キラ・ヤマト「こちらは世界平和監視機構コンパス。攻撃部隊に告ぐ。ただちに戦闘を停止せよ」
機体データ
型式番号 | STTS-909 |
---|---|
全高 | 17.80m |
重量 | 67.90t |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
動力源 | ??? |
開発 |
|
所属 | 世界平和監視機構コンパス |
パイロット | キラ・ヤマト |
概要
ZGMF-X20A ストライクフリーダムの運用データをもとに開発された世界平和監視機構コンパス所属の新型モビルスーツ(MS)。コンパス内ではキラ・ヤマトの搭乗機として、彼が所属・指揮を執るヤマト隊にて運用されている。
機体本体の設計はオーブ連合首長国(モルゲンレーテ社)、武装の開発・製造はプラントの二大兵器メーカー(やザフトの統合設計局)が担当するなど、国家・体制の枠を超えた最新技術が集結している。
兄弟機のイモータルジャスティスと共通のフレームを採用しており、運用方法に応じた機体や武装のバリエーションを生み出せるマルチロール的な特性を持つ。さらに、大気圏内と宇宙を往還するコンパスの活動範囲に対応するため、オーブ国防軍のムラサメの可変技術を導入した飛行型モビルアーマー(MA)への変形機構を採用しており、出撃後の長距離移動や大気圏突入・離脱時に使用される。
また、フリーダム(全高18.03m)やストライクフリーダム(同18.88m)より小型化することにも成功しており、重量も67.90tとフリーダム系列で最軽量となっている(何ならC.E.における「大気圏内をMS形態にて飛行可能なガンダムタイプ」で見ても最軽量である)。
開発経緯
製造された経緯や理由は定かでないが、C.E.75年では約1年半前の第二次連合・プラント大戦の英雄でありC.E.73年最強のMSとされたストライクフリーダムでさえ性能がやや旧式化(※)していることから、ストライクフリーダムに代わる新たな『剣』としてキラ・ヤマト用に手配されたMSが本機と考えられる。
これまでのフリーダム系列はザフト正規軍の試作MSであるフリーダム、キラ専用ワンオフ機のストライクフリーダムといった具合で一点物だったが、本機は「制式採用機」である。将来的には複数機生産される予定だが、C.E.75年5月時点ではコンパスに先行配備された1機しか存在しない。
ユニウス条約の存在とコンパスの体裁的に核エンジン(ハイパーデュートリオンエンジン)機を表立って運用するわけにはいかないことなどを理由に本機が用意された可能性も高い。実際に、プラントではハリ・ジャガンナート一派の起こしたクーデターに対しザフトの軍人が核動力機であるデュエルブリッツ・ライトニングバスター両機を運用する事を「自軍の一派が起こしたクーデターの鎮圧」のみを目的に超法規的措置として承認されており、現在も平時から運用できないことは確定している。このことを踏まえると、コンパスもまた核エンジン機の運用を表立って扱うわけにはいかず、「代替機」として求められた、ということが考えられる。
その場合、第二次連合・プラント大戦終結から半年以内という驚異的な開発スピードになるが、C.E.は新技術の目白押しだったZGMF-Xシリーズ5機を並行開発しながらフリーダムとジャスティスについては最長でも66日間でロールアウトするほどにMSの開発・製造が高速なため、ライジングフリーダムも相当な短期間で開発されたと考えられる(ムウ・ラ・フラガのシン・アスカらに対する「新型には慣れたか?」という質問から、イモータルジャスティスやミレニアム搭載の他のMS共々ロールアウトされたのは比較的最近であることがうかがえる)。
※:あくまで次世代機・ブラックナイトスコードと比較した『旧式』扱いである。もっとも、基礎設計はC.E.71年のものと古いためその点で言えばあながち間違いでも無い。それ以前に戦時中のC.E.では、量産機は約1年毎、ハイエンド機は約半年毎に更新されるため、非戦時中とはいえむしろ約1年半は割と長く保った方でもある。
性能
フリーダム強奪事件の時点で既にブラックナイトスコードは完成していたため、C.E.75年においてはイモータルジャスティスと並ぶ最新鋭機の1つであったが、キラの技量をもってしてもあちらには(機体相性もあるとはいえ)及ばないものの、当時のコンパスが所有するMSとしては間違いなく最強格の性能を持っており、
- キラを精神的に追い詰める
- 精神操作により地形的に有利な場所まで誘導
- 大量の無人機による飽和攻撃と不意打ちにより武装と翼を破壊して火力と機動力を奪う
- 追い討ちで空に上げず、有利な地形の地上戦にもちこむ
あのプライドの塊のようなブラックナイトスコードが、上記の流れで確実にシヴァが有利な一体一の近接格闘戦を強いたことから、やはり最新鋭の本機とキラの組み合せはかなり警戒されていたことがわかる。
また、その状態でもエネルギー切れギリギリまで粘ったことからもキラの技量とライジングフリーダムの性能の高さが垣間見える。またライジングフリーダムに対しては特に機体自体を咎める評価もなく上記のようにブラックナイツは最初から全力で倒しにかかっているが、旧式扱いのこちらの機体に対してはその真意に気づくまではかなり侮った態度を取られていた。
その為、並のMSはおろかデストロイであっても単独制圧している。特に、デストロイを単機で撃墜したことのあるMSはC.E.73年末から74年初頭にかけて最高峰の性能を誇っていたサードステージシリーズのデスティニーとレジェンドのみであることから、その2機に匹敵する性能を有していることがうかがえる(小説版ではデスティニーはイモータルジャスティスより火力では劣るとされているため、本機もストライクフリーダムと同等かそれ以上の火力を有しているのは間違いないだろう)。
実際、任務においてもブラックナイトスコードとの戦闘以前はほぼ単独でも大抵の敵を撃破していたようで、その強さと1人で最前線に立ち自身達には市民の避難誘導などを命令する姿勢からシンから(別の事情も要因とはいえ)「自分は信用されていないのではないか」と零されるほどであったことが明かされている。
外見
全体的にストライクフリーダムよりもフリーダムからの強化・発展的要素が目立つ。
腕部のカバーや胴体・肩のカラーリングは黒・白からデスティニーを思わせる青主体となり、どことなくフリーダムはじめZGMF-Xシリーズの原型となったドレッドノートを思わせる要素もある。また、歴代フリーダムとは異なる尖った爪先部分も同機の意匠を感じさせる。
頭部は、口部分のスリットが廃されたことやメインカメラの色が青、顎がライトグレーになっていることなど、総じて歴代のフリーダム系列とは大きく異なる印象を受ける。
関節部にもヴァリアブルフェイズシフト装甲(VPS装甲)をアクティブにした際にエフェクトが乗っていること、計器描写的に一切被弾していないにもかかわらずVPS装甲にダメージが蓄積していたことから、フェイズシフト装甲由来の特殊素材も使用されている(おそらくストライクフリーダムと同様の理由)と思われるが、金や銀に発光するのではなくデスティニーのような金属光となっている。
同機構を採用しているイモータルジャスティスがミサイルの直撃で足首の関節を損傷しているため、ストライクフリーダムらに採用されているPS装甲製フレームと比べて実弾に対する防御力は劣っている模様。
機構
頭部
上述のようにメインカメラの色や口部分のスリットが無いという違いはあるが、それ以外は概ねストライクフリーダムのものを踏襲しており、デザインもほぼ同じである。
額には従来機と同じく型式番号を示す「909」のほか「AUMENTO」の文字が刻まれている。「AUMENTO」はイタリア語で「増大・上昇」を意味し、機体名の「ライジング(Rising)」とほぼ同義である。なお、これまでような型式番号の読み替えではなく機体名に掛かる単語となっている(これはイモータルジャスティスも同様)。
胴部
構造は歴代フリーダムと似通っており、コクピットも同じく胸部に存在し、コクピットハッチの開閉や搭乗方式も歴代と全く同じである。
一方、機体設定では動力が明言されていないため、腹部にニュートロンジャマーキャンセラー(NJC)搭載型核エンジンを搭載しているかは不明である。
フリーダムではコクピットハッチ上部に存在していた橙色の誘導灯が、本機ではコクピットハッチを挟むように配置されている制気口上部に移動している。
コクピットハッチは緊急脱出時に爆砕ボルトによってパージされるようになっている。
動力
動力周りに関する描写としては、以下が確認できる。
- スラスターからフリーダム系列機特有の赤い粒子(余剰エネルギー)を放出している。
- 発進時のみならず作戦行動中にも確認できる。
- これを理由に核動力機とする声があるが、そもそもこの赤い粒子はフリーダム系列機以外の核動力機から放出された例は1つもない。
- 特に兄弟機であるジャスティス系列では確認された事がない。
- OS(後述)は連合・オーブが共同開発した物(初期GAT-Xシリーズやアカツキ)とほぼ同名のもの、つまり、名称に「Nuclear」を含んでいない。
- ただし、解体などによって動力が核エンジンであった事が確認される場合もあり、OSの表示が当てにならない場合もある。
- ストライクなどと同様にコンソールにエネルギー残量計(メインゲージ「ENERGY STORE」と2本のサブゲージ「Hi-CAPACITOR」の2種)が表示されている
- 正規のハイパーデュートリオンエンジン搭載機には、エネルギー供給量を上回る消費量を確認・警告するためか、エネルギー残量計が採用されている(『DESTINY』におけるオペレーション・フューリーの折のデスティニーのコクピット描写から確認できる)
- 劇中においては戦闘中に「Hi-CAPACITOR」のゲージが減少のみならず増加もしており、何かしらのエネルギー生成機構が搭載されている可能性が示唆されている
- 本来キャパシタ(コンデンサ)の役割は動力源から供給されたエネルギーを蓄積し、より大きい出力にて放出するためのものなため、バッテリー側から給電していた可能性もある。実際、シヴァの猛攻をVPS装甲とビームシールドにて凌いでいる最中に「Hi-CAPACITOR」のゲージが増加しつつ「ENERGY STORE」のゲージが減少していた。そのため、防御兵装を高出力運用するためにバッテリーからコンデンサにエネルギーを供給していた可能性が高く、さらに言えば、この時の動力のモードは「NORMAL(通常)」から「RACING(空転)」になっていた。つまり、車やバイクで言う空吹かしをしている。
以上の描写から、議論は今でも尽くされているが、可能性の高いものの一つとして核融合炉が挙げられる。実は一口に「核動力」とは言っても劇中でそう呼称されるのは主に「核分裂」方式の動力炉のことであって、NJCを必要としない「核融合」方式の推進システム自体は『SEED』開始時点から既にアークエンジェルのような大型戦艦に採用されている。
C.E.では、MS開発黎明期のC.E.69年にMS用の小型核融合炉の開発を行っていたが、小型化に失敗した上ニュートロンジャマーの影響で核分裂炉は使えなかったためバッテリー方式を採用した過去がある。しかし、それらが技術進歩によりMS用動力に転用可能なサイズにまで小型化され、本機らに搭載されているのであれば「ユニウス条約の遵守」と「バッテリーに頼らないハイスペック機の開発」を両立でき、コンパスとしてもかなり都合が良いのである。また、映画劇中および小説版にはエリカ・シモンズが(核とは言っていないものの)「新型融合炉の存在」に言及するシーンが存在しており、この説を補強する根拠になっている。
コクピット
これまでのフリーダム系列機よりもさらに範囲の大きい全天周囲モニターを採用しており、視認性が大きく向上した。
全天周囲モニターの採用に伴い、前方や上部を物理的に占領してたメインコンソールの各種計器やビデオ通話用小型モニターはフレキシブルかつ半透明な空中投影型ディスプレイに一新され、必要に応じて全天周囲モニターの内側に表示されるようになっている。
なお、メインパネル(中央)、エネルギー残量計(右側)、冷却剤残量計(右側)、示差走査熱量計(右側)、兵装セレクターパネル(左側)、VPS装甲へのダメージ計(左側)については常時表示されている。
エネルギーや推進剤の残量が危険域に達すると、該当計器に「CAUTION」とオーバーレイ表示してパイロットへ危険を知らせる。さらに、複数項目が危険域に達して機体稼動自体が困難になるとディスプレイ全体に「EMERGENCY」とオーバーレイ表示して、ディスプレイの背景色も水色から赤色に変化する。
空中投影型ディスプレイの採用に伴い、メインコンソールの物理スイッチ等は左右のコントロールスティック前方に新たに設置された制御盤へ移動している。
これまでのフリーダム系列のような「マルチレーダーセンサー」は搭載されていないがマルチロックオンシステムは健在であり、劇中では33機の対象にほぼ一瞬でロックオンしている。
OS
GENERAL
UNILATERAL
NEURO-LINK
DISPERSIVE
AUTONOMIC
MANEUVER
(Complex)
「単方向の分散型神経接続によって自律機動をおこなう汎用複合体」
一般的に「ナチュラル用OS」と呼ばれている、オーブ軍MSとほぼ同じ名称(こちらは末尾が「Complex」)のものを搭載しており、起動時に表示される国章もオーブのものとなっている。一方、第一次大戦後にザフト製OSの標準規格となった「MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM」が採用されている。このことから、コーディネイターが扱うことを前提として既存のオーブ製OSをザフトの規格に沿って再設計したものと思われる。
歴代フリーダムやオーブ軍MSのものとは異なりバージョンが表示されていないが、バージョン区分が存在するかは不明である。
肩部
歴代フリーダムと同じく、内側にサブスラスターを内蔵したショルダーガードを備えている。一方、このサブスラスターに併載されたカバーがショルダーガードから突き出しているという相違点もある。
また、左ショルダーガードの前面にコンパスの組織章がマーキングされている。VPS装甲なためテスタメントのように電圧調整を用いてマーキングを出力することも可能なはずだが、本機は直にマーキングが施されている(ディアクティブモードでも組織章が見えるようにしているものと思われる)。
スラスター・主翼
メインスラスター
MA形態時に用いる機首パーツと干渉するためか、フリーダムやストライクフリーダムにて採用された縦に2基並んだ噴射ノズルは廃止され、左右のウイングバインダーそれぞれの内側に、機首パーツを挟むように配置された計2基の大型スラスターへ変更されている。このスラスターの上下には、機首パーツと同程度の長さを持つカバーが併載されている。なお、一方のスラスターを損失するだけでも大気圏内飛行能力を失うため被弾リスクが上昇している。
サブスラスター
ショルダーガードの内側・脇腹・足裏・ウエストガード後部にサブスラスターを内蔵している。しかし、フリーダムと比較するとメインスラスター脇と脛後面のサブスラスターは廃止されている。
足裏のサブスラスター群は爪先の1基と踵の2基の計3基により構成されており、フリーダムから踵のサブスラスターが1基増加した。脛後面のサブスラスターが廃止されているため、逆噴射による急制動等を足裏のサブスラスター群が全て引き受ける構成となっている。
フリーダムやストライクフリーダムのサブスラスターの中でも比較的大型だった脛後面のレッグブースターは廃止され、MA形態時に用いる尾翼となった。
主翼
主翼にはストライクフリーダムの機動兵装ウイングではなく、フリーダムの能動性空力弾性翼(ウイングバインダー)の発展型を採用しており、翼の形状とカラーリングが若干異なるだけで5対計10枚の翼や翼内部に大型ビーム砲を挟み込んで保持する部分は全く同じである。この関係上ヴォワチュール・リュミエールは搭載されていない。
一方、翼の構成が大型翼2枚・中型翼2枚・小型翼1枚(この内大型翼と中型翼がペアとなって根本で繋がっている)となっている他、翼の付け根部分に内蔵された小型スラスターが若干大型化された代わりにペア翼の表面側に計2基しか存在しない(フリーダムはペア翼と小型翼の表裏に1基ずつ計6基)といった相違点も存在する。
また、2基並んだ噴射ノズルが廃止されていることから、代わりに搭載されたメインスラスターの付け根部分と接続している。この接続にはフリーダムのようなジョイントアームを用いておらず、ストライクフリーダムと酷似する接続方法となっており、接続部と各翼を一点で留める要部分も同様に独立している。接続部の可動軸が2軸となっている点も同様であり、歴代と変わりない広い可動範囲を持つ。
大出力砲を格納している構造上弱点もフリーダムから受け継いでおり、ウイングを攻撃されればシュトゥルムスヴァーハーが爆発し機体本体にも相応の衝撃が加わってしまう。加えてウイングの装甲は非常に薄く耐久力も本体装甲と比べて低いのか、圧倒的実弾耐性を持つVPS装甲でありながらミサイルの飽和攻撃を受けてメインスラスター、機首パーツ、頭部アンテナを巻き込んで木端微塵に爆発している(シュトゥルムスヴァーハー砲身や推進剤の爆発が大きいとは思われる)。
メインスラスター・機首パーツと合わせて一つのバックパックとなっており、別のバックパックに換装することができる。その換装候補のバックパックとしてMDE262S プラウドディフェンダーが開発されていたが、無人ドッキング機能の調整中に本機が消失した(経緯は後述)ため、作中において換装機能が披露されることは無かった。
歴代フリーダムと同様に各形態も健在である。なお、機構上は可能だがフルバーストモード単体は使用していない。
ハイマットモード
翼を展開する高機動形態。
MA形態でも使用できるが、その際は急旋回・急制動性能よりも排熱性能の向上を目的として、大気圏突入時に用いている。
ハイマットフルバーストモード
翼を展開し全砲門を展開する形態。
初代フリーダム同様の5門一斉発射だけでなく、遠隔操作によるシールドブーメランの突撃も込みとなっている。シールドブーメランの飛行速度がビームやレールガンに追いつけないため、一斉発射で多数を無力化→シールドブーメランで残った目標を無力化&追撃、という流れになっている。
変形
地球と宇宙を往還するコンパスの活動範囲に対応すべく、フリーダム系列としては新たに航空機型MA形態への変形機構が搭載されている。イモータルジャスティスとは共通のフレームなため変形方法も共通している。『SEED』シリーズで言えばセイバーのものが近いが、腰関節を180度回転させるあちらよりも簡素な変形(所謂「寝そべり変形」)となっている。
変形後のフォルムは技術的基礎とされるムラサメにも近い。一方、シールドを機首とするセイバーやムラサメと異なり機首専用パーツが存在し、MS形態時は背部へ折り畳まれている。この機首用パーツを背部から頭部に被るようにしてMA形態への変形を行う。
さらに、両脚の脛後面から尾翼が展開、ウエストガードのサーベルラックが反時計回りに回転しサーベルが垂直方向になるように固定、携行装備についてもシールドは機体胸部に接続され、ライフルはシールドの上に接続される形で保持される。この寝そべり変形かつ胸部に装備を保持するという点はアビスと酷似している。
また、シールドとライフルの合体をよく見ると、シールド中心部の赤い突起が上下に移動してその間のスリットにライフルのグリップが差し込まれるというかなり凝った仕様になっている(イモータルジャスティスのシールドはスリットがむき出しになっている)。シールドを胸部に接続する際は、機体胸部上部と腰関節からインパルスのドッキングにて見られたレーザーのような光線が照射されている。
大気圏突入時は必ずこちらに変形しており、さらにハイマットモードを取ることでウイングから絶えず排熱を行っている。見た目は遠目から見ると航空機が翼を生やしている(後ろから見ると気をつけの姿勢で突入している)ようなビジュアルだが、VPS装甲とシールドを活用した上で熱を逃がすためには最適な形態である。
また、逆に大気圏を離脱する際もこちらを使用する。高い推力と整流効果、およびVPS装甲の耐熱性能により単機でも迅速な大気圏離脱が行える。が、万が一のトラブルでVPS装甲のダウンが発生した場合は融解する危険性が非常に高まるため、安全性を考慮して実際に大気圏離脱を行う際は母艦から陽電子砲によるポジトロニック・インターフェアランス(陽電子砲によって生じる前面の真空状態と磁場)の発生という形で補助を受けている。この補助を受ければ空気抵抗がなくより迅速に離脱できる副次効果も得られるため、母艦の陽電子砲が使える状態であれば単機離脱のメリットは一切ないのでこのような運用を採っていると考えられる。
非常に簡易な変形なため、戦闘中でも勢いを殺すことなく迅速に変形することができる。実際にMS形態へ変形しながらハイマットモードとなって制動をかけつつビームを避けている。
劇中ではこの形態で戦闘は行っていないが、構造上(重心バランスに不安は残るものの)ウイングのインパルス砲は展開可能なほか、ビームライフルも使用できるのであればある程度の戦闘は可能と思われる。
武装
構成としては、ストライクフリーダムの運用データをもとに開発されたにもかかわらず、「MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲」や「EQFU-3X スーパードラグーン 機動兵装ウイング(MA-80V ビーム突撃砲)」に相当する装備が搭載されておらず、代わりにフリーダムの「M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲」や「ラミネートアンチビームシールド」に相当する装備が搭載されている。そのため、全体的に初代フリーダムへ回帰したように感じられ、「フリーダムにビームシールドが追加され、実体シールドが分離飛行するようになった」とも表現できる構成となっている。
また、武装は全てプラントの兵器メーカーないしザフトの設計局が開発しているが、そのペットネームには様々な言語が入り混じっており、英語かラテン語(あるいは神話・伝承の武器名)で統一する傾向にあったプラント(ザフト)らしさがない。
MMI-GAU30 31mm近接防御機関砲 シュラークファングBlock7
歴代フリーダムと同じく左右のこめかみに計2門固定装備されている対空防御機関砲。「シュラーク」はドイツ語で「打撃」、「ファング」は英語で「牙」を意味する。マイウス・ミリタリー・インダストリー社製。
劇中での使用は確認されていない。
余談
- 口径こそストライクフリーダムの「MMI-GAU27D 31mm近接防御機関砲」と同じだが、新規モデルな上にペットネームも復活している。
- 一方、MMI-GAU系列のペットネームはフリーダムの「MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲」のように口径の前に付くが、本装備は連合製の「75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン」のように最後にペットネームが付いており、ドイツ語を用いている点からも何かと連合色が強い。
- 「MMI-GAU」の系列では最新のナンバリングである。
- Block7はマイナーチェンジの回数と思われる。『DESTINY』に登場するダガーの「"ブロック7"まで改修済み」と言う設定が存在する。
- 「シュラーク」はカラミティの高エネルギービーム砲のペットネームでもある。
MA-M727A3 高エネルギービームライフル
マティウス・アーセナリー社製の携行式ビーム砲。イモータルジャスティスとの共通装備で差し色(カラーリング)のみが異なる。
「携行式ビーム砲」と称されている通り、ルプスやストライクフリーダムの「MA-M21KF 高エネルギービームライフル」といった従来のビームライフルよりも全体的に大型化・大口径化している。形状は既出のものだとレジェンドの「MA-BAR78F 高エネルギービームライフル」やインフィニットジャスティスの「MA-M1911 高エネルギービームライフル」をベースにフォアグリップを復活させ口径を縦に広げたようなものとなっている。
未使用時はフリーダム同様に、腰部後面上部を守る装甲に設けられたマウントラッチにマウントされる。また、MA形態時は機体底面(胴体前面)に配置されたシールドブーメランにマウントされる。
余談
- ビームライフルはストライクフリーダムの代でフリーダム系列とジャスティス系列の共通装備ではなくなったが、本機の代で再び共通装備となった。
- 本機の装備の中で唯一ペットネームを持たない。
- ビームライフルについてはストライクフリーダムの代でペットネームを失っており、機関砲とは異なり本機の代で復活することは無かった。
- MA形態時に本装備を外付けした機体底面を進行方向に向けながら大気圏突入したにもかかわらず融解も爆発も一切しなかった。ストライクフリーダムのビームライフルのようにVPS装甲が施されているわけでもないにもかかわらず非常に優れた耐熱性能を有していることがうかがえる。
- オルドリン自治区到着時のウィンダムへのヘッドショットを見る限り、ムラサメのようにMA形態でも使用できる可能性がある。
- MA形態で使用不可能とすると、この時ヘッドショットが可能だったのがMA形態で使用できるビーム砲を搭載しているイモータルジャスティスの他、ルナマリア・ホークが駆るゲルググメナースもしくはアグネス・ギーベンラートが駆るギャンシュトロームとなる。彼女たちの技術で高速飛行中にMSの頭を正確に狙撃できるかに疑問が残るので、この場合はシンが狙撃した可能性が一番高いだろう(シンは冒頭の戦闘で遠距離から飛来するミサイル3基を正確に狙撃して迎撃しているため、十分に可能な技量はあると思われる)。
MA-FZ51 ヴェルシーナ ビームサーベル
腰部レール砲のマウントラックに計2本装備するビームサーベル。「ヴェルシーナ」はロシア語で「頂点」を意味する。マティウス・アーセナリー社製。
フリーダムの「MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル」やストライクフリーダムの「MA-M02G シュペールラケルタ・ビームサーベル」と基本的な形状・機能は変わらず、柄頭同士を接続するアンビデクストラス・ハルバードモード(両剣形態)も継承している。
デストロイのシュトゥルムファウストをすれ違いざまに一刀両断しており、同じことをやってのけたレジェンドの「MA-M80S デファイアント改ビームジャベリン」相当の切断力を持つことがうかがえる。
余談
- マティウス・アーセナリー社製のビームサーベルは一種を除いて「MA-M」という型式番号を冠していたが、本装備は新たな型式番号「MA-F」を冠している。
- この型番を持つのは現状本装備とイモータルジャスティスの「MA-F2D2 ヴィーゼルナーゲル ビームブーメラン」、インフィニットジャスティス弐式の「MA-F2002 スピッツェシュヴァート ビームホーン」のみである。
- ほぼ同時期に開発されたと思われるギャンシュトロームのビームサーベルも「MA-GFD230」という新規の型式番号となっている。
- ビームサーベルはストライクフリーダムの代までフリーダム系列とジャスティス系列の共通装備の地位を保ってきたが、本機の代でイモータルジャスティスがビームサーベルを兼ねた「MA-F2D2 ヴィーゼルナーゲル ビームブーメラン」を搭載したことによってついに固有装備となった。
MA-BBF75 400mm超高インパルス砲 シュトゥルムスヴァーハー
ランチャーストライカーの「320mm超高インパルス砲 アグニ」を参考に製造されたと思われる大型ビーム砲。「シュトゥルム」はドイツ語で「嵐」「暴風」を意味し、「スヴァーハー」はインド神話に登場する火神「アグニ」の妻の名前である。マティウス・アーセナリー社製。
大型の砲身はフリーダムの「M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲」のようにウイングバインダー内に挟み込む形で保持されており、フリーダムにおけるバラエーナのように本機の装備内で最高の威力と射程距離を持つと思われる。一方、バラエーナに比べてカラーリングや造型は簡略化され、砲口部に赤が追加されていることから「MMI-M15 クスィフィアス・レール砲」系列に似たカラーリングとなっている。また、後部上側にある排熱用と思われる吹出口が倍に増えている。
余談
- 正式名称が明かされるまでは「アグニ砲」と紹介されていた。ランチャーストライカーを開発したのはモルゲンレーテ社であるため、同じくモルゲンレーテ社製の本機にはバラエーナではなくアグニが採用されたという意見が多く見られた。
- ストライクフリーダム弐式の「AQM/S-2028 トヴァシュトリ 超高インパルス砲」(腹部ビーム砲)も正式名称が公開されるまでは「アグニ砲」と紹介されていた。このことから「超高インパルス砲」=「アグニ砲」という図式が浮上した。
- ストライクフリーダム弐式への改修を行い、カリドゥスをトヴァシュトリに換装したのもモルゲンレーテ社である。
- ストライクフリーダム弐式の「AQM/S-2028 トヴァシュトリ 超高インパルス砲」(腹部ビーム砲)も正式名称が公開されるまでは「アグニ砲」と紹介されていた。このことから「超高インパルス砲」=「アグニ砲」という図式が浮上した。
- ビームライフル・小型ビーム砲系統とビームサーベル系統の開発を主としていたマティウス・アーセナリー社にとって、高火力な大型ビーム砲の開発は本装備が初となる。
- 型式番号の規則はセカンドステージシリーズ以降に開発されたビームライフル(「MA-BAR●●」)に近い。
- 劇中のコクピットモニター表示(兵装セレクターパネル)では本装備と思しき部位が「HYPER IMPULSE GUN(CANNON)」=超高インパルス砲ではなく、「POSITRON BLASTER GUN」=陽電子砲となっている。
- アグニではプラズマを放射していたが、それが陽電子に変更された可能性がある。
- モビルスーツに装備可能な小型陽電子砲には、C.E.71年後半時点で「ローエングリンランチャー」という前列が存在するため、目新しい技術というわけでもない。
- 「超高インパルス砲」と呼ばれているのは、発射物をマイクロ秒オーダーのバーストインパルスとして生成・放射しているためであり、発射物自体は指定していない。
- アグニではプラズマを放射していたが、それが陽電子に変更された可能性がある。
- フリーダムのバラエーナでは見られなかった「照射して薙ぎ払う」という用法が披露された。
- シヴァに敗北した際、ウイングの一部が欠けて砲身が露出しているが、赤い部分が色落ちしていたため本装備はVPS装甲が施されていると考えられる。
MMI-M2020 ヴァイパー3 レールガン
ストライクフリーダムの「MMI-M15E クスィフィアス3 レール砲」をベースとしたと思われるレールガン。「ヴァイパー」は英語で「毒蛇」を意味する。マイウス・ミリタリー・インダストリー社製。
2つ折りの砲身、サーベルラックの位置、小型化された後端のサブスラスターがクスィフィアス3と酷似している。一方、砲身の中間部分がスライドして伸長する新構造が採用されており、伸長時はより長砲身だったフリーダムの「MMI-M15 クスィフィアス・レール砲」に近いシルエットとなる。射撃時には反動をこのスライド機構で受け流して軽減しており、どんな姿勢でも精度の高い連射を実現している。
威力の方も彼我の距離や当たり所が良ければ一般的な対ビームシールドを一撃で破壊できるほどに高い。
サーベルラックはMA変形時に反時計回りに約90度回転し、ビームサーベルが機体と平行になるようにして無駄な凹凸が生まれることを防いでいる。
型式番号を見るに開発順としてはゲイツRに採用された「MMI-M20S ポルクスIV レールガン」の近縁モデルに当たると思われる。
余談
- クスィフィアス系列には本武装や「MMI-M20S ポルクスIV レールガン」やブラストインパルスの「MMI-M16XE2 デリュージー 超高初速レール砲」のように、「MMI-M15」以外は「クスィフィアス」の名を冠していない。
- フリーダムのクスィフィアス同様、後端のスラスター部はビームライフルをマウントしていると干渉してしまうため展開不能となる(一度だけライフルマウント状態で本装備を使用しているシーンがあるが、CGモデル時のミス故に後端部がライフルにめり込んでいる)。
- ポルクスIVやデリュージーにはプラズマを発射可能な設定があり、クスィフィアス系列の最新モデルである本武装もできる可能性がある。
- 砲身先端の赤い部分はディアクティブモード時でも赤いままな一方、VPS装甲の展開エフェクトが乗っているため、装甲材は不明である。
- 変形の項でも述べた通り、サーベルラックにはクスィフィアス3同様回転軸が設けられている(用途はあちらと異なる)が、コスト的な問題か強度的な問題か立体物では無視されがちである(現在再現されているのはMETAL ROBOT魂くらい)。
- 砲身がスライドして伸縮する機構は立体物ではMGストライクフリーダム等のアレンジで既に存在しており、本機のこの機構はこれを逆輸入したと捉えることもできる。
MMI-X525 インフェクタス ビームシールド
両前腕部の装甲に埋め込む形で固定装備されたビームシールド発生装置。「インフェクタス」はラテン語で「染色」を意味する。マイウス・ミリタリー・インダストリー社製。
装備箇所以外にも色・形状・大きさ全てがストライクフリーダムの「MX2200 ビームシールド」に酷似しており、そちらからのフィードバックと思われる。一方、ストライクフリーダムのものと異なりVPS装甲が施されていない。そのため、VPS装甲をアクティブにしていなくても赤色のままである。
余談
- C.E.73年までの機体が搭載していたビームシールド発生装置の型式番号は全て「MX」から始まっており、同時期に開発されたと思われるゲルググメナースの「MMI-MD95/A レフルジェンス ビームシールド」と同じくマイウス・ミリタリー・インダストリー社製のビームシールドとしては本装備が初となる。
- 元々、マイウス・ミリタリー・インダストリー社はセカンドステージシリーズの実体シールドを開発しており、ついにビームシールド開発へ進出した形となる。
RQM73 フラッシュエッジG-3 シールドブーメラン
両側面から展開するウイング前縁部分と上部先端に計3基のビームブレイド発生器、表面に2基のスラスターを備えたシールド兼射出兵装。カラーリングはフリーダムの「ラミネートアンチビームシールド」に近い。型式番号とペットネーム的におそらくザフト(統合設計局)製。
大型とされるフリーダムのシールドに匹敵するサイズであり、ウイングを展開して上部先端を機首にすることにより大気圏内外問わず単独飛行することができる。飛行速度や機動性も機体本体と遜色ないほどに高い。3方向へビームブレイドを展開して突撃する大型遠隔操作突撃武装としては、インフィニットジャスティスのファトゥム-01を彷彿とさせ、デストロイのシュトゥルムファウストを突撃で両断するほどの破壊力を持つ。また、射出兵装としてだけでなく、上下を逆に持ち替えて上部先端からビームブレイドを発振することにより近接武装としても使用できる。
対ビームシールドとしての耐熱性能も高水準(大気圏突入による断熱圧縮でも一切融解しないほど)であり、その性質上通常のビーム兵器を用いて本装備を迎撃することは不可能に近い。
多機能な分厚みも相応にあり、歴代の実体シールドと比較しても一段とボリューミーな外見となっている。
型式番号的とペットネーム的にデスティニーの「RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン」の発展型と思われ、単独飛行時の遠隔制御には歴代フラッシュエッジのように簡易ドラグーンを用いている可能性が高い。
厚みこそあるが実体シールドの例に漏れず対艦刀の類が天敵であり、ブラックナイトスコード ルドラの「OWC-QZ200 対モビルスーツ重斬刀」により容易く切断されている。
運用
- 本機には防御兵装としてインフェクタスが併載されており、左手のシールドを捨ててでもビームサーベルを握ろうとすることが多いキラの戦闘スタイルから、シールドよりも射出兵装として多用された。
- 他武装の火力が高すぎるが故にこれまでは攻撃対象に入れ辛かったリニアガン・タンクに対して砲身を切断することによる無力化を狙う際にも用いられた。
- ハイマットフルバーストモードの際にも射出されるが、流石にビームやレールガンの弾速より遅いことから同時攻撃とはならず、撃ち漏らしの処理や追撃に用いられた。
余談
- 本装備の携行により、本機はデスティニーに次いで『SEED』シリーズ2例目となるビームシールドと実体シールドを併せ持った機体となった。
- デスティニーはビームシールドをメインに使用するが、本機は実体シールドの本装備が単独攻撃可能なためか攻撃に実体シールド、防御にビームシールドをメインに据えている。
- 型式番号的にイモータルジャスティスの「RQM75 フラッシュエッジ4 シールドブーメラン」の前モデルだが、ウイングにビームブレード発生器が搭載されている分だけこちらの方が多機能である。
- RQMを冠するビームブーメランは搭載する機体に合わせた設計が行われ、場合によっては後継モデルの方で機能のオミットが起こることもある(フラッシュエッジの実体刃がフラッシュエッジ2で廃止された等)ため、その一種と思われる。
- いざというときにシールドを投げ捨てる傾向があるキラの戦闘スタイルに対して、ストライクフリーダムでは軽量化も兼ねてビームシールドに据え置いて実体盾を完全に廃止することを回答としたが、本機は変形機構の一部にすることも兼ねて「歴代ブーメラン兵装の延長線とし、シールド側から手元に帰還させる」という別方向の回答を見せている。
- 『SEED』シリーズがファーストガンダム、Zガンダムのオマージュとしての側面があったことを踏まえると、この装備は『逆襲のシャア』におけるリ・ガズィのバックウエポンシステムのオマージュの可能性もある(MAへの変形が機首部の展開と底部へのシールド接続でほぼ完了するという簡素なものである点からもコンセプトが近い)。
- 「ブーメラン」の一般的なイメージとはかけ離れた形状の装備だが、「手元へ戻ってくること」がブーメランの本質である(戻ってこないものは「カイリー」と区別される)ため、左手(左腕)に戻ってくる本装備も立派なブーメランと言える。
- 手元から放した武装を遠隔操作するものとしてブルーフレームセカンドLのタクティカルアームズなどが存在する。
劇中の活躍
オルドリン自治区戦
劇中冒頭、深夜(午前1時37分)にオルドリン自治区のザフト軍基地付近へ侵攻を開始したブルーコスモスを止めるべく、他のヤマト隊の機体と共にミレニアムから発進、モビルアーマー(MA)形態へ変形し、ハイマットモードにて大気圏突入を敢行する。
オルドリン自治区に降下後、MS形態へ変形しつつキラがブルーコスモスの攻撃部隊に対して戦闘停止を勧告するも、その返答と言わんばかりにデストロイがツォーンMk2とスーパースキュラを一斉掃射してきたためそれを回避、さらにはデストロイの攻撃を合図として他の機体からもビームライフルやミサイルによる攻撃を受けたため、勧告が無視されたと判断して戦闘を開始する。
手始めにシールドブーメランを射出し、本機を狙ってきたミサイルとジェットストライカー装備のウィンダムをビームライフルで即座に迎撃、地上の105ダガー3機とリニアガン・タンクをハイマットフルバーストとシールドブーメランで一掃する。
その後は持ち前の機動力を以て空中にてデストロイのシュトゥルムファウスト2基の砲撃を掻い潜りつつシールドブーメランを射出して左手を空け、1基はすれ違いざまに左手に握ったビームサーベルで両断、もう1基も射出していたシールドブーメランを死角から突撃させて破壊した。これを受けたデストロイがツォーンMk2とスーパースキュラの発射態勢に入ったのを見て予備動作の隙にハイマットフルバーストを撃ち込むことによりスーパースキュラの砲門を全て潰して発射を阻止しつつ無力化、苦し紛れに撃とうとしたツォーンMk2もシールドブーメランの辻斬りにより破壊して戦闘不能に追い込んだ。このように、約1年半前にフリーダムで戦った際には珍しく苦戦したデストロイを単機で瞬殺と、(手の内がわかりきっていたことも起因するが)先の大戦を通して更に磨きがかかったキラの操縦技術と合わせて圧倒的な戦闘力の高さを見せつけた。また、その戦いっぷりを見ていたシン・アスカは「クソ…出る幕ないじゃん」と愚痴をこぼしていた。
しかし、デストロイの沈黙に伴い、戦線をカナジ市街まで下げて態勢を立て直そうとブルーコスモス部隊に対して,オルドリン軍幕僚がカナジを制圧して現ブルーコスモスの指導者であるミケール大佐を追い立てるよう指示したため、ザフトのMS部隊がカナジに進軍を開始する(午前4時15分)。
キラはミケールの不在と戦闘継続による市民への被害を理由に進軍の中止を警告するが聞き入れられなかったため、避難中の市民を考慮して得意の砲撃による対地攻撃は控え、代わりにシールドブーメランを射出しつつ地上に着陸してジン3機に対してビームサーベルで斬りかかり無力化、同時にシールドブーメランで少し遠い場所にいたジン1機も無力化する。報復心からその対応が受け入れられなかった中破状態のジンが突っ込んできたためサーベルで残った右腕を切断、右レール砲で左脚を吹き飛ばして完全に無力化するが、それと同時に上空からブルーコスモス部隊の攻撃を受けたため、シールドブーメランを手元に戻してビームを防ぎつつ地上から飛び立ち、ウィンダム2機をレール砲の連射により無力化する。
そのままブルーコスモス部隊の対空攻撃を掻い潜りながらシールドブーメランを射出しつつ両手でビームサーベルを抜刀して再度着陸し、低空飛行を織り交ぜながら大量の105ダガーを無力化する。そうしている内に日の出が昇り、ブルーコスモス側が戦意を喪失し後退したため、ビームサーベルを納刀して空けた左手にてシールドブーメランをキャッチして戦闘行為を終了する。
戦闘終了と同時刻にオルドリン自治区へ駆けつけたアークエンジェルへ着艦し、メンテナンスを受けた。この時、明確な損傷こそなかったものの、装甲全体に細かな傷が付いていた。
その後、宇宙のミレニアムへ帰投するために、アークエンジェルの艦底に懸架された状態で高高度まで上がり、アークエンジェルがローエングリンを発射したと同時に他のヤマト隊の機体と共に発進し、ポジトロニック・インターフェアランスを活かして大気圏を離脱しミレニアムへ着艦した。
オルドリン自治区のザフトへの攻撃について、後にプラント国防委員長のハリ・ジャガンナートはコンパス総裁のラクス・クラインに対し、ブルーコスモスの一方的な侵攻を受けたのがザフト側であったことを理由に「無慈悲」と糾弾している。しかし、キラとしてはそのような報復心が2度も大戦を引き起こしたことを知っているため、警告を受け入れられなかった以上他に手立てがなかったと言える。
エルドア地区合同作戦
ミケール大佐確保を目的としたファウンデーション王国との合同作戦でもミレニアムから他の艦載機と共に出撃し、他パイロットたちに敵MS部隊の無力化を任せ、MA形態に変形してマホロバ隊のムラサメ改3機と共にミケールの指揮所へ向かう。マホロバ隊による支援を受けながらミケールの指揮所へ続く渓谷に先行して侵入、そこを守っていた105ダガー4機の射撃をMS形態に変形しながら掻い潜り、変形時に射出したシールドブーメランを先行させつつ左手にてビームサーベルを抜刀してそのまま突っ込み即座に3機を無力化しつつ着陸し、残り1機(とリニアガン・タンク)も振り向きざまの射撃により無力化、同時にシールドブーメランを回収する。この着地した隙をデストロイに狙われるが間一髪で上空に避難する。
デストロイの対空砲火を回避していたところにシンのイモータルジャスティスが駆けつけ、イモータルジャスティスがシールドブーメランとビームブーメランを投げたのに合わせてシールドブーメランを射出し、デストロイの首を切断する。そして、イモータルジャスティスと共に低空飛行でデストロイに急接近してそのコクピットにビームサーベルを突き立てて撃墜する(この時点で、エネルギー残量が約60%、Hi-CAPACITORと冷却剤はほぼ満タン、VPS装甲へのダメージが約50%)。
デストロイ撃墜後は、MA形態に変形し直してデストロイ対処のために駆けつけたイモータルジャスティスとギャンシュトローム2機と共にミケールの指揮所に向かう。しかし、オルフェ・ラム・タオの策略の下、デストロイの撃墜場所に駆けつけたグリフィン・アルバレストが言い放った「闇に堕ちろ、キラ・ヤマト」という言葉、そして彼らの持つ能力によりキラが幻覚を見させられ、目標であるミケール大佐の位置を誤認したことにより、MS形態かつハイマットモードに変形しての急制動後、本機だけ進路を変更してユーラシア連邦との協定で定められた軍事境界線へ直行、ユーラシア連邦軍から警告射撃を受けるも全て回避し、友軍からの警告さえも全て無視してハイマットフルバーストにて反撃する。これによりユーラシア連邦から侵略行為とみなされ、オルフェの「これまでの外交努力が全て無に帰す」という言葉を受けてラクスは「止めてください…キラを」と口にし、オルフェに対し本機への攻撃を許可、ブラックナイトスコード隊の攻撃対象とされる。
これによりブラックナイトスコード ルドラ(ガーネット)からロックオンされたことを受け、振り向いてハイマットフルバーストにて迎撃しようとしつつ既に背後まで追い縋っていたエメラルドにビームライフルを撃つが、分身に幻惑されて躱されてしまい直後ライフルを切断される。止むなくその爆発をシールドにて防ぐことになりハイマットフルバーストを中断、即座にシールドブーメランからビーム刃を発振してガーネットを迎え撃つも重斬刀にてシールドブーメランの下半分を切断され、直後に10機以上ものジン-Rやディン-Rからのミサイル攻撃に晒される。これをノーガードかつ左半身に集中して受けてしまったため、左翼と左メインスラスター(と機首パーツと左白アンテナの先端)を損失して飛行困難となり、爆発の衝撃で地上へ落下する。すんでのところでショルダーアーマーと足裏のサブスラスターにて機体バランスを制御し、不時着には成功する。
着地してすぐに右手にてビームサーベルを抜刀して滞空するエメラルドと対峙するが、ガーネットとブラックナイトスコード シヴァ、それらが引き連れてきた大量の無人機に囲まれた。斬りかかってきたガーネットの一撃は半壊したシールドを用いていなし、直後に斬りかかってきたエメラルドに対してはシールドを向けつつビームサーベルのカウンターを合わせようとするも失敗(防御には成功)、シヴァのヒートソードによる一撃をシールドで受け止めビームサーベルで反撃するもあちらのシールドに防がれ、両腕とも同時に力負けしてシールドを弾き飛ばされ、即座に左腕のビームシールドを展開するも無数のミサイルによる爆撃を受ける(ここでガーネットとエメラルドは無人機たちを引き連れて離脱、代わりにアグネス・ギーベンラートのギャンシュトロームが合流)。
VPS装甲とビームシールドによりミサイルのダメージは無効化したが、その後は地上にてシヴァと小破状態のまま10分以上白兵戦を繰り広げる。左ビームシールドを展開しつつ果敢にビームサーベルで斬りかかるもシヴァにはシールドにて軽々といなされ、レール砲を撃とうと距離を取りつつ砲身を展開した瞬間の隙を突かれてシヴァの右爪先サーベルにより2門とも砲身を切断されて使用不能となる。
シヴァが攻めに転じるとその圧倒的手数と運動性から一気に劣勢となり、暫くはVPS装甲とビームシールドを駆使して粘っていたが、それら防御兵装の酷使によってエネルギーを消費し続けた(小説版ではVPS装甲も限界を迎えつつあった)ために、右爪先サーベルにて右腕を両断された直後に全身に短針投射システムを食らい、ここで遂にエネルギー切れを起こして(小説版ではVPS装甲が限界を迎えて)フェイズシフトダウン、そのままセンサー類も破壊されて機能を停止する。この時コクピットにも何本か突き刺さっており、咄嗟に身体を捻って回避したキラは生きてこそいたが機器類は全滅して操縦不能となっていた他、キラも身体に針が掠ってパイロットスーツを破損し、左上腕に軽傷を負っている。
機能停止・操縦不能となって棒立ちになっていたところにアグネスのギャンシュトロームから不意打ちを食らい、ビームアックスの振り下ろしにより左腕を、その後の横なぎにより両脚・右翼下部・右メインスラスター下部・レール砲の残りを切断され、仰向けで地面に倒れた。全身に針を刺され翼と四肢をもがれたその無残な姿は、戦いを止める為に戦い続けた果てに身も心もボロボロになり、遂に折れてしまったキラの姿そのものと言える。
コクピットハッチの機能はどうにか生きており、爆砕ボルトによりハッチが吹き飛ばされたことでキラは機体からの脱出に成功したものの、そこをギャンシュトロームに狙われるが、アスラン・ザラのズゴックにギリギリで救助され、シヴァとギャンが飛び去った隙にキラはキャバリアーアイフリッド-0とドッキングしたズゴックに救出され宙域を離脱した。
そのまま本機の残骸は放棄され、ユーラシア連邦側から発射された(これもファウンデーションの策略である)核ミサイルの爆発に巻き込まれ失われた。キラを乗せたズゴックは着弾前に近くを流れていた川の中へ避難した。同じく撃墜され放棄されたアークエンジェルは事後調査で破片程度とはいえ残骸が見つかったのに対し、本機の残骸は一切見つかっておらず完全に消滅したと思われる(艦船であるアークエンジェルでさえ破片レベルだったため、MSである本機が消滅するのはある種当然と言えるが)。
シヴァを駆るシュラ・サーペンタインはキラの死を確信しており、オルフェにキラ死亡を報告していた。アグネス及びアスランの乱入により状況が想定外に混乱し、作戦のタイムリミットも近付いていたため完全な死亡確認が出来ないまま離脱を余儀なくされ、最終的に仕留めたのは機体だけだったことが、この後彼らの命運を大きく動かすこととなる。
余談
作中で正式名称で呼ばれることは一度もなく、終始「フリーダム」と呼ばれ続け、各陣営の機体識別にも「FREEDOM」と表示されていた。
本機の性能は決して低いものではなく、コンパス内では間違いなくハイスペック機だった。しかし、ブラックナイトスコードが機動性でも運動性でも本機以上だったことに加え、機動力を奪われたところに猛攻を仕掛けられてエネルギーの継続的消費を余儀なくされ、トドメにフェイズシフトを一瞬でダウンさせる程の威力の短針投射システムを回避できない状況で撃ち込まれるという文字通りキラに手も足も出させない戦法によりあえなく破壊されてしまった。本機もまたキラ抹殺を目論むファウンデーションの被害者と言っていいだろう。
また、似たようなことは『DESTINY』のエンジェルダウン作戦でもされて敗北しており、キラとフリーダム系列は徹底的に対策されると粘りはするが負けることが明確化された。
一方、劇中での苦戦の原因が徹底的に不利な状況に追い込まれたことやキラの精神的な動揺も大きかったこともあり、万全な状況であれば十分に対抗できていたとする推測もある。実際、キラは致命傷となるビームサーベル類はビームシールドにて優先的に防ぎ実体剣類はVPS装甲任せに食らっても良いという取捨選択により20分近く粘っており、切り札であるSEEDを使用していなかった。総合性能は同等であるイモータルジャスティスもシンのメンタルが不調気味であったがアークエンジェル轟沈という緊急事態に気を取られるまでルドラと対等に渡り合っていたため、ブラックナイトスコードとの性能差は言われるほどは無いという考察もある。
その後ライジングフリーダムと総合性能では大差ないであろうストライクフリーダム弐式に乗り換えた後ラクスとの蟠りが解消され精神的に絶好調だった際は、シヴァ相手に防戦気味だったとはいえ本体は無傷のまま渡り合っていた。ただし再戦時は、積極的に白兵戦を仕掛けない、レール砲を前方に突き出して隙を晒さないなど、先の戦いの反省が見える部分も大きかった。
本機が製造された理由の考察の1つとして「強奪事件で大暴れしたストライクフリーダムのイメージから遠ざけるため」と先述したが、真相はどうあれ「ライジングフリーダムがユーラシアとの協定で定められた軍事境界線を破り、核ミサイル発射を誘発した」という事実が残ったため、ストライクフリーダムとは比べ物にならないレベルでイメージは最悪となってしまった。今後本機が予定通り制式採用機として量産できるのかは不明である。
余談
- 型式番号が「STTS」と、ザフトの従来機「ZGMF」・地球連合の従来機「GAT」・オーブの従来機「MBF」「MVF」の何れにも当てはまらないものが使用されている。
- 兄弟機のイモータルジャスティスと合わせてコンパス所属機としての新規型番と目されていたが、オーブ国防軍にも採用されているムラサメ改(モルゲンレーテ製)の型番としても使われている。また、コンパス所属機のゲルググメナースやギャンシュトロームはプラント製のためかザフトの型番のままである。
- ザフトやオーブの命名規則である「Maneuver(機動)」を示す「M」、「Fighter(戦闘機)」を示す「F」、「Variable(可変)」を示す「V」は一切含まれていない。
- 「S」や「T」の一部は、その用途から連合における命名規則である「Suppression(鎮圧)」「Tactical(兵装)」と思われる。
- ストライクフリーダムと比較すると、武装の初代への回帰やスーパードラグーンとヴォワチュール・リュミエールの廃止と要素的には劣って見えるものが目立つ。
- 劇場版パンフレットのインタビューにて、「ワンオフ機ではなく制式採用機という設定」なことが明かされた。大河原氏に対しても「ライジングとイモータルは装備が異なるだけで同じ機体」とデザインを発注していた。しかし、全く異なるデザインが提出されるも、それがカッコよかったため採用し、今のデザインに至る。
- ストライクフリーダムの運用データが使用されている割に、武装構成など諸々初代フリーダムの方が似通っている。オーブ製ということもあり、過去にフリーダムのデータを流用して作られたエクリプスのデータも使われているのではないかという考察も出てきている(事実、あちらはフリーダムとほぼ同じフレームを用いた可変機である)。
- 只、ストライクフリーダムの直接的な後継機にするとドラグーンが大気圏内だとデッドウェイト気味になる問題が発生する上、直近のコンパスの活動圏内としても対ブルーコスモス残党との地上での戦闘が多くなっていたであろう事を考えると、ドラグーン無しのストライクフリーダムより高火力を担保でき、後述のように元々軽量だった重量のさらなる軽減も見込めるフリーダムの基礎レイアウトを活用した方が最適と判断された可能性はある。元々ドラグーン自体は強力ではあるものの制約が多い武装でもあるため、ストライクフリーダムの運用データを参考にした結果「汎用機としては向かない」と判断されて、大気圏内外で汎用性に大きな差が生まれないフリーダムの方がコンパスでの運用に最適と判断された可能性もあるだろう。
- また、制式採用機=キラが搭乗しない場合を考慮する必要があり、扱いに人を選ぶドラグーンは適さないと判断された可能性もある。
- フリーダム自体が実験的要素(特にバラエーナとウイングバインダー辺り)の強い機体だったため、ストライクフリーダムの運用データも用いて各所を洗練し、より完成度を高めて実践的にしたのがライジングフリーダムという見方もできる。
- イモータルジャスティスも同様だが、ビームライフルやインフェクタス、フラッシュエッジG-3等のVPS展開前から着色されている兵装にVPS装甲の展開エフェクトが乗っている。設定として正しいものかミスかは不明。
- モデルとなったガンダムタイプは初代フリーダムと同じ後半主役機のΖガンダムであるが、無印の主人公が搭乗する可変機である点からΖプラスA型(アムロ・レイ専用機)、あるいはその人物に似た謎のパイロットが搭乗するZガンダム3号機をモチーフにしたではないかと思われる。
- ちなみに、公開前から「機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのリ・ガズィや機動戦士ガンダム00 A Wakening of the Trailblazerのダブルオーライザー(粒子貯蔵タンク型)のような劇場版ガンダムの続編作品にありがちの前座機体」といった考察が挙がっていたが、この考察は見事に的中しており、本作の目玉機体は別に用意されていた。
- とはいえ、これらの前例と比べると映画本編にてかなりの大立ち回りを見せており、デザイン公開時と比較すると公開後は人気が爆発的に伸びており、サンライズの『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ グランプリ2024』では9位にランクインしており、『FREEDOM』完全新規機体(全8機)の中ではズゴック(4位)に次ぐ人気だった。
- ちなみに、公開前から「機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのリ・ガズィや機動戦士ガンダム00 A Wakening of the Trailblazerのダブルオーライザー(粒子貯蔵タンク型)のような劇場版ガンダムの続編作品にありがちの前座機体」といった考察が挙がっていたが、この考察は見事に的中しており、本作の目玉機体は別に用意されていた。
- 公開前は様々な要因からストライクフリーダムよりも性能では劣るだろうと予想されていたが、実際はデストロイを単独で瞬殺するなどの非常に戦闘力を見せており、小説版ではイモータルジャスティスの火力がデスティニー以上であるとされていることから、公開後はストライクフリーダムと総合性能はほぼ互角もしくは上回る(大気圏内においては確実に上)という見方が主流となっている。
- またストライクフリーダムはキラの搭乗を前提として極限までチューンナップさせた結果の高性能化のため、そういった過程を経ずにストライクフリーダムと同等の性能を実現させているのなら、実質的な性能はこちらの方が上と言えるだろう。
- 重量は67.90tだが、一部媒体(HGCE)では87.90tと誤植がされていた。
- キラが普段の乗機としたMSにおいて試作機ではない=型式番号に「X」を含まない機体は本機が初である。
- 一度でも乗ったMSも含めるのなら、ストライクルージュが初となる。
- 本機喪失後に乗り換えたストライクフリーダム弐式についても、実戦運用を想定していない実験機なためか「X」を含んでいない。
- キラの乗機で最もボロボロにされた機体である。第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦にてクルーゼとの決戦後の初代フリーダムは左腕脚が残存、エンジェルダウン作戦で撃墜された際にも頭部と胴体は原型を留めており、HDリマスターにおけるストライクルージュも右腕は残存だったのに対して、本機は四肢と武装を全て破壊された上に両翼とメインスラスターも失った挙句跡形もなく焼失した。
- 映画公開記念に商品化された「HG 1/144ライジングフリーダムガンダム[クリアカラー]」のプレミアムバンダイ発送分は最速で2024年5月のものが最初だったが、その詳細な発送日は5月17日で、余程の僻地でない限りは翌日の5月18日には品が届くようになっていた。この日といえばそう、キラの誕生日である。わざわざパイロットの誕生日に合わせるあたりかなりこだわっている。
- 当初、プラウドディフェンダーは本機(新型フリーダム)の追加装備という設定だった。
- 「新型で勝つんじゃなく、最後は旧型で勝つ方がカッコいいでしょう?」という両澤氏の発案により、プラウドディフェンダーはストライクフリーダム弐式の追加装備となり、本機はマイティーストライクフリーダムの前座になった。
- 設定自体は一応生きており、「プラウドディフェンダーは元々本機により運用される想定だった」という形となっている。これを汲んだ『FREEDOM』小説版では本機に接続された状態にて調整が行われていた。
- そのため、プラウドディフェンダーと同じ接続規格なはずのストライクフリーダム弐式の機動兵装ウイングも装着できる可能性がある。
- 上記旧設定の名残の可能性もあるが、機体名に「ライジン(雷神)」が含まれており、後半に「フリーダムが雷神の様になる」伏線となっている。
- 開発経緯について、本編の半年前に発生したストライクフリーダムの強奪未遂事件「フリーダム強奪事件」が切っ掛けではないかという説もある。
- その強奪事件では、テロリストの搭乗するストライクフリーダムによる地上の施設への襲撃が行われている。この事態に対してファウンデーション王国所属のブラックナイトスコード ルドラ(スピネル)が出撃、ストライクフリーダムを一方的に蹂躙しながら撃墜、テロリストも死亡した事で鎮圧として解決している。ストライクフリーダムが『第二次連合・プラント大戦を終結させた英雄機』として有名な機体であった事を考えれば、その『英雄』が地上の施設を攻撃したことへの恐怖、その機体に関わるコンパスやオーブへの不信に繋がるのは火を見るよりも明らかである。良く勘違いされることだが、民衆にとって先の強奪事件は『"力の象徴"たる核エンジン機が強奪されたこと』『その力が"暴力"となって無差別な破壊行為に使われたこと』などが何においても糾弾する点であり、MSのパイロットがテロリストであったか否かなどはまったく重要な話では無い。コンパスと言う組織において民衆からの反発はもっとも致命的なことであり、ストライクフリーダムの代替機として用意された機体である可能性も高い(武装構成のフリーダムへの回帰や青主体のカラーリングは、可能な限りストライクフリーダムのイメージから遠ざけようとした結果なのかもしれない)。
- もっとも、この説の場合はライジングフリーダムの開発の切っ掛けや開発した時期は、時系列を整理したとしても強奪事件の後である。アグネスの彼氏で、フリーダム強奪事件への関与を疑われているレオナード・バルウェイはその候補から外れる事になる。レオナードは、小説『月光のワルキューレ』のラストでアグネスと共に本機とイモータルジャスティスをアークエンジェルへと移送する任務に就いていたことは確定しており、事件の発生タイミングにもよるが十分に関与できる立場ではある。
- その強奪事件では、テロリストの搭乗するストライクフリーダムによる地上の施設への襲撃が行われている。この事態に対してファウンデーション王国所属のブラックナイトスコード ルドラ(スピネル)が出撃、ストライクフリーダムを一方的に蹂躙しながら撃墜、テロリストも死亡した事で鎮圧として解決している。ストライクフリーダムが『第二次連合・プラント大戦を終結させた英雄機』として有名な機体であった事を考えれば、その『英雄』が地上の施設を攻撃したことへの恐怖、その機体に関わるコンパスやオーブへの不信に繋がるのは火を見るよりも明らかである。良く勘違いされることだが、民衆にとって先の強奪事件は『"力の象徴"たる核エンジン機が強奪されたこと』『その力が"暴力"となって無差別な破壊行為に使われたこと』などが何においても糾弾する点であり、MSのパイロットがテロリストであったか否かなどはまったく重要な話では無い。コンパスと言う組織において民衆からの反発はもっとも致命的なことであり、ストライクフリーダムの代替機として用意された機体である可能性も高い(武装構成のフリーダムへの回帰や青主体のカラーリングは、可能な限りストライクフリーダムのイメージから遠ざけようとした結果なのかもしれない)。
立体物
ガンプラ
HGCE及びSDEXでの立体化、公開当日である1/26に発売した。
どちらもMA形態への変形を実現しており、HGCEは本体とシールドに専用のジョイントを介する以外は完全変形、SDEXは差し替えで変形を再現している。ただしSDEXはパーツの都合上、ウイングバインダー備え付けのインパルス砲は展開できない(フルバーストモードができない)仕様になっている。
HGはカメラパーツとビームシールドに偏光樹脂を採用している。ただしブラックライトには反応しないため、同時発売だったHGCEイモータルジャスティスと違ってカメラは発光しない。
また、上記の設定を反映して「HGCEマイティーストライクフリーダムガンダム」に付属するプラウドディフェンダーを無改造にて装着することができる。
HGCEは売れ行きが好調だったことから、イモータルジャスティスと共に全国のファミリーマートやローソンでも発売されることとなり、それでもすぐに在庫がはけてしまう有様だった。また、これを受けてマイティーストライクフリーダムも発売日直後からコンビニの取り扱いが開始されている。
2024年5月現在でもネット通販での供給は安定せず、『FREEDOM』のガンプラ在庫が出回ると春頃になってようやく供給も安定してきたHGCEイモータルジャスティスと違い、劇中よろしくHGCEライジングフリーダムだけが局地的に狙われすぐに完売してしまうという事態が相次いでいるのが現状である。
アクションフィギュア
METAL ROBOT魂での立体化が決定している。
劇中のスタイリッシュなデザインで立体化されており、HGと違って翼の中型翼が稼働するので翼を畳んだ状態でも全体的に細身のシルエットとなっている。
こちらも変形時には胴体とシールドに専用のジョイントパーツを用いる。
ただし劇中で披露されていないためか、ビームサーベルの連結機構が再現されていない(連結状態の別パーツも付属していない)。
後に発売された同シリーズのイモータルジャスティスに角度の付いたライジングフリーダム用の手首パーツが付属しており、劇中でデストロイをコンビネーションで撃墜したシーンを再現できるようになってる。
登場ゲーム
機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 OVER BOOST
2024年1月27日に、第4弾追加リリース機体として発表された。
コストは2500で、実装は2月6日アップデートにてプレイアブル機体として参戦した。
映画公開およびガンダムゲームの祭典『GGGP』を直前に控えた2024年1月22日に参戦決定がX(旧:Twitter)にて告知、そして同月27日に開催されたGGGPでの全国大会会場にて翌月実装が正式に発表されるという歴代でもトップクラスのスピード参戦である。
通常のフリーダムと同じく2500コストとなっているものの、こちらは格闘寄りの性能と告知されており特に後格闘は当たり判定の頭身が低くなりながらの攻撃ゆえに相手の射撃をすり抜ける事もある(ただし持続時間は短いので過信は厳禁)。
また、フリーダムからバレルロールは形を変えて引き続き継承されており、バレルロールは格闘中に特殊格闘入力で行う派生、そして再入力で急降下斬りで締める格闘となっている。フルバーストも継承、こちらは銃口は劣るが左右ハの字にレールガン連射も打ち出されるので相手の横移動を狩るような用途にも使える。
SEEDも発動可能。1出撃に一回だけ使える時限強化となっており、ブーストゲージを回復し、機動力を高める効果がある。それゆえ咄嗟の緊急離脱用にも使える。
特徴的な武装としてシールドブーメラン投げがある。普通に投げるとこれは射撃CS・特射・各格闘の突撃中に行うとそれぞれの動作と平行して射出する事が可能となっている。ただし、普通に投げた方が使い勝手がいいのでこの特性はあまり活用されていない。
『コストアップしたエアリアル』と例えられており、初心者にもとっつきやすい率直な武装構成と上級者も使用する優秀な択をもった機体となっている。
特に機動力に関しては同コスト帯でもトップクラスの機動力。耐久値(※注1)が少なめだがその分手堅い立ち回りもできる択も揃っている。加えてシールドブーメラン投げのリロード速度が爆速レベルに早く、メアメキャン(※注2)まで兼ね備えたハイスペック機となっている。それ故に全国大会を前に一回後に一回下方されている。
反面、遠距離武装に乏しく、ある程度積極的な接近戦を挑まないとコスト相応の仕事を果たせないのだが前述のとおり耐久がやや少なめ。ゆえにゲームのセオリーを理解した押し引きが必要となる使い手の腕がはっきり出る機体となっている。
- (※注1)耐久値…他ゲームでいうところのHP
- (※注2)メアメキャン…アシスト呼び出し→足の止まらないメイン射撃へキャンセルルートがある事を活かして硬直を上書きする「アメキャン」と言うテクがあるのだが、メアメキャンは、足の止まらないメイン射撃→アシスト呼び出し→足の止まらないメイン射撃のキャンセルルートを活かして隙の少ない射撃戦を行うテク
モンスターストライク
2024年2月中旬に映画公開記念でコラボし、獣神化前の姿という扱いとはいえ光属性の当たり枠として参戦する。そこにキラだけでなくラクスも描かれている。獣神化後の姿はマイティーストライクフリーダムガンダム。詳しい性能はこちらを参照。
関連タグ
登場作品
関連組織
関連機体
前型
兄弟機
母艦
技術的関連機体
その他
MBF-02 ストライクルージュ:モルゲンレーテ社が別所属の関与した機体をベースに製造した機体の前例。