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I.W.S.P.

6

とうごうへいそうすとらいかーぱっく

『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場するモビルスーツ(MS)「ストライク」の追加武装の一つ。

諸元

型式番号
重量不明
開発
  • P.M.P.社(後に開発を譲渡)
  • モルゲンレーテ社
  • アクタイオン・インダストリー社
所属
武装
  • 115mmレールガン×2
  • 105mm単装砲×2
  • 9.1メートル対艦刀×2
  • コンバインドシールド
    • 30mm径6銃身ガトリング砲
    • ビームブーメラン

概要

GAT-X105 ストライク用に製造されたオプションパック「ストライカーパック」の一つ。I.W.S.P.とは「統合兵装ストライカーパック(Integrated Weapons Striker Pack)」の略称。

本パックは、C.E.70年末頃にニュートロンジャマー影響下の戦場にてモビルスーツの生存性やスタンドアローン性を高めることを目的とする「ブロック5」と呼ばれる規格に基づいたストライクのSEPプログラム要求に対する回答として、大西洋連邦の航空機メーカー「P.M.P.(Propulsion & Machinery Progress)社」が構想したものである。同じく大西洋連邦からストライカーパック開発を委託されたオーブ連合首長国の国策軍事企業「モルゲンレーテ社」の開発した3種のストライカーパックがエールストライカーが機動性、ソードストライカーが近接戦闘能力、ランチャーストライカーが火力と、機能ないし特性を割り振っていたのに対して、本パックはその名の通り各種機能を一つのストライカーパックへ統合している。同時に、モルゲンレーテ製のストライカーパック3種とは競合関係でもあった。

高性能センサー付きのレールガンや単装砲、対艦刀に攻防一体型のシールドと重武装化されており、ビーム兵器が普及していない開発当時基準では過剰なほどの攻撃力を持つ。さらに、火器管制のためストライク本体の射撃統制システムを補助するコプロセッサーも搭載されている。このようにしてP.M.P.の開発陣はストライクに火力を集中させることにより提示された要求の達成を計画していた。その結果として、重量増加と後方に偏った重心モーメントの影響によって低下した運動性については、パック後部には2基のスラスターと3対の空力翼を設置することにより補うものとした。

これらの試行錯誤により、地球連合軍が要求していた「近・中距離での高機動総合戦闘力」「対艦・対MS接近戦能力」「射程外からの超長射程火器による砲撃能力」を単体で実現し、「究極の装備」という開発目標に相応しい万能性を獲得するに至った。

しかし、構造の複雑化による整備性や信頼性の低下とコストの高騰、パック本体のデッドウェイトによる姿勢制御の悪化に加えて、兵装と制御用電装系の重装備化による消費電力の増加により本体のフェイズシフト装甲の作動時間が大幅に短縮してしまう問題が生じた(P.M.P.がフェイズシフト装甲の実用性を過小評価していたことも大きい)。消費電力の問題に対してP.M.P.では新しく高性能な小型パワーパックの開発を行っていたが、電力消費量を甘めに算出していたことに加えて技術的限界からバックパック部門の開発作業は遅延し、最終的には電力供給の強化を実現できないままにパックの試作を開始することとなった。その結果、超高細度VR戦場用シミュレーション・モデルの試作1号機と実物大モックアップの2号機しか製造することができず、C.E.71年初頭に完成したストライク用ストライカーパックには既に完成していたモルゲンレーテが開発したエール・ソード・ランチャーの3種類のパックが採用され、本パックは採用見送りとなった。

結果的にP.M.P.は開発を断念し、開発計画自体がモルゲンレーテへ譲渡される。モルゲンレーテは独自に開発した新型パワーパックを搭載することにより電力供給の強化を実現し、当初想定されていた性能を発揮させることに成功した。さらに、P.M.P.製パワーパックについてもモビルスーツ用バッテリーとして発展させることにより新型大容量バッテリー「パワーエクステンダー」として完成させている。また、連合側から開発を譲渡された=開発ライセンスがモルゲンレーテへ移ったことから独自の型式番号「P202QX」が振られている(類似例としてP204QX ライトニングストライカーが存在する)。

パワーエクステンダーによって稼働時間が延長されたMBF-02 ストライクルージュへの搭載が予定され、実験試作機として3号機が新造された。この3号機はC.E.71年6月16日のオーブ敗戦に伴いクサナギにて宇宙へ持ち出された後に組み立てられ、数回に渡る運用実験が実施された。しかし、複雑化した火器管制システムをストライクルージュのパイロットであるカガリ・ユラ・アスハが扱いきれなかったため実戦投入されることは無く、代わりにC.E.71年9月27日の第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後に行われた数多くの式典への参加の際、より力強さを演出する目的で本パックをストライクルージュに装備していた。また、「統合兵装」というコンセプトはEW454F オオトリへ発展した。

C.E.73年12月頃、カガリと共にストライクルージュがオーブを離れた際には、上記のオオトリが完成していたことから旧式となっていたため、国外へ持ち出されずモルゲンレーテに保管されたままとなっていた。

C.E.72年3月10日のユニウス条約締結後の兵器開発方針転換を受け、ユーラシア連邦の軍需企業アクタイオン・インダストリー社が主導するアクタイオン・プロジェクトの折に新規製造された。アクタイオンはモルゲンレーテから技術やデータの提供を受けてはいないが、C.E.71年6月15日に大西洋連邦が敢行したオーブ解放作戦によりオーブからの難民と共にパワーエクステンダーの技術が流出、一般化したためP.M.P.の抱えていた問題を容易にクリアして完成させることができた。

こうして完成した連合版はスウェン・カル・バヤンの駆るGAT-X105E ストライクEに装備される形にて実戦投入され、その運用データを基にAQM/E-X09S ノワールストライカーが開発された他、AQM/E-A4E1 ジェットストライカーAQM/E-M11 ドッペルホルン連装無反動砲の開発にも活かされた。

他にも、アクタイオン・プロジェクトにてヴァレリオ・ヴァレリが携わった機体については予算節約のために本パックを分解してパーツを流用している。

また、アクタイオン・プロジェクトにおいて企業グループの一社として参加していたフジヤマ社は東アジア戦線においてストライクEと共に本パックの運用を行っている。

C.E.73年12月頃(フリーダムによるカガリ拉致後)、オーブ軍出向者の部隊「マーシャン討伐隊」へ地球連合第81独立機動軍「ファントムペイン」の主力機GAT-01A2R 105スローターダガーがジェットストライカー装備で配備された際、隊員の一人であるワイド・ラビ・ナダガが本パック使用の希望を指揮官であるスウェンに出して許可をもらっている。なお、連合も自家製の本パックを所有しているがこれ以上兵器を提供する気はなかったためか、モルゲンレーテに保管されていたストライクルージュ用のものを持ち出すことにより調達している。

武装

ビーム兵器普及前に開発されたものなため、ビームブーメランを除いて全て実弾・実体兵器である。なお、最大火力が電力を消費するレールガンなためエネルギー問題は付きまとっている。

115mmレールガン

パック上部に左右で2門搭載されている遠距離攻撃用のレールガン。肩越しに目標を射撃する。

砲身の同軸上(あるいは砲身上部)にマウントされたスコープ型の強化型高指向性索敵照準センサーにより、超長距離射撃時の命中精度を向上させている。このセンサーを用いることによりニュートロンジャマーの影響下でも熱センサーや映像分析等による複合的解析が可能となっている。

発射時、ローレンツ力により砲弾の弾速を秒速5kmにまで加速させることができる。

後述する「105mm単装砲」と共にゲルプレイダーの固定火器として流用されている。

105mm単装砲

肩上部から突き出るように配置された単装砲。銃身は短く、近・中距離戦における運用を想定している。

9.1メートル対艦刀

本パックにてビームブーメランに次ぐ切れ味を持つ特殊合金製の実体剣。

本パックのエネルギー消費が大きかったことから完全な実体剣となっている。また、その名前に違わずモビルスーツとの格闘戦だけでなく巨大な艦船にも有効とされる。

本パックの両側下部に備えられた鞘用途の基部に挿し込まれる状態にてマウントされており、装着時は装着機体の脇腹近くにくるため抜刀しやすい。このマウント方式が後のジェットストライカーに活かされている。

M1アストレイのオプション装備としても本武装が流用されている。なお、M1アストレイの素体ではマウントすることができないため、専用のマウントを追加する必要がある。

余談

本装備を搭載したストライクEに搭乗したルカス・オドネルは「相手の断末魔の叫びが聞こえる得物」と評して愛好している。

コンバインドシールド

「30mm6銃身ガトリング砲」と「ビームブーメラン」を内蔵ないしマウントする実体盾。

対ビームシールドとしてだけでなく攻撃にも使用可能な攻防一体の武装であり、ザフトで言う「複合兵装防盾システム」にあたる(シグーの「M7070 28mmバルカンシステム内装防盾」とよく似ている)。

巨大な砲身と弾倉により重量化しており、機体の左側に大きく重心がかかるために実際に使用したパイロットからの評価が低く、改良型のノワールストライカーやオオトリでは完全にオミットされた。

肩部との干渉を避けるためにビームブーメランを含めた本シールドの上部を除外して小型化したものをブラウカラミティが装備している。

30mm6銃身ガトリング砲

シールドと一体化されたガトリング砲。

1分間に8000発の連射を可能としていることに加え、弾芯にはチタンカーバイド鋼が用いられているため高い貫徹力を持つ。

ビームブーメラン

コンバインドシールドの表面にマウントされるビームブーメラン。

ソードストライカーの「マイダスメッサー」と同様にビームブレードに対する干渉反応を利用し、ニュートロンジャマーの影響を受けずに軌道を遠隔制御できる。そのため、空気の有無を問わず投擲後はブーメランのような軌道を描いて手元に戻ってくる。さらに、大容量のパワーコンデンサーを内蔵しているため、飛んでいる間は常にビーム刃を維持し続けることができる。

本パックが搭載している唯一のビーム兵器であり、対艦刀の通用しない相手と格闘戦を行う際は本武装を使用する。

バリエーション

AQM/E-A4E1 ジェットストライカー

地球連合軍が開発した、本パックから「機動性」を抽出したストライカーパック。

大気圏内用の高機動空戦型で、初期型エールストライカーとは異なり、装着した機体は戦闘機のように自在な飛行を行える。

AQM/E-M11 ドッペルホルン連装無反動砲

地球連合軍が開発した、本パックから「火力」を抽出したストライカーパック。

大型の実弾砲塔を備えた対艦攻撃用で、ランチャーストライカーとは異なり、マニピュレーターを用いない装備である。

AQM/E-X09S ノワールストライカー

アクタイオン・インダストリー社が開発した本パックの発展型。

元のコンセプトを継承する万能型モジュールだが、その万能性を備えたままに特性を近接格闘に振り向けて特化させたものとなっている。そのため、リニアガンこそ装備しているものの長距離射撃能力は失っており、代わりに近距離における取り回しの良さが向上している。

また、外装にヴァリアブルフェイズシフト装甲を全面採用しており、機体本体が盾を装備する必要性が薄くなった。

EW454F オオトリ

モルゲンレーテ社が開発した本パックの発展型。

ストライクルージュの開発と同時期に製作が進められており、P.M.Pから入手したデータ(設計)を見直し、独自の技術を取り入れて完成させた。基礎設計を改変することにより、原型機の抱えていた信頼性や整備性の問題点を解決した他、島国ゆえに海上戦を国土防衛の要とするオーブの戦略に対応し、大気圏内での動力飛行を可能とした推進システムと4発のエンジンを搭載したX状の空力推進翼を駆使することにより、高度な飛行能力を有している。

武装面はレールガンを一門減らした代わりにビームランチャーを搭載しており最大火力が増加している。一方、2本も使わないという判断からか、対艦刀は1本に減らされた。

このオオトリから更にインフィニットジャスティス弐式の「M2X32E フォランテス」へ発展している。

ゲーム作品

スーパーロボット大戦シリーズ

『SEED』のシナリオ参戦している作品では隠し要素として登場する。

第3次αではストライクルージュ専用装備(というより、この作品のストライクルージュはこれ以外にエールストライカーのみ)だったが、JWではストライクガンダムスカイグラスパーにも装着可能。入手時期的にはいずれもキラフリーダムに乗り換えているため、普通にプレイしてたらムウカガリが運用することになる。

ちなみにJでは、同じコンセプトかつスパロボシリーズ屈指のチートユニットとフラグが競合しているため、どちらを取るかはプレイヤーの思い入れやプレイスタイル次第となる。

立体物

1/144スケールでは『HG ストライクルージュ+I.W.S.P.』が発売されている。無印終了直後の「SEED MSV」のキット化第1弾であり、現在(2024年時点)から見れば本体のルージュ共々色分けや可動の面での古臭さは否めない。その後、プレミアムバンダイよりRG エールストライクの色変えとなるルージュにHGの本パックを組み合わせた『RG ストライクルージュ+HG I.W.S.P.』が発売された。

1/100 MGでは『ストライクガンダム+I.W.S.P.』、MG ストライクノワールガンダムの本体と組み合わせた『ストライクE+I.W.S.P.(ルカス・オドネル専用機)』が発売されている。

METAL BUILDでは本パック単体で製品化されている。

余談

  • 本パックには試作機を示す「X」や「Y」が含まれておらず、その上でナンバリングが「1」である。このことから、設計当初はかなりの期待が寄せられていたことがうかがえる。
  • 初出はMSVだが『SEED』のHDリマスター化に伴い、ストライクルージュに装備された状態にてPHASE-35以降のアイキャッチに登場しており、静止画とはいえ一応映像化されている。
  • 本パックの開発に失敗したP.M.P.社だが、無能な兵器メーカーというわけでは決してなく、スピアヘッドスカイグラスパー、(他国企業との共同開発だが)コスモグラスパーを手掛けており、ジェットストライカーが登場するまでの連合軍の航空兵器を一手に引き受けていた
    • 実際に大気圏内飛行用パックはいずれも本パックから派生しており、空力制御や兵装のマウント方式については主力戦闘機を手掛けた航空機メーカーとしての技術力の高さがうかがえる。
    • ジェットストライカー自体開発元が不明なため、本パックのリベンジとしてP.M.P.社が手掛けている可能性も残っている。
  • 概要にも述べた通り、マーシャン討伐隊においてモルゲンレーテからストライクルージュ用の本パックを持ち出して運用している。
    • 持ち出した当人は「このI.W.S.P.で華々しく凱旋してカガリに求婚する」と宣っているが、求婚相手のカガリからすれば勝手に持ち物を借りパクされたようなものであり、しかもファントムペインとの共同でマーシャンを徒に攻撃するなど、カガリから憤慨されることしかしてない。
    • なお、スウェンが本パックを返還したかは明言されておらず、ファントムペインに持ち逃げされた可能性もある。カガリ、キレそう。
  • マーシャン討伐隊での一幕で、ノワールストライカーを失ったスウェンのストライクEによって、僚機であるはずの本パック装備のスローターダガーの制御を奪い、ストライカーパックをほぼ強奪する形で換装している。
    • 一連の流れは「I.W.S.P.に細工をして奪った」と言う風にも見えるが、そもそもスローターダガーそのものがファントムペインから支給されたものであり、ストライカーパック以前にMSそのものに細工をされていると見るのが自然であろう。
  • 重量は不明となっているが、これをコンパクト化・軽量化した設定を持つノワールストライカーが25.71tな辺り、少なくとも30tは平然と超えていた可能性が高い。ちなみに、初期型ストライカーパックで最も重いエールストライカーでも20.30tである。

関連タグ

機動戦士ガンダムSEED 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED MSV 機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY

ストライカーパックシステム

対応機種

ストライク

ストライクルージュ

ストライクE

ライゴウ

ゲイルストライク

ダガー

105スローターダガー

ダガーL

ウィンダム

競合機

エールストライカー

ランチャーストライカー

ソードストライカー

類型機

ライトニングストライカー / ライトニングストライク:本パックと同じく、バッテリーパックの小型化ができず開発計画がモルゲンレーテに譲渡されたストライカーパック。超長距離狙撃任務を目的とした設計をしている他、友軍機へのエネルギー供給も行える。

マルチプルアサルトストライカー / パーフェクトストライク:似たようなコンセプトを持つストライカーパック。本パックと比較して、エールをベースとしてソード・ランチャーの主武装を一纏めにした上にバッテリーパックを増設したことにより火力と持久力で勝るが、それら故の重量過多により機動性で大きく劣る。

デスティニーシルエット / デスティニーインパルス:似たようなコンセプトを持つオプション装備。こちらはザフト製のシルエットシステムであり互換性はない。メイン兵装は実弾兵器ではなくビーム兵器だが、それに比例してエネルギーの消耗が激しい上に対応機種とのバランスが合致していない等といった共通の欠点を持つ。

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