確信が持てるまでは、なんでもやる!それが、戦争で宇宙を汚した我々の仕事だっ!
スペック
型式番号 | RX-93-ν2 |
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頭頂高 | 20.0m |
全備重量 | 63.0t |
総出力 | 2,980kW |
スラスター推力 | 97,800kg |
概要
小説『ベルトーチカ・チルドレン』及び、『CCA-MSV』に登場する地球連邦軍のNT用ガンダム。
設定とデザインが2種類づつ存在し、設定により機体の位置付けが大きく異なる。
νガンダムとの相違点はファンネル・ラックにフィン・ファンネルを再装着・リチャージが可能である点が挙げられ、これによってフィン・ファンネルの稼働時間が格段に向上している。
デザインは数種類あり(詳しくは後述)、細かいディテールやシルエットに差異が見られるが、バックパックのスタビライザー、2本のプロペラントタンク兼スラスターユニット、左右対称に配されたファンネル・ラックが特徴という点は共通している。プロペラントタンクの増設により、機体の稼働時間も向上している。
スペックは当初νガンダムのアレンジに過ぎなかったため、νガンダムと同性能の数値が掲載。後にHi-νガンダムとして確立後も、数値はそのまま転載されてしまっている(一部ではジェネレーターの出力が向上しているという設定もある)。νガンダムに比べ、Hi-νはスタビライザーやアーマーのスラスター数は格段に増えており、プロペラントタンクも増設されたため、少なくとも重量とスラスター推力の数値は上がってないとおかしい)
機体設定
機体の設定は2種類あり、"小説版νガンダム"としての『ベルトーチカ・チルドレン』設定と、「νガンダムの後継機」とする『CCA-MSV』設定に分けられる。
1.小説版νガンダムとしての設定
1988年に富野由悠季が発表した小説『ベルトーチカ・チルドレン』版のνガンダムをHi-νガンダムとする設定。この小説は映画版と登場するキャラクターやMSの設定が異なるパラレルワールドであり、この設定の場合、映画の(ノーマルの)νガンダムと立ち位置は同じであり、「パラレル版νガンダム」と言える(小説中でも単に「νガンダム」と呼ばれる)。また、こちらには「サザビー」は存在せず、シャアは「ナイチンゲール」に搭乗する。
また、サイコ・フレームの入手経路も映画と異なる。5thルナにシャア・アズナブルが意図的に、サイコ・ドーガの放棄を命じ、ロンド・ベルに鹵獲させる事でサイコ・フレームを流出させている。ロンド・ベルはこの後、サイコ・ドーガからサイコフレームを直接切り出し、ガンダムに貼り付ける荒技で実装した。
(余談だが、このサイコ・ドーガは、映画のヤクト・ドーガに相当する小説オリジナルMSで、一部書籍ではサイコ・ギラ・ドーガとも呼ばれる。『CCA-MSV』のサイコ・ドーガと同名であるが全くの別物。)
デザインはリファイン版が定着している。2007年、マスターグレード化に伴い出渕裕によりリファインされ、解説書にも小説の機体として解説が掲載される。その後、HGUCや2014年の漫画版『ベルトーチカ・チルドレン』も発売されている(小説版νガンダムの項も参照)。
2.νガンダムの後継機としての設定
『CCA-MSV』に分類され、映画『逆襲のシャア』の世界観に合わせ、νガンダムの強化発展型として新規開発された機体とされる。実質3ヶ月という短期間で急造・実戦投入されたνガンダムはまだ随所に改良の余地があり、νガンダムがロールアウトし実践投入された後、アナハイム・エレクトロニクスは独自に開発計画を開始。
「Hi-νガンダム」のコードネームの元に開発され、後にアムロ・レイが本機の基礎設計を修正したとする資料も存在する。急造のνガンダムと違い、十分なテストを重ねて実施して完成した機体とされ、総合性能はνガンダムを上回る。
本機の搭乗者と目されていたアムロが第2次ネオ・ジオン抗争中に行方不明になったことを受け、本機の存在は秘匿扱いとされた、とする資料もある。
このHi-νガンダムの開発に前後して、アナハイム社はシャアへの恩義から大型MSであるナイチンゲールを開発し、ネオ・ジオンに渡したとされるが、詳細は不明。
デザインは主にHJ版やVer.Ka版が使われている。
デザイン、立体物
デザインも大まかに二種類に大別される。
HJ版
(正式名称ではないが、便宜上、「HJ版」として区別する)
主に『CCA-MSV』の設定で使われるデザイン。
紫と白(または青と白)を基調にした機体カラーに末端肥大気味(マッシブ)な手足を持ち、フィン・ファンネルがグラデーション塗装された「ホビージャパン/データコレクション版」(後述するVer.Ka版はこちらをベースに再デザインしたもの)。1990年に『ホビージャパン』(以下、HJ)に掲載された、出渕裕による新規の設定資料を原点としている。
他の特徴として、ツインカメラはエメラルドグリーン、胸部のダクトがイエローになっている点が挙げられる。
バックパックのスタビライザーは独特の形をしており、プロペラントタンクは太く長い。
書籍『データコレクション7 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にて設定画を紫と白に着色したイラストが掲載された。νガンダムの強化発展型としてされ、『CCA-MSV』の機体に後から分類されている。
武装については、ビームライフルやフィン・ファンネルは最初の作例でデザインが起こされていた。それ以外は、『ホビージャパン』や『データコレクション』に掲載された時点では設定の記述はあるがデザインは描かれていなかった。
『B-CLUB』の各種ガレージキット、『リアルロボット戦線』や『スーパーロボット大戦α外伝』等のゲームでは、ビームライフルも含めオリジナルデザインになっている。
CCA-MSV設定のHi-νガンダムとして有名なのは紫と白のカラーリングであり、『スーパーロボット大戦α外伝』の初登場で有名。
一方、原点であるHJの作例は青と白であり、「MS大全集」掲載のものは、カラーリングのみ青と白(ファンネルは白一色)に変更されている。ゲーム初登場となった『リアルロボット戦線』ではこちらのカラーリング。
Ver.Ka版
前述のHJ版を基に、2014年にカトキハジメにより再デザインされたもので、HJ版のバリエーションと言える。機体色は紫と白をベースにしたマッシブなスタイリングに戻され、「マスターグレード Hi-νガンダム Ver.Ka」として発売された。ファンネルもグラデーション塗装が再現された(実際のキットでは付属のデカールで表現)。
右腕部の武装は、Ver.Kaでは4連装のビーム・ガトリングガンに変更されており、こちらは格納式となっている(ビーム・トンファーとしても使用可)。
書籍『マスターアーカイブ モビルスーツ RX-93 νガンダム』には新設定画と共にCCA-MSVの強化発展機として紹介されている。『機動戦士ガンダムオンライン』等ではVer.Kaのデザインで登場しているほか、食玩の『Gフレーム』等ではVer.Kaのデザインで立体化されている。
オプションパーツであるHWS(ヘビー・ウェポン・システム)も装着できる。
Hi-νガンダム HWS
「マスターグレード Hi-νガンダム Ver.Ka」にヘビー・ウェポン・システムを装備した形態。νガンダムHWSのHi-νガンダム版。これはカトキがHi-νガンダム Ver.Kaに装着することを出渕に許可を取った上で、デザインを考案し装備させたとのこと。
νガンダムと同様の構成の第一形態と、ハイパー・メガ・シールド用の増加パーツをバックパックに装着し、ニュー・ハイパー・バズーカを背中に二本マウントした第二形態の二種類が存在する。フロントスカートにはジ・Oやナイチンゲールと同様の隠し腕を持ち、ミサイルランチャーは肩部に加えて胸部にも内蔵されている。また、ハイパー・メガ・ライフルはビーム・ライフルの外装オプションという形で設定されている。ハイパー・メガ・シールドの砲身は2連装メガ粒子砲およびブースターとして機能する。
リファイン版
2007年に『マスターグレード』で公式設定化された際、出渕により再デザインされたもの。淡い青と白をベースにシルバーと金をアクセントに使った「リファイン版」(正式名ではない)。
現在では「ベルトーチカ・チルドレン版νガンダム」として知られており、同じ仕様で『HGUC』、『ROBOT魂』としても発売されているほか、さびしうろあき作の漫画版『ベルトーチカ・チルドレン』やドラマCD(復刻版)にも使用されている。また、漫画版ではメカ作画担当の柳瀬敬之によりデザインが調整されている。
劇場版『逆襲のシャア』と別に、同小説が参戦作品にあるゲーム(『EXVS』シリーズや『スーパーロボット大戦X』、『スーパーロボット大戦T』等)では、このデザインで登場し、アムロ本人が搭乗する。その際、アムロは『ベルトーチカ・チルドレン』特有のセリフを言うものもある。
HJ版から体型は大幅にスリムに変更された。機体は鮮やかな青と白を基調としたカラーに変更された。胸部ダクトはシルバー、ツインカメラはイエローに、ファンネルは青一色に塗られ、印象が一気に変わった。膝アーマーやダクトなどに銀が使われ、関節やプロペラントタンクの接合部には真鍮に似た金色が使われている。
スタビライザーの形状はZガンダムのロング・テール・スタビライザーに似た形状に変わり、プロペラントタンクはHJ版よりも細く短くなった。
これらの装備をはじめ、後のシナンジュはこのリファイン版のデザインと類似点がある。
シールドは青と白のスプリッター迷彩になり、裏面にビーム・ガン用のジェネレーター搭載とされる。
新規の武装として右腕部に単装マシンガンが追加された。(後部にマガジンラックを着脱可能)
小説・漫画『ベルトーチカ・チルドレン』ではそのまま「νガンダム」と呼ばれ、「Hi-ν」の呼称は使われていない。これは映画逆襲のシャアのνガンダムと、見た目は違うが全く同じ機体であり、あくまで「小説版νガンダム」である為(「Hi-νガンダム」とは、あくまで劇場版に登場したνガンダムと区別する為の便宜上の名前という意味合いが強く、同様の手法は、TVシリーズ『新機動戦記ガンダムW』とその続編であるOVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』に於いても用いられている)。
ROBOT魂版
2015年発売のフィギュア。ほぼデザインに変更はないが、プロペラントタンクが太く長いものに変更されているほか、体型がHJ版に近いマッシブなものになっている。再発売品の「Re:Package版」はさらに機体色の青が赤みを帯びた紫に変更されている。
その他
METAL ROBOT魂 ベルトーチカ・チルドレン版
2019年発売のフィギュア。従来の『ROBOT魂』のものは(ややマッシブ寄りの体型とプロペラントタンクの造形以外は)リファイン版であったが、改修版の「ベルトーチカ・チルドレン版」は新規パーツによる上半身と腰部フロントアーマーのボリュームアップとデザイン変更が行われ、紫の機体色と相まって更にHJ版に近くなり、『RG』版と同じく両者の折衷案と言えるデザインが採用されている。
スマホ用ゲーム『スーパーロボット大戦DD』登場のHi-νはこのデザインを採用していると思われる。
HJ版に近いマッシブな体型に、プロペラントタンクがHJ版のように太く長いものに変更されているのは従来通りだが、頭部はHJの作例のような造形の新規パーツになり、ツインアイの色はエメラルドグリーンに変更された。バックパックのスタビライザーもHJ版に近い。
青一色に塗られたファンネルやスプリッター迷彩のシールド、胸部ダクトや膝アーマー等に使われる差し色の銀や金のカラーリングは引き続きリファイン版を継承している。
ガンダム アーティファクト版
2021年発売の食玩キットで、バックパック形状より恐らくHJ版に分類されると思われる。ただキットが小さく無彩色であるため厳密には不明。シリンダーなどを追加し、本シリーズ特有の工業製品然としたデザインにアレンジされている他、パッケージ用のデザインにはマスクにスリットが2本しか無い。
RG版
前述のリファイン版を基に再デザインされたもの。2021年に「リアルグレード Hi-νガンダム」として発売。
そのデザインはRG特有のモールドが入りつつも、HJ版とリファイン版の特徴的、もとい評価の高い部分を掛け合わせたキメラとなっている(これは先述の「METAL ROBOT魂 ベルトーチカ・チルドレン」版も同様である)。
出自はキットによれば『ベルトーチカ・チルドレン』版のνガンダムとされるが、当然漫画版などの公式版(リファイン版)デザインとも異なっており、模型オリジナル解釈のデザインである。
機体本体はリファイン版をベースに、HJ版の頭部デザインとマッシブな体型を盛り込んでいる。リファイン版がベースである点は、カラーリングが鮮やかな青をベースに銀と金の差し色が使われていること、ツインアイがイエローであり、シールドのスプリッター迷彩、右腕部にマシンガンがある点が挙げられる。
異なる点は、バックパックはHJ版をベースに、リファイン版の青系のカラーリングで機体色を表現。スタビライザーは形状こそHJ版のそれだが、折りたたんでリファイン版の様なテール状にも出来る。プロペラントタンクもHJ版のように太く長いものに変更されている。ファンネルの色は完全なグラデーションではなく、見せた白、薄紫、青の三色のパターンを配置し、段階的にパターンで表現されている。
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このように媒体によってカラーリングや体型のデザインには差異があり、デザインの好みも人によって賛否が分かれている。
立体物の体型については関連イラストや公式設定画よりも太めにアレンジされることもある。程度はその都度異なっており、常に調整とアップデートが繰り返されている。
武装
基本的にはνガンダムのものと違いは無いが、本機のみが装備するものや装備数に違いがある。以下にそれを記載。
頭部バルカン砲
ビームライフル
形状は異なるが元と同性能。
ビームサーベル
装備位置がファンネルラックの基部に変更され、本数も左前腕部の予備と合わせて3本へと増加している。
また模型のビーム刃は、νの曲刀・ピンク色から直刀・水色へと変わっている。ゲームと一部のフィギュアではピンク色のままである。
シールド(リファイン版)
表面は青と白のスプリッター迷彩塗装がされている。裏面にビームガン用のジェネレーターを装備するが、ビームキャノンやミサイルは無い。
シールド(Ver.Ka版)
表面はノーマルのνガンダムと同様、真っ白に塗装され、赤いロゴがあるシンプルなもの。裏面にビームキャノンとミサイルを4発装備する。
腕部マシンガン (リファイン版のみ)
右前腕部に内蔵。単装実弾式で肘にマガジンが装備されている。
腕部ビーム・ガトリングガン (Ver.Ka版のみ)
Ver.Kaの武装。右前腕部に内蔵された4連装のビームガトリングガン。使用時はカバーがスライドし、砲身が迫り出す仕組み。
中央部にはビームサーベル発振器があり、左前腕部の予備ビームサーベルと共に、ユニコーンガンダムのようにビーム・トンファーとしても使用することが可能となっている。
ニュー・ハイパー・バズーカ
νガンダムとほぼ同一の武装。Ver.Kaではバズーカ砲身の伸縮ギミックが追加され、HWSは2本装備している。
フィン・ファンネル
前述の通り、ファンネルラックに装備される。ゲームで使用するとララァをモチーフとした白鳥が登場することがある。
ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー
アクシズの核パルスエンジンを破壊するために使用した大出力ビーム兵器。ラー・カイラムより伸ばされたエネルギー・チューブを機体に直結するエネルギー供給システムで運用されている。
ゲームなどでは登場していたが、実は武器の具体的なデザインは長らく設定されておらず、
別デザイナーによる2種類のデザインがのちに登場する。2011年末発売の機動戦士ガンダムEXTREME VS.と、ガンダムエース2016年12月号掲載の漫画版ベルトーチカ・チルドレンで柳瀬敬之によるデザインがそれぞれ登場している。
立体化も前者はMETAL ROBOT魂やGフレーム等、後者はRGでそれぞれ果たしている。
ちなみにそれ以前の『第2次スーパーロボット大戦α』と『第3次スーパーロボット大戦α』では、MAP兵器使用時にユニットアイコンで長い砲身を構える。
しかし、現在も出渕によるデザイン画は発表されておらず、正式デザインは定かではない。
設定成立までの経緯
小説『ベルトーチカ・チルドレン』の8・9Pの口絵で描かれた「小説版νガンダム」が事の始まり。
出渕裕氏が小説用にνガンダムをアレンジして描き下ろしたものであり、それは映画のνガンダムとディテールが異なっていた。
月刊誌『ホビージャパン』やアニメ誌『ニュータイプ』ではこの「小説版νガンダム」をスクラッチする企画が立ち上がった。その際、ホビージャパンに出渕裕氏による新たな設定画が線画で掲載され、機体の全体像が初めて明らかにされた。
その後、好評を博したことから『B-CLUB』よりガレージキットとして発売。νガンダムの初期ネーム案であった「Hi-Sガンダム」(シャアを超える、という意味だが、実際のスペルは"Char")を受けて、あるいはνガンダムの上("Hi")という意味を込めて、初めて「Hi-νガンダム」として世に出た。
次の転機となったのは書籍『データコレクション7 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。この本で初めて「十分にテストを重ねたνガンダムの発展型」とする機体の解説がなされ、『CCA-MSV』に属するνガンダムの後継機となった。前述のホビージャパンの設定画を紫と白を中心に着色が施され、フィン・ファンネルはグラデーションになった(便宜上、これを「初期デザイン版」とする)。
その後、ゲーム『リアルロボット戦線』を筆頭に、『SDガンダム Gジェネレーションゼロ』『スーパーロボット大戦α外伝』などTVゲームに順次出演。この時、初期デザイン版の姿で「νガンダムの完成型」として登場。徐々に知名度が上がっていき、完全にνガンダムとは別の機体としての地位を確立していった。
2007年にHi-νガンダムを『マスターグレード』で商品化する企画が立ち上がる。その複雑な出自とアニメ本編未登場という立場から、サンライズからすれば、厳密には「アンオフィシャルな機体」だった為、公式設定化する必要があった。
サンライズ主導で公式設定化がなされ、この際、出渕氏によってデザインが一新された。淡い青と白をベースに、銀色をアクセントカラーに取り入れたデザインで、シールドはスプリッター迷彩柄となり、脚部はνガンダムに近い細身のデザインに、背部スタビライザーもシンプルなデザインになった(便宜上、これを「リファイン版」とする)。この時、プラモデルの組み立て説明書では小説『ベルトーチカ・チルドレン』準拠の解説がなされ、νガンダムの上位機種という扱いはされなかった。
一方、公式化後も『スーパーロボット大戦』シリーズや『Gジェネレーション』シリーズ、『ギレンの野望 アクシズの脅威』等においては「νガンダムの発展型」あるいは「十分なテストを重ねて完成されたνガンダム」という『CCA-MSV』準拠の設定で登場し、この設定を掲載した書籍も存在する。
2014年に月刊コミック誌『ガンダムエース』にて小説のコミカライズが始まり、このリファイン版デザインで登場。
同じ年、カトキハジメ氏によって再デザインされた『マスターグレード Hi-νガンダム Ver.Ka』が発売(便宜上、これを「Ver.Ka版」とする)。これは初期デザイン版を基に、ボリュームのあるプロポーションと、紫と白ベースの機体色に戻したもの。他の各部の配色も初期デザイン版に準じている。『プレミアムバンダイ』限定のキットを使うことで、さらにHWS化をすることも可能である。
バリエーション
Hi-νガンダム(GPBカラー)
『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』に登場するガンプラ。ガンプラという事もあり、デザイン自体はリファインされた後のものが利用されているが、作画的に末端肥大気味なアレンジが加えられており、イメージ的にはリファイン前のHi-νガンダムに近い。
使用されているキットは『HGUC』であり、同キットを三つ使って背中のフィン・ファンネルを全て可動式の物に変えており、ハルの乗るビギニングガンダムを苦しめた。
また、所有者であるコウジ・マツモトの考えたオリジナルカラーリングが施されているが、実際にプラモを作ったのは彼のマネージャーである。自身が作った訳ではない為、脚部のポリキャップがしっかりはまっていないという弱点に気付かず、そこを突かれて敗北した。
後にコウジが自ら組み立てたHi-νガンダムが登場したが、ハルのビギニング30ガンダムの前に撃墜された。
なお、Hi-νガンダムは今作にて映像作品初登場となっている。
Hi-νガンダムヴレイブ
『ガンダムビルドファイターズ』の外伝作品『ガンダムビルドファイターズA』に登場するガンプラ。
詳細はHi-νガンダムヴレイブを参照。
ゲームにおけるHi-νガンダム
ガンダムバトルシリーズ
『ガンダムバトルユニバース』、『ガンダムアサルトサヴァイブ』に登場。
オリジナルを含め4機参戦しているνガンダムのバリエーション機の中で別格の強さを持った機体であり、ゲーム全体でも最強クラスの性能を誇る。その強力な射撃武装は一歩も動かず射撃ボタンをポンポン適当に押すだけで大概のミッションはクリアできてしまうほど。
それだけに入手難易度も高く、どちらの作品でも数多の難関ミッションをクリアした後にEXボスとして登場する本機を撃破しなければならない。
しかし、アクションゲーム初参戦の目玉機体であったためか、バトルユニバースの体験版では最初から使用可能だったりする。
機動戦士ガンダムEXTREME VS.シリーズ
最高コスト3000の機体として登場。アーケードゲーム作品でのHi-νの登場はこれが初である。ビームライフル、バズーカ、フィン・ファンネルとνガンダムに似通った性能を持つが、“サイコフレームの共振”という時限強化武装を持ち、自機左右に停滞もしくは敵機を追尾そして攻撃といったファンネルの使い分けができる事、格闘のモーションが変更されている事、バーストアタック(通称:覚醒技)として一撃必殺の威力を持つハイパーメガバズーカランチャーが使用できる点がνガンダムと異なる。
特筆するのは時限強化武装のサイコフレームの共振。使用中はシールドガード成功時とよろけ攻撃被弾時ラックにファンネルが1基以上あると停滞が1発出てビーム反撃・敵に射出したファンネル1基が二連追尾を行うようになるといった数少ない「ビットが押し付けとして機能する」機体(ただし、サイコフレームの共振終了時にファンネルの残弾が強制的に0になるので要注意)。それ以外にも3000コストだけあって射撃・格闘どちらもソツなくこなすことができる。
ただし、通常のνガンダムと違ってバリアを盾にした強引な押し込みが出来なくなっており、この機体も特段自衛力に優れるわけでもない。荒らされると弱い面もあるので、逆シャア時代のアムロらしい手練れた戦いで堅実かつアグレッシブに敵を制していくことが求められる。
PS3用の家庭用『EXVS』で購入特典として、Hi-νガンダムがDLできるプロダクトコードがついていた。後にPSストアでDLできるようになっている。その後アーケードの『EXTREME VS.』においてアーケードにも正式に登場した。
通常のνガンダムと差別化するためか、同じ「逆襲のシャア」でも参戦作品の枠が別になっている。また、パイロットであるアムロのグラフィックも変わっている。νガンダムはパイロットスーツだが、Hi-νガンダムは軍服になっている。セリフにも小説に合わせた変更がなされている。
続編『FULL BOOST』でも登場。νガンダムと共に単発ダウン射撃「ビーム・ライフル【高出力】」を得た上、共振のデメリット(共振終了後にフィン・ファンネルの弾数が0になる)がなくなり強化された。
これまでνとは時限強化以外の差別化に乏しかったがエクバ2にて大々的な変更を、さらにアップデートで更なる変更を受ける。
まずサイコフレームの共振は覚醒中限定となる。その代わり射撃CSは腕部マシンガンに変更、ぱっと見は地味だが、格闘や足の止まる武装をキャンセルすると自由落下可能という降りテク用武装としては有用。また、覚醒中と違いバリア展開こそ無いものの、ハイパーメガバズーカランチャーが通常時でも使用可能、それに加えてキュベレイら同様に、後格闘で触れるとスタンさせるオーラをSA付きで発生可能となった事で安直に近づいてくる相手なら軽く返り討ちにできる。
後のアップデートでファンネルは格闘CSで一斉展開と一斉射出の2択に、他にも軸をずらしながらバズーカ3連射、横特殊格闘で格闘機顔負けの高速回りこみ斬りと近距離での攻めも守りもこなすスピーディな万能機にとなった。
じっくり戦うのには不向きだが、その分相手を逃さずに追い詰めて仕留める戦法を得意とする。格闘・射撃どちらにも強力な択を持ており、それに加えて降りテクのブーストゲージ回復を加えた高機動戦法で対戦環境でもトップクラスに要注意機体として猛威を振るうことに。それゆえ全国大会翌月のアップデートで下方修正を施されてしまった。
それゆえ、オーバーブーストでは前述の高速回りこみ斬りは復活した時限強化中限定の格闘となった。仕様変更後は環境下位に長らく落ち込んでいたが、アップデートで一部武装強化と同時に時限強化中はメイン射撃と同時にファンネルが攻撃するように変更。ところがファンネルが強化される時限強化だったがゆえに、いざ共振が始まると回避困難レベルのファンネルが他射撃武装と共に飛んでくる恐ろしい弾幕機へと化してしまい、全国大会前に三回終了後に二回ほど下方修正を受けることになっている。ちなみに上方され環境入りした機体の中では下方修正最多クラスである
Gジェネレーションシリーズ
各シリーズともに高価だが、コストに見合った性能を誇る。
PS1版では『ZERO』『F』等に登場、デフォルメ化されてはいるが、小説版をもとにしたカラーリングで登場する。
PS1版の武器は4つまでしかないが、サーベル/ライフル/バズーカ/フィン・ファンネルと意外と豊富で、パイロットの能力とNTレベルが高ければ一線で十分に活躍できる。
PS2版の『NEO』と『SEED』でもやはり小説版カラーで登場。武器が4種類以上(スペシャルアタック含む)になったことからさらに戦いの幅が広がった。
そして『SPIRITS』では、先に販売されたプラモデル『MG(マスターグレード)』と同様のカラーデザイン等が変更されたものにリニューアルして再登場。『SPIRITS』時代の武器は、バズーカの代わりにビーム属性のメガランチャーを使えた。で、そのメガランチャーだが、なんとバズーカからビームを発射している。当時まだ具体的なデザインが無かったハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーの代わりだろうか?
次作『WARS』にてメガランチャーがMAP兵器に変更されてしまったが、ハイパー・バズーカが復活し、Iフィールド持ちへの対策の幅が広がった。因みにアムロを乗せた際、登場演出が専用のものに変化する。必見。
プラットフォームをPSPに移した『WORLD』および『OVERWORLD』でも続投しているが、この辺りからHi-ν冬の時代が始まる。
原型機(兄弟機?)であるνガンには、新たなバリエーションとして武装が豊富なヘビー・ウェポン・システム形態が追加された。しかもこのHWSには「パージ(任意による追加装甲の解除)」というシステムがあるため、継戦能力が非常に高く、使い心地においてHi-νを上回ることになった。
次作『OVERWORLD』ではビームサーベルのトドメ演出で殴り合い宇宙が登場(ご丁寧な事にシャア搭乗のサザビーが相手の場合は更に演出が変化する)。
作品を重ねる度にνガンのテコ入れが進む一方で、Hi-νの方はというとウリだったはずの特殊登場演出も前作『WORLD』で演出そのものが無くなっており、実は魂の頃から攻撃演出がほぼ据え置きだったりと散々。
それだけならまだマシだったかもしれないが、『OVERWORLD』ではなんと各種能力値を下げられるというまさかの仕打ちを受けてしまう(特に攻撃力の低下が目立つ)。
結果、演出面と使い勝手共に大きく差をつけられ、特に愛が無ければνガンを使い倒すかユニコーンガンダムのつなぎになってしまう事に…。
そんな訳でいよいよ立場が無くなってきた…と思われたが、最新作『GENESIS』では通常武器版ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーが遂に登場。勿論MAP兵器版も健在。因みにデザインは『EXVS』版。
5~9マスという長射程で、武器効果「貫通(攻撃対象の防御力を-20%した状態でダメージを与える)」を持っているため、敵の射程外から強烈な一撃を一方的にお見舞い出来る。但しこの手の武器のお約束として燃費が悪い為、ここぞという場面で使ったり、オプションパーツで補うなどしてフォローしよう。
因みにνガンの方はというと、殴り合い宇宙が「パンチ」として武装化されている。なので格闘のνガン、射撃のHi-νといった具合に使い分けていくと良いだろう。
スーパーロボット大戦シリーズ
シリーズ初登場は『α外伝』で隠しユニットとして。戦闘アニメーションは当時の水準としては破格の出来なので必見。
性能はνガンダムの上位互換といった感じ。入手してもνガンダムは手元に残るのでアムロ以外のキャラクターを乗せるのも悪くない。
その後も、同シリーズの続編である『第2次α』、『第3次α』でも隠しユニットとして登場し、『D』ではなんと無条件で使用可能。νガンダムと量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備型)との合体攻撃も用意されている。また、単体でフィン・ファンネルを使用した場合、搭乗パイロットによってアムロとシャアならララァ・スン、カミーユならフォウ・ムラサメ、ジュドーならエルピー・プル&プルツーの魂がフィン・ファンネルと共に飛んでいく演出がある(Ζガンダムのウェイブライダー突撃も同様)。
『第3次α』以降は長らく出番が無かったが、『スーパーロボット大戦X』で『ベルトーチカ・チルドレン』名義で久々の登場。『第3次α』から実に約13年ぶりの登場である。しかも『D』同様無条件で入手可能。今作ではクンパ・ルシータが争いを激化させる為、ヘルメスの薔薇に残る設計図から完成させたνガンダムの発展型ということになっている。ただしアムロは彼の思想に一切の興味を示さず元の世界でこの機体に乗る事になるかはわからないと言っている。
『α外伝』の演出を意識したビームサーベルのアニメや、無防備状態の機体を守るためにフィン・ファンネルバリアを展開したり、エネルギー供給ケーブルが一部熱で焼けたりと、芸が細かいハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーが見所。
νガンダムと違ってENを消費する武器が多いので、アムロを乗せて使う際はνガンダムに合わせてBセーブを取得しないよう注意しよう。また、νガンダムより強力といっても性能差はさほど開いておらず、加えて最強技であるオールレンジ・アタックにパイロット制限がないため、いっそ他のニュータイプにHi-νを任せるというのもアリ。
『スーパーロボット大戦T』ではνガンダムの完成型として登場。アムロがνガンダムからHi-νガンダムに乗り換えるイベントが発生する。小説版設定も取り入れられており、終盤ではベルトーチカが子供を身ごもった事を示唆する描写がある。ステータスはX同様νガンダムと性能が大差ないため、拘りが無ければやはりアムロはνガンダムに乗せ続けるのも一考。
『スーパーロボット大戦30』ではDLC第1弾として登場。
本作では『スーパーロボット大戦DD』と同じ「METAL ROBOT魂 ベルトーチカ・チルドレン版」のデザインが使われている。
νガンダムの改造を引き継ぐが、νガンダムとは武器性能がガラリと変わり、フィン・ファンネルが移動後にも使用可能になり、ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーが最強武器になっている。これまでの最強武器であったオールレンジ・アタックはオミットされている。
本作ではパイロットとして成長し続けるアムロの能力に対して、シャアの動きに合わせて急造で設計されたνガンダムでは限界反応を超えて対応しきれなくなってきたため、新たに用意された機体という設定。本機に使われているサイコフレームはシンギュラリティ・ワンの一部を流用したものという噂があり、またテム・レイがガンダムの完成後も研究し続けて遺した学習回路をベースにした改良型の学習回路が載せられており、それにアムロの戦闘データを入力したことでアムロとの相性が極めて良い機体となった。
νガンダムのオールレンジ・アタックはアムロ専用のカットインはあるがアムロ専用武器というわけではなくなったため、本作では気兼ねなくHi-νに乗り換えることができるだろう。あるいは終盤ではフルアーマー百式改が息切れするクワトロを乗せるのも良いだろう。「突撃」があるので長射程武器のハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーと相性が良い。
ちなみに本機の加入シナリオでは、νガンダムは完成時よりもサイコフレームの積載量が減ってスペックダウンしており、アムロの反応速度に追従できなくなっていたことが判明している。本作ではザンスカール帝国にZガンダム共々奪われていたため、この時に取られていた可能性が高い。
そして、本作で遂に他の御三家の最終進化形態であるマジンカイザーと真ゲッタードラゴンと共演。
機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
「ぼくは世界を見ているのか…!?」
2023/7/27に5周年記念機体として実装。700コストの汎用機。
兵装はビームライフル、ビームサーベル、頭部バルカン砲、シールド装着型ビームキャノン、フィンファンネル×6[集中砲火]、フィンファンネル[援護]、フィンファンネル[防御]、兵装装着シールド。
νガンダム系列は量産型含め射撃寄りの機体がほとんどな中、本機は完全な格闘型。汎用機としては初めてフラップブースターを持ち、フィンファンネルと共に三次元機動で突撃してビームサーベルで突き刺す機体。また、現状唯一の性能であるフィンファンネル[援護]は味方にフィンファンネルを纏わせ、味方の攻撃に同期して追加で射撃攻撃を行う。
フルアタックスキルによりフィンファンネル集中砲火と援護の射出中は機動力と火力が向上する。HPが低下した際に発動するサイコフレーム共振と同時に発動した場合の機動力は強襲機のそれを遥かに凌駕する。
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