「何を言うか! ザビ家独裁を目論む男が何を言うのか!」
「総員、第一戦闘配置だ!」
「左舷砲撃手、弾幕薄いぞ!何やってる!」
「すまんが…みんなの命をくれ…」
概要
CV:鈴置洋孝(初代)/成田剣(二代目)/置鮎龍太郎(ガンダムさん)
地球連邦軍軍人。最終階級は大佐。宇宙世紀0060年生まれ。
シリーズ第1作にてホワイトベースの艦長(代行)として活躍。
その後の『Z』『ZZ』、『逆襲のシャア』でも艦長ポジションにて登場。複数の作品で主人公が所属する艦の艦長を務め、幾多の戦場で指揮を執った歴戦の軍人である。
メインキャラとしてのポジションからは外れるが、『UC』や『閃光のハサウェイ』においては、少ないながらも重要な役どころで登場している。(そして、数多くのニュータイプに関わり続けて来たことから、ごく一部からニュータイプホイホイと呼ばれることになった。)
担当声優
ゲーム作品では鈴置氏が亡くなって以来、生前に録音された音源がライブラリ出演として用いられていたが、アニメ版『機動戦士ガンダムUC』においてブライトが登場した際に成田剣氏がブライトを演じており、ゲーム『Gジェネレーションオーバーワールド』においては初代からUCに至るまでの全てを成田氏が演じることになった。
来歴
一年戦争(『機動戦士ガンダム』)
19歳で士官学校を卒業し、地球連邦軍士官候補生としてホワイトベースに乗りこみサイド7へと向かう。この時軍歴6ヶ月。
だが着いた先のサイド7にてシャアの強襲に遭い、正規軍人のほとんどを失ったホワイトベースの艦長代理に任命される。
その後は軍事機密を回収・処分し、アムロなど少数の民間人協力者たちを指揮しながらサイド7難民を連れてサイド7を脱出。
自らも新米でありながらアムロらクルーを叱咤激励し、自身もシャア、ランバ・ラル、ガルマ・ザビといったジオンの英雄たちとの戦いを高い指揮センスによってかいくぐった。
一方で、半ば強制的にガンダムで戦わせ続けたアムロに対し、次第に彼がニュータイプとしての片鱗を見せ始めたことから恐れを抱く様になり、強引に降ろそうとした結果、彼がガンダムごと脱走してしまう事態を招いてしまっている。その後戻った後も脱走したのを理由にガンダムで出撃させる以外では常に独房に閉じ込め続けるなど、彼の人権を無視する様なやり方まで見せる様になり、アムロから反発されてしまう。だが、良き相談役であったリュウ・ホセイからは横暴になっていく自らのやり方を諫められ、その後彼は帰らぬ人となってしまい、泣き崩れる事になった。
度重なる激戦の疲労により一時体調を崩し、ホワイトベースの指揮権を操舵手のミライ・ヤシマに委ねるが、オデッサ作戦やジャブロー攻防戦で戦果を挙げる。
その後、連邦軍本部ジャブローにて正式に艦長(階級は中尉。なおブライトの知らないうちに跳躍昇進措置で少尉となっていた)となり、ティアンム艦隊麾下第13独立部隊へ編入され、「囮部隊」としての任務を遂行するため地球を離脱。
ソロモン攻略戦を終えると、最終決戦地となるア・バオア・クーの戦闘に参加。
ア・バオア・クー戦の終盤においてホワイトベースのエンジンが被弾し航行不能に陥った際には、艦を要塞内部に着底させ自ら銃を取った。
その後、アムロ・レイのニュータイプ能力により、「このままでは全滅する、総員退艦命令を」と進言を受け乗員と共にランチで脱出、無事に生還する。
この一年戦争と呼ばれる戦争の後、ホワイトベースの操舵主だったミライと結婚。ハサウェイ、チェーミンの二児に恵まれた。
グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)
一年戦争から7年後、その功績にもかかわらず、ニュータイプの存在を恐れた連邦上層部の意向で左遷されてしまい、連絡船テンプテーションの船長を務めていた。
さらに、増長したティターンズからは暴行を受けるなど惨めな境遇を送るが、エゥーゴによるガンダムMk-Ⅱ強奪の際、グリーン・ノアの難民を保護しテンプテーションで漂流しているところをアーガマに救助される。
その後、エゥーゴに参加し(階級は中佐から大佐へ)、ヘンケン・ベッケナーよりアーガマの指揮を引き継ぎ、最終的にティターンズ・アクシズと三つ巴の戦いを展開。
コロニーレーザーであるグリプス2を捨て身の覚悟で守り切り、ティターンズを壊滅させた。
エゥーゴに参加する一方で連邦軍に籍を置く彼は、地球に残してきた家族を心残りにしており、家族からの手紙で涙を見せるなど家庭人の一面も見せた。
またクワトロに対して「自分はカミーユの父親代わりにはなれそうもない」と語ったこともある。
第一次ネオ・ジオン抗争(『機動戦士ガンダムΖΖ』)
ティターンズとの決戦で自らも壊滅的打撃を受けたアーガマの修理のためサイド1のシャングリラに立ち寄り、そこで乗りこんできたジュドー・アーシタらに翻弄されながらも、ネオ・ジオンと戦った。
また、艦の補修のために立ち寄った補修ドックのラビアンローズで、艦長代理のエマリー・オンスに興味を持たれ、急接近されて困惑。本人はそれほど悪い気はしていなかったようだが、さすがに一線を越えた関係にはならなかった。
その後、地球へ降下しネオ・ジオンの作戦の阻止へ動くが失敗し、宇宙に戻るとアーガマの後継艦ネェル・アーガマの艦長になるが、間もなく月へ移動することになりビーチャ・オーレグに代理を任せ、艦を降りる。そして、月からネェル・アーガマに補給物資を送り続けるために奔走した。
その後ブライトを含むエゥーゴの主力艦隊がネェル・アーガマに合流した時にはすでに、ジュドーとハマーンの決戦に決着がつき、アクシズの勢力は瓦解していた。
影武者と発覚したミネバ・ザビの前で戦後処理を話し合うエゥーゴ上層部の有り様に、ジュドーは激しい怒りを感じ、ジュドーは、戦いで死んでいった者達も省みずに、何もしなかった者が戦後の功績だけに預かろうとするのかと、高官たちを締め上げる。
そんなジュドーの心境と怒りを理解していたブライトは、彼のやり場のない怒りを受け止めるため、「情けない大人」の代表として、その鉄拳をあえて受けた。
そしてネオ・ジオン戦争終結後、ジュドーとルー・ルカは、ジュピトリスⅡに搭乗し木星圏へと向かうのを、リィナ・アーシタとセイラ・マスを含めたエゥーゴのクルーたちとともに月面フォン・ブラウン市の宇宙港で見送った。
第二次ネオ・ジオン抗争(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)
四年後、地球連邦軍・独立新興部隊「ロンド・ベル」の旗艦ラー・カイラム艦長兼部隊司令(大佐)として、アムロと共にシャア率いるネオ・ジオンと戦った。
アムロとはかつてのように対立するようなことはなく、むしろタメ口を許容するほどの友好関係となっている。
道中地球から逃れてきた息子のハサウェイを保護し、決戦前には遺書を書かせ軍人としての生き方を見せ、地球に落下する小惑星アクシズを止めるため、核攻撃を行うが失敗。工作部隊を自ら指揮し内部に潜入、アクシズを爆破しようとする。
見事爆破・分断し工作に成功したと思われたが、爆破の衝撃が強すぎたため、分断したアクシズの片割れ(地球を寒冷化するのには十分な大きさのもの)にブレーキがかかり、地球への落下コースへ入ってしまう。
艦に戻ったブライトは、アムロがアクシズを止めるために単機で取り付いたのを知り、自分たちもそれを助けようと「ラー・カイラムでアクシズを押せ」とまで無理を言う。
しかし、最後には暖かい光に包まれ、地球から離れるアクシズをラー・カイラムのブリッジから呆然と見つめ、激戦を生き残った。
ラプラス事変(アニメ版『機動戦士ガンダムUC』)
シャアの反乱から3年後の宇宙世紀0096年、引き続きロンド・ベルの指揮官の任に就いている。
ジオン軍残党によるトリントン基地襲撃に対する迎撃任務から、ラプラス事変に関与している。
その後、ビスト財団の不穏な動きをけん制するため、カイ・シデンのアイデアを受けてネェル・アーガマに特命を下し、実質的にユニコーンガンダムとバナージ・リンクスの逃亡を手引きする。そして自身とその部隊はロンド・ベルの特権を用いて連邦軍参謀本部を強襲、事変の首謀者の一人であるマーサ・ビスト・カーバインを逮捕した。
マフティー動乱(『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』)
9年後の宇宙世紀0105年。階級は大佐のままである。
ブライトはマフティー・ナビーユ・エリン(ハサウェイ・ノア)討伐を目的とした南太平洋方面軍(キルケー部隊)司令に着任のため、ビーム・バリアーを装備したラー・カイラムをはじめとする第十三独立艦隊の三隻の艦艇で地球に降下してくる。
だが、ブライトが到着する頃には前任のケネス・スレッグ准将により既にマフティーは捕らえられ、UC105年5月1日マフティーは銃殺刑に処されている。
ブライト本人はマフティーが息子のハサウェイであったとは知らされていなかった(ケネスはブライトにそのことを知らせないためにブライト着任前にマフティーを処刑した)。だがその後、ケネスのケアレスミスにより、マフティーの正体を知ってしまったメジナウム・グッゲンハイム大将がマスコミに流したリークにより、ハサウェイを処刑したのはブライト本人ということにされてしまう。しかしブライトに汚名を着せようとしたこの工作は思惑とは逆に父親に息子を殺させた連邦に対する世間の非難を集める結果となった。
マフティー処刑後、キルケー部隊司令の任を引き継いだ後のブライトの足取りに関しては『ブライトは新聞でマフティーの正体が息子だと初めて知り、その事実関係を調べるが、軍が発表したのは事実関係のみのため簡単にシラを切られる、証拠は得られない。ブライトは当惑したまま、マフティーの正体も分からず、3ヶ月後そのまま退役するだろう』とケネスに推測されていた。
また、中巻においてロンド・ベル本拠地があるロンデニオンコロニーでの自宅の様子も描かれている。この頃の彼は若い頃から戦い続けていて他の軍人より老成していたのと、自分より年若い部下が目の前で命を散らしていく様を目撃してきたため、精神的に疲弊していた。退役後は、免許を取るためのクッキング学校に通う予定も立てており、しばらくは、小さなレストランの経営などをやって、世俗のなかで行く先を考えようと思っていたようである。だが、レストランを経営する真の目的は政治に打って出る方法を市井で学ぶためである。その時は、ジオン・ダイクンの二番煎じであろうが『人類がニュータイプに変革しなければならない』という高邁な理想をかかげることになるがそれに対して、一般市民からは理想主義でアホウよばわりされる事もあろうし、選挙での票集めにはならないかもしれない。しかし、ブライトの場合、そうでもしなければ、宇宙の戦争で知ったことをすべて無駄にするのではないか、という予測があったのだった。(ちなみにハサウェイがマフティーの黒幕であるクワック・サルヴァーとの対談で、父が将来政治家になりたいことを推測していたので家族には筒抜けだったようである。)
しかし退官願いは3年も受理されておらずその理由に、連邦上層部はアムロ・レイやカミーユ・ビダンのような突出したパイロットであるニュータイプを従える事が出来たブライトを危険視しており、いざ連邦内部でニュータイプの再来や反乱があった場合としての人質として拘束するという考えがあったからである。前述の考えについては閣僚の中でもっとも強く軍の方もそれに従っており、もしブライトが政治家にでもなられてニュータイプ的な発言をされたら一番困るのは政治家であり軍のトップだったからである。
容姿
白目がない事は一部では有名。
1st~ZZまでは白目がなく、逆襲のシャアで白目が書き込まれるも、ガンダムUC&閃光のハサウェイで再び喪失。
SDガンダムGジェネレーションで閃光のハサウェイが取り上げられた際に髭を蓄えていた事を知ったファンも多いが、逆襲のシャアのノベライズ版である「ベルトーチカ・チルドレン」&「ハイ・ストリーマー」においても髭を生やしているイラストが存在する。ちなみに「逆襲のシャア」時のブライトの設定に当初は髭付きとなっていたが、キャラクターデザインを担当した北爪宏幸氏は富野監督から「ブライトはこんなに髭は生えないんじゃないか」と言われたため髭無しが決定稿となった。
スーパーロボット大戦シリーズでは
アムロ共々ほとんどの作品に登場する名物艦長。原作以上に個性の強い自軍キャラ達を纏めたり、自分より経験未熟・年下の艦長にアドバイスや叱責することも(その分上層部との衝突などでストレスも多く、「戦争の終結とブライト艦長の胃に穴が開くのとどちらが先か」という賭けの対象になったりもする)。
旧シリーズでは戦闘能力が低く精神コマンドの質が悪いため、他作品の艦長に出番を取られがちだった。
だがIMPACT以降能力が見直され、第2次αでは超攻撃的になる。
大抵の場合、乗艦するのはホワイトベースやアーガマといった原作で指揮をとった戦艦達で、ほとんどの場合ラー・カイラムが最終座乗艦となる。
第2次α・第3次αではラー・カイラムの武装に核弾頭ミサイルが追加される場合があり、他作品の艦長達に引けを取らない火力を発揮する。
また、Dではラー・カイラムの初期装備となっている。
第2次スーパーロボット大戦Gやスーパーロボット大戦αでは、オリジナル展開でリーンホースJrに、スーパーロボット大戦64ではアルビオンやアウドムラに乗艦する。
特に初代αでは、エヴァンゲリオンらと共に使徒イスラフェルを迎え撃つシナリオにて、リーンホースJrでこれを殲滅する事も出来た…が、自分でも倒せるとは思ってはいなかったらしく驚愕していた。(ちなみに隠し要素に関わるポイント『熟練度』は原作で戦ったパイロットで倒しても貰えるが、なぜかブライトで撃破した方が多くもらえる)。
第3次ZではガンダムUC参戦に伴い、成田剣氏の新規録音に変更。
ストーリー展開の都合上、ラー・カイラムの武装に核弾頭ミサイルの追加が無くなったが
新MAP兵器『メガ粒子砲一斉射』とエースボーナス『ターン開始時に指揮範囲内の味方の気力+3』が強力なため主力として十分に活躍できる。
なお、成田氏はUCが参戦していないTと30においても続投している。
「左舷弾幕薄いぞ!!」
ブライトを代表する台詞だが、有名になったのはやはりスパロボの影響が強いと考えられる。
戦闘中の台詞でも、被弾するとよく言っている。
しかし、毎回毎回左舷と言っていたためか、第3次αでは右舷に被弾してしまった。
おそらくサエグサさんにとって最大の見せ場であろう。
なお、この左舷の被弾率については「トニーたけざきのガンダム漫画Ⅲ」に詳しい検証が乗っている。
それによると艦の左側に注目するのはホワイトベースの左メインエンジンが一度半壊してしまったためである事がうかがえる。
また「弾幕」発言はかなり後である事も調べられている。
その他メディア作品
漫画『機動戦士ガンダムUC 虹に乗れなかった男』
アニメ設定とは異なり、アクシズ落下阻止の後、彼は国家騒乱罪の容疑をかけられ、連邦軍の審問会に召還される。
その内容は、『核兵器を無断で持ち出したカムラン監査の罪状(終身刑に当たる)、MSに無断搭乗した愛息ハサウェイ・ノアの罪状(乗機ジェガンのフライトレコーダーが壊れていた事とクルーの温情的処置により記録は残っていないのだが)を揉み消す代わりに、アクシズ落下の際に起きた現象、『アクシズ・ショック』と名付けられたそれを黙殺しろ』と、いうものであった。
アムロとシャア、二人のニュータイプを人柱に、サイコミュを媒介に人類の集団無意識がエネルギーに転化したこの事実を認めてしまえばジオニズムに血肉を与えてしまう。
神を捨て宇宙世紀へと移行した時代、ニュータイプ神話が文字通りの神話になれば対ジオニズム闘争は宗教戦争になってしまう。
連邦の上層部はそれだけは何としても避けたかったのである。
しかし、今までに数多くのニュータイプと関わり、第二次ネオ・ジオン抗争で目撃したあの光をニュータイプの希望の象徴として捉えていた彼は、「このままでは希望が絶たれてしまうのでは?」という疑念に駆られる。
だが、苦悩する彼の前にアムロ、カミーユ、ジュドーの精神体が現れ、「大人になれ。そしてこれから現れるニュータイプを見守ってやってくれ。」と諭される。
それを受けた彼は、アクシズ・ショックを黙殺する代わりに自身をロンド・ベル司令に留任させるという条件を提案し、これを認めさせた。
関連タグ
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