ベルトーチカ・イルマ
べるとーちかいるま
「アムロ・レイの7年間は眠りの時間だったのよ。肉体も、精神も…休養は必要だわ」
「女の愛撫で男を奮い立たせることができるのなら、女はそれをする時もあるのよ」
「アムロのお尻を叩いているのが私なのよ!」
CV:川村万梨阿
エゥーゴを支援する組織、カラバの一員で愛機は複葉機「コメット」。金髪に緑帯びた碧眼のグラマー美女。愛称は『ベル』。詳しい年齢は不明だが、20歳前後と推察される(小説『Z』では「まだ少女」と言う描写があった)。
本業はジャーナリストだが、義父がカラバの援助を行っている関係から自らもカラバの活動に身を投じる。両親は一年戦争のコロニー落としで亡くしており、戦災孤児となったため義理の親にひきとられ育てられた。好戦的な男性を嫌い、クワトロ・バジーナを見て「平和なインテリジェンスを感じない」と評している。ステータス主義な性格に加えて、己の興味を優先するあまり対人関係での距離感に無頓着であり、カミーユ・ビダンに加え、日頃穏和なミライ・ノアからもそうした点を厳しく指摘されたこともあった(後述)。
アウドムラにて出会ったアムロ・レイと心を通わせるようになり、出撃前には口づけを交わし、帰還後は号泣して抱擁するなど心から彼を愛した。
戦災孤児であり戦争を憎んでいるが「戦争は嫌いだけど、戦わなければいけない時に戦う事は別」と言う信念の持ち主。
映像作品での登場はZとUCのみだが、小説版ではZ・ZZ・ベルトーチカチルドレン・UCと割と出番は多め。
『機動戦士Ζガンダム』
初登場時には、カミーユとクワトロを宇宙に離脱させるため、複葉機「コメット」でアウドムラに合流し、必要なシャトルを備えるヒッコリーへ導く。そこでニュータイプとして知っていたアムロ・レイと出会い、興味を持ち、後に恋仲にまでなっている。
アムロのことを思うあまりガンダムMk-IIをアムロに譲るようカミーユ・ビダンに強要した際には、彼から「そうした行動がアムロを殺すことになる」という趣旨の言葉を言われたこともあった。また、アムロと同じくかつてのホワイトベースクルーであるミライ・ヤシマから彼のことを詳しく聞きだそうとした際には、彼女に「もっとじっくり他人と付き合っていくことも必要」と諭されたことに加え、「不用意に他人の心に入り込み過ぎる」として厳しく叱責された。ただし、ベルトーチカ自身もカミーユやミライに嫉妬している面もあり素直に意見を受け入れられない心境であった。
カミーユを弟の様に可愛がり後見人として尽くすアムロ、自分の命も顧みずミライ親子を救おうとするアムロ、それらはアムロの今までの人生の全てが影響してる面があるのを理解しているからこそ、彼女はアムロのことを全て理解したいと思い、アムロとの距離を縮めようと焦っていた。それはアムロへの愛情が強いが故であり、戦争と言う状況下で危険と言うのは必然である事は頭で理解しつつも、アムロが無事生還したにも拘わらず毎回の様に抱擁しながら号泣していた。パイロットとして復活を望んでいた反面、戦場に身を投じるアムロを心底心配し、心の葛藤を生む事になる。
ダカールの連邦議会でクワトロの演説の際には、演説をテレビ中継するために裏工作を行い連邦議会を一時占拠する。クワトロの演説中に攻撃してきたティターンズの映像を写し、作戦の成功に大きく貢献する。このころには以前のような独善的な言動や感情の起伏が鳴りを潜め、ダカールの作戦成功後にはカミーユと互いにねぎらい、打ち解けた会話が出来るようになっていた。
アウドムラの銃座も担当する事もある。また戦下で腰の抜けたカメラマンに代わりティターンズの悪行を暴くのにも一肌脱いでおり、度胸もある。
劇場版ではダカールでの演説は無いためカミーユたちが宇宙へ帰還した後はアムロと意味深な会話をするものの表舞台から去り、『III』のラストでアムロやフラウ・ボゥと共にグリプス戦役の終焉を見届けるシーンのみの登場となり、セリフも無い。また、性格がTV版に比べて穏和になっており、悪印象はかなり減っている。アムロいわく、「操縦の腕はなかなかのもの」らしい。
小説版『機動戦士ガンダムΖΖ』
小説『機動戦士ガンダムΖΖ』では、地球へ降下したアーガマの支援のため、カラバの一員としてアムロとともに登場する。初対面のブライト・ノアに対し「さらっとした温かみとインテリジェンスがある」と遠慮のない人物評を浴びせるが、アムロに対する従順な態度にかつてのアムロを知るブライトには、彼を人間的に成長させた女性としての印象を与えている。 なお、本作はアムロとジュドー・アーシタの共闘のように小説独自の設定で描かれているため、アニメ本編における第一次ネオ・ジオン抗争での彼女の足取りは不明である。また、本来はアニメにも登場する予定だったが、見送られている。
小説版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』
グリプス戦役以降も恋人関係は順調であり、アムロとの間には子供を授かっている。この子供とベルトーチカの母子はタイトルにもなっている通り非常に重要な役割を担っている。「月刊ガンダムエース」にてコミカライズ版が連載された。制服スタイルは小説版ではMSパイロット用制服、コミカライズ版ではチェーン・アギと同形の制服(ボトムはキュロット風フレアスカート。北爪宏幸氏のデザインによる「逆襲のシャア」時のベルトーチカの制服のボトムはタイトスカートに描かれたらしい)。ノーマルスーツスタイルは小説版ではMSパイロット用ノーマルスーツ、コミカライズ版では最初はMSパイロット用ノーマルスーツ→一般用ノーマルスーツを着用(チェーンと同様)。
劇場版および小説版『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』
第二次ネオ・ジオンの反乱以前にアムロとは別れているので登場しない。小説のアムロの発言に寄れば南アメリカに行っているようだ。キッカ・コバヤシが主役の「逆襲のシャア」のその後が舞台の漫画「ピューリッツァー」にも登場。
『機動戦士ガンダムUC』
小説・OVA『機動戦士ガンダムUC』では、ルオ商会に縁故のあるフリーランスの情報屋として登場する。アムロとは第二次ネオ・ジオン抗争以前に別れており、彼の死に対しても「人のかたちを失っても心は宇宙に溶けている気がする」と前向きに克服している様子である。ブライトには依頼されていた袖付き、ビスト財団、連邦政府移民問題評議会の「ラプラスの箱」をめぐる権力闘争の状況を報告。これとは別に地球のジオン残党を乗せた不定期船がトリントン基地へ向かう情報も提供している。
- 一部ゲーム作品などでは、チェーン・アギとアムロをめぐり対立する傾向にあるようで、ゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』では熱い女の戦いを繰り広げ、テーブルトークRPG『ワープス 機動戦士ガンダム・逆襲のシャア』のサンプルシナリオでは、チェーンと甘いひと時を過ごすアムロの前に、かつての恋人ベルトーチカが現れるなどがある。
- 『ΖガンダムPart2』という仮題が振られていた、監督の富野由悠季による『機動戦士ガンダムΖΖ』の企画書の記述によれば、小説版『ΖΖ』同様にアムロやハヤト・コバヤシと共にアニメ本編にも再登場する予定だったらしい。この企画書は講談社『機動戦士ガンダム大全集』に掲載されている。
- 角川カセットブック「逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」によるとアムロ&ベルトーチカの子供の性別は『男の子』と判明。
- ボッシュ・ウェラーとカラバ時代の同志で互いに面識がある。
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