている。
バリエーション機
バクゥ 後期型
頭部に両刀型ビームサーベルを装備しているモデル。
犬型のシルエットと相まって、骨を咥えているかのような姿をしている。
バクゥ戦術偵察型
ディスクレドーム、スコープ、ソナーが装備された偵察用バクゥ。
撃破され、ジャンク品としてオークションに出品されていた本機の頭部をロウ・ギュールが競り落としたが、あろうことかとあるMSのデータが残っており…。
バクゥ バルトフェルド専用改修タイプ
バルトフェルドがラゴゥ配備以前に搭乗していたカスタムモデル。
もともとはラゴゥ開発における新装備実証用の実験機だが、その性能に惚れ込んだ彼が強引に徴用して専用機とした。
牙型の特殊合金製ブレードユニットが装備されている他、トラを彷彿させる配色、前足には虎のエンブレムが描かれているのが特徴。
動力系および駆動系の強化とそれに伴う負荷軽減のためのフレーム素材の変更、ジェットエンジンの追加搭載により従来機を凌ぐ性能を獲得した。
ただし操縦性の悪化を招いてしまったため、コクピットはパイロットとガンナーで別れる複座式となっている。
作業用バクゥ
上記のバルトフェルド専用改修タイプをベースとした作業型MS。
背部ターレットからはミサイルポッドが取り外され、代わりにクレーンアームが装備されている。
牙型のユニットは装備されたままなのはご愛嬌。
ちなみにダコスタは当時の事情からジャンク屋に当機を譲渡したことをバルトフェルドに伝えていなかったらしく、後にかつての愛機と再会したバルトフェルドに問い詰められそうになった(「(倉庫で)眠ってるよりはいいだろ」「可愛い子猫になっちまった」と苦笑交じりに許されてはいる)。
ラゴゥ
指揮官用として開発されたバクゥの上位機種。
ガイアガンダム
バクゥにそのままガンダムへの変形機構を与えたかのようなセカンドステージシリーズの一角。
バクゥハウンド
近代化改修したグレードアップモデル。
背部にウィザードシステム対応のアタッチメントを追加している。
ケルベロスバクゥハウンド
ケルベロスウィザードに換装したバクゥハウンドの基本形態。
みんなのトラウマ。
バクゥ ODR仕様
オーブ国際救助隊が使用するバクゥ。
背部のウイングがラゴゥの物に交換されている。
立体物
多くの商品で『モビルバクゥ』の名称が使用されている。
ガンプラでは、本放送中の2003年に1/144コレクションシリーズから発売された。
他の同シリーズ商品と同様に関節の可動は最小限になっているが、HGUCやSEED HGのクリアパーツのビームサーベル刃を頭部のビーム発生口に装着可能になっている。
SEED HGではSEED DESTINY放送終了後、STARGAZERのHGシリーズ展開中の2007年にSEED DESTINYからのMSとして発売された。
先に発売されたケルベロスバクゥハウンドのリデコ品で、ポリキャップレスのABS関節キットになっている。
ガンダムSEEDがHGリマスター化されてSEED期に発売されたHGがリニューアルされた際に、バクゥもガンダムSEED名義でリニューアル発売された。
こちらは他のリニューアル版キットと同様に成形色の変更やドライデカールが付属した他、説明書のアニメ本編の写真がDESTINYのものからSEEDのものに変更されている。
単体での発売はされていないが、バクゥ戦術偵察型はHGガンダムアストレイレッドフレーム(フライトユニット装備)のバクゥヘッドサーベルとして頭部のみが立体化されており、別売りのモビルバクゥの首パーツに接続が可能。
ガシャポン「SDガンダムフルカラーシリーズ」にもラインナップ。
小話
生みの親である大河原氏にとって一番のお気に入りのMS(曰く『デザインしていて楽しいから』)とのこと。
また、準備稿では円筒型のミサイルポッドを装備した両腕と無限軌道が装備された四つの足を持つMSであった。
スパロボに初参戦した第3次スーパーロボット大戦αでは回避補正のかかるサイズSで陸の地形適応がSという事もあって、こちらの攻撃をかなり避けてくる強ユニットになっている。
「地球の人間は外宇宙の脅威に何の備えもない」と嫌味を言うイデオンの主人公コスモに対してカガリが「そんなことは無い! 私はアフリカのコーディネイターの砂漠の虎と戦っていたんだぞ」と返すシーンがあり、スケールの差等でネタにされた(ゲーム的にはバッフ・クランのメカより突出した性能のあるバクゥの部隊の方が厄介である)。
関連タグ
機動戦士ガンダムSEED ザフト
ラゴゥ
ケルベロスバクゥハウンド
ドム グフ:地上で高い機動性を発揮するという点では前者を、敵側で初めてビームサーベルを装備したという点では後者の初期設定を髣髴とさせる。
モビルアニマル:やまと虹一氏の執筆作品『プラモ狂四郎』に登場する模型の一つ。
モビルアニマルαとモビルアニマルβが合体することで、モビルアニマルとなる細工が施されている。