概要
G兵器の中で強奪に失敗したストライクが持つ地球連合軍の換装システム『ストライカーパックシステム』を執念のごとく研究し尽くし、テスタメントによって検証されたストライカーパックの技術を踏襲した、ZAFTにおける換装システム。その構成は装備変更において多様な戦況に対応したストライクのものに類似する。ストライカーパックやシルエットと異なり、戦闘中の合体や換装はできない。
基本的には型式番号が設定されており、装備した機体の型式番号の末尾には「EX-」を除いた部分が追加される。
ウィザードシステム
基本的なウィザード
EX-M ブレイズウィザード
ストライクのエールストライカーにあたるウィザード。型式番号の末尾には「M」が付く。
二基の大型スラスターにより機動力を飛躍的に向上させると共に、スラスター前部のミサイルポッド「ファイヤビー」で火力を向上させているバランスの良いウィザード。
宇宙用の装備だが、地上戦に於いても(飛行こそできないものの)機動力向上のために多くの機体に装備された。
主な使用者はハイネ・ヴェステンフルス、レイ・ザ・バレル、アスラン・ザラ。
- AGM138 ファイヤビー 誘導ミサイル
EX-A1 ガナーウィザード
ストライクのランチャーストライカーにあたるウィザード。型式番号の末尾には「A1」が付く。
エネルギータンクと折りたたみ式長射程ビーム砲「オルトロス」のみで構成されたシンプルな構成で、オルトロスとビーム突撃銃は独立しているため、両方使用することが可能。
エネルギーは付属するタンクからほとんどが賄われるため、機体の稼働時間の大幅な延長に成功している。
主な使用者はルナマリア・ホーク、ディアッカ・エルスマン。
- M1500 オルトロス 高エネルギー長射程ビーム砲
EX-K スラッシュウィザード
ストライクのソードストライカーにあたるウィザード。型式番号の末尾には「K」が付く。
ビームガトリング砲「ハイドラ」を二門を搭載しているウィザード本体と、白兵戦装備として大型ビームアックス「ファルクス」を組み合わせた装備でもあり、ハイドラもガナーのオルトロス同様、エネルギータンクが本体のジェネレーターと独立している。
劇中ファルクスはカオスのアンチビームシールドを容易く切り裂くほどの威力を見せていた。ちなみに、このファルクスだがブレイズウィザードを装備した機体が使用している場面もある。
主な使用者はイザーク・ジュール。
なお、このスラッシュウィザードは現時点で立体化が少ないため、ある意味不遇のウィザードである。
- MMI-M826 ハイドラ ガトリングビーム砲
- MA-MR ファルクスG7 ビームアックス
機体各部も換装するウィザード
EX-AAL ノクティルーカウィザード
『SEED DESTINY MSV』出典。
水上スキーのプレートと肩部に装着する可動翼、水上・水中用センサー内蔵のセイルフィンがセットになっている水上戦闘用のウィザード。型式番号の末尾には「AAL」が付く。
ウィザード装着以外にも肩部、頭部など多数の換装作業を要するため、これを装備したザクウォーリアはほとんど別機体のような姿形となる他、装備しているのがザクウォーリアなのかザクファントムなのかは外観からは分からない。
主な使用者はカイト・マディガン、マリオ・グレック
- 144cm大型魚雷
- マーク13ホーミング魚雷
- M25対潜爆雷
ホスピタルウィザード
野戦病院の役割を担う医療施設を搭載したウィザード。
ZAFTの地上基地にはこのウィザードに換装した「ホスピタルザクウォーリア」が必ず配備されているらしく、このウィザードを運用するザクウォーリアも、ホスピタルウィザード運用に特化した改修が施されている。
赤十字をイメージする白と赤のカラーリングで、病院ユニットを背中に担いでいるユニークな外見をしている。
完全な非武装機体で、肩の装甲は赤色灯及び照明用のモノに、腰のハンドグレネードも予備バッテリーに換装されているため、原則戦闘には参加しない。
キャンピングカーのキャビン部分を思わせる移動式の医療設備を三基搭載し、
モビルスーツの走破性・踏破力を以って通常の航空機や車両では辿りつけない場所への救難活動を行い、被災地に病院ユニットであるホスピタルウィザードを展開し、その後はモビルスーツに搭載されたバッテリーを利用する事でそのまま機体ごと病院のバッテリーとなり、発電設備の無い場所であっても高度な医療活動が可能となる。
ZAFT関連の施設には必ず一機以上配備するのを原則としており、各地で災害救助や被災地への簡易病院設置で活躍している。
…というのはほぼ建前で「このウィザードを運用するのに結局ザクが必要」なので戦闘目的ではありませんと言って「ザクを配備する」、そしてそのザクは「ウィザードを変えれば即実戦配備できる」ので、「後でこっそり別のウィザードを運び込めば戦力にできる」という裏の目論見も存在する。
情報媒体でも「ZAFTの行き過ぎたMSドクトリン(何でもかんでもMSでどうにかしようとする悪癖)の産物」と扱き下ろされていることが多い。
たまに誤解されるが、背中の病院に患者を収容したまま移動・運搬することは想定されておらず、あくまで背中の病院は現地に設置してから使うものである。この機体の使い方は救急車(レスキュー)ではなく病院(ホスピタル)の設置、及び設置後の電池である。
なお、元ZAFTのエースミハイル・コーストは完全な非武装機体のこれを駆ってテロリストのM1アストレイを撃退したことがある。
主な使用者はミハイル・コースト。
コマンドザクCCI
通信や索敵に特化したザクシリーズ。型式番号の末尾に「R4」が付いている事や、初出の時点では「ウィザードパック」と記載されているため、この機体の装備も恐らくはウィザードシステムの1つとして設定されていると思われるが、ウィザードとしての固有名を持たない。
詳細はコマンドザクCCIを参照。
ザクシリーズ以外のウィザード
ケルベロスウィザード
ケルベロスバクゥハウンド専用の装備だが、ウィザード規格が統一されているためザクでも使用可能。
- ビームファングシステム
- ケルベロスウィザード頭部リトラクタブルセレクション内ビーム砲
EX-G1 ナイトウィザード
ZAFTの次期主力機コンペティションに提出した際の、オリジナル仕様のドムトルーパーの専用ウィザード。
主武装のギガランチャーDR1マルチプレックスの砲弾を収納し、その砲弾をベルトリンクで給弾でき、ドリルランス「フォーディオ」の予備弾頭部分を収納できる。
設定上、ザクにも装備可能。
- JP536X ギガランチャーDR1マルチプレックス
- MA-SX628 フォーディオ ドリルランス
- 対ビームシールド
ZAFT以外で開発されたウィザード
EX-EZ1200 イージーウィザード
ドムトルーパーに装備されているウィザード。
ラクス・クラインの協力者たちの集まりである「ファクトリー」が、ドムトルーパー開発の際に製造した簡易装備。
「イージー」の名が付く通り、簡素で地味な形状をしており、武装は強化型ビームサーベルのみ。
これは、「ファクトリー」が専用のナイトウィザードのデータまで手に入れることができなかったことと、その他の既製のウィザードを調達できなかったため。
設定上、ザクにも装備可能。
- MA-X848HD 強化型ビームサーベル
ブースターウィザード
ASTRAYシリーズに登場するカスタム装備ウィザード。
左右上下に展開するスラスターが特徴的なウィザードで、ブレイズと違い多方向にスラスターが向いているので、細かなマニューバを可能とする。
また、スラスターに備え付けられた翼を展開することで、大気圏内での飛行が可能。
このウィザードは、イライジャ専用ザクファントムの製造の際に作られた専用装備となっているため、使用者はイライジャ・キールと、彼と乗機の交換をしたカーボンヒューマンのグゥド・ヴェイア、とある戦いで借りたジェス・リブルしかいない。
同規格システム
ボレロ
FREEDOMに登場するMSに採用されているバックパックシステム。宇宙用の「ボレロS」と大気圏用の「ボレロA」が存在しており、ゲルググメナースとギャンシュトロームの二機は戦場によってこれらを使い分けている。
事前の設定では単にバックパックを換装できる旨のみが解説され、劇中やパンフレットに収録された設定画でもウィザードシステムとの関連は不明だったものの、プラモデルシリーズの展開により接続部がウィザードと同規格であることが判明。
さらに2024年3月末に発売されたプラモデルの組立説明書に記載されたインストによりゲルググ(と、おそらくギャン)はウィザードパックを装備できることが判明した。なお、逆にザクやドム等既存のウィザード対応機にボレロを装備することの可否は不明となっている(物理的に干渉しないためプラモデルでは問題なく使用できる)。
ボレロA
- M71 ペレグリヌス6連装近距離誘導弾発射筒
- MAM-G3L1 インフェルヌス電磁砲