概要
小説『機動戦士ガンダム逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』にのみ登場する機体。シャア率いる新生ネオ・ジオンのニュータイプ専用モビルスーツ。形式番号はMSN-03-2。パイロットはグラーブ・ガス。
『ベルトーチカ・チルドレン』は映画版シナリオ初期稿を下地に執筆されたパラレルワールドともいえる小説作品であり、著者は劇場版の総監督でもある富野由悠季。映画のヤクト・ドーガの代わりに登場する。
出自
小説には本機の機体イラストは一切なく、1988年当時の『月刊ニュータイプ』に、出渕裕による上半身のみのカラーイラストがあるだけで他は一切不明であった。
2014年に『月刊ガンダムエース』でさびしうろあき作画でコミカライズ化されたベルトーチカ・チルドレンにも登場する。
名称について
小説での本来の名称は「サイコ・ドーガ」であり、コミカライズ版もROBOT魂もこの名称で統一されている。しかし、CCA-MSVにおいてα・アジールのプロトタイプとして「NZ-222 サイコ・ドーガ」という同名の機体が存在する事から、書籍などの一部媒体では区別のためにこちらをサイコ・ギラ・ドーガと表記する場合も見られる。
機体解説
ベルトーチカ・チルドレンにおけるヤクト・ドーガポジションの機体であり、立ち位置はほぼヤクト・ドーガと同じ。
ギラ・ドーガをベースにサイコフレームを用いて開発されたニュータイプ専用機。
他のNT専用機と同様に、円筒型のファンネルを装備しているが搭載数は6基と少ない(
両肩に3基づつ)。
全2機が登場するが、クェス機は登場せず、2機ともグラーブ・ガスの搭乗機として使用された。
ファンネルはギラ・ドーガの肩アーマーに配されたショルダー・スパイクをファンネル・ラックに置き換える形で配されており、これによってファンネルの再充電が可能となっている。
ギラ・ドーガとのパーツ共有率も高く、特徴的な頭部やファンネルを有する肩部、高機動型のバックパック、そしてインターフェースとしてサイコミュが搭載されているコックピットを除けばほぼギラ・ドーガと同じパーツが用いられている。
ジオン系としては珍しい白系統に塗装されており、集団戦闘の際には特に目を引くカラーリングとなっている。
作中の活躍
最初に登場した1号機は、フィフスルナ戦でアムロが搭乗するリ・ガズィの攻撃で大破し、ロンド・ベルに鹵獲されサイコフレームをνガンダムに組み込まれている(アムロはこれをシャアがあえて鹵獲させたと見ている)。
続く2号機はアクシズ落下作戦時に投入され、引き続きグラーブが搭乗。戦闘中にベルトーチカ・イルマの搭乗するリ・ガズィに遭遇し、これと交戦するがベルトーチカのお腹にいた胎児による強い意志が流れ込みグラーブが動揺。機体制御が出来なくなったところにリ・ガズィからのグレネードランチャーによる攻撃で大破、パイロットも死亡している。
なお、後年発表されたコミカライズ版ではスイートウォーターに於ける武装蜂起の際にネオ・ジオン軍旗を掲げる重要な役割を負っている。
立体物
2020年に「サイコ・ドーガ」名義でROBOT魂で初商品化。2022年12月19日に1/144HGUCとしてキット化。ららぽーと福岡内のGUNDAM SIDE-Fにて先行抽選販売した後、ガンダムベース各店やプレミアムバンダイにて販売予定。