シュラ・サーペンタイン「勝つことが俺に与えられた役目。それが俺の存在する意味だ!」
機体データ
形式番号 | NOG-M1A1 |
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全高 | 19.27m |
重量 | 74.87t |
装甲材質 | フェムテク装甲 |
動力源 | ??? |
所属 | ファウンデーション王国(ブラックナイトスコード) |
武装 |
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パイロット | シュラ・サーペンタイン |
概要
女王親衛隊「ブラックナイトスコード」の隊長・国防長官・近衛師団長を兼務するシュラ・サーペンタインの搭乗するMS。
『一騎打ち』を神聖な闘いと考えるシュラに合わせて一切の射撃兵装を搭載せずに近接格闘戦に特化しており、四肢と背中に搭載した多様な白兵兵装を状況によって使い分け、それら兵装による全身を活かした強襲を得意とする。
多数の近接格闘武装や戦闘スタイルの傾向から、前大戦で活躍したインフィニットジャスティスがモデルと思われる。
射撃武装を一切搭載していないため、中・遠距離戦が一見弱点に見えるが、フェムテク装甲の採用でレールガンのような高速実弾武装以外の射撃攻撃をまともに受け付けない堅牢な防御力、バックパックのビームマントによる高機動・撹乱能力等から極めて高い汎用性と信頼性を誇り、相対する敵機に自身の得意な近距離戦を強いることになるため、近接特化型にありがちな弱点が事実上機能していない。
一方、対艦刀のようなビーム刃併用型の近接武装を持っていないため、ビームシールド+VPS装甲を突破するにはシールドの隙間を突くかシールドを無力化する(あるいは猛攻によりエネルギー切れを狙う)必要がある。そのため、防御に専念するライジングフリーダムやストライクフリーダム弐式に対して致命傷を入れきれない場面が見られた。もっとも、激しい速度により放たれる全身を使った猛攻は防御の隙を生み出すには十分な攻撃性能を発揮している。
武装
VIG-E3/M 近接対装甲刀 ディス・パテール
ジャマダハルのような形状をした大型のヒートソード。「ディス・パテール」とはケルト神話に登場するガリア人の冥界神の事。
刀身の赤熱化することで切断力を向上させることができる他、質量のある実体剣なため相手の実体シールドを強引に弾き飛ばすこともできる。
未使用時はリアスカートにマウントできる。
OWC-M5A2 ビームサーベル
サイドアーマーの右側に1本、左側に2本装備されているビームサーベル(恐らく利き手に合わせた配置)。
ジャスティス系列のビームサーベルように、柄頭同士を接続してツインビームサーベルにすることができる。
余談
C.E.のビームサーベルのビーム色は基本的に桃色だが、本機だけは赤色となっている。これは後述するビームソードも同様である。
OWC-2800F ビームソード
左右脚部爪先に一基ずつ内蔵したビームサーベル。配置としてはインフィニットジャスティス系列の膝とセットされたものではなく、イージスやカオスのような直接出力式となっている。
刃渡りはビームサーベルより一回り短いが、蹴りに合わせた斬撃を行える。
OTS-E3/M ロック・シールド スヴァローグ
ビームシールド発生器を備えた実体シールドであり、上下にそれぞれ小大の挟み込み型のヒート式クローが装備されている複合兵装でもある。「スヴァローグ」とはスラヴ神話における太陽神の事。
実体盾部分はFT装甲を使用してありながら本体よりも分厚いためか、ビームサーベルやレールガンの直撃にも耐えている。異なる性質のシールドを2枚重ねており、ビームシールドの発生器自体も大きいため、他のビームシールドよりもかなり強固であると思われる。そのため、後述のビームマントも合わさり、本機はブラックナイトスコードのMSの中では最も防御性能に長けている。
クロー部分はソードストライカーのパンツァーアイゼンのようにロケット推進のアンカーとして撃ち出すことができ、その後端に接続されたワイヤーにより回収される。
余談
C.E.のビームシールドのビーム色は基本的に水色か薄紫色だが、本機だけは黄緑色となっている。
実体盾、ビームシールド、格闘武装、ワイヤーアンカーなど、インフィニットジャスティスの「MX2002 ビームキャリーシールド」に近い構成となっている。
VIG-M70C 近接短針投射システム
本機の近接対装甲刀を受け止めるほど丈夫なズゴックの手甲を貫通・破壊するほどの貫通力を持ち、PS装甲に対しても実弾の大量攻撃を受けた際にエネルギー消費が増大する弱点を突いてエネルギー切れ=フェイズシフトダウンという形で無効化することができる。加えて、大量の針による弾幕攻撃なため、PS装甲により覆われていないセンサー類の破壊にも適している。
針の収納スペースのためか、1度の出撃で1回しか使用できない使い切りとなる。また、名前の通り有効射程も短い。
ビームマント
バックパックに装備されたビーム発生デバイス。ルドラの物と同型。
ビームはマント状に形成され、ビームシールドの防御やビームサーベルの斬撃としても使用もできる(ビームシールドそのものがビームサーベルとしても機能する)。
追従式の残像を投影する「分身」も可能であり、ルドラは4機とも分身に使用するだけだったが、本機の場合は搭乗者の技量もあってか、白兵武装として積極的に使用している。
カルラに搭載された擬似反重力機関「レヴィテーター」の解説から、このビームマントが本機のレヴィテーターとされる。
劇中の活躍
ミケール捕獲作戦にて、他のブラックナイツの乗るルドラと共に出撃する。
目の前で自爆テロを起こされたのを機に「救助活動」を名目に活動範囲が広くなったことで、彼らの本来の目的のためにそれぞれ出撃する。本機はグリフィンとリデラードと共に行動し、手始めにグリフィンがキラを洗脳し軍事境界線を超えさせ、攻撃許可がでるや否やライジングフリーダムをルドラ及び多数の無人機共に攻撃しライフル、シールドブーメラン下部、左翼を破壊。
シュラ「お前を殺す!」
ライジングフリーダムとの戦闘では有利に立ちビームソードでレールガンを両断し、ディス・パテールで右腕を両断する。とどめとして近接短針投射システムで撃墜。その後ライジングフリーダムはアグネス・ギーベンラートの乗るギャンシュトロームによって左腕と両足が破壊されるのは見届けていたが、突然介入して来たズゴックの一斉射撃からギャンを庇う形でビームシールドで防御。ズゴックとのドッグファイトを展開する。しかしタイムリミットが来た為撤退した。
その後アルテミス要塞にてストライクフリーダム弐式がアルテミスに突撃してきた為出撃する(この際アルテミスの傘を一瞬解除しておりこの際にズゴックの侵入を許してしまった)しかしストライクフリーダムを操縦していたのはアスラン・ザラであった。
アスラン「心を読めるんじゃなかったのか?使えないな」
シュラ「殺す!」
上記のようにアスランに挑発され、逆上、要塞に戻ろうとしていた直前の行動も忘れた上集中力も乱され時間稼ぎをされてしまう。結果的にラクスを救出されてしまい、キャバリアーアイフリッドとストライクフリーダム弐式に逃げられるが、要塞が爆発を起こしていたため止む無く帰投する。
レクイエム攻防戦ではストライクフリーダムに対して急襲し、そのヒートソードの一撃を左腕のビームシールドにて防がれ、強引に弾き飛ばされ間髪入れずに左右のレール砲を放たれるも、あっさり察知しシールドにて防ぐ。それでもレール砲の反動を活かされ即座に距離を取られ、そのままビームライフルにて牽制されつつ最前線から少し離れたメサイア墜落跡まで後退される。
月面を低空飛行しながら、右手に連結状態のビームサーベル、左手にヒートクロー、両脚にビームソードを展開し猛攻仕掛ける、しかし両腕のビームシールドにて振れがれた。しかし、隙を見て左のビームライフルにて牽制をかけようとした瞬間を見逃さなかっ本機のサーベルによりビームライフルを切断され喪失させる。だがそれでも一切動揺することなく、本機の再接近・追撃前に左右のレール砲を月面に発射、その爆発と衝撃にて本機を攪乱して距離を取り直された。
その後カルラが参戦。
カルラがドラグーンを射出しストライクフリーダムのドラグーン3機を破壊。しかしカルラのドラグーンが1機レールガンで破壊されるがその隙を突いて攻撃を仕掛けるも防御されるが背後をとったカルラがストライクフリーダムの右翼2枚を破壊。上方から降り注ぐカルラのドラグーンによるビーム砲撃を残ったドラグーン3基を用いて張ったバリアと右ビームシールドにて防ぎながら低空飛行のまま逃げ回る模様。
その後カルラがストライクフリーダムの残りのドラグーン、右ビームシールドを破壊。直後に斬りかかってきた本機のビームサーベルもそのまま防ぐ。しかし、本機が距離を開けた直後に四方八方から降り注いだミサイルは防ぎきることができず胴体に被弾する。
空いた右手にてサーベルを抜刀しながらヴォワチュール・リュミエールの機動力を持ってミサイルやドラグーンを振り切るストライクフリーダムと高速機動戦を行うも、本機の一撃をビームシールドにて受け流した隙に放ったレールガンを回し、残像に翻弄し、ビームサーベルにてストライクフリーダムのトヴァシュトリを斬りつけ使用不能にする。
ストライクフリーダムが白兵戦では分が悪いと判断した為、右手にリアアーマーにマウントしていたレールガンを装備し直して本機とドラグーンに対応していたが、本機の一撃を左ビームシールドにて受け流して少し態勢が崩れて足を止めた瞬間に背後からミサイル6発の直撃させ、左翼全体を破壊、ヴォワチュール・リュミエール展開機能も全損、直撃の衝撃により右手のレールガンも手放した。そこへ両手にビームソードを構えて斬りかかってきたカルラの猛攻を左ビームシールドにて凌ぐ。カルラが距離を取った隙に右レール砲にて反撃しようとするも、発射直前に本機が咄嗟に砲身を斬り落とす。そこへ間髪入れずに大量のミサイルによる追撃を発射、ストライクフリーダムに直撃する。(これによりVPS装甲が耐衝撃限界を迎えてしまい、コクピットではアラートが鳴り響いた。)
姿勢を立て直して後退しながら、左ビームシールドを展開しながら両手でレールガンを構え、残った左レールガンと共に放ってカルラが牽制されるが全て回避する。迫りくる両手にビームソードを構えたカルラ及び多数のミサイルに対して掻い潜りながらカルラに対して右手に持ち替えたレールガンにて迎撃されるも回避し、カルラが接近、左ビームソードの一撃は左ビームシールドにて防ぎ、レール砲にて反撃するも回避され、それに対してカルラから腹部ビーム砲にて反撃するも、左ビームシールドにて防がれた、防ぎ切った直後にミサイルが降り注ぎ、その衝撃により最後のレールガンも手放してメサイアの陽電子リフレクター発生装置の残骸に勢いよく背中を打ち付けて残った翼も基部を残して全損、さらにはVPS装甲の耐衝撃限界と動力炉のオーバーヒートによりフェイズシフトダウンを起こして膝をついた隙を逃さず本機が
近接短針投資システムで撃墜しようとするも、ズゴッグが庇った為失敗した。
その後は破壊したズゴッグの内部から出て来たインフィニットジャスティスガンダム弐式と交戦。
「面白い」
ビームサーベル・ヒートクロー・ビームソード・シールドと豊富な武装を駆使して互角の格闘戦を繰り広げる。 インフィニットジャスティスのビーム重斬脚をビームソードで抑え込んだ後、距離を置いたところでシュラが読心能力を使用、しかしそのカウンターとして『愛』故のカガリ・ユラ・アスハの妄想でシュラを惑わせる。激昂して本機が突っ込んできたところをインフィニットジャスティスは左に避けようと動いたが、アスランはこれを読まれることを想定し一瞬で地球にいるストライクルージュからのリモート操作に切り替える。これによりシュラの読んだ思考とは別の行動で裏をかかれ、レールガン3発連射の直撃を喰らい右腕を右スラスターごと破壊される。
シュラ「馬鹿な、何故だ!」
アスラン「本当に使えないな」
シュラ「リモート操作か!」
- 「なーんだリモートか」などと言ってはいけない。詳しくはキャバリアーアイフリッドの記事を参照して欲しいが、C.E.世界ではNジャマーによって遠距離通信はかなりの制約が生じており、その結果遠隔操作による無人機は殆ど存在していない。そんな環境下でコンマ一秒の操作の遅れが命取りとなるMS戦闘で「月面と地上の間でタイムラグほぼ無し」(※地球と月の距離は約38万kmあり、実際は光速での通信でも約1秒のタイムラグが生じる)のMS遠隔操作対応可能な操作技術は、まさにオーブの、いや人類の科学の結晶である。
- 加えて、遠隔操縦しているカガリの操縦技術も凄まじいものがある。短時間とはいえ、タイマンなら世界最強レベルのパイロットが操る最新鋭機を、改良したとはいえ不安が残る、乗ったこともない旧世代機で相手取っているのである。更に「アスランならこう動くだろう」という動きを悟ったとしても、相手に読まれているため、その動きを絶対にしてはいけないという縛りプレイも込みである(上記の月面までの通信タイムラグも作中考慮されていたとしたら、カガリはその時間差すら加味した先読みを行っていたことになり、ますます凄いといえる)。そして搭乗しているアスランも、シュラにわざと思考を読ませつつ、自分の意図しない動きに対するGや衝撃に耐えるというとんでもない芸当をやってのけているのである。
- 『アニメージュ』2024年4月号のインタビュー記事で監督は「リモートの切り替えは、カガリやメイリンと打ち合わせていて。「カガリ」と呼んだらカガリにコントロールを渡す、それを相手に読まれないよう妄想をする、という戦術です。カガリがアスランのクセを見抜いて動いていたわけではなく、自分は左に動くから迷わず右に行け、隙を突いてリニア砲で背中を狙え、と事前に伝えていました。心を読んでくる敵が相手ですから、行動の主導権はカガリたちではなくアスランにあるわけです」
その後何とか持ち直しビームブレイドをビーム重斬脚で弾かれるも、ビームシールド展開が間に合わなかった所をビームサーベルでシールドを両断。さらにインフィニットジャスティスがビームサーベルを振り下ろしたところを狙い、右肘関節を切断し右前腕とビームサーベルを破壊。が、全く怯むことなかったアスランはSEEDを発動、ここまで隠していたビームホーンを展開され、本機の胴体をコクピットハッチの上から両断され、爆散した。
余談
- 核ミサイル発射直後に敵の指揮車両をビームライフルで撃って爆散させているシーンがあり、近くにいたのがシヴァのみなのでシヴァが撃っているようにも見えるが前述した通り本機はタイマン特化なためビームライフルを持っていない。その為おそらく他のブラックナイツが撃っていると思われる。
立体物
1/144ガンプラ(HGCE)が2024年2月下旬より販売されている。
ディス・パテール、ロック・シールド、ビームマントが付属し、胸部の開閉やシールドのギミックも再現されている。ビームマントはPETシートで再現されている。
ちなみにサーベル刃が8本付属するが、うちSB-13の1本は予備、SB-9Aの長い方は2本とも不使用。
なおSB-9Aは、作品こそ違うものの、00系列のガンダムキュリオスや、AGE系列のGサイフォスなど「サーベル用グリップが角穴だが、サーベル刃が付属しない」キットに対応しているため、そちらに流用するのもよいだろう。
また、ビームシールドのエフェクトパーツは付属していない。
キットの説明によると、パイロットであるシュラは、以前から最強の戦士と定めたアスラン・ザラを倒し、自分こそが最強であると証明することを目標にしていたようで、このことから、あえてアスランが搭乗する機体の特性を取り入れた可能性がある。
関連項目
バッシュ・ザ・ブラックナイト:オマージュと思われる存在。デザインといい、やられるまでのシチュエーション、やられ方が完全に一致。
ヴァーダント:パイロットの声とキャラクターデザインが同じ、剣と連射性の高い銃器を装備している点が共通。
GNフラッグ、マスラオ、スサノオ:別のガンダムシリーズに登場する同じCVのパイロット専用の黒い近接格闘戦用機体。
ガンダムエクシア:こちらも「何本持ってやがんだ!」と突っ込まれるほど実体剣とビームサーベルだらけの機体。しかも、最終的にシュラと同じ中の人のキャラの所有物になってしまった。
インフィニットジャスティス︰装備やコンセプトに共通点がある。
ダガー系列:機体の武装構成上、エールストライカーを装備するとビームサーベルの装備数が4本になる。
プロヴィデンス︰当初の構想では4本の大型ビームサーベルを装備した格闘重視の機体になる予定だった。
ガンダムエピオン︰説明不要。