カガリ・ユラ・アスハ「ストライクルージュ、行くぞ!」
機体データ
型式番号 | MBF-02 |
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全高 | 17.72m |
重量 | 64.8t |
装甲材質 | フェイズシフト装甲 |
動力源 | バッテリー(パワーエクステンダー搭載) |
所属 | 三隻同盟→オーブ国防軍→無所属→オーブ国防軍 |
パイロット |
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概要
C.E.71年9月頃にオーブ連合首長国が建造したモビルスーツ(MS)。地球連合軍(大西洋連邦)のGAT-X105 ストライクのデッドコピーである。
開発経緯
本機開発のルーツは、C.E.71年4月17日にオーブ近海におけるGAT-X303 イージスとの戦闘の末に中破したオリジナルのストライクをオーブが回収したことから始まる。オーブの国営軍事企業「モルゲンレーテ社」は、このストライクをオーブ国防軍で運用することを目的として極秘裏に修復を行い、この際に稼働効率を高める目的で予備部品を数機分丸々製造した。1ヵ月ほどで修復が完了したストライクはこのままオーブ軍のMSとして運用される予定だったが、C.E.71年5月25日にエリカ・シモンズの計らいによって地球連合軍を脱走してオーブに逃げ込んでいた元の持ち主へ返還されたため、運用予定は没となった。
残った予備部品についてはクサナギに全て積載されており、C.E.71年6月16日のオーブ敗戦に伴って宇宙へ上がる。この時点ではストライクの修復に使用できる部品だったが、アークエンジェル艦載機を含めても同時稼働できる手持ちのMSが14機(フリーダム・ジャスティス・ストライク・バスター・M1アストレイ10機)しかなかったことや、オーブのフラッグシップ機として計画されていたORB-01 アカツキの開発凍結による代替機の必要性などの理由から、部品を組み立てて1機のMSとして運用することが決定した。
開発はクサナギ艦内にて約1ヶ月をかけて行われた。この際、一部のパーツ(メインカメラ等)はモルゲンレーテ社で新規製造された高性能品に置き換えられた上、ナチュラルが搭乗できるようOS面での改良が行われ、追加でMSでの戦闘経験が皆無に等しいカガリ・ユラ・アスハのために補助AIを搭載、さらに新型大容量バッテリーパック「パワーエクステンダー」を搭載することによる作戦活動時間の延伸も図られた。特に、パワーエクステンダーの搭載によりフェイズシフト装甲に供給できるエネルギーが増加したたため防御力上昇と共に機体色が赤系統に変化しており(フェイズシフトダウン状態はストライクと変わらないが、メインカメラのデュアルアイの色はストライクが黄色なのに対してこちらは緑色となっている)、この装甲色から本機はストライクルージュと命名された。また、前述通りの細かな高性能化により、劇的なものではないが純粋な機体性能はコピー元のストライクを上回っている。
また、本機の部品製造と同時期にP.M.P.社から開発を継承していたストライカーパック「I.W.S.P.」は、実験試作機として新造されたパーツが本機のパーツと共にクサナギに積まれており、宇宙にて組み立てられた上で本機に装備される形で数回の運用試験が行われた。カガリは「強そうだ」という理由でI.W.S.P.を希望したが、その火器管制の難易度はMSでの実戦経験に乏しいカガリの腕前では使いこなせるはずもなく、代替としてエールストライカーの使用が決定される。しかし、前述したイージスとの戦闘にて既に1つ消失していたアークエンジェルには予備が存在せず、オーブ側もI.W.S.P.が念頭にありそれ以外のストライカーパックを製造していなかったため新規製造することとなり、そのパーツ確保に更なる時間を要した。そのため、ストライクルージュが実戦に参加したのは、第一次連合・プラント大戦における事実上の最終決戦となるC.E.71年9月26日から行われた第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の2日目となった。
取り扱い
三隻同盟所属機として第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を戦い抜いた後、オーブ本国に降りた本機はアカツキに代わるフラッグシップ機として運用され、式典などに参加した。この式典には国威発揚のためにI.W.S.P.を装備していた。
C.E.73年12月にはアークエンジェルに(カガリに無断で)専用ストライカーパック「オオトリ」と共に艦載され、オーブ脱出を共にしている。その後も本機=カガリの機体という根強いイメージを活かしてか、オーブ軍の戦闘行為停止のために幾度か出撃した。
ストライクは大西洋連邦とモルゲンレーテの共同開発でこそあるものの、元は地球連合軍の所有であり、そのデッドコピーを国のフラッグシップとして使用するのは現実的に見れば問題でしかなく、しかもオリジナルの所有元である連合はアクタイオン・プロジェクトにおいてストライクを再生産した(後のストライクE)にもかかわらず、劇中で問題になることはなかった。尤も、ストライクはじめ初期GAT-Xシリーズはデュエイン・ハルバートンの一派が上層部に無断で開発したものであり、後期GAT-Xシリーズやアクタイオン・プロジェクトは彼の死後に上層部とその関係者が設計データを無断で使用した産物なため、連合側も人のことを言えない部分はある。
作中キャラからは発進シーケンスも含めて「ストライクルージュ」と呼ばれることが多い。一方、ストライクの元パイロットであるキラ・ヤマトからは一貫して「ルージュ」と呼ばれていた。
機体構成
基本的な部分はストライクと同様であるためこちらも参照。
額のレリーフ
C.E.71年(『SEED』)時は「STRIKE ROUGE」、C.E.73年(『DESTINY』)時は「MBF-02 ROUGE」となっている。ちなみに、C.E.には額のレリーフの単語にイタリア語を用いるという慣習があり、フランス語の単語を刻んでいるのは本機のみである。
パワーエクステンダー
本機の電源系統に追加された新型パワーパック強化システム。
原型はP.M.P社がI.W.S.P.用に開発していた新型バッテリーである。しかし、P.M.P社の技術力では想定スペックにて完成させることができず、それが原因となってI.W.S.P.の開発ライセンスがモルゲンレーテ社に移譲されることとなり、そうして設計データを入手した同社がモビルスーツ用として完成させた。なお、同社が同時期に完成させたI.W.S.P.の方には別の新型バッテリーが搭載されたようである。
この技術はC.E.71年6月16日のオーブ敗戦に伴う技術者難民によって後に一般化し、連合製I.W.S.P.の製造に繋がった他、ストライクEやセカンドステージシリーズにも搭載されている。
フェイズシフト装甲
ストライク修復時にアメノミハシラにて製造されたPS装甲材を用いているが、ストライクとは異なり赤色を主体としている。この機体色の変化は、パワーエクステンダー搭載によってエネルギー効率が向上したことと、搭載した操縦支援AI(後述)がパイロットの生存を優先してエクステンダーの制御系に介入した結果によるものである。そのため、機体の設定値(電力の配分)を変更することにより、ストライクと同様の装甲色に変更することも可能である。
この技術も後に流出し、パワーエクステンダーの技術との組み合わせによって、後のヴァリアブルフェイズシフト装甲技術に繋がることになる。
マーキング
左肩部には、「オーブの獅子」と呼ばれたカガリの父ウズミ・ナラ・アスハにちなんだ右向きの獅子に、カガリが好むユリの花のパーソナルマーキングが施されている。なお、これは第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後に施されたものであり、完成直後や初陣時には存在しなかった(そのためマーキングが無いメイン画像も間違いではない)。
操縦支援AI
ジャンク屋組合が所有する疑似人格コンピュータのデータをベースに作られたもので、操縦に不慣れなパイロットのために導入された。このAIはパイロットの操縦と状況を判断し、操縦ミスのカバーなどを行うとともに、自機への攻撃に対する回避行動が自動で可能となっている。
その後、本機の支援AIの発展形がアストレイ グリーンフレームに搭載された。こうした支援AIによってパイロットの行動をサポートするシステムは、C.E.73年からの第二次大戦期にはナチュラルでは広く普及されたものであり、コーディネイターを擁するザフトでは人員をカバーするための無人機研究に利用されている。
OS
キラ・ヤマトによって改良が加えられたナチュラル用OSを採用している。
武装
手持ち武装や固定装備はストライクと同様。
対ビームシールドのみ、カラーリングが本機独自のものに変更されている。
ストライクブースター
単機かつ短時間にて大気圏を突破するための補助推進器。
機体の脚部を納めるように接続する。ストライカーパックとも併用できるが、一部のストライカーパックについては干渉を避けるためにスラスターの位置等を可動によって調整する必要がある。なお、シャトル用のユニットを急遽調整した代物であり、その名称に反してストライク系列機の正式なオプション装備ではない。
ザフトに発見されたエターナルの援護のために使用、猛烈なスピードによって大気圏を突破した。戦闘に乱入した際、この状態でビームライフルを数発撃った後にパージ、破棄される。
ストライカーパック
ストライクと共通する装備だが、アークエンジェルに予備が存在しなかったため本機用に新規製造されている。
C.E.73年にはモルゲンレーテ社により大気圏内飛行が可能な仕様に改修されたモデルを装備している。
『DESTINY』HDリマスター版では後述のオオトリが採用されたため登場していない。
ストライクと共通する装備。
元は連合系企業であるP.M.P.社が開発していたものだったが、バッテリー周りの致命的問題から開発が難航したためモルゲンレーテ社に開発ライセンスが移譲され、高度なバッテリー技術を持つ同社が完成させた。しかし、火器管制の難しさなどの運用面部分の問題は全く解消しなかったために実戦運用される代わりに本機が式典にて配備される際に装備された。
改良版であるオオトリの完成後はモルゲンレーテ社に保存されていたが、オーブ軍所属のパイロットによるマーシャン追撃部隊の任務に際して持ち出され、使用を許可したファントムペインの指揮官によってストライカーパックのスペアとして利用されている。
『DESTINY』HDリマスター版で登場した本機専用のストライカーパック。
I.W.S.P.をベースとしつつも本体設計を見直して操縦難易度・バランスの劣悪さが改善されたため、カガリにも十分に扱えるものとなっている。
開発自体はI.W.S.P.と並行して行われていたが、ライセンス継承前からバッテリー以外の設計は完成していたI.W.S.P.の方が先に完成・製造された。
劇中の活躍
『SEED』
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦2日目においてエールストライカーを装備して出撃する。
パイロットのカガリが初陣であること(それでもシミュレーター上の腕前はM1アストレイ隊のパイロットより上)から、後期GAT-Xシリーズなどの強力な敵機には分が悪いとカガリ本人も理解していたためかキラ・ヤマト達エースパイロット組のように前線には出過ぎず、後方よりピースメーカー隊の放ったMk5核弾頭ミサイル数発を撃墜する。
ジュリ・ウー・ニェンとアサギ・コードウェルのM1アストレイが撃墜された際、それを目の当たりにしたカガリはSEEDを発動、的確な射撃でストライクダガー数機を撃破する。
その後死角からフォビドゥンのフレスベルグに狙われるも、敵であるはずのデュエルによって庇われている(後からそれを追ってきたバスターの援護もあってデュエルによりフォビドゥンは撃破された)。
ピースメーカー隊撃破後は、ミーティア装備でジェネシスの破壊へ向かうジャスティス・フリーダムと行動を共にする(加速力で劣るためジャスティスのリフターの上に搭乗、またフリーダムはキラがラウ・ル・クルーゼの気配を感じ取って引き返したため途中離脱)。先行していたクサナギとエターナルがジェネシスの破壊に苦戦しているのを見たアスラン・ザラが破壊よりも制御を奪った方が早いとしてジェネシスの制御室があるヤキン・ドゥーエ基地への突入を発案したため護衛のM1アストレイ2機と共に追従し、ヤキン・ドゥーエの対空砲火を掻い潜って出撃用ハッチから内部へ侵入する。そのハッチ内にあるドッグにてフェイズシフト装甲を展開しつつコクピットハッチも開いたまま、カガリらが制御室を制圧して戻ってくるまで待機した。
結果的に制御室を制圧するだけではジェネシスの発射を止めることはできなかったため、アスランは最終手段としてジェネシス内部にて自身諸共ジャスティスを核爆発(自爆)させることを発案したため、それを止めるためにジェネシスのメンテナンス用ハッチを破壊して内部へ侵入したジャスティスに追い縋るも、ジャスティスがパージしたリフターをぶつけられて足止めされる。それにもめげずにジェネシスの中枢部までジャスティスを追跡し、カガリがアスランを必死に説得したことで、最終的に彼を本機に乗せて脱出させている。「死なせないから」と宣言した通り、結果的にルージュの出撃がアスランを救うこととなった。
中枢部に到着した時点でヤキン・ドゥーエおよびジャスティスの自爆まで60秒を切っていたことから逃げ切れずに爆風を食らい、それによってフェイズシフト装甲の消費電力が上昇したためフェイズシフトダウンを起こし、エールストライカー部も小破する。それでもコクピット内部のカガリとアスランは無傷であり、トリィの誘導に従って残ったバッテリーと推進剤を用いてキラの安否を確認すべく大破したフリーダムのもとへ向かい、キラを発見した。
この戦闘により三隻同盟は手持ちのMSの大部分を失っており、五体満足で残っていたのは本機と護衛のM1アストレイ3機だけである。
『SEED DESTINY』
先の大戦後は実戦で使われなかったI.W.S.P.を装着し式典等に参加する。オーブ国内の政情も有り、国威発揚目的で使用されていた。
PHASE-14にて、元々どこにあったのかは不明だがアークエンジェルのオーブ脱出の際に再起動したフリーダムと共に艦載される。ストライカーパックはTV版では大気圏内飛行が可能となった改良型エールストライカー、HDリマスターでは完成した新型ストライカー「オオトリ」を使用している。
キラのフリーダムによってアークエンジェルへ強引に乗せられたカガリだったが、オーブが大西洋連邦と同盟を結んだ結果オーブ国防軍の派遣艦隊がザフトへの攻撃を開始すると、これを止めるべくダーダネルス海峡戦にてフリーダムと共に出撃、オーブ軍へ戦闘停止を呼びかけた。しかし、現在のオーブ軍総司令官ユウナ・ロマ・セイランは同盟がある手前どの道偽物と言うしかなかったため、ユウナやトダカらオーブ軍はカガリであることを確信していながらも偽物と言い切ってタケミカズチからはミサイルを発射されてしまう(なお全弾フリーダムのハイマットフルバーストで撃ち落とされる)。その後フリーダムと共に傍観に徹するが戦場は混沌を極め、よりにもよってオーブ軍のムラサメから射撃される(即座にフリーダムが庇った上で撃ち返して無力化した)。これにより言葉での解決は不可能と判断したキラが最終手段である武力介入を決定し、戦闘を開始するフリーダムと違いカガリは止まらないオーブ軍をただ見ていることしか出来ず、再度ムラサメに攻撃された際もシールドで防ぎつつもこちらから撃つことはなく、アンドリュー・バルトフェルドのムラサメに庇われ結局何も出来ぬまま本機は後ろへ下がっていった。
クレタ沖海戦でも介入する。この戦闘でも戦闘行為を行うことこそなかったが、戦場を飛び回ってミネルバを攻撃しようとするババ一尉らのムラサメを物理的に止めようとする。しかし、ババはカガリの意思を理解しつつもあくまで今の指導者(ユウナ)に従うスタンスを崩さず、本機はババのムラサメに投げ飛ばされる。特攻する彼らを止めようと再度向かうが、ソードインパルスからの射撃で妨害され失敗した挙句、一般兵のムラサメに庇われる(そのムラサメは胴体部にビームを受けて爆散した)。選択を致命的に間違えたこと、そして自分の非力さを身をもって痛感したカガリは、戦場の中でただ泣き叫ぶことしかできなかった。
ベルリンでのデストロイ戦では、前述の戦闘とは異なりオーブは一切関係無かったことから、オーブ軍の機体で他国の戦争に介入するわけにはいかなかったため出撃しなかった。しかし、唯一出撃したフリーダムが数的不利から防戦一方かつアークエンジェルの援護射撃さえ無力化された状況を見たカガリがキラを心配したことに加え、オーブ軍人も虐殺の惨状を看過できなくなったため、フリーダムを援護するためにムラサメ3機と共に出撃する。
敵機がエースパイロット揃いだったこともあって本機は民間人の避難支援を請け負ってシールドでビームを弾くなどの活動に専念する形でフリーダムの負担を減らした(それまでのフリーダムはデストロイの火線を可能な限り上空へ向けるように立ち回っていたため、インパルスのように低空飛行にて接近するようなことができなかった)。
エンジェルダウン作戦ではキラの意向(オーブ軍の機体にザフト側への攻撃事実を作らない)によって出撃せず、フリーダムがインパルスとの戦闘で窮地に陥ったためカガリが出撃しようとした際もマリュー・ラミアスに止められる。フリーダムがインパルスに撃墜されると、戦闘行為ではなくキラの命を救うためアークエンジェルの撃墜偽装に紛れてストライカーパックを装備せず緊急発進し、フリーダムの残骸を回収してキラを救助している。
PHASE-39では、現状の最高戦力としてキラや整備班によってOSの調整を受けていたところにエターナル緊急発進の報を受け、フリーダムを失っており大気圏突破が可能なフェイズシフト装甲機が本機しか残っていなかったため型落ちを承知でキラがカガリから(殆ど一方的に)借り受けて使用する。この際、キラとコジロー・マードックはじめ整備班により電圧やその他のスペック(OSのパラメータ等)をかつてのストライクと全て同じ設定に調整したため、フェイズシフト装甲の色は原型機同様のトリコロールとなった(この姿は、同話のサブタイトルから『天空のキラver』と通称されており、この状態では通常より運動性と火力が向上しているが、その分フェイズシフト装甲に回される電力が減らされて防御力が低下している)。
出撃時には「ストライクブースター」を使用して猛烈なスピードで大気圏を突破し、そのまま戦闘に乱入する。ブースターをパージし、防戦に回っていたバルトフェルドのガイアの援護を開始する。なお、機体色が原型機と同色であったことから、バルトフェルドからは「ストライク!」と誤解されると同時に驚かれていた。
キラの技量をもって型落ち機とは思えない圧倒的な回避機動と射撃を見せ、一度に3機以上のザクウォーリア、グフイグナイテッドを相手取り奮戦し、この戦いぶりを見たラクス・クラインは操縦しているパイロットがキラであることに気付いた。しかし、一対多の状況である事に変わりなく、機体性能の差から徐々に劣勢に立たされる。
ちなみに、この時に交戦したグフイグナイテッドはザフトにおいてエースパイロットである赤服、かつ前大戦を生き抜いた猛者たちが操縦しており、ビームライフルの何発かはシールドで防がれている。また、当時の最新鋭量産機であるザクウォーリアの時点でストライク以上の性能(グフはそれ以上)な上、フェイズシフト装甲の常時展開とビームライフルを連発すればストライクルージュの方がエネルギー的にも不利であり、フリーダムですら追いつけていなかったキラの反応速度にストライクがついていけるはずもなくそういった意味でも不利な状況だった。
かなり善戦するが、ガナーザクウォーリアの砲撃からエターナルを庇った際にシールドごと左腕が破損する。直後に別機のガナーザクウォーリアの砲撃で右腕も喪失するがビームライフルは無事で、ガイアがキャッチして使用している。
その後はバルトフェルドの指示によりエターナルへ急行し、辛うじて緊急着艦する。その際にビームの流れ弾を食らって両足をもがれながらも生還し、ダルマ状態になりながらもストライク同様に窮地からキラを守り抜いてみせた。
本放送では(旧主人公機の擬似的な復活という燃える展開とはいえ)エールストライカー装備で奮戦するという無茶をしていたが、HDリマスター版ではストライクルージュがオオトリ装備に変更されたために戦闘にも変化が加わっている。
最初にビームライフルをガイアに投げ渡して対艦刀を装備、マルチロックオンシステムを搭載していないにもかかわらずバルカンも含めた一斉射撃で複数機の頭部や武装といった部位への同時ピンポイント射撃という離れ業を見せ(この戦い方を見たラクスは乗っているのがキラだと察した)、エターナルを庇った方法もオオトリを囮に使う形に変化、シールドごと左腕が破損した際には相打ちに近い形で対艦刀を投げてザクの頭部を破壊している。
エターナル収容時点の機体の状態にも変更があり、オオトリは失ったが右腕は残存した。
上記の通り最終的には型落ち機だったため中破してしまうが、エターナルとガイアの一時的な救援に成功した上キラは新型のフリーダムに乗り込むことができたため、繋ぎとしては十分すぎる程に役目を果たせたと言える。
一方、本機がアークエンジェルから離れてしまったため、オペレーション・フューリーに際してカガリはムラサメ隊と共にスカイグラスパーで出撃しようとした(直後にアカツキを受領できたため事なきを得た)。
『SEED FREEDOM』
経緯は不明だが、メサイア攻防戦後にエターナルからオーブに降ろされ修復の上再配備されていた。
そして劇中後半、ファウンデーション王国の有するレクイエムの照準がオーブ首都オロファトに向けられたため、新たに用意されたキャバリアーアイフリッド-2を装備(この都合で上半身は完全に覆われて見えなくなっているが、足元のPS装甲の色で識別は容易)し司令塔として出撃し、護衛のムラサメ改3機と共に高高度を巡航しつつキャバリアーによって拡張された通信性能を存分に活かしてオーブ防衛に尽力する。
本機自体は戦闘行為を行っていないものの、本機のコクピットからキャバリアー経由でズゴックとリンクし、遠隔操作でアルテミス要塞内部に大量の砲撃をお見舞いしている。また、月面でブラックナイトスコード シヴァと激闘を繰り広げるインフィニットジャスティス弐式の戦いでもリモート操作でアシストし、レールガンの連射でシヴァの右腕を破壊、アコードの読心能力に対抗しつつダメージを与えた。戦闘終了後はオオトリを随伴させつつ、地球へ降下してきたインフィニットジャスティス弐式と並走している。
アカツキは再度ムウに託していたため、代わりに本機を使用したと考えられる。
なお、アカツキ同様に型式番号と名称と外見は一切変化していないため、最新技術での大規模改修は受けておらずコクピット周辺に関しても全天周囲モニターに改修されていない。大部分を再生産しているため細かな部品が新しいモデルになっているなどの可能性はあるが、「弐式」や「SpecⅡ」の名が与えられた改修機群ほどの変化はないと思われる。
この時点で残存しているガンダムタイプではデュエル・バスターと並んで最古レベルだが、この2機は大改修を受けている都合上、(少なくとも外見は)本機が最も型落ちしているガンダムタイプとなった(試作段階も込みであればアカツキの方が古い)。
それでも本機が再配備された理由としては、メサイア攻防戦を経験していたカガリが戦術兵器級のビームすら(1度なら)反射できるヤタノカガミの有用性に着目し、有事の際にはオーブを離れさせることを最初から考えていたためと思われる。
C.E.73年11月時点でナチュラル用量産MSであってもストライクに匹敵する性能を実現するまで漕ぎつけており、そこから更に量産機の世代が進んだC.E.75年では最新量産機に乗った方が強いレベルの性能差だが、本機はアカツキと同様にカガリの機体としてのイメージがオーブ国内で浸透しており、部下も一目でカガリの機体であると認識が出来るため、今回のような作戦行動の陣頭指揮を行う指揮官機としての出撃である場合、寧ろ本機の方が都合が良いと判断された上での選定と思われる。なお、キラ搭乗時に喪失したオオトリも再配備されていることから型落ちな本機も戦闘への投入自体は想定されていると思われる。
ちなみに本機は『SEED』の本編作品3作の全てに登場し、なおかつ撃墜されることのなかった唯一のガンダムタイプでもある。
今作での新武装
オーブ所属のキャバリアーアイフリッド。ミリアリア・ハウとサイ・アーガイル、ダリダ・ローラハ・チャンドラII世が通信管制を担当した。
性能はターミナル所属のキャバリアーアイフリッド-0と同一であり、装備した本機に大気圏内飛行能力やミサイルと高出力ビーム砲といった大火力を付与する。
因みに小説版によるとキャバリアーを装備した状態をアメイジングストライクルージュと呼ぶ模様。
最終決戦での出撃時に携行した実弾武器。フェムテク装甲対策で採用されているが、本機自体は戦闘宙域に近づかなかったため未使用で終わった。恐らくだがフェムテク装甲持ちの別動隊がオーブ本土に襲来する可能性を考慮したものと思われる。
関連動画
立体物
ストライクの色替えのため立体化の機会には恵まれている。
大体何らかのストライカーパックとセットで販売され、単体で発売される例は稀である。
ガンプラ
1/144はHG SEEDとHGCEとEG、1/100はMGとMG Ver.RMが一般発売されている。
HG SEEDはエールストライカーではなくI.W.S.P.が付属。
その為、エールストライカーは同ブランドのエールストライクから持ってくる必要がある。
HGCEの方はエールストライカーになっているがオーブのマーキングシールが付属する分、エールストライクより値段が100円増しとなっている。
キラ仕様はエール装備であればHGエールストライクのシールドとシールをルージュのものに交換するだけで簡単に再現可能。HGCEであれば左肩にマーキングシールを貼ると再現度が上がる。
また、ストライク系列なので当然エール以外のストライカーパックも装備可能。長らく初期ストライカーパックで完全なものはエールのみだったが、2024年6月にランチャーとソードの単品発売がされるためカスタマイズに幅が増えることが期待される。
MGはエールストライク同様エールストライカーとなっている一方、MG Ver.RMはリマスター化に伴い新登場したオオトリに変更されている。
RGではかつてガンプラEXPO限定商品として発売された経緯がある。
また品切れ対応として注文も出来たのだが、その時本来ストライクのリアリスティックデカールを封入するはずが、間違ってフリーダムのものを封入したということがあった。
また、ストライクルージュにiwpsが付属したものがプレバンで発売された。
しかしながらiwpsは新規ではなくHGのものを流用したものとなっているため、白の部分がシールでの色分けとなっている。ただし、新規パーツの接続ジョイントはRGのストライカーパックコネクター部にHGのストライカーパックを接続できるという唯一無二のパーツが付属し、カスタマイズの幅が広がるものとなっている。
その後更にオリジナル武装グランドスラムを付けたものが、ガンダムベース限定商品で発売された。
エントリーグレードでは、クリスマスシーズン発売のラウンドボックスでのセット販売になった。ストライカーパックは付属せず武装もアーマーシュナイダーのみとなっている。
2021年と2022年の2回発売されたが食玩扱いのためこの仕様での再販の可能性は低く、現在はオークションでなければ入手できない。何らかの形での一般発売に期待したいところ・・・だったが、2024年8月28日に、2025年1月に単体のキットとして発売されることが発表された。付属品はラウンドボックス版のアーマーシュナイダーからビームライフルとシールドに変更されているが、ルージュ配色のシールドはEGでは初となり、オーブのマーキングも付属する。
アクションフィギュア
MS IN ACTION、ROBOT魂、METAL BUILDで発売。
この他「天空のキラ」版と称したオオトリ装備でカメラとシールド以外は、オリジナルのストライクと同色のストライクルージュがROBOT魂化している。
外部出演
スーパーロボット大戦シリーズ
『第3次α』『J』『W』『K』『L』に登場。
性能は本家ストライクと大差ないが、ストライカーパックの運用に何らかの制約があることが多く、『第3次α』では隠し要素のI.W.S.P.を入手しない場合はエールストライカー以外使えなかった。
『J』『W』ではその制約が無く、本家ストライクガンダム、スカイグラスパーと装備を共有してすべてのストライカーパックを使用可能。そのため本編では実現しなかった組み合わせでの出撃も可能だが、装備はエールストライカー以外は一つずつしか入手できないため、同一装備での出撃には制限がある。
また、『J』ではルージュだけM1アストレイの召喚攻撃ができたが、『W』で本家でもできるようになったため色以外の違いはほぼなくなっている。
『K』『L』では換装を没収されてエールストライカーのみになってしまい大幅弱体化。
なぜか修理可能な他、カガリ以外を乗せるとキラ搭乗時のトリコロールに変わる。
『Z』ではアイコンのみ。本編と違って大破していないが、ユニットとしての出番は与えられなかった。
Gジェネレーションシリーズ
『SEED』から登場。ストライクから開発可能。
性能はストライクと大差ないが、パワーエクステンダーを持ち、ストライクよりEN消費が抑えられている。また、地味に空の適正値がエールストライクより高い。
代わりにHPS機能を持たない為エールストライカーから換装できない。武装もエールストライクと変わらず、よく言えば標準的、悪く言えば飛び抜けたものがない。また、武装の消費ENは軽減されるがPS装甲の消費ENは軽減されない。オプションパーツで補いたい。
開発先はストライクに戻るか、アカツキもしくはM1アストレイなど、オーブ所属機に発展する。
I.W.S.P.やオオトリ装備は別ユニット扱いで、ルージュから開発しなければならない。
ガンダムVSシリーズ
- ガンダムVSガンダム、ガンダムVSガンダムnext
フリーダムのモビルアシストで登場。NPC機体としても登場。
- エクストリームバーサスシリーズ
マキシブーストにSEEDDESTINY枠でオオトリ装備が参戦。ストライク系列は本機で4機目。家庭版のフルブーストにもDLCで登場。機体コストはストライクと同様2000。性能については機動力が高い代わりに火力を削ったパーフェクトストライクと言ったところか。
搭乗者はカガリだが一部モーションは天空のキラを元にしている。
覚醒技はオオトリ分離攻撃。元ネタは恐らく天空のキラのオオトリを囮にターミナルを庇ったシーン。
余談
- 『SEED』における出撃時の映像はストライクのバンクを使い回しており(バンク使い回しは出撃時に限った話ではないが)、当該シーンをよく見るとフェイズシフト展開前のデュアルアイが黄色になっているのがわかる。これは様々な作画が修正されたHDリマスター版でも一部修正できていない箇所が存在する。
- エールストライカーを装備した戦闘が少なかったというのもあるが、ビームサーベルを使用したシーンが存在しない。さらに言えば、オオトリを装備したHDリマスターまで白兵戦用装備を使ったシーン自体が存在しなかった。
- 放送当時、フレイ・アルスターがMSパイロットになる予定があった為、彼女も搭乗することを想定した機体となっていた。没案に終わったものの、Gジェネレーションシリーズなどの乗り換えがフリーな作品で再現して見るのも一興である。
- アカツキよりもカガリ専用機という印象が強いため、サンライズの『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ グランプリ2024』では1位のカガリに引っ張られる形で5位にランクインしており、11位のストライクを上回っている(カガリの乗った機体ではトップで、キラの乗った機体でも3位)。また、バリエーション違いにより票が割れたというのもあるが、アスラン専用機で最強とされるインフィニットジャスティス(8位)やNHKの『全ガンダム大投票 40th』では『SEED』機体内で1位だったストライクフリーダム(6位)を上回った。
関連項目
機動戦士ガンダムSEED 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 機動戦士ガンダムSEED MSV