プロフィール
所属 | ジオン公国軍 | |
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役職 | 突撃機動軍総司令官 | |
階級 | 少将 | |
年齢 | 24(TV・劇場版)、35(THE ORIGIN) | |
CV | 小山茉美(TV・劇場版等) 渡辺明乃(THE ORIGIIN)広橋涼(ガンダムさん) |
概要
デギン公王の長女で、ギレン・ドズルの妹とも、ソロモン攻防戦でドズルが妻ゼナに「グラナダの姉上のもとに」行けとソロモンを脱出させた事から、彼の姉とも言われる。(もっともグラナダにゼナの実姉か義姉がいた、またはドズルは普段はキシリアと呼び捨てにしている事から否定する意見もある)TV版では33話のナレーションではっきりとドズルの姉とされている。パープルを基調とした特別製の軍服が特徴で、戦闘指揮時は金の角飾りを付けた将官用ヘルメットを被り軍服のハイネック部分を伸ばしマスクとして着用する(この為、『ガンダムさん』ではシャアに紫ババアのあだ名を付けられた)。
ザビ家きっての野心家であり、ギレンとは政治的に、ドズルとは軍事的に対立していた。末弟のガルマに対しては自分への忠誠心を持たせる為に、ある程度優しく接して利用していたようでもある。オーストラリア駐屯軍のとある士官は彼女を「妖怪の手先」と呼んで嫌っていた。
一方で、自身も女性である為か、男尊女卑の傾向が強いギレン派やドズル派と異なって、優秀な人材であるならば女性でも積極的にパイロットに採用する等、柔軟な思考も持ち合わせており、自身の傘下の部隊には女性のパイロットがかなり存在している。
また「ジオン公国領内で埋もれている人材の発掘と人的資源の確保」を名目として、潜在能力はありながら社会的境遇でエリートコースに乗れなかった者を集め隊内で競合させ、戦果如何で既存のエース部隊への転属を認める特別競合部隊「マルコシアス隊」を直轄している他、女性のみで構成された特殊部隊である「地球方面軍第2地上機動師団第11MS大隊司令部付き特務小隊」通称「ノイジー・フェアリー隊」の結成を認可している。
その他にもモビルスーツを扱う特務部隊の大半や、地球方面軍は彼女の率いる突撃機動軍の傘下にあり、新兵器であるモビルスーツの運用に対して意欲的な姿勢が垣間見える。
ニュータイプに関しても一定の理解を持っており、ニュータイプ研究所「フラナガン機関」を創設、更にシャア・アズナブル大佐を指揮官とする独立第300戦隊をニュータイプ部隊として編成し、ニュータイプ研究と専用兵器の開発・運用へ向かった。
しかし、彼女は兄ギレンに対抗する政治的発言力を強化する為の手段として、ニュータイプを利用していただけに過ぎない。更に優れたパイロットだけを選抜したキマイラ隊を結成している(だが、この部隊の結成目的は『ニュータイプの反乱に備えた対ニュータイプ部隊』であった)。
シャアの正体がキャスバル・レム・ダイクンである事をいつの間にか見抜いており、彼とは「幼い頃に遊んでやった」間柄であり、自分の懐刀として使う旨を伝えている(これは戦後に起こるであろうギレンとの政争を踏まえた計画でジオン・ズム・ダイクンの遺児である彼を味方に引き入れようとしていたようだ)。
宇宙世紀0079年12月31日、長兄ギレンが父デギンの謀殺を知り、これを機に宇宙要塞ア・バオア・クーの戦いの最中に司令部でギレンを射殺。兄に代わって総司令となるが、皮肉にもそれまで優勢だった戦況が、この暗殺による指揮系統の混乱により暗転。ドロス・ドロワを始めとする基幹部隊の壊滅や、デラーズ艦隊の戦線離脱等々による、防衛線の崩壊を契機としてジオン軍の敗色が濃厚となる。戦局が絶望的となった時点で、ザンジバル級機動巡洋艦で脱出を図るが、発進寸前にシャアがブリッジに向けて放ったバズーカの直撃によって死亡。
作中内の公式の歴史としては、この直後に連邦軍のサラミスの砲撃を受けてザンジバルも撃沈しており、キシリアもそれに巻き込まれて戦死した扱いになっている(=シャアがキシリアを暗殺した真実は、一般には知られていない)。
一年戦争終結当時、キシリアの死をもってザビ家の血筋は絶えたと思われた為、ザビ家とジオン公国は完全に崩壊したと見られた。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』版
ジオン黎明期から政争に明け暮れた、冷酷非情な野心家であり、アニメ版以上の悪役。ザビ家の関わったあらゆる陰謀の黒幕的存在として描かれている。次兄サスロの暗殺への関与を示唆されている。
ジオン・ズム・ダイクン死後、ラル家に匿われていた当時11歳のキャスバルの力量を図る為に彼を脅すが、脅しにも屈しなかったどころか恫喝までしてきたキャスバルを「キャスバル恐るべき」と評し、ザビ家の今後に脅威になるとギレンに進言し、地球に彼等が亡命した後も監視を命じていた。
その為、キャスバル・レム・ダイクン(当時エドワウ・マスを名乗る)がテキサスコロニーを出ようとした時は、暗殺の為に無関係な乗客を巻き添えにして宇宙船を爆破(ただし、キャスバルは同乗していたシャア・アズナブルと出港直前に入れ替わり無事で、以降赤い彗星として知られる「シャア・アズナブル」として活動を始める)。
「シャア・セイラ編」の頃は髪が短く両側に跳ね上がっている等、容姿が若干異なっており、マスクも付けず堂々と行動し「ルウム編」からアニメ版のスタイル(手袋が黒になる等の若干の変更あり)になっている。
公式ガイドブックⅡでは、赤い彗星シャアことキャスバル・ダイクンが生まれた時のエピソードが描かれたが、関連イラストのように、まさかの公式萌え(ちょっとクールでツン系は入ってるが)少女化、どうしてこうなった
作中では父・デギンが咄嗟の判断でキシリアを抱えたまま連邦捜査官を射殺。20数年後には非常に残念な事態に至るのは、こんな状況を目の当たりにしてきたからかも知れない。
余談
TV・劇場版でキシリアを演じた小山茉美さんは後に「片手で口を押さえながらセリフをしゃべっていたので、台本のページをめくるのに大変だった」と語り、「専門用語ばっかりだったので、自分が何をしゃべっているのかわからなかった」と語っている。
なお「キリシア」は誤記である。二次創作だけでなく公式グッズでも間違えてる場合が少なくない。
彼女の部下達について
キシリアが率いる突撃機動軍、強いてはキシリア直属の部下にはろくでなしな奴等が多いイメージが強い。
その代表格が彼女の部下でもあるマ・クベである。彼は卑怯な策略を好み、オデッサ戦では南極条約違反同然で水爆ミサイルを使用しようとしたりした。また公式外伝でも彼女の部下が数人登場しているが、その何れも狂信者レヴェルの忠誠心を持っている。
例えば『宇宙、閃光の果てに…』のグラナダ特戦隊隊長マレット・サンギーヌ大尉は、キシリアを中心とした新生ジオン公国の建国を目論み、彼女の死後もその妄想の為に戦争を継続しようとした。
他には『コロニーの落ちた地で』の特殊部隊マッチモニード隊長であるニアーライト少佐は、劇中で「『生物兵器アスタロス』がキシリアの許に着けば、戦争が続けられる」とし、味方殺しをしてまで計画を為そうとしていた。
また、小説版『機動戦士ガンダム戦記』に登場するキシリア直属部隊グール隊は、その権威を笠に着て味方すらも攻撃する程の残虐な連中である。
更に言えば、一年戦争中盤より彼女の傘下に加わったシャアことキャスバルも「ろくでなし」とはいかずともザビ家を憎む獅子身中の虫であり、まともな部下であったとは言い難い。
また彼女傘下の研究機関であるフラナガン機関も一部では少年少女を被験者として人体実験をしていた節もある。
このように『突撃機動軍=ろくでなしな奴等ばかり』と思われがちだが『ジオニックフロント』に登場するキシリア直属部隊・闇夜のフェンリル隊の隊長のゲラート・シュマイザー少佐(及びフェンリル隊の隊員たち)の様な真っ当な軍人も居るには居るし、黒い三連星(『THE ORIGIN』では、ガイア大尉以外の素行は悪いとされる)やサイクロプス隊、更に『ミッシングリンク』に登場するマルコシアス隊、先述のノイジー・フェアリー隊もまたまともな部類の連中である。キマイラ隊も、アスタロスをコロニーにぶち込む「ザビ家の復讐装置」やフラナガン機関から来た人体強化兵等の暗部もあるが、ジョニー・ライデン少佐以下の隊員達に関してはまともな部類に入る。
また、毒ガスによる殺戮と言った汚れ仕事をさせられていたシーマ・ガラハウ中佐率いる海兵隊もまた、キシリアの直属突撃機動軍であった為、もしキシリアがシャアに暗殺されず、アクシズへの撤退が出来たならば、彼女の権限でシーマがアクシズに身を寄せられたのかも知れない。
関連イラスト
『機動戦士ガンダムさん』の14歳キシリアちゃん
関連タグ
機動戦士ガンダム
デギン・ソド・ザビ ギレン・ザビ サスロ・ザビ ドズル・ザビ ガルマ・ザビ ミネバ・ラオ・ザビ
ノイジー・フェアリー隊 キマイラ隊 フラナガン機関
キシリア 紫ババア