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ドズル・ザビ

どずるざび

ドズル・ザビとは、アニメ『機動戦士ガンダム』の登場人物である。ジオン公王デギンの実子であり、更に遺児・ミネバの存在は、長く宇宙世紀の歴史に影響を与え続けた。
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プロフィール

所属ジオン公国
役職宇宙攻撃軍総司令官
階級中将
年齢28歳
CV郷里大輔(TV版・劇場版Ⅰ)/玄田哲章(劇場版Ⅲ・特別版等) /三宅健太(THE ORIGIN)


概要

ジオン公国デギン公王の三男。
身長210cmの大柄な体格と顔の傷跡、そしてその容貌に違わない豪胆な性格を有する。
妻のゼナとの間に娘ミネバをもうけており、一年戦争終結により地球連邦政府との間に終戦協定が結ばれた後も、彼の血脈だけは続いた。

俺は軍人だ。ザビ家の伝統を作る軍人だ」と豪語し、現場第一主義を貫いていたため、政治・策略に長けた長兄ギレンや妹キシリアからは軽く扱われていた。また、父であるデギンも一年戦争中期頃には完全な穏健派になっていたため、やはり疎まれていた。
しかしながら、末弟ガルマとの関係は良好であり、ドズル自身も亡き実母ナルスの面影を強く残す眉目秀麗な彼を溺愛して、その能力を(実能力以上に)高く評価し、軍人としての成長を楽しみにしていた程であった(なお、次兄であるサスロともそれなりに良好な関係であったようだが、サスロは物語開始前にテロによって死亡している)。

一週間戦争と呼ばれる一年戦争初期には、自身も上級将校としてムサイ級軽巡洋艦ファルメルに座乗して最前線で指揮を執り、敵対コロニーへの核攻撃、毒ガス攻撃、そして地球へのコロニー落としを敢行。当時の地球圏人口の半分である55億人を殺戮している

その後は、宇宙要塞ソロモンへと駐留し、宇宙攻撃軍総司令官としての任に専任していたが、連邦の「V作戦」から始まる一連の戦いによりガルマが戦死した後は、ホワイトベースランバ・ラルやコンスコン部隊をぶつけている。

だが、ジオン軍が徐々に劣勢の色を見せ始めた時期である宇宙世紀0079年12月24日、連邦軍によって行われたソロモン攻略戦(チェンバロ作戦)において地球連邦軍の量産MSジムによる熾烈な攻撃や、新兵器ソーラ・システムにより甚大な被害を受け、ソロモン陥落の窮地に追い込まれる。
ソロモンを支えきれないと判断したドズルは、妻子を脱出させた後にソロモンの放棄を命令し、自らはMAビグ・ザムに搭乗して出撃。ジオン軍の残存兵力が撤退する時間を稼ぐため、自ら殿として連邦艦隊の中心部へ特攻をかけた。

ドズルの駆るビグ・ザムは強力なIフィールド・ビームバリアを張り巡らせて艦艇からの主砲を無効化し、自機の大型メガ粒子砲でティアンム提督の旗艦「タイタン」を撃沈。さらに機体水平全周囲に備えられたビーム砲の斉射によって連邦軍のサラミス級巡洋艦やモビルスーツを多数撃破した。
この圧倒的戦果に自信を得たドズルの「ビグ・ザムが量産の暁には連邦などあっという間に叩いてみせるわ!」というセリフは印象的であり、現在でも引用されることが多い。

しかし、この膨大な殺戮撃に焼かれる連邦軍将兵の断末魔の“意識”が既にニュータイプとして覚醒を始めていたアムロ・レイを呼び寄せる。そして同じくしてIフィールド・バリアの弱点を見抜いたスレッガー・ロウによって、彼の操縦するGファイター(劇場版ではコア・ブースター)をガンダムの水先案内人とした、ビーム攻撃が有効となる超至近距離にまで接近しての特攻を受ける。
この攻防の中、ビグ・ザムの近接防御兵装によってスレッガー機を撃破するものの、その爆発に紛れる形でガンダムの接近を許してしまい、コクピットへのビームサーベルの一閃によってついに乗機のビグ・ザムを撃破されてしまう(TV版ではビームライフルを下部スラスターに押し付けて射撃する攻撃もあった)。
それでもなお、ドズルはコクピットから我が身を踊り出させ、執念の言葉(「やらせはせん!貴様ごときモビルスーツに、ジオンの栄光をやらせんはせん!」)を叫びながら単身ノーマルスーツで無反動ライフルをガンダムに向けて発砲し、最期まで抵抗を続ける。その姿にアムロが「ジオンに栄光があるというのか?」と、“歴史の浅い公国にそんなものがあると信じられる男は、おめでたい”という呆れと共に激怒した瞬間、ドズルの背後に悪霊のような“何か”――ジオンの栄光を叫ぶ男のものではない……そのような男が立ち昇らせるものは、もっと荒々しいもののはずだ――を感じとり、激しい嫌悪を呼び起こす。
劇場版ではもっと抽象的な紫色の影法師のような存在に描き直されている)。

瞬間、ドズルの身体はビグ・ザムの爆発の中に消えていった。

父である公王デギン・ソド・ザビは、首都ズム・シティにおいてドズル戦死の報告を受け、「ドズルにしてもっともな事であるよ」とただ一言を呟いた。

人物像

権謀術数に腐心する人間の多いザビ家において、政治に関与せず、純粋な武人として振舞うだけあり、仁義を通すヒューマニズムの強い人間である。
このため自派閥からの人望は非常に厚く、シン・マツナガやアナベル・ガトーといった武人肌のエースパイロットは高い士気と共にドズル旗下に就いている。
戦術指揮官として見た場合においても、一年戦争開戦前は旧来からの艦隊戦を重視していたが、モビルスーツがルウム戦役において大きな戦果を挙げると、すぐにミノフスキー粒子下における戦闘での有効性を認めるなど、古式戦術にこだわらない柔軟性を有する。これ以後は司令官としてだけに留まらず、自ら専用モビルスーツを操り前線に出向くこともあった。この際においても、(自ら武勲を上げんと血気盛んであった愚かな)ガルマとは異なり自分の立場を理解して“士気高揚のために前線に出向くというポーズ”に終始していた。
逆に、連邦軍のMS開発計画「V作戦」の情報をキャッチすると、その危険性にいち早く気づき、地球降下作戦従事のためキシリア派閥のマ・クベに引き抜かれるところだったシャア・アズナブル少佐に、充分以上の戦力の独立部隊を与えて、調査に当たらせている。

但し、前述のような“ヒューマニズム”に則った厚遇は、あくまでも彼の派閥に所属する人間にのみ与えられるものであり、更にはガンダム稼働から始まった一連の戦闘によりガルマが戦死すると、シャアへの対応は一転して、ガルマを守り切れなかった責を取らせる為、処刑を言い渡している。如何に事実上の“プリンス”とは言え、正規の階級は大佐に過ぎなかった人間を『守りきれなかった』と言う曖昧な理由(シャアは記録上、敵前逃亡した訳ではない)でこのような処罰を下す等、私物化……とまで言わないものの、『己の裁量が立場以上にある』と思い込む稚拙(ガルマが軍人になるまでの間、ザビ家唯一の軍人と言う自負の暴走?)が、根底にあると思われる。(あるいは次兄サスロ・ザビの死が、無意識にトラウマとなっていたのかも知れない)。
又、真っ当な武人ではあるものの、腹の中には『戦闘狂』とも言える面も潜んでおり、ゼナが無事にミネバを出産し、彼の許へ帰った際に、喜びの余りに「戦争の本質を知った、それは愛する者達を守る為に敵を倒す事だ」と、安っぽいヒロイズムを掲げ、さも『戦争の正統性』を主張する、前述の稚拙さに通じる内容だった。

なお、この処遇は最終的に父であるデギンの裁定よって左遷扱いへと変更されているが、これは即ち、ドズルもまたガルマ同様にシャアの正体(ジオン・ダイクンの忘れ形見)に気付いていなかった事を示しており、ギレン、キシリアの二名がシャアの正体を知った上で、『将来何らかの使い道があろう』とそれとなく重用していた事実(「密会」にて補足)と比較すると、ドズルの政治策略の面においての才覚の乏しさを表している。
加えて、様々な要因が重なった結果ではあるが、つまるところガルマがシャアに謀殺される切っ掛けを作ったのは、皮肉にもドズル自身であった事になる(ドズルのその性格的に、もしシャアの正体を知っていれば、ガルマに近づけさせる事は無かったであろうことは想像に難くない)。

勝てる訳がない状況にまで陥りながら、それでもなお手持ちの武器を持って戦うその姿は、最後まで武人であった。 後に遺されたその娘がハマーン・カーンによって、戦争の道具として利用されると言う、なんとも悲しい事になってしまうのだが、それはまた別の話。

搭乗機

ザクⅡF型ドズル・ザビ専用機

彼専用のザクⅡ。コクピットが彼の巨体に合わせて拡大され、両肩に4本・手甲に3本のスパイクが装備されている。カラーリングは、カーキベースの金縁模様。
武装は専用の大型ヒートホークと推進バーニアを内蔵したジャイアントウォーハンマー等、近接戦闘用の装備のみ。
本来は式典用に作られた機体なのだが、武闘派である彼は前線視察を口実に本機を駆り実戦に参加していた。本機はチェンバロ作戦時にソーラ・システムによって格納庫で焼失したとされるが、漫画「MSV-R 宇宙世紀英雄伝説~虹霓のシン・マツナガ~」ではプロトタイプGファイターとの交戦の末、大破爆散している。

サンダーボルト版でも同型機がア・バオア・クー内部防衛用として運用されたことが確認されており、ジオング開発室へ侵攻する連邦部隊をザクマシンガンとヒートホークで足止めしたものの、物量とビーム兵器によって撃破されている。

リック・ドムドズル・ザビ専用機

本機は、初期生産型通算100号機をカスタムしたもの。ザクⅡと同様コクピットが拡大され、胸部上部と手甲に3本のスパイクが装備されている。カラーリング・武装もザクⅡと同様。

ビグ・ザム

該当項目参照。テレビアニメでは当機のみが彼の搭乗機として登場したため、派生作品においても「ドズル=ビグ・ザム」という認識は強い。

『THE ORIGIN』において

本作では兵の決死の労を称えつつ、これに「ギレン、キシリアが政治の対立で万余の将兵を見殺しにした」と激怒し、「あの政治被れ共は、いずれジオンを滅ぼす」と自身の死後を予言したかのような言葉を残している。

MSV-Rでの活躍

『虹霓のシン・マツナガ』では、シンとは幼少時代からの仲であり、ルウム戦役においては2人で連携して戦った描写も残されている。
また、シンがルウムのコロニーから保護したバイオリニストの少女、オーレリアの音楽学校への編入も快諾しており、自ら推薦状を書いている(シンがゼナと出会ったのはこの日が初めてで、第一子を身籠っている事もドズル自身の口から明かされた)。

また、現場主義ではあるが功労者には寛大な一面もあり、レビルが奪還された際も原因の一端となったシンを厳罰にせよというギレンに対して、オーレリアがこの時人質にされていたことを鑑みてシンを弁護している(此の一件は、父デギンの進言で収まり、シンは減刑された)。

RPGマガジン掲載の漫画ではガルマをいじめるシンと度々喧嘩をして守役のキリング中佐を困らせていた過去が描写されている。中佐時代には暴発を起こしシンの父親を射殺した青年将校を体を張って説得している。同作では彼の戦死にはギレンによる謀殺の側面があったことも描写された。


関連タグ

ザビ家
デギン・ソド・ザビ ギレン・ザビ キシリア・ザビ サスロ・ザビ ガルマ・ザビ
ミネバ・ラオ・ザビ

ビグ・ザム

シン・マツナガ アナベル・ガトー

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