概要
ジオン軍の運用する軽巡洋艦。
楕円形の胴体から後方に伸びた艦橋を備え、その下部から左右に伸びる支柱に熱核融合ロケットエンジンを備える(スタートレックのエンタープライズ号をひっくり返した形をしている、と言えば分かりやすいかもしれない)。
モビルスーツ運用能力も有しており、標準的な艦はモビルスーツを四機搭載可能。
艦首に「コムサイ」と呼ばれる大気圏突入カプセルを有しており、これにMSをニ機搭載できるが、コムサイ自体には空母としての能力は無い。
また、武装面に関してもメガ粒子砲とミサイルで武装して艦前方に配置しており、軽巡洋艦ながら正面からの撃ち合いではより大型のサラミス級に劣らない火力を有している。
欠点としては、対空機関砲を搭載していないことによる対空近接防御力の低さの他、艦の構造上死角が多いこともあり、それらのカバーは搭載モビルスーツに依存する形となっている。
また、MS出撃ハッチが後部にあるため、MSは自力で前方に行かなくてはならないと言う運用面での欠陥も露呈している。
THEORIGINでは戦争への準備としてアルカナクラスと言う民間宇宙貨客船として密かに多数が建造されており、開戦時にはこれに艤装をほどこして戦線投入したと言う設定になっている(貨客船としては、上下反転して運用される)。
生産時期によってデザインが異なり、一年戦争後もジオン共和国主力艦としてムサイ改級が、ネオ・ジオンの主力艦としてエンドラやムサカといった後継艦が登場している。
一年戦争で多くの同型艦が建造され、その後も多くのジオン系組織やジオン残党軍などが本艦を使用し、戦力としている事から本艦はある意味ジオンのシンボルの一つとも言える巡洋艦である。
初期生産型
最も世の中でムサイとして知られている形状。メイン画像の通り。
ファルメル
別名「シャア専用ムサイ」。
ブリッジの形が通常とは異なっており、角の生えたヘルメットのような形状となっているのが最大の特徴。
1stにおける艦橋内部のレイアウトが異様に禍々しいことでも有名。
元々はドズル・ザビの乗艦だったが、ルウム戦役での功績により彼からシャア・アズナブルに専用艦として譲渡されたもの。
序盤のシャア率いる部隊の母艦として登場し、ホワイトベース隊に何度も襲撃を仕掛けている。
クワメル
コンスコン艦隊に属するムサイ級。
艦隊がホワイトベース隊との戦闘に臨んだ際には、包囲のために本隊から離れて別行動を取っていた。
バロメル
グラナダから宇宙要塞ソロモンを救援すべく出撃した、マ・クベ指揮下の艦隊に所属するムサイ級。
マ・クベがガンダムをテキサスコロニーに誘き寄せた後、ホワイトベース隊と交戦する。
バリエーション
簡易生産型
質より量を揃えるため、これらの艦は主武装の連装メガ粒子砲が3基から2基に減っているなど、通常のムサイとは一部異なっている点がある。
メタ的なことを言うと、キャメル艦隊の作画ミスの言い訳で付けた設定。
ただ、連装メガ粒子砲が2基のムサイは1話冒頭でも登場している。
キャメル
シャアの副官だったドレン率いる、ムサイ級3隻で構成されたキャメル・パトロール艦隊の旗艦。
指揮下の僚艦2隻と共にシャアの部隊と連携してホワイトベースを挟撃すべく、足止めのために先制攻撃を仕掛けるものの…。
トクメル、スワメル
それぞれドレン指揮下のキャメル・パトロール艦隊を構成するムサイ級。
後期生産型
『機動戦士ガンダム0083』に登場したムサイ級の後期生産バージョン。
メガ粒子砲や対空機関砲を新たに増設しており、初期型で問題だった死角の多さや対空近接防御力の低さを補っている。
また、搭載モビルスーツの出撃方法にリニアカタパルト方式を新たに採用し、更に発着口を増設、これにより、MSの搭載可能数を増やしつつより迅速な展開及び収容が可能となっている。
しかし、その分構造が従来型より複雑になったためコストと建造時間の増大を招き、ジオンの生産力の低さも相俟って新たな主力艦となり得るほどの数を揃えることは出来なかった。
主な同型艦はニーベルング、ペールギュント。
最終生産型
『機動戦士ガンダム0080』に登場したムサイ級の最終生産バージョン。
最終生産型は艦自体の性能向上を図ったタイプであり、MSの運用能力はそのままに、機動性と航続距離を高め、高速艦艇としての価値をより強固なものにしている。
MSデッキ側面のハッチはオミットされ、後方のハッチが下方に展開し、ステップとなる構造となっている。
艦後部左右のエンジンは推進力が強化された他、前部に補助推進機関が追加されている。
また、ブリッジ上部のアンテナの数も増設されている。
一方で連装メガ粒子砲の数は3基から2基に減らされ、艦の攻撃力は低下しているが、これは航続距離など他の性能を向上させるための仕様変更であるとされる。
主な同型艦はジークフリート、ヴァルキューレ、バルムンク。
ムサイ改
『機動戦士Zガンダム』に登場したムサイ級の強化型。
初期生産型ムサイをベースに時代に合わせた近代化改修を施したものであり、ジオン共和国軍の主力艦として運用された。
また、ティターンズの戦力として協力しているジオン共和国軍と思われる本級が、アポロ作戦(月面都市フォン・ブラウン制圧作戦)やコロニーレーザーの護衛部隊に確認できる。
基本的な性質は、メガ粒子砲が増設されている以外原型と大差ない。
『機動戦士ガンダムUC』にもネオ・ジオン残党の援軍として3隻のムサイ改が登場。
L1ジャンクション宙域にてネェル・アーガマとの戦闘に参加(ただしこの戦闘は小説版のみで描かれているためアニメ版ではパラオ軍港で停泊している艦以外登場しなかった)。
『機動戦士ガンダムF90FF』ではサイド3の反政府組織である、共和国解放戦線が使用している。
にせホワイトベース
機動戦士SDガンダムのOVA「SDガンダム猛レース」に登場したにせガンダムのマシン。
姿はムサイそのものでブリッジ部分がペガサス級(ホワイトベース)と同じでカラーリングは白になっている。