「ソロモンで散った数多の将兵、そしてドズル閣下の無念を…!貴様らに悪夢として刻みこんでくれる!!」
カタログスペック
頭頂高 | 18.6m |
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本体重量 | 43.8t |
ジェネレーター出力 | 1,199kW |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
スラスター総推力 | 53,000kg |
センサー有効半径 | 5,400m |
固定武装 | ヒートサーベル、胸部拡散ビーム砲 |
携行武装 | ジャイアント・バズ、ビームバズーカ |
概要
ジオン公国軍の宇宙用量産型モビルスーツ。次期主力MSの開発遅延を補うための繋ぎとして開発され、戦況の悪化も重なって一時的ではあったが主力の座に上り詰める事となった。
宇宙空間では燃焼させる大気が存在せず動かせないドムの熱核ジェットエンジンを熱核ロケットエンジンに換装し、一部内装を改装する事によって宇宙で運用出来るように改修した機体。
宇宙空間に対応するよう、首が上に可動するように調整され、上向きの視界の確保に配慮している。
ジオニック社の高機動型ザクⅡ(R2型)と競合の結果、原型から大きな手を加えずに済むコストパフォーマンスの良さや既存の生産ラインを流用できる点を評価され採用された。
地上用の装備を省いた事で約20tも軽量化されているが、ジェネレーター出力とスラスター推力は低下している。
武装も相変わらずジャイアント・バズなので装填数の都合で継戦力が低く、どちらかというと対艦向きであった。
更にこの頃になるとジムの本格配備により、ドムの重装甲も近距離からのスプレーガンで撃ち抜かれるので、あまり意味を成さなくなってきた。
加えて宇宙という環境下では他機種を圧倒できるほどの機動性を発揮できず、さらにロケットエンジンへの換装により推進剤への依存度が増え、地上ほどの稼働時間を得られなかった事もあり、特段大きな戦果を挙げる事はできなかった。
特に、コンスコン機動部隊のリック・ドム隊がホワイトベース討伐の為に出撃したが、3分も経たずに12機が撃墜された逸話で知られており、これが戦後アムロ・レイとガンダムの伝説に箔を付ける結果となった。
ただし、これはホバー走行で他機種の追随を許さなかったドムが異常だっただけで、機体性能自体はザクより向上しておりピンチヒッターとしての役目を果たすには十分だったと言える。
また、胸部拡散メガ粒子砲は太陽以外に目立った光源が無い宇宙空間において、地上以上に眩惑効果を発揮した。
ドムとの外見上の違いは特になく、初出の『機動戦士ガンダム』でも特に描き分けはされていなかった。劇場版では、スカート内部や脚部・足裏にバーニアが描かれたものの、これは現在ドムと共通の意匠とされている。
その後MG化された際に足裏のエアクッションが3器のロケットノズルになり、背部バーニアやリアスカートがやや大型化しているという解釈になっている。
主なパイロットはアナベル・ガトー、シン・マツナガ、ドズル・ザビ等。
また、小説版ではジオングに代わりシャア・アズナブルが搭乗しており、アムロの乗るG-3ガンダムを(和解に出た際の誤射で)撃墜した小説版オリジナルキャラクターのルロイ・ギリアムの乗機でもある。
武装
基本的な武装はドムと共通。
ビーム・バズーカ
ビグロやグラブロ等の大型モビルアーマーを開発したMIP社製の大型ビーム兵器。型式番号はEX-T3-2とEX-T2-2の2タイプが存在する。
後のメガ・ランチャー等と同じく本体にジェネレーターを内蔵しているため、ムサイ級軽巡の主砲に匹敵する威力のビームを放てるが、エネルギーCAPシステムを採用し、いち早く携行ビーム兵器を小型した連邦軍と違い、ミノフスキー粒子をメガ粒子に変換するための電力問題をジオン軍は解決できなかったため、このように手持ち火器としては取り回しに難のある形での採用となった。
主にア・バオア・クー工廠にて強化改造を受けたRS型と呼ばれるリック・ドムでの使用が原則で、通常モデルの機体でも使用自体は可能だが、そちらの場合は暴発事故が多発したとの事で試験的な運用にとどまったとされている。
ただし戦後はその限りではないようで、第一次ネオ・ジオン抗争後のネオ・ジオン軍では本装備を携行しているザクⅡが確認されているなど、ビーム兵器をドライブできない旧式MSにとってはありがたい外部ジェネレーター式のビーム兵装となっている模様。
ちなみに、改造を繰り返されてこそいるが、U.C.0122年代までほぼ変わらない外観で運用されている。RFドムのビーム・ランチャーはその最たる例。
関連動画
バリエーション
宇宙用高機動試験型ザクⅡ
OVA『機動戦士ガンダム第08MS小隊』に登場。脚部に研究中のスラスターを搭載し、宇宙空間での機動試験が行われている。
詳細は高機動型ザクⅡを参照。
プロトタイプ・リック・ドムⅡ
『機動戦士ガンダム0083』に登場。形状はドム・トローペンに近い。
詳細はリック・ドムⅡを参照。
リック・ドム[シュトゥッツァー]
『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場。
デラーズ紛争後、ガブリエル・ゾラ率いるジオン残党軍の一派が運用した、シュトゥッツァーと呼ばれる特殊装備を施した機体。「シュトゥッツァー」とはドイツ語で「伊達者」の意。
ティターンズと対抗する目的で局地戦に特化した武装が増設されており、機体正面に「ウインチユニット」、肩部にミサイルポッドと機雷投下ユニットを装備。同様のウインチユニットを装備したゲルググ、ザクⅡとの連携によるゲリラ戦を想定している。
なお、機体本体はドム・フュンフがベースとなっているが、ジャンクパーツから回収したリック・ドムⅡの脚部周りを移植したパッチワークとなっている。
パイロットはガブリエル・ゾラ。
リック・ドムⅡ
統合整備計画によって再設計されたリック・ドムの後継機。
詳しくはリック・ドムⅡを参照。
シュネー・ヴァイス
『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場。リック・ドムをベースに大型のビットを装備したニュータイプ専用の試作機。
パイロットは14歳のハマーン・カーン。
機体はその名前(ドイツ語で白い雪)と同様、白く塗装されている。
ビットは機体には搭載されず、ビット・キャリアーと呼ばれる装置を母艦から射出し運用する。サイコミュの大型化が原因で機動性・運動性が低下している他、固定武装がヒートサーベルのみとなっている等、運用面で課題が残されている機体である。
トゥッシェ・シュヴァルツ
シュネー・ヴァイスの後継機であり、こちらは黒く塗装されている。
パイロットはヤヨイ・イカルガ。
サイコミュ・システムの小型化によってビットを内蔵することに成功し、搭載数が12基に増えた。本機の運用データがキュベレイの開発に大きく影響している。
ドワス
リック・ドム系列の最終生産型で、リック・ディアスの開発母体となったドワス改がアクシズにおける改良型として存在する。
詳細はドワスを参照。
ペズン・ドワッジ
小惑星基地「ペズン」で開発が進められていたリック・ドムの発展形。
詳細はペズン・ドワッジを参照。
ドム・バインニヒツ
ゲーム『SDガンダム GGENERATION ギャザービート』に登場。型式番号はMS-09F/Bn。
詳細はドム・バインニヒツを参照。
ドム・グロウスバイル
ゲーム『SDガンダム GGENERATION ギャザービート』に登場。型式番号はMS-09F/Gb。
詳細はドム・グロウスバイルを参照。
リック・ディアス
クワトロ・バジーナが持ち込んで来たドワス改をベースに、一年戦争後アナハイム・エレクトロニクスが開発したモビルスーツ。
詳細はリック・ディアスを参照。
ズオム
『機動戦士ガンダムU.C.0096 ラスト・サン』に登場。型式番号はATMS-09R。
一年戦争以降、ジオン敗残兵達が生活を送るムサイ級軽巡洋艦「メイルメル」で建造された専守防衛型モビルスーツ。
メイルメルの住人であるエージス・ソートンの手によるハンドメイド機であり、リック・ドムをベースとしていながらも外装や内装は回収したジャンクパーツを加工流用している。
全二機が建造されているが、パイロットに合わせた調整が行われている為、それぞれ性能や操縦特性がまったく異なる。
頭部の他にも胸部にモノアイスリットを追加しており、広域での索敵が可能な他、頭部が損傷しても視界に影響が出ない構造となっている。
パイロットはエミコ(一番機)、ガンズ(二番機)。なお、二番機には専用装備としてハンマーショットガンが装備されている。
パーソナルカスタム
シャア専用リック・ドム
小説版に登場する機体であり、ジャイアント・バズの代わりにビーム・バズーカを装備している機体。カラーリングも赤く塗装されシャア専用にカスタムされている。
アプリ『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』ではTVアニメ版準拠のシャア専用リック・ドムが登場。カラーリングおよび武装は小説版と同一。あのシャアにシートベルトの着用を推奨する程の強烈な推力を誇る一方、ザク4機が相手の模擬戦において姿勢制御の弱さから来る接近戦能力の低さや小回りの悪さを露呈している。また機体そのものの強度がシャアの操縦に付いて行けておらず、「この機体で奴に勝つことは想像しにくい」とシャアからは気に入られなかったようだ。
ガトー専用リック・ドム
PS2ゲーム『めぐりあい宇宙』のエースパイロットモード、ストーリーモードでも登場。
ソロモン防衛の際に、ガトーが乗っていた機体で彼のパーソナルカラーに塗装されている。
ビームバズーカを装備しており、撤退戦でも猛威を振るったとされる。
一部の作品では、これを踏まえて一年戦争のソロモンでガトーがリック・ドムに乗ってくることもある。
ドズル・ザビ専用リック・ドム
『MSV-R』に登場。リック・ドムの初期生産型通算100号機をドズル・ザビ中将用にカスタマイズした機体。
ドズル専用ザクⅡと同様にコックピットの容積を改修し、機体の縁に金色のエングレービングが施され、胸部上部の左右と両手の甲に3本ずつのスパイクが装着されている。また格闘兵装がドズル自身の要望によって専用のヒートホークに変更されている。
宇宙世紀0079年末に行なわれた観艦式にドズル中将自らの操縦で参加している。