概要
「ネオ」自体に「新生」の意味があるが、ハマーン・カーンのネオ・ジオンと区別するためこう呼ばれる。英語では「Newborn Neo Zeon」。
宇宙世紀0093年に、ジオン・ズム・ダイクンの遺児であるキャスバル・レム・ダイクンことシャア・アズナブルを総帥として、ダンジダン・ポジドン少将率いる旧ネオ・ジオンの残党勢力とダイクン派の生き残り、エグムら反連邦組織、今までの大戦の宇宙移民の反乱分子(連邦に反発し続けた元エゥーゴのメンバーやグリプス戦役後に連邦から逆賊として追われるようになった元ティターンズ隊員もいる)を糾合し、スペース・コロニー「スウィート・ウォーター」において「新生ネオ・ジオン」を結成、決起した。
アナハイム・エレクトロニクスと結託しており、運用するMSは同社のグラナダ工廠で製造された機体で統一されている。とはいえ、その戦力は地球連邦軍とは比較にならないほど小さいため、シャアは蜂起にあたっては短期決戦を目指した。
政治的にはジオン・ズム・ダイクンの衣鉢を継ぐ事を標榜し、ザビ家(ジオン公国)、その後継を称したハマーン(旧ネオ・ジオン)、更には反ジオンを掲げて専横したティターンズを批判及び否定するスタンスである。1年戦争でザビ家やジオン公国が滅んだ事自体は良しとしながらも、その後も地球圏の混乱を止められない一方で、腐敗が進行する地球連邦政府を糾弾し、これを粛清する事を政治的目標として掲げた。
多くの宇宙居住者(スペースノイド)にとっては、ジオン公国やザビ家といったこれまでのジオン系勢力は、1年戦争はじめとする過激な闘争で宇宙居住者を虐殺する側でもあったため、到底、支持できない存在であったが、それと一線を画しながら腐敗した連邦体制への反抗を掲げるシャアと彼の組織は広範な支持を集める事に成功した。それ故、反乱の兆候を掴もうとしても、シャアの支援者達が隠蔽してしまうため、連邦の数年間の調査は悉く空振りに終わり、シャアの決起を事前に阻止出来なかった事が劇中の台詞からも窺える。根拠地としていた「スウィート・ウォーター」でも市民達がシャアを前に自主的に花をおくったり彼を支持する歌を合唱しているシーンが描かれた。
宇宙世紀0093年3月初旬、決起した新生ネオ・ジオンの部隊は資源採掘用小惑星5thルナを電撃的に制圧して地球のラサへ落下させる事に成功するが、粛清対象である地球連邦政府の閣僚達は、一足先に脱出していた(落下作戦に使われた資源・資材も連邦からの横流し品だろうとほのめかす台詞がある)。
続いて連邦に対し「交渉で武装解除する」という姿勢を表向きはとりながら、騙し討ちによって連邦の虚を突く形で再び戦端を開き(3月中旬)、地球を寒冷化させ、戦乱の元凶であるアースノイドを死滅させるべく宇宙要塞アクシズを地球へ落下させる作戦を一気に決行するも、ロンド・ベル隊の活躍により阻止される。そしてシャアは、宿敵であるアムロ・レイと共に行方不明となり、反乱は失敗。ナナイ・ミゲル達、新生ネオ・ジオンの残存勢力は、戦場から撤退する(作戦失敗の時点で物語は終わり、撤退シーンは本編に描かれていない)。
尚、この最終作戦やそれによって地球を「核の冬」にし、居住不可能な惑星にするというシャアの真意は地球圏の現状を決定的に破壊する行為であるため、新生ネオ・ジオンの支援者でもあるアナハイム・エレクトロニクスや宇宙居住者にとっても到底許容できないものであり、組織上層部と実行部隊以外には秘匿されていた。実行部隊の中にもあまりの過激さに内心、逡巡していた者も少なからずいたらしく、最終局面で事実上、組織を離反する形で、アクシズ落下を阻止しようとするνガンダムに協力しようとする者達まで現れている。
シャア個人でもっていたに等しい組織は当然のことながら、最終作戦直後に事実上、瓦解(作戦が成功しても人類の居住不能になるまでの地球寒冷化という暴挙を行った自分も組織も人類全体の怨敵となり滅ぶだろう≒あの世のダイクンの元に召されるだろう、とシャアが最終作戦発動の際の組織構成員を前にしての演説で明言していたため、いずれにせよ、新生ネオ・ジオンは作戦決行後の組織存続は考えていなかったようだが)。新生ネオ・ジオンの兵器や人材の一部は、新生ネオ・ジオンのみならず旧ネオ・ジオン残党や旧ジオン残党、ジオン共和国の強硬派といった様々な層をも取り込んだ残党勢力「袖付き」に吸収され、連邦と新たな戦いを繰り広げる事になる。
関連キャラクター
関連MS
- MSN-04 サザビー(ザ・ナック)
- MSN-04II ナイチンゲール
- MSN-03 ヤクト・ドーガ(ギュネイ機)
- MSN-03 ヤクト・ドーガ(クェス機)
- MSN-03-2 サイコ・ドーガ(MS)
- AMS-119 ギラ・ドーガ
- AMS-119 ギラ・ドーガ重装型
- AMS-119S ギラ・ドーガ改
- AMS-120X / AMS-120 ギラ・ドーガ(サイコミュ試験型)
- RMS-108 マラサイ
- RMS-116 ホビー・ハイザック
関連MA
- NZ-222 サイコ・ドーガ(MA)
- NZ-333 α・アジール
- NZ-444 β・アジール
戦艦、艦艇
関連項目
メタス:エゥーゴの可変機。同組織に納入されたと言う噂があるが真相は不明である。
バルギル:サザビーのプロトタイプ。後にムーンガンダムとして改修される。
ザンスカール帝国:主要メンバー達が一切改心しようとない点が共通する未来の宇宙世紀の敵対勢力。