概要
ザフトが開発したZGMF-X56S インパルス専用の換装システムで、インパルスシステムの1つ。
前大戦時に大西洋連邦が開発したGAT-X105 ストライクのストライカーパックシステムを参考にニューミレニアムシリーズのウィザードシステムが開発され、インパルスにはその換装システムをさらに発展させた専用規格のシステムとしてシルエットシステムが採用された。これはストライクと同様にバックパックを換装する事で様々な戦況に対応する機構であるが、インパルスはユニウス条約の保有制限によって任務ごとに別々のモビルスーツを複数作ることが難しくなるため、限られた本体を装備換装する意味がより一層強くなった時代背景もあって開発されている。
C.E.73(『DESTINY』)の第二次連合・プラント大戦では高機動型の「フォース」、火力重視の「ブラスト」、近接戦闘用の「ソード」の三種類が実戦配備されており、それぞれの特化形態ではZGMF-Xシリーズに匹敵または凌駕する。地球連合軍が開発したフェイズシフト装甲をオーブ連合首長国から流出したパワーエクステンダーの技術を用いて発展させたヴァリアブルフェイズシフト装甲の「装甲に流す電流の量を調整・最適化する」という性質により、装着したシルエットによって機体の色が変化する。武装の方も参考元のストライカーパックに較べて左右対照の形状をしており、特にソードとブラストはシュベルトゲベールやアグニにあたる武装を簡易構造にすることで二倍装備するという合理的な設計になっている。また、ストライカーパックの弱点だった「本体がビーム兵器を装備していないため、換装次第では突然接近戦を強いられると大きな隙が生まれてしまう危険性がある」点も全シルエットシステムに接近戦用のビーム兵器とリアスカートにビームライフルを携行することで対処している。
外伝ではセカンドステージシリーズの同期機種(カオス・アビス・ガイア)をモデルにしたシルエット案等が存在したことが明かされたが、その同期が強奪されたことや、軍上層部の意向が換装型よりも単独での万能型MSへとシフトしたことからインパルスシステム自体が廃止されたことで、実用化されたものは現時点で初期の3種類とデスティニーシルエット系列のみとなっている。
また、後に複製建造されたデスティニーインパルスRにおいては、背部コネクタがシルエットとストライカー双方に対応する措置を取っている。なお、このコネクター自体はMGプラモデルオリジナルとしてストライカーパックを組み替え遊びするために登場しており、シルエットに対応していない。
ストライカーパックシステム、ウィザードシステムと比較して唯一劣ってる点としてはバックパックを交換してもエネルギー回復が行えないこと。一応、シルエットそのものは他のフライヤー同様に合体変形が可能な動力は存在するようだが、作中ではデュートリオンビーム送電システムによる供給を別途必要としている。
各シルエット
フォースシルエット
中近距離戦闘を想定した機動力強化用のシルエット。このシルエットに換装した形態がフォースインパルスである。
フォースシルエットは大推力のスラスターと複数のバーニアスラスターを持ち、機動戦闘能力ではフリーダムと同等である。放熱板を兼ねた6枚の翼を備え、宇宙空間や大気圏内を問わず高い飛行能力を発揮する。
ソードシルエット
対MS格闘戦を想定した格闘戦用シルエット。このシルエットに換装した形態がソードインパルスである。
ソードシルエットに搭載される追加装備は全て近接戦闘用のものだが、機体本体のビームライフルはそのまま使用でき中距離戦闘にも対応可能。
ブラストシルエット
対艦攻撃・火力支援を想定した火力強化用のシルエット。このシルエットに換装した形態がブラストインパルスである。
ブラストシルエットは多種多様の火器を搭載しており、単純な破壊力と射程距離は全シルエット中最強といえる。
また、中距離以下での戦闘を考慮した装備も備えられており、ある程度は格闘能力と機動性も保たれている。
統合兵装型シルエット
フォース、ソード、ブラストの全シルエットの特性を備えた万能型モジュール「デスティニーシルエット」に換装した形態であり、ストライクのI.W.S.P.またはマルチプルアサルトストライカーに相当する統合兵装システム試験運用型とされている。
詳細ははデスティニーインパルスを参照。
デスティニーインパルスの計画を引き継いだ民間企業が独自のコンセプトを加えて完成させた機体。
詳細はデスティニーインパルスRを参照。
局地戦対応のシルエット
宇宙での高機動戦闘を主眼に置いて開発されたシルエット「カオスシルエット」を装着したインパルス。
カオスシルエットとのセットとなるチェストフライヤー及びレッグフライヤーとも換装する。
なお、カオス・アビス・ガイアのシルエットについては構想のみで終わっており、実機は存在しない。
地球連合軍の水中戦用MSの対抗兵器として開発されたシルエット「アビスシルエット」を装着したインパルス。
アビスシルエットとのセットとなる水中戦仕様のレッグフライヤーとも換装する。
全身が青基調のVPS装甲となっている。
地上での高機動戦闘を想定して開発されたシルエット「ガイアシルエット」を装着したインパルス。
ガイアシルエットとのセットとなる地上戦仕様のレッグフライヤーとも換装する。
核駆動機用シルエット
対大型施設・対戦術兵器攻撃を想定したシルエット。
これのみサードステージシリーズ用の装備で、ZGMF-X42S デスティニーでの運用を想定し同時期に開発・完成したとされる。詳細は当該記事を参照。