機体データ
型式番号 | MSA-005 |
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所属 | エゥーゴなど |
開発 | アナハイム・エレクトロニクス |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 26.0m |
頭頂高 | 18.1m |
全長(MA時) | 21.8m |
本体重量 | 27.8t |
全備重量 | 52.4t |
出力 | 1,640kW |
推力 | 77,000kg |
センサー有効半径 | 11,300m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
固定武装 |
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携行武装 |
機体説明
形式番号MSA-005。エゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス社の共同開発プロジェクト、『Ζ計画』で開発された可変試作型モビルスーツ(MS)。
主なパイロットはファ・ユイリィ、レコア・ロンド、エーヴィ・アルヴァ。
ムーバブルフレームを用いた可変機構の動作チェックを目的に試作された機体。同社が使用している作業用MSを母体にアクシズとの技術交換によってもたらされたガザCの設計データを組み込む形で完成した。開発ベースが作業用MSであるためか上半身と下半身が3本のアクチュエーターで接続された構造を採用しており、その結果強度的に問題を抱え格闘戦には不向きな機体となってしまっている。その分メンテナンスや操縦が容易な機体として仕上がっている上、MA形態における加速性能や運動性の高さは抜群のものであった。
運用試験が行われた後、戦闘に耐えうる為の多少の改修を受けた上でΖガンダムやMk-Ⅱディフェンサー共々、アーガマに配備された。
当初はファとレコアが交代で搭乗していたがレコアがティターンズに寝返った後はファがメインパイロットとして乗るようになった(劇場版ではレコア機とファ機が別に存在し、レコア機が破壊された後にファ機が配備されている)。
ガンダムMk-Ⅱや百式が大破する中でグリプス戦役をほぼ無傷で生き残り、続く第一次ネオ・ジオン抗争においてもアーガマの貴重な戦力として運用されたが、ネオ・ジオンのMS相手には性能不足だった感が否めず、また戦闘を重ねる毎に機体のダメージも蓄積していき、最後は下半身を失った状態で出撃しΖガンダムのサポートに回った際に被弾、制御不能に陥り、精神崩壊したカミーユが待つコロニー「シャングリラ」へと流され放棄された。
本機の変形機構はΖガンダムと比べ簡便かつ整備性に優れており、操縦も容易であったため、後のΖⅡやリゼルには本機のものを発展させた変形機構が採用されている。
なお背部ユニット(MA形態時の機首部分)は艦内では干渉する事がある為、艦内を移動する際は機首を頭部に被せた中間形態的な状態になる。
またファ機とレコア機以外にも何機か量産されており、アクシズ攻略作戦ではビーム撹乱幕搭載ミサイルを装備した機体が複数投入され、ある資料では新生ネオ・ジオンに50機が納入されたと言う記述(内容が支離滅裂であるので真偽のほどは定かでない)があったり、0116年にサイド1の工業コロニーバーラトで暴動を起こしたエゥーゴOBの機体として3機が運用されている。
武装
アーム・ビーム・ガン
前腕部に搭載された半固定装備。砲身を180度回転させ、使用する。
モビルアーマー形態でも使用可能。
腕の外側に付いているが使用時はわざわざ前腕を回転させて順手持ちするため(トップ画像右手)、使用中はほとんど肘を曲げられない欠点がある。
ビーム・サーベル
脚部に左右合計6本内蔵されている格闘戦用装備。
通常のサーベル状のビームの他、ヒート・ホーク状のビームを発生させる事も可能。
本機はどちらかと言えば「MS形態になれるMA」なので、何故こんなに大量のビームサーベルを格納できる仕様になっているのかは謎。後述する補給目的だったのだろうか?
グレネード・ランチャー(ミサイル)
前腕部に搭載される単装式の擲弾。TV版で1度だけ使用しているのだが、元デザイン画には無いため富野監督の指示によって急遽設定されたと思われる。その為、立体物では再現された事が無い。
ゲーム『機動戦士ガンダム ガンダムvs.Ζガンダム』では使用できるが、そちらではミサイルとなっている。
頭部バルカン砲
こちらもアニメ本編で使用しているが設定上存在が確認されていない武装。
ビーム・ライフル
書籍『プロジェクトファイル Ζガンダム』のイラストで登場。百式と同型のライフル2丁にジム・コマンド系のシールドを組み合わせたものをMA形態の脚部に2丁装備する。こちらも補給を目的にしたものだったのだろうか?
修理装置
ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズに登場する際には修理装置が搭載されている。
これは、『ΖΖ』でジュドーのΖガンダムのライフルの補給をしていたシーンが元になったと思われる(ジュドーが空のエネルギーパックのライフルで出撃してしまい、替えのパックを持って救援に行った)。
この他、劇場版では百式のメガ・バズーカ・ランチャーへのエネルギー供給もしている為、実際の劇中ではどちらかと言うと補給要員のイメージが強いが、補給装置が搭載されるのは『第2次スーパーロボット大戦Z』からである。
ゲームでの活躍
主役機に比べ性能、特に攻撃能力は決して高くないが、可変機の為(特にMA形態では)小回りが利きやすく独自の使い道が存在しているケースが多い。
前述の通りスーパーロボット大戦では登場する全ての「メタス」に修理装置が装備されている。なんと1991年発売の『第2次スーパーロボット大戦』からである。本作(と前作に当たる初代)ではガンダムMk-Ⅱが登場しないので、何気に前半主役機より先にスパロボに参戦した事になる。前述のエピソードを元に、ゲームの駒として回復役として設定されたものと思われ、MA形態で地形を無視できる空中移動が大変便利な機体となっているが攻撃力は低い。その後のシリーズにおいても「変形できて(空を飛べて)修理もできるが火力は貧弱」というコンセプトが20年以上堅持され続けている。また、メインパイロットがヒロインのファであることから『機動戦士Ζガンダム』が参戦する作品には必ずといっていいほど随伴しており、同シリーズにおける参戦回数はトップクラス。ちなみに大半の作品で序盤から使えるため、飛行ユニットの少ない序盤では戦闘役としても案外馬鹿にならなかったりする。また、パイロットの乗り換え候補が多いガンダム系のユニットである点と、修理の際に経験値が入るスパロボの仕様から、シリーズによっては序盤から終盤まで活躍出来るほぼ唯一のユニットにも成り得る。
『機動戦士ガンダム ガンダムvs.Ζガンダム』では変形とミサイルを駆使したトリッキーな立ち回りが持ち味となっている。
『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズでは突出した性能の高さはないものの、ゲームの仕様上火力面は存外悪くはない場合が少なくない。また、本機よりΖガンダムや百式への開発が可能(作品によってはデルタガンダムやリゼルへの開発もできる)。
『ロストヒーローズ』ではアシストキャラとして登場。コンパチヒーローシリーズのためMSには人格が存在するが、メタスの場合はパイロットがいずれも女性だったからか、女性キャラとなっている。
『機動戦士ガンダムバトルオペレーション2』ではクレイ・バズーカ二丁とフラッシュ・グレネードを装備したメタス(重装備仕様)として実装されたが、ビームガンの火力が頭一つ飛び抜けており、装備していた二丁クレイ・バズーカも高性能だった為、実装から僅か一ヶ月で調整が入るという凄まじい勝率を叩き出していた。
『GUNDAM_EVOLUTION』では2021年8月のCBT以降使用可能。
変形で素早く移動ができる他、リペアケーブルを用いた回復や戦線維持が得意。
一方でアームビームガンしか武装がないので、味方の動きに左右されやすい特徴がある。
関連動画
バリエーション
アニュス・デイ
ゲームブック『機動戦士ガンダムΖΖ ヘルメス夢幻』に登場。
アナハイム社が自社製の作業用MSを基に試作した可変フレームの実証試験機で、メタスのプロトタイプに当たる機体。簡易的な変形機構を有するが、完成度はメタスと比べて劣る。
エゥーゴには採用されず、アナハイム社の社有機として自衛用に月面施設などに配備された。
メタス(エーヴィ・アルヴァ専用機)
型式番号MSA-005。
雑誌企画『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』に登場。
可変試作機であったメタスを実戦向けに改装した機体。
両脚に収納されているビームサーベル6基の内4基をビーム・ガンに換装し、オプションとしてグレネード・ランチャーを装備する事で火力を強化。構造的に脆弱な胸部をカバーする増加装甲、フレキシブルバインダーの追加によって耐弾性・運動性を向上させている。
結果、ノーマルのメタスより重量が増加した分加速性能が低下してしまったものの、戦闘能力は増大している。
また、本機をSFSとして使用出来るよう、MS用グリップが背部ユニットに設置されている。
メタス(重装備仕様)
型式番号MSA-005。
ゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』に登場。
実戦運用時に火力不足が指摘されるメタスに、クレイ・バズーカ2丁とフラッシュグレネードを追加した仕様。不使用時のクレイ・バズーカはΖⅡ同様、銃口を上部に向けて背面に装備され、変形時も運用可能となっている。
メタス改
型式番号MSA-005S。
『Ζ-MSV』に登場。
アナハイム社によるメタスの強化プラン。ハイ・メガ・キャノンを搭載した砲撃戦仕様。
詳細はメタス改を参照。
ガンキャノン・ディテクター
型式番号MSA-005K。
雑誌企画『Ζ-MSV』が初出。
メタスのムーバブルフレームを流用した砲撃戦用機。
詳細はガンキャノン・ディテクターの項目を参照。
メタス・マリナー
型式番号MSA-005M。
ムック『GUNDAM WARS 2 MISSION ΖΖ』が初出。『ΖΖ-MSV』として扱われることもある。
第一次ネオ・ジオン抗争時、ネオ・ジオンによる地球降下作戦に対抗するため、地球降下からそのまま拠点制圧を行う目的で開発された水陸両用機。
詳細はメタス・マリナーの項目を参照。
メタス・プロジェクト関連
- メタスX-1
型式番号MSA-005X-1。
Web企画『アナハイム・ラボラトリー・ログ』に登場。
アナハイム社が「メタス・プロジェクト」で開発したメタスの派生型の1つ。大気圏内での制空性能の獲得を目指した機体。
詳細はメタスX-1の項目を参照。
- メタスX-2
型式番号MSA-005X-2。
『アナハイム・ラボラトリー・ログ』に登場
アナハイム社が「メタス・プロジェクト」で開発したメタスの派生型の1つ。MA形態での攻撃・移動性能とMS形態での戦闘能力の両立を大気圏内外問わずに図った機体。
詳細はメタスX-2の項目を参照。
- メタスX-3
型式番号MSA-005X-3。
『アナハイム・ラボラトリー・ログ』に登場。
アナハイム社が「メタス・プロジェクト」で開発したメタスの派生型の1つ。敵防空網制圧を任務とする拠点攻略用の機体として開発された機体。
詳細はメタスX-3の項目を参照。
Ζ計画関連
- ΖⅡ
型式番号MSΖ-008。
『Ζ-MSV』に登場。
Ζ計画に基づいてメタスの可変機構を採用し開発されたΖガンダムの発展機。
詳細はΖⅡを参照。
- リゼル
型式番号RGΖ-95。
小説・アニメ『機動戦士ガンダムUC』に登場。
連邦軍の量産機として初の可変機。ΖⅡを経由する形で設計にメタスのデータが使われており、内装の一部をジェガン系列と統一化することにより、可変機の多くにあった生産性及び整備性の低さをクリアした傑作。
詳細はリゼルを参照。
立体物
1/144並びにHGUCシリーズにラインナップされている。双方可変機構を忠実に再現しており、後者は艦内移動形態が再現可能で劇場版『Ζガンダム』で百式のサポート時に使用したコードが付属する。
SDガンダムフルカラーでもラインナップされているが、現在は入手困難。
こぼれ話
当初は単なる非変形の宇宙戦闘機だったが、ある人物から「どう変形するの?」と言われビックリし、慌てて可変型MSにリファインしたとの逸話もあり、この辺はガンダムエース編集部から変形機構を要求され取り入れたファントムガンダムを連想する。
余談
メタスの由来は『目多数』から。
モノアイが多数あるハンブラビのデザインをメタスのものとして用いる予定があった名残である。
関連項目
ホシノ・フミナ:アニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』に登場するキャラ。模型の世界へ飛び込む時のデビュー作として本機のHGUCのキットを選んでいる