スペック
型式番号 | RGΖ-91 |
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所属 | 地球連邦軍 |
開発 | アナハイム・エレクトロニクス |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 21.5m |
頭頂高 | 20.5m |
本体重量 | 24.7t |
全備重量 | 55.2t |
総出力 | 2,550kW |
推力 | 89,600kg |
センサー有効半径 | 18,900m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
固定武装 | 60mmバルカン砲×2、ビーム・サーベル、2連装グレネード・ランチャー×4 |
携行武装 | ビーム・ライフル、シールド、ハンド・グレネード×3 |
BWS部武装 | 大口径ビーム・キャノン、ビーム・キャノン×2、ミサイル・ランチャー×2など |
機体説明
アナハイム・エレクトロニクス社が開発した半可変試作MS。Ζガンダムの量産化を目指して開発された機体の1つで、ZプラスR型(プロトタイプリ・ガズィ)を改良した機体でもある。
機体名の由来は「リファイン・ガンダム・ゼータ(Refined Gundam Zeta)」の頭文字の略称。
基礎フレームはΖガンダムのMS形態時のみをコピーして設計されているため、ベース機最大の特徴であった可変機構は脚部を除いてオミットされており、その恩恵としてMS本体のコストダウンを実現した。構造が簡略化されたことにより機体の信頼性と整備性が向上し、更なる装甲強度も獲得した。スラスター推力はZガンダムに比べて下回ってはいるものの、機体本体の軽量化にも成功する。また、胴体部にもジェネレーターを積むことが出来るようになった事から出力も大幅に上昇した。他の改良点には索敵能力の向上などが挙げられる。
可変機構は失ったもののバック・ウェポン・システム(BWS)と呼ばれるオプションパーツが用意されており、これを装備することで大気圏内、宇宙空間で戦闘機形態(SF形態)として運用することが可能になる。ただし、戦闘機形態からMS形態へと移行する際にBWSは排除しなくてはいけないため、戦闘中に逆へ移行する事は実質不可能となっている。
(なお、ネット上では「戦場で排除する上にBWS側にスラスターがついていない都合上パーツは使い捨てになる」と言われることが多いが、劇中ではある程度破損した後でもしっかり回収されている他、分離する際にBWS内蔵のスラスターを使用するシーンがあったりする。)
後継機であるリ・ガズィ・カスタムはBWSは小型化され、背面に折り畳まれる形となり、可変機構を省略しながらもZガンダムのコンセプトに回帰しようとした。
可変MSとしては比較的安価な本機だが、第一次ネオ・ジオン抗争後に吹き荒れた経費圧縮の煽りを受けたため量産化は見送られ、試作機がロンド・ベル隊に配備されたのみに留まっている。
また、Ζ系特有のピーキーな操作特性も改善されておらず、本機に搭乗したアムロ・レイはνガンダムの設計に際し、同機にオーソドックスな操縦性を付与するに至ったとされている。
形状はΖガンダムと似ているが、頭部から細長いロッド状のアンテナが出ている。機体色はブルーグレー。
2度目の戦いでこの機体を見たギュネイ・ガスは、当初アムロが乗っているガンダムだと勘違いしていたが、アムロの乗ったνガンダムが現れてからは「ガンダムもどき」呼ばわりしていた。
劇中における活躍
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』劇中では、当初はアムロ・レイが搭乗し、5thルナでの戦闘でギュネイ・ガス搭乗のヤクト・ドーガを追い詰めるが、シャア・アズナブルが搭乗するサザビーには付け入る隙がなく、シャアには「そんなものでは」とまで呼ばれ撤退せざるを得なかった。
アムロがνガンダムに乗り換えてからはケーラ・スゥが搭乗。しかしギュネイの駆るヤクト・ドーガとの戦闘で中破し、コクピットから逃げようとしたケーラも人質となり最後には死亡してしまう。
その後チェーン・アギがサイコフレームが多いほうがアムロが有利になると考えた為、メイン・エンジンの一つを修理してあるものの半壊の状態で、アストナージの制止を無視して出撃。
α・アジールとの遭遇戦ではパイロットであるクェス・パラヤがハサウェイ・ノアに説得されている隙をついてグレネードを発射、νガンダムとの戦闘で損傷していた頸部パイプにたまたま直撃し、これを撃破するが、直後に逆上したハサウェイのジェガンから攻撃されて爆砕した。
小説『ベルトーチカ・チルドレン』ではベルトーチカ・イルマが搭乗し、お腹の赤ん坊の力もあり、サイコ・ドーガを撃墜する戦果を挙げ、最後まで母子パイロット共々無事であった。
劇場版では作られたのは1機のみの設定であったが、アニメ『機動戦士ガンダムUC』では新たに製造した(または予備機として残されているもの)と思われる本機がラー・カイラムの格納庫に再配備されている。なお、この機体は第二次ネオ・ジオン抗争時のものと配色が異なる。
関連イラスト
関連動画
バリエーション
リ・ガズィBWS
型式番号RGΖ-91。
『逆襲のシャア』に登場。
文字通りバック・ウェポン・システムを装備して戦闘機形態となったリ・ガズィ。
バック・ウェポン・システムそのものはオプションパーツとしてはかなり大型であり、この状態ではリ・ガズィ本体をそのまま内部に格納するような形となる。
ビーム・キャノン2門にミサイルランチャー、更に主砲としてメガ・ビーム・キャノンを装備。
機動性や推力、火力はZガンダムのウェイブライダー形態を上回っており、リ・ガズィがZガンダムの後発機として優れている数少ない点の一つにもなっている。
なお、小説版『ベルトーチカ・チルドレン』では、BWSをバックパックとして背部に装着することで、MS形態のままでもBWSをパージせずに運用している場面が見られた。
リ・ガズィ・カスタム
型式番号RGΖ-91B。
メカニックデザイン企画『CCA-MSV』に登場。
リ・ガズィの発展機。BWSを背部に装備しているためMA形態への変形が可能となっている。
詳細はリ・ガズィ・カスタムを参照。
リガズィード
型式番号RGΖ-91X。
漫画『機動戦士MOONガンダム』に登場。
リ・ガズィの開発過程において実験的に試作された機体で、コストの高さを理由に制式採用モデルに選ばれなかったもの。アムロ・レイが唱えたコンセプトが強く反映されており、機体名の「Re-GΖID」には「リ・ガズィの理想形(Ideal)」の意味が込められている。
詳細はリガズィードを参照。
プロト リ・ガズィ
型式番号RGΖ-91-X2
雑誌企画『Spirit of VMsAWrs ΖPlus Possibility』に登場。
ΖプラスR型をベースとしてリ・ガズィ以前に造られた試作実験機群のうち、2番目に開発された機体。
BWSの型式を模索する中で、Gディフェンサーの影響が色濃く現れた試作機であり、BWSに独立したコックピットを設けることで単独でも高機動戦闘機として運用できるようになっている。
一方、機体本体に完成形のリ・ガズィとの大きな差異はなく、頭部などの仕様が若干異なる程度となっている。
また、Gファイターのような巨大航空機と合体するRGΖ-91-X1や、BWSを洗練させたRGΖ-91-X3などの試作機も並行して開発されたという。
武者リ・ガズィ
型式番号JF-91(TYPE-M)。
雑誌企画『プロジェクトMUSHA』に登場。
第二次ネオ・ジオン抗争後、木星圏で活動する宇宙海賊がアナハイム社から流れたデータを元に開発したリ・ガズィの派生機。
対ビーム兵器用の偏光チャフを内蔵した鱗状のリアクティブアーマーを全身に纏うことで、武者鎧のようにも見える外観を形作っている。また、加速性を重視した専用バックパックを装備しており、プロペラントの容量も原型機の3倍に強化されている。
武装はビームナギナタ「ベンケイ」など。
リゼル
型式番号RGΖ-95。
小説・アニメ『機動戦士ガンダムUC』に登場。
リ・ガズィの後にRGΖ系列に連なる機体。ジェガンなどのジム系MSやZⅡの系譜も継いでいる。
詳細はリゼルを参照。
ライトニングガンダム
型式番号LGΖ-91。
アニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』に登場。
リ・ガズィをベースとした改造ガンプラ。
詳細はライトニングガンダムを参照。
立体物
1/144シリーズ、BB戦士、MG1/100シリーズ、HGUCシリーズにてラインナップ。各々、劇中同様の装備が同梱されている。ただし、1/144のみMS本体のみの製品化となっている(BWSはガレージキットで発売されていた)。
BB戦士では、簡易ではあるがBWS⇔バックウェポンを組み替える事で装備可能。 スプリングによる発射ギミックが組み込まれている。
MG、HGUCではBWSもキットに含まれ、BWS装備を再現可能。
UC仕様はプレミアムバンダイにてMGの仕様変更版(ユニコーンver)として販売。成形色が変更されているだけでなく、各部パーツがグレードアップされている。
SDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。 ※現在、入手困難
ゲーム作品において
スーパーロボット大戦シリーズ
『第3次』から初登場し、作品によって強かったり弱かったりと性能はばらつきがある。
基本的に、BWS装着中に撃墜されるとMS形態に移行、その場合は修理費無しという自部隊に優しい特性となっている。例外的に『Z』では常時BWS装着状態となっていてこの仕様は無い、
ただし『BWSアタック』というゲームオリジナル技が追加されている。
基本的にアムロがνガンダムに搭乗するまでの繋ぎという立ち位置だが、作品によっては他のパイロットがリ・ガズィに乗っていたり、中には2機入手可能な作品もある。なお『第2時α』では第38話にてアムロをリ・ガズィに載せ替えてMS状態でササビーと交戦させると後々隠し機体が手に入るという分かりにくい隠し要素がある。
Another Century's Episodeシリーズ
二作目で参戦。BWS装着中はバルキリーのような航空機系機体の操作になる。ただし、原作同様に一度BWSを外すと同ステージ内では再装着はできない。
BWS装備中もMS形態も火力が足らず、ほぼほぼ趣味機体となる。
機動戦士ガンダム EXTREME VS.シリーズ
当初はガンダムVSガンダムのνガンダムのアシストでの登場だったが、マキシブーストの時代に行われた「真夏のマキシブースト祭」第3弾追加リリース機体として参戦。 パイロットはチェーンでコストは1500。覚醒するとサイコフレームの緑色が横切り敵の射撃から盾になるというアクシズショックの細かい演出がある。
「出撃時はBWSを装着した状態」「一定時間経過もしくは任意によりMS形態に移行する」となっており、前半は常時飛行形態という特異な機体。おかげでこれが複数プレイヤーが使用している試合だと『エース●ンバット』『スター●ォックス』なんて揶揄されることも。
が!
いざ対戦研究が進むと、多くのプレイヤーからヘイトが集まるレベルで厄介極まりない機体だと判明する。
BWS装着中の戦闘機形態、他の機体と違いブースト消費が無い(Zガンダムらも変形中はブーストゲージを消費するので、長時間は変形できない)。それ故、ブースト切れの瞬間を狙うというこのゲームのセオリーが使えない。
また、BWS装着中は機首を動かすことでムチのようにしならせるゲロビ等々の優秀な射撃武装を取り揃えている。反面、MS形態時は凡庸な性能で攻撃面はBWSが担っている。
コスト的に2500コストと組ませてもいいのだが、出撃してすぐから一定時間は強いという特性を利用し、迎撃能力が高い3000コスト(例:ガンダムAGE-FX等々)と組ませてリ・ガズィが全ての戦力ゲージを使う勢いで弾をばら撒いて暴れるという異色の策も生み出されている。これが有名な『リ・ガズィ爆弾戦法』である。さすがにマキシブーストの時代に下方修正が入ることになる。
家庭版フルブーストにDLCとして実装。ゲームシステムに合わせ1000コストになっている。耐久もそれに合わせて大幅に下げられたが、代わりに爆弾戦法をやるとBWS装備したリ・ガズィが7回出撃できる。
おかげで対戦部屋にてリ・ガズィは禁止というルールがもうけられるのは日常茶飯事となっている。
SDガンダムでは
基本的にνガンダムかZガンダムに関わるキャラとなる事が多い。
以下はリ・ガズィをモデルとしたキャラ。
作品名 | キャラクター | 備考 |
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『SDガンダム外伝 アルガス騎士団』 | 騎士リ・ガズィ | 剣士ゼータの側近 |
『SD戦国伝 武者七人衆編』 | 吏・我髄 | 仁宇の親友 |
『SDガンダム三国伝』 | 孔明リ・ガズィ | 実はその正体は… |
「情けないモビルスーツ」問題
シャアのセリフである「情けないモビルスーツ」は対象がリ・ガズィであると勘違いされることが多いが、この情けないモビルスーツとはリ・ガズィの事ではなく「サイコフレームを搭載する前のνガンダム」のことを指している。
とはいえ、サイコフレーム抜きでもνガンダム>リ・ガズィであることには変わりなく、シャアからすればリ・ガズィなどそもそも語るにも値しない所であろう。
そんなリ・ガズィではあるが、映画冒頭ではヤクト・ドーガを撃墜寸前まで追い詰め、シャアが手加減していたとはいえサザビーに対して接近戦に持ち込み、更にライフルを破壊するという戦果を上げている。
ケーラが搭乗した時にはヤクト・ドーガに歯が立たなかったこともあって、アムロの技量の凄まじさを証明するのに十分な役割を果たしたといえる。
関連タグ
ガンダム 機動戦士ガンダム逆襲のシャア アムロ・レイ RX-78 ガンキャノン ガンタンク
リック・ディアス ディジェ νガンダム
Zガンダム ZII Zガンダム3号機 ゼータプラス
スコーピオ(MS) 新生ガンダム:オプションパーツによって形態変化するMS。