概要
「スーパーロボット大戦シリーズ」に登場する戦闘システムの一つで、自身あるいは指定した相手にメリット効果を与えるもの。
「精神ポイント(SP)」というものを消費して発動するため参戦作品の中ではこのシステムの原点と言うべき獅子王凱と言えども湯水の様には使えず、製作者的に縁がないキリコ・キュービィーでもキチンと使用できる。
使用することで、攻撃力が上がったり、相手の攻撃を絶対に回避したり、どんな強力な攻撃を受けてもほぼ無傷で耐えたりできる。
要は「ヒーローの特権」「主人公補正」とも言える力をシステム化したもの。
パイロットのレベルアップにより、使用できる精神コマンドは増えていく。覚えるコマンドは同じパイロットでもシリーズによって異なるが、概ねキャラクターの性格や設定を精神コマンド名の字面に反映させつつ、ゲーム上における機体性能との相性を考慮したものとなっている。
基本的に敵側はイベント及びエースボーナス抜きで精神コマンドを使うことはないので、敵側のラインナップは純粋にキャラ付けのためのものとなっており、明らかにゲームバランスを無視した設定になっているものもある。
代表的な精神コマンド
名称 | 効果 |
---|---|
熱血 | 一度だけ、自分の攻撃の最終ダメージが増加する。増加量は2倍の作品が大半だが、1.5倍の作品もある。基本的にはクリティカルと重複しない。 |
魂 | 一度だけ、自分の攻撃の最終ダメージが大幅に増加、「熱血」の上位版。増加量は基本的には『α』以前では3倍、それ以降は2.5倍または2.2倍。「熱血」と重ね掛けすることはできない。 |
必中 | 1ターンの間、自機の攻撃命中率を100%にする。分身も発生しなくなるが、「ひらめき」と被ったときは「ひらめき」が優先される。ボス級の敵に対して、「熱血」や「魂」とセットで使用するのが基本。 |
ひらめき | 一度だけ、自分に向けられた攻撃を必ず回避する。ボス戦の必須コマンド。 |
不屈 | 一度だけ、自分が受けるダメージを0または10にする。『第3次Z』以降は、効果が被ダメージ1/8に変更された。 |
鉄壁 | 1ターンの間、自機の戦闘での被ダメージを1/4にする(古いシリーズでは装甲値2倍の効果だった)。1ターンの持続という性質上、対ボス戦よりも雑魚の真ん中に突っ込んで集中砲火を受ける状況に対して強い。 |
集中 | 1ターンの間、最終命中率・回避率に30%の補正がかかる。雑魚戦や序盤のボス戦で命中率を安定させるのには欠かせない。しかし『A PORTABLE』以降は無双を防ぐ連続ターゲット補正システムが採用されているため、過信は禁物。 |
加速 | 一度だけ、使用ユニットの移動力を+3(『Z』では+2)する。Z同様に小隊制の作品では、小隊全体に効果がある。 |
突撃 | 使用後1回だけ、あるいは1ターン、マップ兵器以外の全武器をP属性(移動後使用可能)にする。長射程で、P属性を持たない遠距離武器を主力とする機体と相性がよい。逆に全てP属性武器の機体では無駄になってしまう。 |
直撃 | バリア・防御系&回避系能力(分身、切り払い、撃ち落とし、援護防御など)の殆どを無効化。ただし、効かない敵もいる。 |
狙撃 | 使用後1回、もしくは1ターンの間、武器の最大射程を+2する。ただしマップ兵器と射程1武器は除く。 |
覚醒 | 使用したパイロットの乗るユニットの行動回数が1回増える。SP回復強化パーツ等々のSP補充手段があれば使用後に行動した後にさらにもう一回行動するという手も。 |
根性 | 自機のHPを最大値の30%回復させる。後に上位コマンドの「ド根性」が不採用となった関係で、回復量が50%に増加した。 |
ド根性 | 「根性」の上位版で、自機のHPを最大まで回復させる。『NEO』『OE』『V』では戦闘開始前に使えるようになったので、利用価値は増した。それゆえ低難易度化も招き、『X』以降から廃止されている。 |
信頼 | 指定したユニット1機のHPを回復する。多くの登場作品では指定ユニット1機のHPを固定値で2000回復させる。後半になると需要が減るパターンが多い。 |
友情 | 当初はマップ内の味方全ユニットのHPを最大値の50%回復させる効果だった。『R』からは指定した味方一人のHPを完全回復する「信頼」の上位版に変更。 |
期待 | 指定したユニットの精神ポイント(SP)を回復する。回復量は50(一部作品を除く) |
気合 | 使用したパイロットの気力を上げる(現行作品では+10の場合が多い)。気力制限のある武器、特殊技能、特殊能力を早く使用したい時にも非常に有効。 |
気迫 | 気力の上位コマンドで、使用したパイロットの気力を+30する。1ターン目からいきなり気力を130にすることができ、必殺武器や気力制限のある特殊能力&特殊技能が使えるようになる。 |
脱力 | 指定した敵ユニット1体の気力を-10。主な用途はボスユニットが有する気力制限のある特殊能力&特殊技能&MAP兵器封じ。 |
幸運 | 敵ユニットを撃墜したとき、獲得資金が2倍になる。もちろん、MAP兵器にも効果がある。 |
努力 | 次の戦闘で獲得する経験値を2倍に上昇させる。『F』以前、これの効果は「幸運」に含まれていた。 |
てかげん | 自分の技量値が敵より上だった場合、次の攻撃で与えたダメージが敵のHPを超えても必ず10残す。主な用途は味方のレベル上げの補助、もしくは撃墜するとゲームオーバーになるユニットのHPを効果的に削るなど。 |
奇跡 | 使用者に「ド根性」「気合x3」「加速」「幸運」「努力」「必中」「ひらめき」「魂」が同時にかかる。あまりに強力すぎた為か、『R』以降は殆どの作品で仕様変更された「愛」に役割を譲って登場しなくなった。 |
愛 | 『IMPACT』以前の作品と『COMPACT3』ではマップ内の味方全ユニットのHPを最大まで回復させる。『R』以降は「熱血」「必中」「ひらめき」「加速」「気合」「努力」「幸運」が同時にかかる。 |
自爆 | 使用ユニットに隣接する機体に、敵味方関係なく残りHP分の回避&防御不能の固定ダメージを与えるが、使用した機体は撃墜扱いになってしまう。最近ではいわゆる「自爆技」が高威力、バリア貫通、サイズ差補正無視の武器として出るようになり、精神コマンドの自爆は『GC/XO』を最後に登場していない。 |
派生作品では
無限のフロンティアシリーズは一般的なRPGのシステムを採用している関係で、精神コマンドは「行動回数を消費しない補助系魔法」といった位置づけ。SPが通常のスパロボとは比較にならないほどあるため、初見で戸惑うプレイヤーも少なくない。
習得数は一人当たり3種で、1度の戦闘中には事前にセットした1種を1度だけ使用可能。アリーナなどで適用される「VSバトルモード」では1度使用してもターン経過によって再使用が可能。
経験値が最大まで溜まるとΩ精神スキル(コマンド名の後ろに「Ω」が付く)へと強化され、効果が上昇したり別の効果が付いたりする。
類似品
エクストラアクション/オーダー
『V』以降で採用。敵を撃墜する、もしくはレベルアップ、戦艦の場合は味方の撃墜数が10毎にも加算されるExCを使用して特殊な効果を得る(同時の場合はまとめて加算)。戦艦ユニットでは周囲のユニットに対して効果を発揮するエクストラオーダーを使用できる。『30』でアクションの方は使えなくなったが、ドライストレーガーのみ効果範囲を広げることができる。効果は以下の通り。
エクストラアクション
- ブーストダッシュ:移動力+2。加速と違い、地形による移動力の減衰を無視できる。
- ダイレクトアタック:一度だけ相手の特殊能力やスキル、サイズ差補正を無視して攻撃できる。カウンターも無効になる。直撃と違ってパイロットのスキルによるダメージ減少効果も無視される。
- スマッシュヒット:1ターンの間攻撃が確実にクリティカルになる。闘志と違い、熱血や魂がかかっていても有効。
- マルチアクション:コマンド使用後に敵機を撃墜すると、もう一度行動できる。攻撃しないか、反撃で撃墜した場合でも効果は切れない。
- トリックアタック:『X』より追加。1回だけ、ENや残弾を消費せず攻撃できるようになる。
エクストラオーダー
- 緊急回収:周囲8マスにいる味方1機を回収する。
- 気力上昇:隣接している4マスにいる味方1機の気力を10上昇させる。
- ExC上昇:隣接している4マスにいる味方1機のExCを2上昇させる。
- 行動回復:周囲5マスにいる味方1機を再度行動可能にする。
- 周辺指揮:『X』から登場。1ターンの間、隣接している4マスにいるすべての味方の格闘・射撃・回避を10、防御を15上昇させる。10回まで重ね掛けでき、能力を最大まで養成していても効果がある。
IDコマンド
『Gジェネレーションシリーズ(WS、GBA、NDS版)』で採用。各キャラクターの印象的な台詞がそのまま精神コマンドのような効果になる。
以下一例
- 「お前を殺す」(ヒイロ):攻撃力が上がり、必ずクリティカルが出るが、必ずHPが1残る(絶対に敵を撃墜できない)。
- 「『あなたに力を…』」(ガロード):ティファの台詞だが、ガロードで使用可能。GX搭乗時に限り有効。サテライトキャノンを使用可能にする。
関連タグ
スーパーロボット大戦
魂ィィィィ!!:SDガンダム三国伝の登場人物呂布トールギスの口癖。スパロボで敵対時に本当に魂を使ってくる。